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馬鹿な事を言わないで。あそこにはスネイプが入れるのよ!こう言うハーマイオニーをハリーは説得して結局3人はグリモールド・プレイス12番地に行く事になりました。確かにアーサー氏の言っていた通りでそこには2つの呪詛がかけられていました。ところがだったのです。(全3項目)

3-1.グリモールド・プレイス12番地に
グリモールド・プレイス12番地の最大にして唯一のアキレス腱はスネイプもまた数多くいる「秘密の守人」の1人という事です。それだからこそ不死鳥の騎士団も本部として使う事を止め「隠れ穴」がその代わりを果たしている。

しかしハリーはロンとハーマイオニーにこう言いました。アーサー氏があそこにはスネイプ除けの呪詛がかけてあると言っていた。それにその呪文が効かないとしてもそれがどうしたって言うんだ。スネイプに会えたら百年目だ。

ハーマイオニーが反論しかけるのをハリーは押し切りました。他にどこがある?残されたチャンスはあそこだよ。スネイプは死喰い人だとしてもたった1人だ。もし自分にまだ臭いがあるなら死喰い人が群れをなして追って来る。

ハーマイオニーは「できる事なら反論したい」という顔をしました。でもできませんでした。ハーマイオニーはカフェの鍵を外してロンは「灯消しライター」で明かりを元に戻しました。そしてハリーの合図で呪文を解きました。

ウェイトレスも2人の死喰い人もまだ眠そうにもぞもぞと動いている間にハリーたち3人はその場で「姿くらまし」してグリモールド・プレイス12番地に向かいました。そして数秒後には3人は見覚えのある広場に立っていました。

四方から老朽化した丈の高い建物群がハリーたちを見下ろしていました。ダンブルドアが「秘密の守人」だった時に既にもう教えられていたのでハリーたち3人はグリモールド・プレイス12番地の建物を見る事ができたのでした。

追跡されていないか見張られていないかを数歩毎に確かめながら3人は建物に向かって急ぎました。入口の石段を大急ぎで駆け上がりハリーが杖で玄関の扉を1回だけ叩きました。カチッカチッという金属音が何度か続きました。

次にカチャカチャ言う鎖の音が聞こえて扉がギーッと開きました。3人は急いで敷居を跨ぎました。こうしてハリーたち3人はかつては不死鳥の騎士団の本部だったロンドンのグリモールド・プレイス12番地に到着したのでした。

3-2.マッド・アイ・ムーディがかけた呪詛
ハリーが扉を閉めると旧式のガスランプが灯り玄関ホール全体に明かりを投げかけました。ハリーの記憶にある通りの場所で不気味で蜘蛛の巣だらけで壁にずらりと並んだ屋敷しもべ妖精の首が階段に奇妙な影を落としています。

黒く長いカーテンはシリウスの母親の肖像画を隠しています。トロールの足の傘立ては横倒しになっていました。それを指差しハーマイオニーが「誰かがここに来たみたい」と囁きロンがそれを聞いてこう囁き返したのでした。

「騎士団が出て行く時に引っくり返った可能性もあるぜ」

次にハリーが「それでスネイプ除けの呪詛ってどこにあるんだ?」と問いかけロンが「あいつが現れた時だけ作動するんじゃないのか?」と意見を述べました。それでも3人は中に入るのを恐れ玄関マットの上に立っていました。

「さあいつまでもここに立っているわけにはいかない」

こう言うとハリーは一歩踏み出しました。すると暗闇からマッド・アイ・ムーディの声が「セブルス・スネイプか?」と囁きかけて3人はギョッとして飛び退りハリーはかすれ声で「僕たちはスネイプじゃない!」と言いました。

その直後冷たい風のように何かがハリーの頭上を飛び勝手に舌が丸まりハリーはしゃべれなくなりました。しかし手を口の中に入れて調べる前に舌はほどけて元通りになりました。後の2人も同じ不快な感覚を味わったようです。

ロンは咽せ込みハーマイオニーは言葉を途切れがちにしながら「これはきっと舌もつれの呪いでマッド・アイがスネイプに仕掛けたのよ!」と言いました。ハリーが様子を見るよう慎重にもう一歩踏み出すと再び事が起りました。

ホールの奥の薄暗い所で何かが動き3人が一言も言う間を与えずに絨毯から埃っぽい色の恐ろしい姿が立ち上がりました。ハーマイオニーは悲鳴を上げ同時にカーテンが開いてブラック夫人つまりシリウスの母親も叫びました。

灰色の姿はするすると3人に近づきました。腰までの長い髪と顎鬚を後ろになびかせて段々速度を上げて近づいて来ます。げっそりと肉の落ちた顔に目玉のない落ち窪んだ目で見知った顔がぞっとするほど変わり果てていました。

違う!違う!僕たちじゃない!僕たちがあなたを殺害したんじゃない。ハリーはこう叫び杖を上げましたが何の呪文も思いつきませんでした。その姿は殺害するとそう言ったかと思うと破裂して後にはもうもうと埃が立ちました。

咽せ込んで涙目になりながらハリーがあたりを見回すとハーマイオニーは両腕で頭を抱えて扉の脇の床にしゃがみ込みロンは頭のてっぺんから爪先まで震えながらハーマイオニーの肩をぎこちなく叩いているという状態でした。

埃はガスランプの光を映してハリーの周りで霧のように渦巻いていました。ブラック夫人はまだ叫んでいました。ハリーは大声で「黙れ!」と言うと肖像画に杖を向けました。バーンという音と共に赤い火花が噴き出しました。

カーテンは閉じてブラック夫人は黙りました。

3-3.2階の客間へ
ロンに助け起されながら弱々しい泣き声を出すハーマイオニーにハリーは「そうだ。だけどあれは本物のあの人じゃない。そうだろう?単にスネイプを脅すための姿だよ」と言いました。そう言いながらハリーは思ったのでした。

そんな事で上手く行ったのだろうか?それともスネイプは本物のダンブルドアを殺害したのと同じ気軽さであのぞっとするような姿を吹き飛ばしてしまったのだろうか?ハリーは神経を張り詰めたままで半ば身構えて歩きました。

他にも恐ろしい物が姿を現すかもしれないとそう思ったからです。しかしちょろちょろと走るネズミ1匹以外に動く物は何もありませんでした。するとハーマイオニーが「先に進む前に調べたほうがいいと思うわ」と言いました。

小声でそう言った後ハーマイオニーは杖を上げて「ホメナムレベリオ」と唱えました。でも何事も起らないのでロンが「まあ君はたった今凄いショックを受けたばかりだしな」と思いやりのある言い方をした後にこう訊きました。

「今のは何の呪文のつもりだったの?」

こう言われてハーマイオニーは相当に気を悪くしたようで「呪文はちゃんと効いたわ!」と言いました。何でもこれは人がいれば姿を現す呪文なんだそうです。自分たち以外には人がいないので何事も起らなかったのだそうです。

そう聞いてロンは「それと埃爺さんだけだな」と言い死人の姿が立ち上がった絨毯のあたりをちらりと見たのでした。ハーマイオニーは同じ場所を怯えたように見ると「行きましょう」と言い今度は先に立って階段を上りました。

3人は2階の客間に入りました。ハーマイオニーは杖を振ってガスランプを灯し隙間風の入る部屋で少し震えながら両腕で自分の体をしっかり抱くようにしてソファに腰掛けました。ロンは窓際まで行きカーテンを少し開けました。

「外には何も見えない。もしハリーがまだ臭いをつけているなら奴らがここまで追って来ているはずだと思う。この家に連中が入れない事は判っているけど」

ロンが2人にこう報告しました。ロンは追っ手が来ているかどうかを確かめるためにカーテンを少しだけ開け外を見たのです。これで「ハリーにまだ臭いがついているのでは?」という疑念は払拭されたというわけなんですよね。

今日の最後に
ダンブルドアの死後グリモールド・プレイス12番地は20人もの人間が「秘密の守人」になり「忠誠の術」はかなり弱められる事となってしまいました。しかもその「20人」の中にはセブルス・スネイプまでもが含まれていました。

そのため本部としては使われなくなり代わりに「隠れ穴」が本部の機能を果たす事になりました。でも私はダンブルドアが遺言で指示をすれば12番地の「秘密の守人」の人数と人物は20人ではなくもっと絞り込めたと思いますね。

つまりはハリーたち3人に使わせるためにそうしたんだと私は思いますね。
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