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息子のダドリーをこんな風にしたのはハリーに決まっている!そう確信していたダーズリー夫妻はダドリーに囁きかけました。そんな2人にハリーはダドリーをそうしたのは吸魂鬼だと繰り返し言いました。すると吸魂鬼とは一体何なんだというバーノン叔父さんの問いに答えたのは?(全3項目)

3-1.あくまでも悪者はハリー
ハリーは魔法省の役人が近づいて来るかもしれないと耳をそばだて外の物音を聞き逃さないようにしていました。それに質問に答えているほうが怒ったり吼えたりせず静かで楽だったのでバーノン叔父さんの問いに答えました。

「二番目のは友人のロンのパパから。魔法省に勤めてるんだ」

この答えを聞き叔父さんは大声で「魔法省?お前たちが政府に?ああそれで全て判ったぞ。この国が荒廃するわけだ」と言いました。ハリーが黙っていると叔父さんはハリーを睨んだかと思うと吐き捨てるようにこう言いました。

「それでお前は何故退学になった?」

ハリーが「魔法を使ったから」と答えると叔父さんは冷蔵庫のてっぺんを拳で叩きながら「はっはーん!」と吼えました。すると冷蔵庫が開いてダドリーの低脂肪おやつが幾つか飛び出して引っくり返ると床に広がったのでした。

「それじゃお前は認めるわけだ!一体ダドリーに何をした?」

ハリーが魔法を使ったと言ったので叔父さんはこう言いました。あくまでも悪者は常にハリーというスタンスは変えないというわけです。ハリーは「何にも。あれは僕がやったんじゃない」と答えながら少し冷静さを失いました。

すると出し抜けにダドリーが「やった」と呟きました。ダーズリー夫妻はすぐさま仕種でハリーに「お前は口を挟むな」と示してハリーを黙らせるとダドリーを覆い被さるようにして覗き込みました。叔父さんがこう言いました。

「坊主続けるんだ。あいつは何をした?」

ペチュニア叔母さんもそんなバーノン叔父さんを援護するようにダドリーに向かって「坊や話して」と囁きました。ダドリーは「杖を僕に向けた」と言いました。それは確かに事実でした。でもハリーは魔法を行使してはいません。

そこでハリーは「ああ向けた。でも僕使っていない」と怒って反論しました。しかしバーノン叔父さんとペチュニア叔母さんが同時に「黙って!」と吼えて叔父さんがダドリーに「坊主続けるんだ」と繰り返したというわけです。

ところがだったのです。

3-2.ハリーを犯人と断じるために
ダドリーはかすれ声で身震いしながら言いました。ところがそれを聞きバーノン叔父さんとペチュニア叔母さんは恐怖そのものの目を見合わせる事になりました。2人は息子ダドリーが正気を失いかけているとそう思ったのです。

「全部真っ暗になった。みんな真っ暗。それから。僕。き、聞いた。何かを。ぼ、僕の頭の中で」

2人にとってこの世で一番嫌いなのは魔法で次に嫌いなのは散水ホース使用禁止を自分たちより上手くごまかすお隣さんです。でもありもしない声が聞こえるのは間違いなくワースト・テンに入る。それが今息子に起っている。

「かわい子ちゃんどんなものが聞こえたの」

叔母さんは蒼白になって目に涙を浮かべ囁くように訊きました。しかしダドリーは何も言えないようでした。もう一度身震いし「言えない」と言いたげに頭を横に振りました。叔父さんは不自然なほど静かな声でこう訊きました。

「坊主どうして転んだりした?」

重病人の枕元なら叔父さんはこんな声を出すのかもしれません。ダドリーは相変わらず震えながら「躓いた。そしたら」と言って自分の胸を指差しました。何故ダドリーがそうしたのかハリーにはそれが判ったというわけです。

最初のふくろうが到着した時からハリーは恐怖で無感覚になってしまっていました。それでも少し好奇心が湧きました。吸魂鬼は誰でも人生最悪の時を思い出させます。ダドリーは甘やかされわがままでいじめっ子なんですよね。

そんなダドリーの頭の中では一体何が聞こえたのだろう?ダドリーもまた望みや幸福感が吸い取られて行く時のじっとりした冷たさが肺を満たす感覚を思い出しているのです。ダドリーは引き続きかすれた声でこう言いました。

「おっかない。寒い。とっても寒い」

叔父さんは無理に冷静な声で「よしよし。それからどうした?」と訊きました。その問いにダドリーが「感じたんだ。感じた。感じた。まるで。まるで」と言うとハリーは抑揚のない声でその後を続けこう言ったというわけです。

「まるで二度と幸福になれないような」

ダドリーはまだ小刻みに震えながら小声で「うん」と言いました。それを聞いて叔父さんは「さては!」と言って上体を起こし完全に大音量を取り戻してこう言いました。やっぱりダドリーをこうしたのはハリーというわけです。

「お前は息子にへんてこりんな呪文をかけおって何やら声が聞こえるようにしてそれで。ダドリーに自分が惨めになる運命だと信じ込ませた。そうだな?」

ハリーもまた癇癪も声も爆発させて「何度同じ事を言わせるんだ!僕じゃない!吸魂鬼がいたんだ!2人も!」と答えました。すると叔父さんはその2人のわけの分らん何とかはと訊き返して来ました。ハリーはこう答えました。

「吸-魂-鬼。2人」

ハリーはゆっくりとさらにはっきり発音しました。叔父さんはまたも「それでキューコンキとかいうのは一体全体なんだ?」と訊いて来ました。ところがその問いに答えたのはハリーではなく何と何とペチュニア叔母さんでした。

「魔法使いの監獄の看守だわ。アズカバンの」

3-3.ペチュニア叔母さんまでもが!
言葉の後に突然耳鳴りがするような沈黙が流れました。ペチュニア叔母さんはまるでうっかりおぞましい悪態をついたようにパッと手で口を覆いました。超意外な返事の主にバーノン叔父さんは目を丸くして自分の妻を見ました。

ハリーは頭がくらくらしました。フィッグばあさんが吸魂鬼を知っていたというのも十二分にショックで衝撃的な出来事でした。それなのに何とよりによってペチュニア叔母さんの口からこんな言葉が飛び出してしまったのです。

「どうして知ってるの?」

ハリーは唖然としてこう訊きました。ペチュニア叔母さんは自分自身にぎょっとしたようでした。おどおどと謝るような目で自分の夫のバーノン叔父さんをチラッと見て口から少しだけ手を下ろし歯を覗かせるとこう答えました。

「聞こえたのよ。ずっと昔。あのとんでもない若造が。あの妹にそいつらの事を話しているのを」

叔母さんはぎくしゃくと言葉を途切れがちにして答えました。ハリーはそんな叔母さんに大声で「僕の父さんと母さんの事を言っているのならどうして名前で呼ばないの?」と言いましたが叔母さんはこの言葉を無視しました。

叔母さんはひどく慌てふためいているようでした。ハリーは呆然としていました。叔母さんはハリー11才の誕生日の時にたった一度ハリーの母親を奇人呼ばわりした事がありました。ハリーが自身が魔法使いだと知った時でした。

それ以外ハリーは叔母さんが自分の妹の事に触れるのを聞いた事がありませんでした。それと言うのも普段叔母さんは魔法界が存在しないかのように振舞う事に全精力を注ぎ込んでいるからです。そんな叔母さんだったからです。

それなのに叔母さんが魔法界についての断片的情報をこんなに長い間に渡って憶えていた事にハリーは驚愕していました。一方バーノン叔父さんは話し方を思い出すのを四苦八苦するように口を開いて閉じまた開いて閉じました。

それじゃあその吸魂鬼とかいうそいつらは本当にいるのだな?言葉を途切れがちにしてさらに相当に躊躇して叔父さんが訊くと叔母さんは頷きました。それを見て叔父さんは自分の妻からダトリーそしてハリーと順番に見ました。

まるで誰かが「エイプリルフール!」と叫ぶのを期待しているかのようでした。でも誰も叫びません。そこで叔父さんはもう一度口を開きましたが続きの言葉を探す苦労はせずに済みました。三羽目のふくろうが到着したのです。

まだ開いたままになっていた窓から砲弾のように飛び込んで来てテーブルの上に降り立ちました。それを見てダーズリー一家3人は怯えて飛び上がりました。この日二通目の魔法省からの封筒がハリーの元に届けられたのでした。

今日の最後に
ペチュニア叔母さんとバーノン叔父さんがこの世で一番嫌っているのは「魔法」です。だからこの言葉を口に発するなんて事はおぞましく叔母さんは魔法の事を「あれ」とか「例のあれ」などと言って避けているというわけです。

でも実はダーズリー夫妻は魔法を嫌っているその理由が全く違うんですよね。バーノン叔父さんはただ単純に魔法の事を嫌っているだけなのですがペチュニア叔母さんのほうは過去に起きたある出来事があっての事なんですよね。

ハリーは後に「何故ペチュニア叔母さんは魔法を嫌うようになったのか?」のその理由を知る事になったんですよね。
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