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ハリーにロンとハーマイオニーそれにジニーは結婚式の準備に忙殺されていたのでフラーの家族への不満を募らせていました。しかしデラクール一家は思いの他とても気持ちの良い協力的な客だという事が判りました。だからと言ってハリーたちが分霊箱の事を話し合う時間ができたというわけではなかったんですよね。(全3項目)

3-1.デラクール一家の来訪
ロンが何で結婚式の2日も前に来るのかと文句を言っていたデラクール夫妻は翌日の朝11時に「隠れ穴」に到着しました。ハリーにロンとハーマイオニーそれにジニーはそれまでに十分フラーの家族への不満を募らせていました。

ロンは左右揃った靴下に履き替えるのに足を踏み鳴らして上階に戻りましたしハリーも共に仏頂面でした。全員がきちんとした身じまいだと認められてから太陽の降り注ぐ裏庭に出て来るとデラクール夫妻が来るのを待ちました。

ハリーはこんなにきちんとした庭を見るのは初めてでした。いつもなら勝手口の階段のそばに散らばっている錆びた大鍋や古いゴム長は消え大きな鉢に植えられた真新しい「ブルブル震える木」が裏口の両側に1対立っています。

風もないのに葉がゆっくりと震え気持ちのいい漣のような効果を上げていました。鶏は鳥小屋に閉じ込められ裏庭は掃き清められ庭木は剪定され雑草も抜かれて全体にきりっとしていました。でもハリーは以前の庭が好きでした。

きちんとしているとむしろ侘しげに見えました。騎士団と魔法省が「隠れ穴」に安全対策の呪文を幾重にも施していました。あまりに多くてハリーは憶え切れなくなっていましたが直接に魔法で入り込めない事は判っていました。

そのためアーサー氏が「移動キー」で到着するはずのデラクール夫妻を近くの丘の上まで迎えに出ていました。客が近づいた事は異常に甲高い笑い声で判りました。その直後に門の外に現れた笑い声の主は何とアーサー氏でした。

荷物を沢山抱えたアーサー氏は美しいブロンドの女性を案内していました。若葉色の裾長のドレスを着た婦人はフラーの母親のようで姿を見たフラーが「ママン!」と叫び声を上げて駆け寄ると母親を抱き締めたというわけです。

フラーが「パパ!」と呼んだムッシュ・デラクールは魅力的な妻には到底及ばない容姿でした。奥方より頭1つ背が低く相当豊かな体格で先端が鋭く尖った黒く短い顎鬚を生やしていました。しかしどうやら好人物のようでした。

ムッシュ・デラクールは弾むようにウィーズリーおばさんに近づくとその両頬に交互に2回ずつキスをしておばさんを慌てさせました。そして深みのある声で大変な苦労をおかけしてなどと言っておばさんを絶賛したのでした。

そんなムッシュ・デラクールにおばさんは「いいえ。何でもありませんのよ。何でも!ちっとも苦労なんかじゃありませんわ!」と謙遜の言葉を返したというわけです。次にムッシュ・デラクールは家族の紹介を始めたのでした。

3-2.デラクール一家がやって来て
よく言うよ。こっちは苦労してるぜと言いたげにロンが真新しい鉢植えの陰から顔を覗かせた庭小人に蹴りを入れて鬱憤を晴らす中ムッシュ・デラクールは「奥さん!」と言ってにっこり笑いかけるとこう言ったというわけです。

「私たち両家が結ばれる日が近づいてとても光栄ですね。妻を紹介させてください。アポリーヌです」

紹介されたマダム・デラクールは進み出て身を屈め再びおばさんの頬にキスをしました。そして「アンシャンテ(初めまして)」と挨拶してあなたのハズバンドつまりアーサー氏がとても面白い話を聞かせてくれたと言いました。

それを聞いてアーサー氏は普通とは思えない笑い声を上げましたがおばさんが睨むとアーサー氏は静かになり病気の友人の枕許を見舞うのにふさわしい表情へと変りました。そして次にムッシュが紹介したのはフラーの妹でした。

もちろんお会いになった事がありますね。私のおちびちゃんですとムッシュがこう紹介した次女でフラーの妹のガブリエールは雑じり気のないプラチナ・ブロンドの髪を腰まで伸ばした11才でまさにフラーのミニチュア版でした。

おばさんに輝くような笑顔を見せて抱きつきハリーには睫毛をパチパチさせて燃えるような眼差しを送りました。それを見てジニーが大きな咳払いをしました。ムッシュが家族の紹介を終えるとおばさんがこう言ったのでした。

「さあどうぞお入りください!」

おばさんが朗らかにデラクール一家を招き入れました。そこでは「いえいえどうぞ!」と「どうぞお先に!」に「どうぞご遠慮なく!」が散々言い交わされて誰も家に入れないという状態が延々と続いたというわけなんですよね。

しかしデラクール一家はとても気持ちの良い協力的な客だという事がまもなく判明しました。何でも喜び結婚式の準備を手伝いたがりました。ムッシュはあらゆる物に「シャルマン(素晴らしい)」と連発をしてくれたんですよね。

マダムは家事に関する呪文に熟達していてオーブンをあっという間にきれいさっぱりと掃除してくれました。ガブリエールは何でもいいから手伝うと姉のフラーに従いて回って早口のフランス語でしゃべり続けていたのでした。

問題は「隠れ穴」がこれほどの大所帯には狭過ぎるという事でした。ウィーズリー夫妻は抗議するデラクール夫妻を説得して自分たちの寝室を提供し居間で寝る事になってカブリエールはフラーとパーシーの部屋に入りました。

花婿付添い人のチャーリーがルーマニアから帰って来るとビルと同じ部屋になる予定でした。ハリーにロンとハーマイオニーの3人が計画を練るチャンスは事実上なくなりました。もはや家の中で計画を立てるのは不可能でした。

「どっこいママったらまだ僕たちのことほっとかないつもりだぜ!」

ロンがこう言うと歯噛みしました。ハリーたち3人が庭で話し合おうとしたのはこれで二度目でしたが両腕に大ききな洗濯物の籠を抱えておばさんが登場し3人の協議の場はまたも挫折という事になってしまったというわけです。

3-3.そんなおばさんでも
「あらもう鶏に餌をやってくれたのね。良かった」おばさんは近づきながら3人にこう声をかけて来ました。おばさんは餌をやった鶏は鳥小屋に入れたほうがいいと言うと鳥小屋に寄りかかって3人に明日の予定を説明しました。

鶏は明日作業の人たちが結婚式用のテントを張りに来るので鳥小屋に入れたほうがいいのだそうです。ミラマンのマジック幕というとってもいいマントなんだそうです。ビルが作業の人を連れて来るので鶏はしまったほうがいい。

家の周りにこれほど安全呪文が張り巡らされていると結婚式の準備がどうしても複雑になる。おばさんがこう言うのを聞きハリーは申し訳なさそうに「すみません」と言いました。それを聞いておばさんはこう言葉を返しました。

「あら謝るなんて。そんな!そんなつもりで言ったんじゃないのよ。あのねあなたの安全のほうがもっと大事なの!実はねハリーあなたに聞こう聞こうと思っていたんだけど。お誕生日はどんな風にお祝いして欲しい?」

おばさんは続けて「17才は何と言っても大切な日ですものね」と言ったのでした。そんなおばさんにハリーは「面倒な事はしないでください」とそう言った後さらには結婚式の前の日なので普通の食事でいいとも言ったのでした。

「まあそう。あなたがそう言うならね。リーマスとトンクスを招待しようと思うけどいい?ハグリッドは?」

こう言うおばさんにハリーは「そうしていただけたらうれしいです。でもどうぞ面倒な事はしないでください」と言いました。ハリーが面倒な事はしないでくださいと繰り返し言うのでおばさんはハリーにこう言ったのでした。

「大丈夫。大丈夫よ。面倒なんかじゃありませんよ」

おばさんは探るような目で暫くハリーをじっと見つめやがて少し悲しげに微笑むと背筋を伸ばし歩いて行きました。ハリーは突然おばさんに迷惑をかけているばかりか苦しませている事に深い自責の念が湧き起るのを感じました。

今日の最後に
ハリーが「隠れ穴」に入った最初の夜にウィーズリーおばさんはフラーがフランスではなく「隠れ穴」で結婚式を挙げる事を承知したと言っています。それなら何故フラーは「隠れ穴」で結婚式をするのを承知したのでしょう?

私は妹のカブリエールとハリーを引き合わせるためだったとそう思います。是非ハリーにガブリエールの事を見初めて欲しい。そしてハリーとカブリエールが結婚という事になれば何て素敵な事なんでしょうとそう考えたのです。

フランスで結婚式をやればおそらくハリーは来ない。ハリーとカブリエールを引き合わせるためには「隠れ穴」で結婚式をやるしかないとフラーはそう考えたというわけです。フラーはハリーとジニーの事は知らなかったのです。

フラーがハリーに対して好意を寄せるようになったのは三大魔法学校対抗試合の「第2の課題」でハリーが自分の人質のその妹のカブリエールを助ける必要がなかったのにも関わらず助けてくれたからというわけなんですよね。

そしてハリーがその三校対抗試合の「第2の課題」をクリアできたのはダンブルドアが雇った屋敷しもべ妖精のドビーが図書室で寝ていたハリーを起こしてスネイプ個人の保管庫から盗んで来た「鰓昆布」をくれたからでした。
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