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ダドリーに呪いをかけてやりたい!そう思っていたハリーだったのですがハリーのそんな憎しみの思いなど吹き飛ぶような出来事が起きてしまいました。ここリトル・ウィンジングに現れるはずのないおぞましい生き物がハリーとダドリーに襲いかかって来たのでした。(全3項目)

3-1.あの音が聞こえて来た!
ハリーは何か見える物はないかと思ってあっちこっちに首を回しました。しかし暗闇はまるで無重力のベールのようにハリーの目を塞いでいました。すると恐怖に駆られたダドリーの声がハリーの耳に飛び込んで来たのでした。

「な、何をするつもりだ?や、辞めろ!」
「僕は何もしていないぞ!黙っていろ。動くな!」
「み、見えない!僕。め、目が見えなくなった!僕」
「黙ってろって言ったろう!」

ハリーは見えない目を左右に走らせ身じろぎもせずに立っていました。激しい冷気で体中が震え腕には鳥肌が立ち首の後ろの髪は逆立っていました。ハリーはできるだけ大きく目を開け周囲に目を凝らしましたが何も見えません。

そんな事は不可能だ。あいつらがまさかここリトル・ウィンジングにいるはずなどない。そう思いながらもハリーは耳をそばだてました。あいつらなら目に見えるよりも先に音が聞こえるはずだとハリーはそう思ったからでした。

「パパにい、言いつけてやる!ど、どこにいるんだ?な、何をして?」

こうヒステリックに喚き立てるダドリーに向かってハリーは歯を食い縛ったまま「黙っててくれないか?聞こうとしているんだから」と訴えました。そして突然沈黙しました。まさにハリーが恐れていたあの音を聞いたからです。

「や、辞めろ!こんなこと辞めろ!殴るぞ!本気だ!」

こう喚き散らすダドリーにハリーは「黙れ!」と言おうとしました。しかしダドリーの拳がハリーの側頭に命中しハリーは吹き飛びました。次の瞬間ハリーは地面に打ちつけられ杖が手から飛び出してしまう事になったのでした。

「ダドリーの大馬鹿!」

3-2.三度目でようやく
痛みで目を潤ませながらハリーは慌てて這いつくばると暗闇の中を必死で手探りをして杖を探しました。ダドリーが走り回り路地の壁にぶつかってよろける音が聞こえました。そんなダドリーに向かってハリーはこう言いました。

「ダドリー戻るんだ。あいつのほうに向かって走ってるぞ!」

ギャーッと恐ろしい叫び声が聞こえダドリーの足音が止まりました。それと同時にハリーは背後にも冷気を感じました。間違いない。相手は複数いる。ハリーは死に物狂いでこう呟きながら両手を蜘蛛のように這わせたのでした。

「ダドリー口を閉じろ!何が起こっても口を開けるな!杖は!どこだ。杖は。出て来い」

杖を探すのに必死で明かりを求めハリーは知らず知らずの内に「ルーモス!光を!」と呪文を唱えていました。すると何とうれしい事に右手のすぐそばが明るくなりました。杖先に灯りが点ったのです。ハリーは杖を掴みました。

慌てて立ち上がり振り向くとフードを被った聳え立つような影が地上に少し浮かんでスルスルとハリーに向かって来る所でした。よろけながら後退りをするとハリーは杖を上げ「守護霊の呪文」を唱えたというわけなんですよね。

「守護霊よ来たれ!エクスペクト・パトローナム!」

杖先から銀色の守護霊が飛び出し吸魂鬼の動きが鈍りました。しかしその守護霊が不完全だったためハリーはさらに後退りする事を余儀なくされました。恐怖で頭がぼんやりしています。吸魂鬼はハリーに手を伸ばして来ました。

「エクスペクト・パトローナム!」

こう唱える自分の声がぼんやり遠くに聞こえます。守護霊は最初のより弱々しくハリーの頭の中で鋭くて甲高い高笑いが聞こえました。何か幸せな事を考えろ。しかし幸せな事は何もない。もうロンとハーマイオニーに会えない。

息をつこうともがくハリーの心に2人の顔がくっきり浮かび上がりハリーは三度目の「エクスペクト・パトローナム」を唱えました。するとハリーの杖先から巨大な銀色の牡鹿が噴出しました。三度目でやっと上手く行きました。

守護霊のその角が吸魂鬼の心臓に当たるはずの場所を捉えると吸魂鬼は重さのない暗闇のように後ろに投げ飛ばされました。守護霊が突進すると敗北した吸魂鬼は飛び去りました。ハリーは守護霊に「こっちへ!」と叫びました。

「ダドリー?ダドリー!」

3-3.事が解決した後に姿を現わしたのは?
10歩と走らずにハリーはその場所に辿り着きました。ダドリーは地面に丸くなって転がり両腕でしっかり顔を覆っていました。二体目の吸魂鬼がダドリーの上に屈み込み両手でダドリーの手首を掴みこじ開けようとしていました。

そしてフードを被った顔をダドリーの顔のほうに近づけてまさにキスをしようとしていました。ハリーが大声で「やっつけろ!」と言うと守護霊は怒涛の如くハリーの脇を駆け抜けて行って吸魂鬼を再び頭の角で捉えたのでした。

吸魂鬼はもう一体の仲間と同じように宙に飛び上がり暗闇に吸い込まれて行きました。役目を終えた守護霊は並足になって路地の向こう側まで駆け抜けると銀色の靄となって消えたのでした。月も星も街灯も急に生き返りました。

ハリーはじっと立っていました。突然正常に戻った事を体中の感覚が感じ取り躍動していました。ふと気づくとハリーは汗びっしょりでTシャツが体に張りついていました。今しがた起こった事がハリーは信じられませんでした。

吸魂鬼がここリトル・ウィンジングに姿を現わした。一方ダドリーは泣き震えながら体を丸めて地面に転がっていました。ハリーはダドリーが立ち上がれる状態かどうかを見ようとして身を屈めました。するとその時の事でした。

背後に誰かが走って来る大きな足音がしました。ハリーは反射的に再び杖を構えくるりと振り返ると新たな相手に立ち向かおうとしました。でも息せき切って姿を現わしたのは近所に住む変人のフィッグばあさんだったのでした。

灰色まだらの髪はヘアネットからはみ出し手首にかけた買い物袋はカタカタと音を立てて揺れてタータンチェックの室内用スリッパは半分脱げかけていました。ハリーは急いで杖を隠そうとしました。ところがだったんですよね。

「馬鹿そいつをしまうんじゃない!まだ他にもその辺に残ってたらどうするんだね?」

こう言ったかと思うとフィッグばあさんはマンダンガス・フレッチャーを始末してやるとそう言い出したのでした。

今日の最後に
ハリーは2年生の時に魔法省から公式警告状が届いて未成年の魔法使いは学校の外では魔法を使ってはいけない事がダーズリー一家に知られる所となりました。屋敷しもべ妖精のドビーが「浮遊術」という魔法を使ったからです。

そのためハリーは「今度魔法を使ったらホグワーツを退校になる」とそれは骨身に染みて知っていたというわけです。当時ドビーがしたこの行為はハリーにとってはありがた迷惑な上にお節介以外の何物でもなかったんですよね。

でもこれが歯止めになってダドリーはハリーに呪いをかけられずに済んだというわけなんですよね。
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