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7時のテレビニュースが終わってからダーズリー夫妻と押し問答をしていたハリーでしたがそれを途中で打ち切るとハリーはプリベット通り4番地を出てぶらぶら歩き始めました。そして公園で物思いに耽っているとそこにダドリー軍団が歩いて来るのが見えて来て・・・(全3項目)

3-1.ぶらぶら歩いて公園へ
ハリーは角を曲がりマグノリア・クレセント通りの小道に向かいました。ハリーが物心ついて初めて名付け親のシリウスと会ったのはそのガレージの所でした。少なくともシリウスだけはハリーの気持ちを理解しているようです。

「君はきっとイライラしている事だろう。おとなしくしていなさい。そうすれば全て大丈夫だ。気をつけるんだ。無茶するなよ」

もちろんこのようにシリウスの手紙にもロンとハーマイオニーのと同じくちゃんとしたニュースは何も書かれてはいません。しかし思わせぶりなヒントではなく少なくとも警戒しろとか慰めの言葉が綴られているというわけです。

マグノリア・クレセント通りを横切ってマグノリア通りへと曲がり暗闇の迫る公園へと向かいながらハリーは「そうだなあ」と思いました。夏休みに入ってからハリーはこれまでは大抵はシリウスの忠告通りに振舞って来ました。

少なくとも箒にトランクを括りつけて自分勝手に「隠れ穴」に出かけたいなどという誘惑に負ける事はありませんでした。1ヵ月以上もプリベット通りに釘づけにされて花壇に隠れるような真似までしてこんなにも苛立っている。

それもヴォルデモートの動きの手がかりを掴みたい一心なのです。それなのに自分の態度は実際上出来だとハリーは思いました。しかしそもそもシリウスに「無茶するなよ」と諭されるなんて全く理不尽だとハリーは思いました。

何せシリウスは魔法使いの監獄のアズカバンに12年間も入れられた挙句にそもそも投獄されるきっかけになった未遂の殺人をやり遂げようとして加えて盗んだヒッポグリフに乗って再び逃亡したという経歴の持ち主なんですよね。

ハリーは鍵の掛かった公園の入口を飛び越え乾き切った芝生を歩き始めました。周囲の通りと同様にこの公園にも人の気配はありません。ハリーはブランコに近づきダドリー一味が唯一壊さなかったブランコに腰掛けたのでした。

そしてぼんやりと地面を見詰めながら「明日からはどうやってテレビのニュースを聞こうか?」と考えに耽ったのでした。バーノン叔父さんに見つかってしまったので花壇に隠れて聞くという方法はもはや通用しないんですよね。

3-2.公園で想いに耽っていると
それまでは期待して待つような事は何もない。また落ち着かない苦しい夜が待ち受けているだけだ。セドリックの悪夢から逃れてもハリーは別の不安な夢を見ていました。長くて暗い廊下がありその先はいつも行き止まりでした。

そこには鍵の掛かった扉があるのです。目覚めている時の閉塞感と関係があるのだろうとハリーは思いました。額の傷が頻繁に刺すように嫌な感じで痛みましたがロンにハーマイオニーとシリウスは関心を示してくれないだろう。

これまでの傷痕の痛みはヴォルデモートの力が再び強くなって来た事を警告していました。しかしヴォルデモートは復活しました。だからそれは当然予想される事だ。心配するな。今に始まった事じゃないとみんなは言うだろう。

何もかもが理不尽だという怒りが込み上げて来てハリーは叫びたい思いでした。自分がいなければ誰もヴォルデモートの復活を知らなかった!それなのにそのご褒美はリトル・ウィンジングに1ヵ月以上も釘づけというわけです。

魔法界とは完全に切り離され枯れかかったベゴニアの中に座り込むような真似までして聞いたニュースがセキセイインコの水上スキーだ!ダンブルドアはどうしてそう簡単に自分の事が忘れられるんだとハリーはそう思いました。

自分を呼びもしないでどうしてロンとハーマイオニーだけが一緒にいられるんだ?シリウスがおとなしくいい子にしていろと諭すのをあとどのくらい我慢して聞いていればいいんだ?ハリーが腹を立てる材料は幾つもありました。

間抜けな「日刊予言者新聞」にヴォルデモートが復活したと投書をしてやりたい衝動をあとどのくらい抑えていればいいんだ?あれやこれやの激しい憤りがハリーの頭の中で渦巻いて内臓が怒りで捻れたというわけなんですよね。

人の声がしてハリーは想いから醒め目を上げました。何故その声がハリーを想いから醒めさせたのか?その理由は大声で下品な歌を歌っているその男を知っていたからです。それはハリーのいとこのダドリー・ダーズリーでした。

忠実な軍団を従えて家に帰る途中でした。ダドリーは相変わらず巨大でしたが新たにある能力が発見された事で体格が鍛えられ相当変化していました。バーノン叔父さんは聞いてくれる人には誰にもおかまいなしに自慢しました。

ダドリーは最近「英国南東部中等学校ボクシング・ジュニアヘビー級チャンピオン」になったのだそうです。小学校の時ハリーはダドリーの最初のサンドバック役でした。その時に既にもうダドリーは物凄かったというわけです。

そのダドリーは叔父さんが「高貴なスポーツ」と呼ぶボクシングのお陰で一層物凄くなっていました。ハリーはもはやダドリーなど全く怖くないと思っていましたがダドリーがより強力で正確なパンチを覚えたのは喜ばしくない。

そう思わずにはいられませんでした。このあたり一帯の子供たちはダドリーを怖がっていました。ハリーはダドリーを見つめながら「今夜は誰を殴って来たのだろう?」と思いました。そして同時にこうも思っていたんですよね。

「こっちを見ろよ。ほーらこっちを見るんだ。僕はたった1人でここにいる。さあやってみろよ」

自分がここにいるのをダドリーの取り巻きが見つけたら間違いなく一直線にこっちにやって来る。そしたらダドリーはどうする?軍団の前でメンツを失いたくはないが自分を挑発するのは怖いはずだ。それが愉快というわけです。

からかわれてもジレンマに陥って反撃できないダドリーを見るのは愉快だろうな。ダドリー以外の誰かが殴りかかって来たらこっちの準備はできている。杖がある。自分の人生を惨めにした奴らを鬱憤晴らしの捌け口にしてやる。

しかし誰も振り向きません。ハリーを見もせずに行ってしまいました。ハリーは後ろから呼び止めたい衝動を抑えました。こっちから喧嘩を吹っかけるのは利口なやり方ではないとそう思ったからです。魔法を使ってはいけない。

さもないとまた退学の危険を冒す事になるからです。

3-3.ダドリー軍団がいなくなるのを待って
ダドリー軍団の声が遠退きマグノリア通りのほうへ姿を消すとハリーはぼんやりと「ほうらねシリウス。全然無茶してない。おとなしくしているよ。シリウスがやった事とまるで正反対だ」とそう考えたというわけなんですよね。

ハリーは立ち上がって伸びをすると公園の出口に向かいました。ダーズリー夫妻はダドリーが帰って来た時が正しい帰宅時間でそれ以降が遅刻だとそう思っているようでした。今度ダドリーよりも遅くなったら納屋に閉じ込める。

そう言ってハリーを脅していました。ハリーは夜のリトル・ウィンジングのほうが好きでした。カーテンの掛かった窓たちが暗闇の中で点々と宝石のように輝いている。昼間にハリーが家の前を通り過ぎると聞こえるあれもない。

それは四角四面の大物ぶった住人たちがハリーの非行少年風の格好をブツブツと非難する声というわけです。ハリーは急ぎ足で歩きました。するとマグノリア通りの中ほどで別れを言い合っているダドリー軍団が見えて来ました。

「いい右フックだったぜ。ビッグD」とピアーズが言うとダドリーが「また明日同じ時間だな?」と言っていました。するとゴードンが「俺んとこでな。親父たちは出かけるし」と応えてダドリーが「じゃまたな」と言いました。

ハリーは軍団が全員いなくなるまで待ってから再び歩き出しました。ハリーは角を曲がってマグノリア・クレセント通りに入りました。急ぎ足で歩くと鼻歌を歌いながら気ままにぶらぶらと歩くダドリーにすぐに追いつきました。

「おいビッグD!」

ハリーがこう声をかけるとダドリーは振り返って唸るように「何だお前か」と言いました。そこでハリーが「ところでいつからビッグDになったんだい?」と訊くとダドリーは「黙れ」と言うと歯噛みをして顔を背けたのでした。

ハリーは「かっこいい名前だ」と言うとニヤニヤしながらダドリーと並んで歩いたのでした。

今日の最後に
君はきっとイライラしている事だろう。おとなしくしていなさい。そうすれば全て大丈夫だ。気をつけるんだ。無茶するなよ。シリウスだけはハリーの苛立つ気持ちを理解してくれているようで手紙にこう綴って来てくれました。

何故ならシリウスもまたハリーと同様に苛立っているからというわけですよね。シリウスもおそらくはダンブルドアに対して「いつになったらハリーをここに呼び寄せるんだ?」とそう思って怒りを募らせているというわけです。

ハリーは「隠れ穴」だと思っていますが実はロンとハーマイオニーにシリウスはそれとは違う同じ所にいるんですよね。ロンとハーマイオニーが来たのだからハリーもすぐに来るとそう思っていたのにちっとも来ないじゃないか。

シリウスはそう思って苛立っているというわけです。シリウスも1日も早くハリーに会いたいとそう思っているからなんですよね。
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