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ハリーがジニーの部屋に入るのは初めての事でした。しかしそれはハリーにとってもさらにはジニーにとってもほろ苦い思い出になってしまったようです。それは兄のロンにしてみれば別れると言っておきながら一体何なんだという事というわけです。その一方で夜の7時には・・・(全3項目)

3-1.初めてジニーの部屋に
ハリーは初めてジニーの部屋に入りました。狭いが明るい部屋でした。魔法界のバンド「妖女シスターズ」のポスターに魔女だけのクィディッチ・チームのキャプテンのグウェノグ・ジョーンズの写真が壁に貼られていました。

開いた窓の前に机があり窓からは果樹園が見えました。去年その果樹園でハリーがハーマイオニーと組んでロン・ジニー組と2人制クィディッチをした事がありました。そこには今結婚式用の乳白色のテントが張られていました。

ジニーはハリーの顔を見上げて深く息を吸い「17才おめでとう」と言いました。ハリーは「うん。ありがとう」と言葉を返しました。ジニーはハリーをじっと見つめたままでした。一方ハリーは見つめ返すのが辛いと思いました。

「あなたに何をあげたらいいか考えつかなかったの」

やがて口を開くとジニーはこう言いました。ハリーは「何にも要らないよ」と言いましたがジニーはハリーの言葉が聞こえなかったかのようにこう言いました。ジニーはジニーなりにきっと一生懸命考えたんだと私は思いますね。

「何が役に立つのか分らないの。大きな物は駄目だわ。だって持っていけないでしょうから」

ハリーはジニーを盗み見ました。泣いていませんでした。ジニーは素晴らしいものを沢山持っています。その1つが滅多にめそめそしない事です。6人の兄たちに鍛えられたに違いないとハリーは時々そう思ったというわけです。

「それで私考えついたの。私を思い出す何かをあなたに持っていって欲しいって。あなたが何をしに行くにしても出先でほらヴィーラなんかに出会った時に」

こう言うジニーにハリーは「デートの機会は正直言ってとても少ないと思う」と言いました。するとジニーは「私そういう希望の光を求めていたわ」と囁きました。そしてジニーはこれまでしたのとはまるで違うキスをしました。

ハリーもキスを返しました。ファイア・ウィスキーよりもよく効き何もかも忘れさせてくれる幸せな瞬間でした。ジニーこそこの世界で唯一の真実でした。片手をその背中に回し片手で甘い香りのする髪に触れジニーを感じる。

その時です。扉が勢いよく開いてハリーとジニーは飛び上がって離れました。入って来たのはロンでした。その後ろには息を少し切らしたハーマイオニーがいました。ロンは当てつけがましく「おっとごめんよ」と言いました。

そしてロンはハリーに・・・

3-2.裏庭でロンと
緊迫した沈黙が過ぎジニーが感情のこもらない小さな声で「えーとハリーとにかくお誕生日おめでとう」と言いました。一方ロンの耳は真っ赤でハーマイオニーは心配そうな顔です。2人の鼻先で扉をピシャリと閉めてやりたい。

ハリーはそう思いましたが扉が開いた時に冷たい風が吹き込んで来たかのように輝かしい瞬間は泡の如く弾けていました。ジニーとの関係を終わりにして近づかないようにしなければならないという理由の全てが忍び込んで来た。

ハリーはそんな気がしました。全てを忘れる幸せな時間は去ってしまいました。ハリーは何かを言いたくてジニーを見ましたが何を言いたいのかが分りませんでした。ジニーはハリーに背を向けました。この時だけは涙に負けた。

ハリーはそんな気がしましたがロンの前ではジニーを慰める事は何もできませんでした。ハリーはジニーに「また後でね」と告げるとロンとハーマイオニーに従いて部屋を出ました。ロンが先頭に立ち3人は裏庭に出て来ました。

「君はジニーを捨てたんだ。もてあそぶなんて今になってどういうつもりだ?」

振り向いてハリーを見るとロンはこう言いました。ハリーは「僕ジニーをもてあそんでなんかいない」と反論しましたがロンはようやく2人に追いついて何か言いかけたハーマイオニーを片手を挙げて黙らせるとこう言いました。

「君のほうから終わりにした時ジニーはずたずただったんだ」

ハリーは「僕だって。何故僕がそうしたか君には判っているはずだ。そうしたかったわけじゃないんだ」と再び反論しました。そんなハリーにロンは自分だってそんな事は判っているとばかりに「ああ」と応えたその上で・・・

「だけど今あいつとキスしたりすればまた希望を持ってしまうじゃないか」

こう言うロンにハリーはまた言い返しました。ジニーは馬鹿じゃない。そんな事が起こらないのは判っている。ジニーは期待していない。しかしハリーが「結婚するとか」とそう言った途端に頭に鮮烈なイメージが浮かびました。

ジニーが白いドレスを着て誰だか分らない背の高い顔のない不愉快な男と結婚する姿でした。想いが詰まった瞬間。ハリーははっと気づきました。ジニーの未来は自由で何の束縛もないが自分の前にはヴォルデモートしか見えない。

「これからも何だかんだとジニーに近づくっていうなら」こう言うロンにハリーは厳しい口調で「もう二度とあんな事は起こらないよ」と言いました。ロンは「それでいいか?」と言いつつ半分憤慨もう半分は弱気のようでした。

やがてロンが「それならいい。まあ。それで。うん」と言って2人の話は終わりました。その日ジニーは1日中決してハリーと2人きりで会おうとしませんでした。そればかりか今朝自分の部屋で起きた事をおくびにも出しません。

それでもハリーにとってはチャーリーの到着が救いになりました。ウィーズリーおばさんがチャーリーを無理やり椅子に座らせ脅すように杖を向けこれから髪の毛をきちんとしてあげると宣言するのを見ていると気が紛れました。

そしてディナーの時間を迎えました。

3-3.いよいよ7時になって
ハリーの誕生日のディナーには「隠れ穴」の台所は狭過ぎてチャーリーにルーピンとトンクスそれにハグリッドが来る前から既に目一杯という感じだったのでした。そこで庭にテーブルを一列に並べたというわけなんですよね。

フレッドとジョージが幾つもの紫色の提灯に「17」の数字を大きく入れ魔法をかけて招待客の頭上に浮かべました。ウィーズリーおばさんの看護のお陰でジョージの傷はきれいになってはいましたがハリーは直視できませんでした。

ハーマイオニーが杖先から出した紫と金のリボンは独りでに木や潅木の茂みを芸術的に飾りました。最後の派手な一振りで野生リンゴの木の葉を金色に染めた時でした。それを見てロンがハーマイオニーにこう言ったんですよね。

「素敵だ。こういう事にかけては君は凄くいい感覚してるよなぁ」

ハーマイオニーは「ありがとうロン!」と礼を言いながらうれしそうでしたが少々面食らったような様子でした。ハリーは横を向いて思わず1人笑いをしました。あの「確実に魔女を惹きつける12の法則」を思い出したからです。

あの本を開くと「お世辞の言い方」という章が見つかりそうな何となくそんな気がしたからです。ジニーとふと目が合ってハリーは笑みがこぼれましたがロンとの約束を思い出して慌ててムッシュ・デラクールに話しかけました。

「どいてちょうだい。どいてちょうだい!」

ウィーズリーおばさんが歌うようにこう言いながらビーチボールほどの巨大なスニッチを前に浮かべて裏庭から門を通って出て来ました。それがバースデーケーキだとハリーはすぐに気づいてテーブルの真ん中に収まると・・・

「凄い大傑作だウィーズリーおばさん」

ハリーはおばさんにこう言いました。おばさんは愛しげに「あら大した事じゃないのよ」と言いました。ロンはハリーに向かって両手の親指を上げ唇の動きで「今のはいいぞ」と言いました。7時には招待客全員が到着しました。

出迎えていたフレッドとジョージの案内で招待客は「隠れ穴」の境界内に入って来たというわけなんですよね。

今日の最後に
ハリーは2年生の時にその年度「闇の魔術に対する防衛術」の教師だったギルデロイ・ロックハートの主宰する「決闘クラブ」で蛇語を解し話せる事が明らかになり自分の組分けは間違っていたのかと思い悩むようになりました。

そんな悩みを解決してハリーが真のグリフィンドール生だと証明してくれたのがジニーでした。もちろんジニーが意図してそういう結果を導いたわけではなくルシウス・マルフォイ氏の策略に陥れられただけだったんですけどね。

一連のマグル襲撃事件が起きたのはジニーが「リドルの日記」をホグワーツに持ち込んだからでした。その事で「秘密の部屋」の怪物の毒蛇の王バジリスクが活動を再開する事となりました。しかしハリーがそれを倒したのです。

不死鳥のフォークスが持って来た「組分け帽子」からグリフィンドールの剣が出て来てハリーはその剣でバジリスクを退治して自分が真のグリフィンドール生だと証明し確信する事ができました。それだけではありませんでした。

ダンブルドアは「リドルの日記」というヴォルデモートが作った分霊箱の内の1つを手に入れる事ができ自分の推測は正しかったと確信する事ができました。ハリーは6年生の時にダンブルドアからその事を打ち明けられました。

そういう観点からジニー・ウィーズリーはダンブルドアにとって極めて重要な生徒だったというわけなんですよね。
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