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マッド・アイ・ムーディを失った衝撃が重く垂れ込める中ハリーは罪悪感と哀しみを和らげるには行動しかないとそう感じていました。ところがロンから母親のウィーズリーおばさんがダンブルドアがハリーに託したその使命を知ろうと躍起になっていると告げられて・・・(全3項目)

3-1.7月31日ではなく8月1日
マッド・アイ・ムーディを失った衝撃はそれから何日も「隠れ穴」の中に重く垂れ込めていました。ハリーはニュースを伝えに来る騎士団の面々に混じってマッド・アイがあの義足の音を響かせて入って来るような気がしました。

罪悪感と哀しみを和らげるには行動しかありません。分霊箱を探し出して破壊する使命のためにできるだけ早く出発しなければならないとハリーは感じていました。しかしロンはハリーが17才になるまではできないと言うのです。

何しろまだ「臭い」がついている。つまりハリーはまだ未成年で魔法を使うと魔法省に探知されてしまう。ヴォルデモートの配下の死喰い人で魔法省に勤めている連中はハリーを逮捕する機会を虎視眈々と狙っているんですよね。

それにここ「隠れ穴」でも計画は立てられるだろう。それにヴォルデモートの分霊箱がどこにあるのかもう判っているのかとロンに訊かれてもハリーは「いいや」と答えて分っていない事を認めるとロンはこう言ったのでした。

「ハーマイオニーがずっと何か調べていたと思うよ。君がここへ来るまでは黙ってるってハーマイオニーがそう言ってた」

ハリーとロンは朝食のテーブルで話していました。アーサー氏とビルは仕事に出かけウィーズリーおばさんはハーマイオニーとジニーを起こしに上の階に行きフラーは湯船に浸かるためにゆったりと出て行ったその後の事でした。

「臭いは31日に消える。という事は僕がここにいなければならないのは4日だ」

ハリーがこう言うとロンが「5日だよ」と訂正しました。それはハリー17才の誕生日つまりハリーが成人になって「臭い」が消える翌日の8月1日にはビルとフラーの結婚式が執り行なわれるので出席しなければならないからです。

抗議したそうなハリーの顔を見てロンが「たった1日増えるだけさ」と言いました。理由はヴォルデモートの分霊箱の事を知っているのはハリーにロンとハーマイオニーだけなので他の人たちは事の重要さが分っていないのです。

もちろん分っていない。あの人たちはこれっぽっちも知らない。こう言った後ロンはハリーに「話が出たついでに君に言っておきたい事があるんだ」と言い玄関ホールへの扉をちらりと見て母親がまだ戻らないのを確認しました。

そのロンの話とは?

3-2.ハリー対ウィーズリーおばさん
ロンはハリーのほうに顔を近づけてその話をしました。何でも母親のウィーズリーおばさんはロンやハーマイオニーからダンブルドアが自分たちに託した使命つまりヴォルデモートの分霊箱の事を聞き出そうと躍起になっている。

次はハリーの番だから覚悟しておけというわけです。父親のアーサー氏とルーピンも訊いて来たがハリーはダンブルドアから自分たち2人以外には話さないように言われていると説明したらもう訊いて来なくなったのだそうです。

でもおばさんは諦めていないそうです。ロンがそう言ったと思ったらハリーはそれから数時間も経たない内にその洗礼を受ける事になりました。昼食の少し前おばさんはハリーに頼み事があると言ってみんなから引き離しました。

ハリーのリュックサックから出て来たと思われる片方だけの男物の靴下がハリーの物かどうかを確かめて欲しいという理由でした。台所の隣にある小さな洗い場にハリーを追い詰めるとおばさんの追及が始まったというわけです。

「ロンとハーマイオニーはどうやらあなたたち3人ともホグワーツ校を退学すると考えているらしいのよ」

おばさんはこう言ってまずは何気ない調子から始めました。ハリーが「あー」と言い淀んだ後に「あの。ええ。そうです」と応えるとおばさんは「ねえ。どうして勉強を辞めてしまうのかしら?」とハリーに訊いて来たのでした。

ハリーは口ごもり時折言葉を途切れがちにしながら説明しました。ダンブルドアが自分にやるべき事を残した。ロンとハーマイオニーはその事を知っている。それで2人とも一緒に行きたいと言った。ハリーはこう説明しました。

するとおばさんは「やるべき事」とはどんな事なのと訊いて来ました。ハリーが「ごめんなさい」と謝ったその後に「言えない」と答えるとおばさんは「子を心配する親心の攻撃作戦」に打って出て来たというわけなんですよね。

率直に言ってアーサーと私は知る権利がある。それにハーマイオニーの両親グレンジャーご夫妻も知りたいとそうおっしゃるはずだとおばさんは言うのです。こう言えばおばさんはハリーが答えるだろうと思ったというわけです。

これにハリーは「他の誰にも知られないようにというのがダンブルドアの願いでした」と断固として答えました。さらに本来は自分1人がするべき事でロンもハーマイオニーも一緒に来る必要はない。それは2人が選ぶ事なんだ。

「あなただって行く必要はないわ!」

ハリーがそう答えるとおばさんは今や遠回しをかなぐり捨ててこう言いました。3人ともようやく成人に達したばかりなのよ。全くナンセンスだわ。ダンブルドアが何か仕事をさせる必要があるのなら騎士団全員が指揮下にいた。

おばさんはハリーが「自分1人でやらなくてはならない」と勝手に解釈しているだけだとそう主張するのです。それを聞いてハリーは再び断固として「誤解なんかしていません。僕でなければならない事なんです」と答えました。

するとおばさんは?

3-3.その時を境にして
「それにこれは僕のじゃないです。僕パドルミア・ユナイテッドのサポーターじゃありません」ハリーはおばさんが呼び出す口実に使った片方の靴下を渡しこう言いました。するとおばさんは再び何気ない口調でこう言いました。

「あらそうだったわね。私が気づくべきだったのにね。じゃあハリーあなたがまだここにいる間にビルとフラーの結婚式の準備を手伝って貰って構わないかしら?まだまだやる事が沢山残っているの」

何気ない口調への戻り方がかなり気になったのでハリーは逡巡しながらまたも言葉を途切れがちにして「いえ。あの。もちろん構いません」と答えました。おばさんは「助かるわ」と言うと微笑みながら洗い場を出て行きました。

その時を境におばさんはハリーにロンとハーマイオニーを結婚式の準備で大忙しにしてくれました。あまりに忙しくて何も考える時間がないほどです。善意に解釈すればマッド・アイや先日の移動の恐怖を忘れさせる配慮なんだ。

そう考える事もできます。しかし2日間休む間もなく数々の仕事をこなしているとハリーは「おばさんには別の意図があるのでは?」と考えるようになりました。ハリーにロンとハーマイオニーを別々にする計略というわけです。

「ママはね3人が一緒になって計画するのを阻止すればあなたたちの出発を遅らせる事ができるだろうって考えているんだわ」

3日目の夜一緒に夕食の食器をテーブルに並べながらジニーがハリーにこう囁きました。最初の晩ヴォルデモートがオリバンダー翁を拷問していた話をして以来ハリーがロンにハーマイオニーだけと話す機会はありませんでした。

「でもそれじゃおばさんはその後どうなると思っているんだろう?僕たちをここに足止めしてヴォローヴァン・パイなんか作らせている間に誰かがヴォルデモートの息の根を止めてくれるとでも言うのか?」

ハリーは深く考えもせずうっかり心の中をジニーに漏らしてしまいました。ジニーの顔は青ざめ「それじゃ本当なのね?あなたがしようとしている事はそれなのね?」と言って来ました。ハリーは冗談だと言ってごまかしました。

ここでハリーとジニーは見詰め合ったのでした。

今日の最後に
ダンブルドアはハリー5年生の学期末に魔法省でヴォルデモートと対決した際に「確かにお前の命を奪う事だけではわしは満足せんじゃろう」と言っています。その理由をダンブルドアは翌年度1年がかりでハリーに教えました。

今目の前にいるヴォルデモートを倒してもヴォルデモートは複数の分霊箱を作っているので真に滅ぼす事はできないというわけです。それならば何故ダンブルドアはその使命をハリーにロンとハーマイオニーだけに託したのか?

それはヴォルデモートを真に滅ぼすだけではなく他にも解決したい事があるからというわけです。そのためには現段階では不死鳥の騎士団の面々は知ってはならない。だからハリーたち3人だけに分霊箱の事を託したんですよね。
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