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ハリーは疲れて怒る気力さえ失っていました。さらにはヴォルデモートに両親を殺害された事を思い出して辛い思いを抱いていました。しかしバーノン叔父さんはそんなハリーの心情など微塵も察しようとしないばかりかハリーの話を一通り聞いたかと思うと・・・(全3項目)

3-1.何故吸魂鬼はリトル・ウィンジングに現れた?
今夜何が起こったのか本当の事を言え。吸魂鬼とかがダドリーを傷つけたのなら何でお前が退学になる?お前は「例のあれ」つまりは魔法をやったと自分で白状した。バーノン叔父さんはこう言って更なる説明を求めて来ました。

ハリーは深呼吸をして気を落ち着かせました。また頭が痛み始めていました。何よりもまずは台所から出てダーズリー一家から離れたいとハリーはそう思いました。ハリーは必死で平静さを保ち叔父さんにこう説明したのでした。

「僕は吸魂鬼を追い払うのに守護霊の呪文を使った。あいつらに対してはそれしか効かないんだ」

すると叔父さんは今度は吸魂鬼とかは何でまたリトル・ウィンジングにいたと憤激して訊きました。その問いにハリーは「教えられないよ。知らないから」と答えました。ハリーは今度は台所の照明で頭が痛くなって来ました。

怒りは段々収まって来ましたがハリーは力が抜けひどく疲れていました。ダーズリー一家はハリーをじっと見ていました。ハリーは疲れて怒る気力さえ失っていましたがそんな事も一切お構いなく叔父さんはこう言って来ました。

「お前だ。お前に関係があるんだ。小僧判っているぞ。それ以外ここに現れる理由があるか?それ以外あの路地にいる理由があるか?お前がただ1人の。ただ1人の。このあたり一帯でただ1人の例のあれだ」

叔父さんが「魔法使い」という言葉をどうしても口にできないのは明らかでした。そんな叔父さんにハリーは「あいつらがどうしてここにいたのか僕は知らない」と答えながらも疲れ切ったハリーの脳みそが再び動き出しました。

何故吸魂鬼がリトル・ウィンジングにやって来たのか?自分が路地にいる時奴らがそこにやって来たのは果たして偶然なのだろうか?誰かが奴らを送ってよこしたのだろうか?魔法省は吸魂鬼を制御できなくなったのだろうか?

奴らはアズカバンを捨ててダンブルドアが予想した通りヴォルデモート側についたのか?そんな「何故吸魂鬼はリトル・ウィンジングに現れたのか?」をハリーが考えている道筋に叔父さんは傍若無人に踏み込んで来たのでした。

3-2.何とも不思議な気持ち
その吸魂鬼は妙ちきりんな監獄とやらをガードしとるのか?こう訊く叔父さんにハリーは「ああ」と答えながら頭の痛みが止まってくれさえしたなら台所から出て自分の部屋に戻り考える事ができたらとそう願っていたのでした。

「おッホー!奴らはお前を捕まえに来たんだ!そうだ。そうだろう小僧?お前は法を犯して逃亡中というわけだ!」

叔父さんは「絶対間違いない!」という結論に達した時のような勝ち誇った口調でこう言いました。ハリーは鋭く頭を振ると「もちろん違う」と答えました。すると叔父さんは「それなら何故だ」と訊きハリーはこう答えました。

「あの人が送り込んだに違いない」

ハリーは叔父さんに答えるというより自分に聞かせるように低い声で言いました。叔父さんが「何だそれは?誰が送り込んだと?」と訊いて来たのでハリーは「ヴォルデモート」だと答え叔父さんは顔をしかめて考えていました。

ハリーはダーズリー一家は「魔法使い」とか「魔法」とか「杖」などという言葉を聞くと後退りをしたりぎくりとしたり声を荒げて大騒ぎしたりするというのに歴史上最も極悪非道の魔法使いの名前を聞いてもびくりともしない。

それは何て奇妙なんだとハリーはぼんやりそう思いました。叔父さんはその目に突如として「判ったぞ」という色を浮かべて「ヴォルデ。待てよ。その名前は聞いた事がある。確か。そいつは」と言ったというわけなんですよね。

そんな叔父さんにハリーは自分の両親を殺害したと答えました。叔父さんはたたみかけるように「しかしそやつは死んだ」と言いました。ハリーの両親の殺害が辛い話題だろうという気配を叔父さんは微塵も見せませんでした。

「あの大男の奴がそう言いおった。そやつが死んだと」

こう言う叔父さんにハリーは「戻って来たんだ」と重々しく言いました。今自分は外科手術の部屋のように清潔なペチュニア叔母さんの台所に立って最高級の冷蔵庫と大型テレビのそばでヴォルデモートの事を冷静に話している。

それは全く不思議な気持ちでした。吸魂鬼がリトル・ウィンジングに現れた事でプリベット通りという徹底した反魔法世界とその彼方に存在する魔法世界を分断していた大きな目に見えない壁がまるで破られたかのようでした。

ハリーの二重生活が何故かしら1つに融合し全てが引っくり返りました。バーノン叔父さんは魔法界の事を細かく追及するしフィッグばあさんはダンブルドアを知っている。吸魂鬼はリトル・ウィンジング界隈を浮遊している。

自分はもう二度とホグワーツに戻れないかもしれない。ハリーの頭は前にも増して激しく痛んだのでした。そしてペチュニア叔母さんは「戻って来た?」と言うとこれまでとは全く違った眼差しでハリーの事を見ていたのでした。

突然ハリーは生まれて初めて叔母さんが自分の母親の姉だという事をはっきり感じました。何故その瞬間そんなに強く感じたのか言葉では説明できなかっただろう。ただヴォルデモートが戻った事の意味を判る人間がここにいる。

叔母さんはこれまでの人生で一度もそんな風に自分を見た事がなかった。今叔母さんの目は嫌悪感や怒りで細める所か恐怖で大きく見開かれている。ハリーが物心ついて以来叔母さんは常に激しい否定の態度を取って来ました。

魔法は存在しないしバーノン叔父さんと一緒に暮らしているこの世界以外に別の世界は存在しない。それがまるで崩れ去ったかのようです。そこでハリーは今度はペチュニア叔母さんに向かって直接に話しかけたというわけです。

するとペチュニア叔母さんは?

3-3.叔父さんが最後に言ったのは?
「そうなんだ。1ヵ月前に戻って来た。僕は見たんだ」ハリーがこう言うと叔母さんの両手がダドリーの革ジャンの上から肩に触れ強く握られました。すると叔父さんは「ちょっと待った」と言い激しく視線を移して行きました。

妻からハリーへまた妻へと視線を移し2人の間に前代未聞の理解が湧き起った事に戸惑い呆然としていました。待てよ。そのヴォルデモートが戻ったとそう言うのだな。お前の両親を殺害した奴だな。叔父さんはこう訊きました。

そしてそいつが今度はお前に吸魂鬼を送ってよこしたと?それまでハリーは叔父さんの問いに「そうだよ」と答えていました。そしてこの問いには「そうらしい」と答えました。それはあくまでもハリーの推測だったからでした。

バーノン叔父さんは「なるほど」と言うと真っ青な妻の顔を見てハリーを見ました。叔父さんが珍しくもハリーに対して魔法界の事つまりは吸魂鬼の事を殊更に細かく訊いて来たのはハリーにこう言うためだったというわけです。

「さあこれで決まりだ。小僧!この家を出て行って貰うぞ!」

今日の最後に
ハリーは今夜起きた一連の出来事を不思議だとそう思っていますね。フィッグばあさんはダンブルドアの事を知っているしペチュニア叔母さんはヴォルデモートの事を知っている。前代未聞の事ばかり起きているというわけです。

バーノン叔父さんは吸魂鬼の事を事細かに訊いて来る。ところがバーノン叔父さんがハリーに吸魂鬼の事を訊いて来たのはハリーを我が家のプリベット通り4番地から追い出すための布石に過ぎなかったというわけなんですよね。

だからハリーに向かって「この家を出て行って貰うぞ!」と言ったというわけです。これでようやくハリーを我が家から追い出す事ができる。我が家にとって唯一にして最大のお荷物をこれで厄介払いできるとそう思ったのです。

ところがだったのです。
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