ハリポタ通の館(やかた)
ここではハリーポッター・シリーズに関する様々な情報や私の推測(妄想?)をお届けしています。毎週、日曜・月曜・水曜・木曜更新。最近更新する時間が微妙に遅くなり申し訳なく思っています。
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アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その1(19)(52回シリーズ)
味方を裏切ってハリーが今夜移動する事を死喰い人に教えたのはマンダンガス・フレッチャーなのか?それを最初に口にしたのはルーピンでした。でもそう言い切るのには逡巡する材料もあります。ビルはマンダンガスの事を庇いました。そんな面々に向かってハリーが言った事とは?(全3項目)

3-1.裏切り者はマンダンガス?
ビルは戸棚からファイア・ウィスキーを1本とグラスを取り出しました。そして杖を振ると12人の戦士に並々とウィスキーを満たしたグラスを送りました。ビルは13個のグラスを宙に浮かべて「マッド・アイに」と言いました。

ほぼ全員が「マッド・アイに」と唱和し飲み干しました。一呼吸遅れてハグリッドが唱和したからです。ファイア・ウィスキーはハリーの喉を焦がし焼けるような感覚が麻痺した感覚をも呼び覚まし現実に立ち戻らせたのでした。

「それじゃマンダンガスは行方をくらましたのか?」

ハリーは同時に何かしら勇気のようなものに火が点いたような気がしました。それはルーピンも同じだったようで一気にグラスを飲み干しこう言いました。すると周りの空気が激変し全員の目が緊張してルーピンに注がれました。

ルーピンにそのまま追及して欲しいという気持ちと答えを聞くのが少し恐ろしいという相反する気持ちが混じっているとハリーには思えました。ルーピンのこの発言に言葉を返したのはビルでした。ビルは一同にこう言いました。

「みんなが考えている事は判る。僕もここに戻る道々同じ事を疑った。何しろ連中はどうも我々を待ち伏せしていたようだったからね。しかしマンダンガスが裏切ったはずはない」

何故かと云うとビルは死喰い人の連中はハリーが7人になる事を知らなかった。だからこそ我々が現れた時には連中は混乱した。何とこの「7人のハリー・ポッター作戦」といういんちき戦法を提案したのはマンダンガスだった。

肝心なポイントを奴らに教えていなかったのはおかしい。ビルはダングが単純に恐怖に駆られただけだとそう言うのです。あいつは初めから来たくなかったのにマッド・アイが参加させた。逃げるのは当然だとビルは言うのです。

それは「例のあの人」つまりヴォルデモートが真っ先に追ったのはマッド・アイとマンダンガスだった。その事だけで誰でも動転するとビルは言いマンダンガスにも同情の余地があるとそう言って擁護してくれたというわけです。


3-2.信頼し合わないといけない
ヴォルデモートが真っ先に追ったのはマッド・アイとマンダンガスだった。ビルのこの発言を受けてトンクスがこう言いました。ヴォルデモートのその行動はマッド・アイが事前に予測をしていた通りの展開だったのだそうです。

「例のあの人はマッド・アイの読み通りに行動したわ。マッド・アイが言ったけどあの人は本物のハリーなら一番タフで熟練の闇祓いと一緒だと考えるだろうって」

だからマッド・アイを最初に追ってマンダンガスが正体を現わした後はキングズリーに切り替えたとトンクスは言うのです。するとここで切り込んで来たのがフラーでした。マッド・アイの読み通りだったのは確かにそうだろう。

でもそれでは自分たちが今夜ハリーを移動させる事が何故死喰い人たちが知っていたのかが説明がつかないとフラーは言うのです。フラーが言うには誰かがうっかり漏らしてしまった。だから死喰い人たちは今夜だと知っていた。

フラーは自分の説を言うと「異論があるのなら言ってご覧」と全員を睨みつけ無言で問いかけていました。しかし誰も反論しませんでした。フラーの説を聞いてハリーが脳裏に思い浮かべたのは実はハグリッドだったんですよね。

ハリーが「違う」と言うと全員が驚いてハリーを見ました。どうもファイア・ウィスキーのせいでハリーの声が大きくなっていたようです。フラーはハグリッドを疑っているようだ。そんな思いでハリーはこう言ったんでしょう。

誰かがミスを犯してそれでうっかり漏らしたのならきっとそんなつもりはなかったんだ。その人が悪いんじゃない。自分たちはお互いに信頼し合わないといけないんだ。自分はみんなを信じている。最後にハリーはこう言いました。

「この部屋にいる人は誰も僕の事をヴォルデモートに売ったりはしない」

ハリーがこう言うと再び全員が沈黙し一同の目がハリーに注がれていました。ハリーはまた高揚した気持ちになり「何かをせずにはいられない」とファイア・ウィスキーを少し飲みました。そしてマッド・アイの事を想いました。

マッド・アイは人を信用したがるダンブルドアの傾向をいつも痛烈に批判していた。だから自分がこんな事を言ったらマッド・アイはお前もダンブルドアと同じだと自分の事を痛烈に批判するのではとハリーは思ったんでしょう。

すると突然フレッドが「よくぞ言ったぜハリー」と言いジョージがフレッドを横目で見つつ「傾聴傾聴!傾耳傾耳!」と合いの手を入れました。信頼し合わないといけない。こう言ったハリーをルーピンは奇妙な表情で見ました。

哀れみとも取れる表情でした。ハリーがそんなルーピンに「僕がお人好しの馬鹿だと思っているんでしょう?」と訊くとルーピンは「いや君がジェームズに似ていると思ってね」とそう言った後にハリーにこう言ったんですよね。

「ジェームズは友を信じないのは不名誉極まりない事だと考えていた」

ハリーはルーピンの言おうとする事が判っていました。父親は友人のピーター・ペティグリューに裏切られていたのではという事です。ハリーは反論したかったのですがルーピンはハリーから顔を背けるとビルにこう言いました。

「やらなければならない事がある。私からキングズリーに頼んで手を貸して貰えるかどうかと」

するとビルが「いや僕がやります。僕が行きます」と即座に答えました。それを聞いてトンクスとフラーが同時に「どこに行くつもり?」と訊きました。トンクスとフラーの問いに対してルーピンはこう答えたというわけです。

「マッド・アイの亡骸だ。回収する必要がある」

3-3.騎士団の思いにハリーの思い
マッド・アイの亡骸の回収にビルが行くと言うので母親のウィーズリーおばさんは懇願するようにビルを見ると「その事は?」と言いビルがその後の言葉を引き取って「待てないかって?」と言うと続けてこう言ったのでした。

「いや。死喰い人たちに奪われたくはないでしょう?」

誰も何も言わずルーピンとビルは一同に挨拶をすると出て行きました。残った全員は力なく椅子に座り込みましたがハリーは立ったままでした。死は突然であり妥協がない。この場にいる全員がその死の存在を意識していました。

「僕も行かなければならない」とハリーが言うと誰もが驚愕の眼差しでハリーを見ました。するとおばさんが「そんな馬鹿な事を。一体どういうつもりなの?」と言いました。しかしハリーはさらにこうも言ったというわけです。

「僕はここにはいられない。僕がここにいる限りみんなが危険だ。僕はそんなこと」

ハリーのこの言葉を聞いておばさんは「馬鹿な事を言わないで!今夜の目的はあなたを無事にここに連れて来る事だったのよ」と言いました。そしてうれしい事に上手く行った。さらにフラーもまた妥協してくれたのだそうです。

フランスではなくここで結婚式を挙げる事を承知してくれたんだそうです。おばさんたちはみんながここに泊まってハリーを守れるように何もかも整えたそうです。しかしハリーの気持ちは収まらず前にも増して重くなりました。

「もしヴォルデモートがここに僕がいる事を嗅ぎつけたら」

ハリーのこの言葉におばさんが「でもどうしてそうなるって言うの?」と反論しました。さらにアーサー氏が今現在ハリーがいそうな安全な場所は「12ヵ所」もある。その中のどの家にハリーがいるのかあいつに判るはずがない。

こう説得するアーサー氏にハリーは「僕の事を心配してるんじゃない!」と反論をしました。つまりハリーは自分を守る事でここにいる騎士団の面々に危害が及ぶ事を恐れているんですよね。アーサー氏もそれを判っていました。

「判っているよ。しかし君が出て行けば今夜の私たちの努力は全く無意味になってしまうだろう」

だからアーサー氏はハリーにこう言ったのでした。

今日の最後に
マッド・アイ・ムーディの訃報に接しハリーは一同に「僕はここにはいられない。僕がここにいる限りみんなが危険だ」と言っていてさらに「もしヴォルデモートがここに僕がいる事を嗅ぎつけたら」とも言っているんですよね。

つまりハリーはとことんじれったいぐらいに律儀で自分の身の危険より他の人たちの身の安全を考えてしまう。この場に居合わせた不死鳥の騎士団の面々はハリーのこの発言でハリーはそういう人間なんだと知る事になりました。

この場に居合わせなかった人でも「ハリーはそういう人なんだ」という事を知る事となりました。それはハリーが自分の身の危険を省みず行動する事があったからというわけです。これがハリーへの信頼を確かなものにしました。

この事が後々利いてくる事になるんですよね。だからこそダンブルドアはハリーの正確な移動日をスネイプを通じてヴォルデモートと死喰い人に教えたのです。
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