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全てを知ってハリーはむしろクリーチャーが分らなくなりました。それはクリーチャーが自分を殺害しようとしたヴォルデモートを助けるという相反する行動を取っていた事が判ったからです。しかしそんなハリーにハーマイオニーの言葉が重く響きました。そしてハリーはクリーチャーに・・・(全3項目)

3-1.全てを知って
クリーチャーは震え喘ぎながら床に倒れていました。青ざめた額には今打ちつけた所にもう痣が広がっていました。そして腫れ上がって血走った眼には涙が溢れています。ハリーはこんなに哀れなものを見た事がありませんでした。

「それでお前はロケットを家に持ち帰った。そして破壊しようとしたわけか?」

しかしハリーは話の全貌を知ろうと固く心に決めていたので容赦なくこう訊きました。この問いに対しクリーチャーは「クリーチャーが何をしても傷1つつけられませんでした」と答えました。破壊する事はできなかったのです。

クリーチャーは知っている事は全部やってみたんだそうです。でもどれも上手く行かなかったのだそうです。外側のケースには強力な呪文があまりに沢山かかっていて破壊する方法は中に入る事に違いないとそう思ったそうです。

しかしどうしても開かない。そのためクリーチャーは自分を罰した。開けようとしてまた罰し罰してまた開けようとした。でもクリーチャーは命令に従う事ができなかった。クリーチャーはロケットを破壊できなかったそうです。

そして奥様はレギュラス坊ちゃまが消えてしまったので狂わんばかりの悲しみようだったのだそうです。にも関わらずクリーチャーは何があったのかを奥様に話せなかった。レギュラスに話すなとそう命じられていたからでした。

クリーチャーは啜り泣きが激しくなり言葉が言葉として繋がらなくなっていました。クリーチャーを見ているハーマイオニーの頬にも涙が流れ落ちていました。しかし敢えてまたクリーチャーに触れようとはしていませんでした。

クリーチャーが好きではないロンでさえも「いたたまれない」という面持ちでした。ハリーは座り込んだまま顔を上げると頭を振ってすっきりさせようとしました。全てを知ってむしろクリーチャーが分らなくなったのでした。

3-2.クリーチャーの相反する行動について
「クリーチャー僕にはお前が分らない」暫くしてハリーはこう言いました。ヴォルデモートはお前を殺害しようとしたしレギュラスはヴォルデモートを倒そうとして死んだ。それなのにお前はシリウスをヴォルデモートに売った。

クリーチャーは愛しのレギュラス様がヴォルデモートを倒そうとしていたのにナルシッサ・マルフォイ夫人やベラトリックス・レストレンジの所に行って自分を殺害しようとしたヴォルデモートの手助けをしていたんですよね。

つまり全く相反する行動を取っていたというわけです。だから自分はクリーチャーの事が分らなくなった。こう言うハリーにハーマイオニーは「クリーチャーはそんな風には考えないわ」と言いさらにこう言ったというわけです。

「クリーチャーは奴隷なのよ。屋敷しもべ妖精は不当な扱いにも残酷な扱いにさえも慣れているの。ヴォルデモートがクリーチャーにした事は普通の扱いと大した違いはないわ」

さらにハーマイオニーはクリーチャーのような屋敷しもべ妖精にとって魔法使いの争いなんて何の意味もない。クリーチャーはブラック夫人がそうだったように親切にしてくれた人に忠実でその人たちの信条を真似たに過ぎない。

そしてレギュラスは間違いなくそうだった。ハリーの言う事は自分も理解できるとハーマイオニーは言ったのでした。でもクリーチャーは親切にしてくれる全ての人に忠実だからそのような相反する行動が取れるというわけです。

でもやはりそれはおかしい。ハリーがそう思って抗議しかけるのをハーマイオニーは遮りこう言いました。レギュラスは考えが変わった。しかしそれをクリーチャーに説明したとは思えない。自分には何故か判るような気がする。

クリーチャーもレギュラスの家族の全員も昔からの純血のやり方を守っていたほうが安全だった。レギュラスは全員を守ろうとしたんだとハーマイオニーはそう言うのです。その一方でシリウスはクリーチャーに対して酷かった。

クリーチャーはシリウスがここに来て住み始めるまでは長い間1人だけだった。おそらくちょっとした愛情にも飢えていたに違いないとハーマイオニーは言うのです。ナルシッサもベラトリックスも完璧に優しくしたんだろう。

だからクリーチャーは2人のために役に立ちたいと思って2人が知りたかった事を全て話したんだとハーマイオニーはそう言うのです。屋敷しもべ妖精にひどい扱いをしたからシリウスもヴォルデモートもその報いを受けたんだ。

ハーマイオニーにこう言われてハリーは何も言い返す事ができませんでした。クリーチャーが床で啜り泣きをしている姿を見ているとダンブルドアがシリウスの死後何時間と経たない内に自分に言った言葉が思い出されました。

「クリーチャーが人間と同じように鋭い感情を持つ生き物だとみなした事がなかったのじゃろう」

3-3.ハリーの頼みに似た命令
暫くしてハリーは遠慮がちにクリーチャーに気が済んだら座ってくれないかなと声を掛けました。クリーチャーは数分経ってようやくしゃくり上げながらも泣くのを辞めました。そして起き上がると床に座り拳で眼を拭いました。

「クリーチャー。君に頼みたい事があるんだ」

こう言うとハリーはハーマイオニーをちらりと見て助けを求めました。親切に命令したかったが同時にそれが命令ではないような言い方はできませんでした。しかし口調が変った事でハーマイオニーは受け入れてくれたようです。

ハーマイオニーは「その調子よ」と言いたげに微笑みました。そこでハリーはクリーチャーにお願いだからマンダンガス・フレッチャーを探して来てくれないかと言いました。ロケットがどこにあるのかを見つけないといけない。

レギュラス様のロケットのある場所だよ。とても大切な事なんだ。レギュラス様のやりかけた仕事を自分たちがやり終えたいんだ。自分たちはレギュラス様の死が無駄にならないようにしたいんだ。そう聞いてクリーチャーは?

クリーチャーは涙を拭っていた拳をバタッと下ろしハリーを見上げて「マンダンガス・フレッチャーを見つける?」と言いました。そしてハリーがこう言うとクリーチャーは俄然やる気が出たらしく頷いて立ち上がったのでした。

「そしてあいつをここへグリモールド・プレイスへ連れて来てくれ。僕たちのためにやってくれるかい?」

そんなクリーチャーを見てハリーは突然閃きました。17才の誕生日にハグリッドから貰ったモークトカゲの巾着袋から偽の分霊箱を取り出して来てクリーチャーの手に押しつけました。そしてクリーチャーにこう言ったのでした。

「クリーチャー。僕。あの。君にこれを受け取って欲しいんだ。これはレギュラスの物だった。あの人はきっとこれを君にあげたいと思うだろう。君がした事への感謝の証に」

ロンが「おいちょっとやり過ぎだぜ」と言いました。クリーチャーはロケットを一目見るなり衝撃と悲しみで大声を上げるとまたもや床に突っ伏してしまいました。そんなクリーチャーをなだめるのに優に半時間はかかりました。

ブラック家の家宝を自分の物として贈られ感激に打ちのめされたクリーチャーはきちんと立ち上がれないほど膝が抜けてしまいました。ようやく数歩ふらふらと歩けるようになると3人は納戸までクリーチャーに付き添いました。

そしてクリーチャーが汚らしい毛布にロケットを後生大事に包み込むのを見守りました。クリーチャーの留守中はロケットを守る事を3人の最優先事項にすると固く約束しクリーチャーはロンとハリーに深々とお辞儀をしました。

そして何とハーマイオニーにもぎこちない挨拶をしました。恭しく敬礼しようとしたのかもしれません。その後でクリーチャーはパチンと大きな音を立ててマンダンガス・フレッチャーを探しに「姿くらまし」をしたのでした。

最後に
先回の記事でも言ったようにダンブルドアは会った時に開心術でクリーチャーの心を見通していたのでクリーチャーがヴォルデモートとレギュラスの2人と一緒に海辺の洞穴に行き分霊箱を偽物に取り替えていた事を知っていた。

分霊箱のロケットが偽物だと承知の上でハリーを連れてあの洞窟に行った。ダンブルドアが死んだ直後にハリーは分霊箱が偽物だったと知り「ダンブルドアは無駄にあの恐ろしい毒を飲み自らを弱めた」とそう思ったんですよね。

でもそれはご覧の通りで決して無駄ではなかったというわけです。さて!こうして「52回・13週間」に渡ってお届けして来た第7巻「死の秘宝」のアルバス・ダンブルドアなんですが問題は「その2」をいつやるのかという事です。

でも改めて考えてみると年内は「その2」を挟み込む隙間がないんですよね。なので多分来年の同時期になってしまうと思います。
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