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ハリーたち3人はグリモールド・プレイス12番地に入りましたが追っ手が来ていないので「ハリーにまだ臭いがついているのでは?」という疑念は払拭しました。ところが「隠れ穴」に入った夜と同様にハリーの額の傷痕が激しく痛みました。ヴォルデモートが怒りを爆発させていたからでした。(全3項目)

3-1.またも額の傷痕が
2階の客間の窓から外を見て追っ手が来ていない事を確認してロンはそれをハリーとハーマイオニーに報告しましたがハリーが叫び声を上げているのを見て「どうした?」と訊きました。額の傷痕が激しく痛んでいたからです。

水に反射する眩い光のようにハリーの心に何かが閃き傷痕が焼けるように痛みました。大きな影が見え自分のものではない激しい怒りが電気ショックのように鋭くハリーの体を貫きました。ロンが近寄って来るとこう訊きました。

「何を見たんだ?あいつが僕の家にいたのか?」

この問いにハリーは「違う。怒りを感じただけだ。あいつは心から怒っている」と答えました。するとロンは声を大きくしてヴォルデモートが怒っている場所は「隠れ穴」じゃないかと訊いた後こうも訊いて来たというわけです。

「他には?何か見なかったのか?あいつが誰かに呪いをかけていなかったか?」

ハリーは「違う。怒りを感じただけだ」と同じ答えを繰り返した後に「後は分らないんだ」と言いながらしつこいと感じ頭が混乱しました。その上ハーマイオニーのギョッとした声にも追い打ちをかけられる事になったのでした。

「また傷痕なの?一体どうしたって言うの?その結びつきはもう閉じられたと思ったのに!」

こう言うハーマイオニーにハリーは「そうだよ。暫くはね」と呟いた後に自分の考えではあいつつまりはヴォルデモートが自制できなくなるとまた開くようになった。以前もそうだったと答えました。この1年間は自制していた。

ハリーにそう言われてハーマイオニーは?

3-2.痛みを堪えながら
すると今度はハーマイオニーは金切り声で「だけどそれならあなた心を閉じなければ!」と言うと続けてハリーにダンブルドアはその結びつきを使う事を望まなかった。ハリーにはそれを閉じて欲しかったのよと訴えたのでした。

「閉心術」を使うのはそのためだった。そうしないとヴォルデモートはあなたに嘘のイメージを植え付ける事ができるのよ。覚えているでしょう。ハーマイオニーがそう言おうとするのを途中で遮りハリーはこう言ったのでした。

「ああ覚えてるよ。わざわざどうも」

こう言うとハリーは歯を食い縛りました。ハーマイオニーに言われるまでもない。ヴォルデモートがまさにこの2人の間の結びつきを利用してかつてハリーを罠にかけた。その結果シリウスが死んでしまった事も覚えています。

ハリーは自分が見た事や感じた事を2人に言わなければよかったとそう思いました。話題にする事でまるでヴォルデモートがこの部屋の窓に張りついているかのようにその脅威がより身近なものに感じられてしまったからでした。

傷痕の痛みはますます激しくなりハリーは吐きたい衝動を堪えるような思いでその痛みと闘いました。ハリーは壁に掛けられたブラック家の家系図を見るふりをしてロンとハーマイオニーに背を向けました。その時の事でした。

ハーマイオニーが鋭い悲鳴を上げました。ハリーは杖を抜いて振り返りました。するとちょうど客間の窓を通り抜けて銀色の守護霊が飛び込んで来る所でした。3人の前で着地しイタチの姿になるとアーサー氏の声で話しました。

「家族は無事。返事をよこすな。我々は見張られている」

こう言うと守護霊は雲散霧消しました。ロンは悲鳴とも呻きともつかない音を出しソファに座り込みました。ハーマイオニーも座ってロンの腕をしっかり掴みました。そしてウィーズリー家の人たちが無事と知りこう囁きました。

「みんな無事なの。みんな無事なのよ!」

ロンは半分笑いながらハーマイオニーを抱き締めました。ハーマイオニーの肩越しに気まずそうに声をかけて来たロンにハリーは頭痛で吐きそうになりながら「いいんだよ」とそう言った後にロンに向かってこう言ったのでした。

「君の家族じゃないか。心配して当然だ。僕だってきっと君と同じ気持ちになると思う。僕だって本当に君と同じ気持ちだよ」

こう言いながらハリーはジニーの事を思いました。その一方で傷痕の痛みは最高に達し「隠れ穴」の庭で感じたのと同じ焼けるような痛みでした。もはやそばにいるハーマイオニーの声が微かに聞こえるというそんな状態でした。

「私1人になりたくないわ。持って来た寝袋で今夜はここで一緒に寝てもいいかしら?」

ロンが承諾する声が聞こえました。ハリーはこれ以上痛みに耐えられなくなりついに降参しました。ハリーは小声で「トイレに行く」と告げて走りたいのを堪えて足早に客間を出ました。ようやく間に合ったという有り様でした。

3-3.またしてもハリーを逃がして
震える手でバスルームの内側から閂を掛け割れるように痛む頭を抱えハリーは床に倒れました。すると苦痛が爆発しハリーは自分のものではない怒りが心に入り込むのを感じました。そこは暖炉の明かりだけの細長い部屋でした。

大柄なブロンドの死喰い人が床で身悶えして叫び声を上げていました。それを見下ろして杖を突き出したか細い姿つまりヴォルデモートがそこに立っていました。ハリーは甲高く冷たい情け容赦のない声でしゃべったのでした。

「まだまだだロウル。それともこれでお終いにしてお前をナギニの餌にしてくれようか?」

さらにヴォルデモートは「今回は許さぬかもしれぬぞ。ハリー・ポッターにまたしても逃げられたと言うために俺様を呼び戻したのか?」と言った後にどうやら近くにドラコ・マルフォイがいるらしくこう言ったというわけです。

「ドラコ。ロウルに我々の不興をもう一度思い知らせてやれ。さあやるのだ。さもなければ俺様の怒りをお前に思い知らせてくれるわ!」

暖炉の薪が1本崩れ炎が燃え上がりました。その明かりが怯えて蒼白なドラコ・マルフォイの顔をさっと横切りました。深い水の底から浮かび上がる時のようにハリーは大きく息を吸い目を開け初めて自分の状態を知りました。

ハリーは冷たい黒い大理石の床に大の字に倒れていました。鼻先に蛇の尾の形をした大きなバスタブを支える銀の脚の1本が見えました。上体を起こすとやつれて硬直したマルフォイの顔がハリーの目の中に焼きついていました。

今しがた見たドラコがヴォルデモートにどう使われているのかを示す光景にハリーは思わず吐き気を催しました。扉を鋭く叩く音でハリーは飛び上がりました。扉をノックしたのはハーマイオニーでこう言う声が響きました。

「ハリー歯ブラシは要る?ここにあるんだけど」

何気ない声を出そうと奮闘しながらハリーは「ああ助かるよ。ありがとう」と応えてハーマイオニーを中に入れるために立ち上がったのでした。ヴォルデモートはまたしてもハリーを逃がしたその怒りで猛り狂っていたのでした。

今日の最後に
この1年間ハリーの額の傷痕は全く痛みませんでした。ほぼ1年前ダンブルドアが「付き添い姿くらまし」でハリーをプリベット通り4番地から「隠れ穴」に送り届ける時に額の傷痕が痛まない理由をこう説明しているんですよね。

「どうやら君に対して閉心術を使っているようじゃな」

こう言われハリーは「なら僕は文句ありません」と応えています。当サイトでこれを言うのは実は過去にもあるのですがヴォルデモートがハリーに対し心を閉じたのはドラコ・マルフォイによるあの計画を知られないためでした。

それはアルバス・ダンブルドア殺害計画というわけです。目的は達成したので心を閉じる必要はなくなった。そういう事なんですよね。
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