FC2ブログ
リトル・ウィンジングに吸魂鬼が現れるという緊急事態を受けてフィッグばあさんが駆けつけて来てハリーは初めてフィッグばあさんがスクイブの魔女という事や「バシッ」という音の主がマンダンガス・フレッチャーだと知りました。そして4番地に戻って来たのですが・・・(全3項目)

3-1.戸口まで送るよ
「俺は。その。あの」こう言いながらマンダンガス・フレッチャーは身の置き場がないような様子でした。しかし何せいい商売のチャンスだったもんでと遠慮がちながらもそう言うのも忘れていなかったというわけなんですよね。

そんなマンダンガスにフィッグばあさんは手提げ袋を抱えたほうの腕を振り上げ顔と首のあたりを張り飛ばしました。ガシャという音が聞こえて来たので手提げ袋の中身はどうもキャット・フードの缶詰のようだったんですよね。

「痛え。やーめろ。やーめろ。このくそ婆あ!誰かダンブルドアに知らせねえと!」

フィッグばあさんは缶詰入りの手提げ袋をぶん回してどこもかしこもお構いなしに打ちながらマンダンガスに向かってこう言ったのでした。きっとフィッグばあさんのマンダンガスに対する怒りは頂点に達していたんでしょうね。

「その。通り。だわい!それに。お前が。知らせに。行け。そして。自分で。ダンブルドアに。言うんだ。どうして。お前が。その場に。いなかったのかって!」

マンダンガスは身をすくめて腕で顔を覆いながら「とさかを立てるなって!行くから。俺が行くからよう!」と言ったかと思うとまたも「バシッ」という音と共に姿を消しました。するとフィッグばあさんはこう言ったのでした。

「ダンブルドアがあいつを死刑にすりゃいいんだ!」

フィッグばあさんは怒り狂っていました。そしてハリーにも「さあハリー早く。何をぐずぐずしてるんだい?」と言ってハリーをも急き立てたというわけです。ハリーは大荷物のダドリーのお陰で歩くのがやっとだったのでした。

本当はそうだと言いたかったのですが既に息絶え絶えだったので息の無駄使いはこれ以上しない事にしました。半死半生のダドリーを抱えてハリーはよろよろと前進しました。そんなハリーにフィッグばあさんはこう言いました。

「戸口まで送るよ。連中がまだその辺にいるかもしれん。ああ全く何てひどいこった。そいでお前さんは自分で奴らを撃退しなきゃならなかった」

フィッグばあさんは「そいでダンブルドアはどんな事があってもお前さんに魔法を使わせるなってあたしらにお言いつけなすった。まあこぼれた魔法薬盆に帰らずってとこか。しかし猫の尾を踏んじまったね」とも言いました。

それを聞いてハリーは?

3-2.ようやく家に戻って来て
ハリーは喘ぎながら「それじゃダンブルドアはずっと僕を追けさせてたの?」とそう訊いたのでした。ハリーのこの問いに対してフィッグばあさんはそんな事は至極当然な事とばかりにこのように答えたというわけなんですよね。

「もちろんさ。ダンブルドアがお前さんを1人でほっつき歩かせると思うかい?6月にあんな事が起こった後で?まさかあんた。もう少し賢いかと思ってたよ。さあ家の中に入ってじっとしてるんだよ」

最後にフィッグばあさんは「誰かがまもなくあんたに連絡して来るはずだ」と言いました。さらにハリーは「おばあさんはどうするの?」と訊きました。フィッグばあさんは暗闇をじっと見回して身震いしながらこう答えました。

「あたしゃまっすぐ家に帰るさ。指令が来るのを待たなきゃならないんでね。とにかく家の中にいるんだよ。お休み」

「お休み」と言うフィッグばあさんにハリーは「待って。まだ行かないで!僕知りたい事が」と言いました。さらに追いすがるように「待って!」と叫びました。ダンブルドアと接触のある人なら誰でもいいから訊きたいんだ。

訊きたい事がごまんとあったのです。しかしフィッグばあさんは小走りに駆け出すとあっという間に闇の中に消えて行ってしまいました。ハリーは顔をしかめダドリーを背負い直すと4番地の小道をゆっくりと歩いて行きました。

玄関の明かりは点いていました。ハリーは杖をジーンズのベルトに挟み込んでベルを鳴らしペチュニア叔母さんがやって来るのを見ていました。叔母さんの輪郭が玄関のガラス戸の模様で奇妙に歪みながら段々大きくなりました。

「ダドちゃん!遅かったわね。ママはとっても。とっても。ダドちゃん!どうしたの?」

ハリーは横を向いてダドリーを見ました。そしてダドリーから素早く身を引きました。間一髪ダドリーはその場で一瞬ぐらりとしました。顔は青ざめていてダドリーは口を開けたかと思うと玄関マット一杯に嘔吐したのでした。

「ダドちゃん!ダドちゃんどうしたの?バーノン?バーノン!」

ペチュニア叔母さんに呼ばれてバーノン叔父さんが興奮したような様子で居間から出て来ました。叔母さんは嘔吐物の海に足を踏み入れないようにしながらぐらぐらしているダドリーを何とかして玄関に上げようとしていました。

ダドリーは病気だと言う叔母さんに対し叔父さんはダドリーに「ポルキスの奥さんが夕食に異物でも食わせたのか?」と訊いていました。そして今度は叔母さんがダドリーが泥だらけで地面に寝転んでいたのではと指摘しました。

チンピラにやられたのか?そう訊く叔父さんの言葉を聞いて叔母さんは「警察に電話よ!警察を呼んで!」と騒ぎ始めました。ダーズリー夫妻はてんやわんやの大騒ぎで2人ともハリーに気づいていません。そのほうが好都合だ。

ところがだったのです。

3-3.台所へ
ハリーはバーノン叔父さんが玄関の扉を閉める直前に家の中に滑り込みました。ダーズリー夫妻が台所にダドリーを騒々しく運んでいる間にハリーは慎重にこっそりと階段に向かいました。叔父さんはダドリーにこう言いました。

「坊主誰にやられた?名前を言いなさい。捕まえてやる。心配するな」

何か言おうとしている。ママに言ってこらん。叔母さんが呼びかけるとダドリーは声を取り戻し「あいつ」と答えました。ハリーは階段の一番下の段に足を掛けていましたが凍りついて顔をしかめると爆発に備えて身構えました。

「小僧!こっちへ来い!」

恐れと怒りが入り交じった気持ちでハリーはゆっくり足を階段から離して台所に入りました。ハリーにしてみればこれからとてつもない理不尽な展開が待ち受けている事がとても容易に予想ができるからというわけなんですよね。

徹底的に磨き上げられた台所は表が暗かっただけに妙に現実離れして輝いていました。ペチュニア叔母さんは真っ青で汗ばんだ顔のダドリーを椅子のほうに連れて行きました。バーノン叔父さんは水切り籠の前に立っていました。

そして目を細くしてハリーを睨みつけていました。叔父さんは脅すように「息子に何をした?」と唸りました。それにハリーは「何にも」と答えましたがバーノン叔父さんがどうせ信じない事がはっきりと判っていたんですよね。

ペチュニア叔母さんも同意見のようでダドリーの革ジャンの前をスポンジできれいに拭いながら「ダドちゃん。あの子が何をしたの?」と声を震わせながら訊きました。ハリーが魔法をかけたのか?それは大変におぞましい事だ。

「あれ。ねえ。例のあれなの?あの子が使ったの?あの子のあれを?」

だから「魔法」と口にするのもおぞましいというわけです。こう訊かれてダドリーはゆっくりとびくびくしながら頷きました。それを見てペチュニア叔母さんは喚いてバーノン叔父さんは拳を振り上げました。そこでハリーは?

「やってない!僕はダドリーに何にもしていない。僕じゃない。あれは」

吸魂鬼とハリーは言おうとしたのですが・・・

今日の最後に
フィッグばあさんことアラベラ・フィッグは冒頭章にもチラリと出て来ていてこの夏休みにはハリーに道で出会う毎にしつこく夕食に誘って来たんだそうです。当然ダンブルドアの指示でそうするように言われていたんでしょう。

今回リトル・ウィンジングに吸魂鬼が現れ護衛のマンダンガス・フレッチャーが不在という事でハリーが守護霊を創って自分とダドリーの身を護る事を余儀なくされた事をきっかけに正体がバレる事になってしまったんですよね。

ハリーはいい思い出が全くなかったのでフィッグばあさんの夕食の誘いを断り続けていました。でも今にして思えばペチュニア叔母さんが作るのよりは少しはマシな夕食にありつけたかもしれませんね。惜しい事をしましたよね。

フィッグばあさんとしても自分が上手く夕食に誘っていればこんな事にはならなった。そう悔やんでいたかもしれませんね。
Secret

TrackBackURL
→http://tokimekiboy.blog43.fc2.com/tb.php/2274-b87cb14d