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バーノン叔父さんはハリーに向かって何度も何度も繰り返し「出て行け!」と言いました。ハリーが我が家にいたために数々の災難が降りかかって来たからだとも言いました。ところがそこに5羽目のふくろうが赤い封筒を持って煙突から台所に入って来ました。ハリーはその赤い封筒を受け取ろうとしたのですが・・・(全3項目)

3-1.出て行け!
「さあこれで決まりだ。小僧!この家を出て行って貰うぞ!」バーノン叔父さんにこう言われてハリーは「えっ?」と言いました。叔父さんの大声にペチュニア叔母さんやダドリーでさえも思わず飛び上がるほどだったのでした。

「聞こえたろう。出て行け!出て行け!出て行け!とっくの昔にそうすべきだった!」

何故ならばふくろうはここを休息所扱いするわデザートは破裂するわ客間の半分は壊されるわダドリーに尻尾は生やされるわマージ叔母さんは膨らんで天井をポンポンするわその上に空飛ぶフォード・アングリアなんだそうです。

「出て行け!出て行け!もうお終いだ!お前の事は全て終わりだ!」

叔父さんは「出て行け!」をこれでもかというぐらい連呼しました。狂った奴つまり吸魂鬼がハリーを追っているならここに置いておけん。ハリーのせいで妻と息子を危険に晒しはしない。ハリーにはもう面倒を持ち込ませない。

ハリーが碌でなしの両親と同じ道を辿るのならわしはもう沢山だ。だからハリーはこの家を出て行けと叔父さんはそう言うのです。しかしハリーはその場にまるで根が生えたように立っていました。手紙でこう言われたからです。

「何があろうとも決して家を離れてはいけない。叔父さん、叔母さんの家を離れないよう」

叔父さんは「聞こえたな!」と言うと今度はのしかかって来ました。叔父さんのその顔がハリーの顔に激しく接近し唾が降りかかるのが感じられるほどでした。行けばいいだろう!30分前にはあんなに出て行きたがったお前だ!

大賛成だ!出て行け!二度とこの家の敷居を跨ぐな!そもそも何で自分たちがハリーを手元に置いたのか分らんとまで叔父さんは言いました。孤児院に入れるべきだった。自分たちがお人好し過ぎたと叔父さんはそう言うのです。

ところがだったのです。

3-2.5番目のふくろう
あれつまり魔法をハリーの中から叩き出してやれると思った。ハリーをまともにしてやれると思った。しかしハリーは根っから腐っていた。もう沢山だ。叔父さんがこう言った所で5番目のふくろうが煙突を急降下して来ました。

煙突を急降下して来たのでふくろうは勢い余って床にぶつかり大声で鳴きながら再び飛び上がりました。ハリーは手を上げ真っ赤な封筒に入った手紙を取ろうとしました。しかしふくろうはハリーの頭上を飛び越して行きました。

まっすぐ一直線に向かったのは何とペチュニア叔母さんの所でした。叔母さんは悲鳴を上げ両腕で顔を覆って身をかわしました。ふくろうは真っ赤な封筒を叔母さんの頭に落とすと方向転換してそのまま煙突に戻って行きました。

ハリーは手紙を拾おうとして飛びつきました。しかし叔母さんのほうが早く手紙を拾いました。そんな叔母さんにハリーはこう言ったのでした。ハリー自身は受け取った事はありませんでしたがいかなる手紙かは知っていました。

「開けたきゃ開けてもいいよ。でもどうせ中身は僕にも聞こえるんだ。それ吼えメールだよ」

叔父さんは「ペチュニア手を離すんだ!触るな。危険かもしれん!」と喚きました。しかし叔母さんは声を震わせながらこう言いました。そして真っ青になって息を止めました。そうしている間にも封筒が燻り始めたんですよね。

「私宛だわ。私宛なのよバーノン。ほらプリベット通り4番地。台所。ペチュニア・ダーズリー様」

ハリーが「開けて!済ましてしまうんだ!どうせ同じ事なんだから」と促しましたが叔母さんは「嫌よ」と言いました。叔母さんのその手は激しく震えていました。叔母さんはどこか逃げ道はないかと台所中を見回したのでした。

しかしもう手遅れでした。封筒は燃え上がりました。叔母さんはまたも悲鳴を上げ封筒を取り落としました。テーブルの上で燃えている手紙から恐ろしい声が流れて台所中に広がって行くとその声は狭い部屋で反響したのでした。

「私の最後のあれを思い出せ。ペチュニア」

叔母さんは気絶するかのように見えました。両手で顔を覆いダドリーのそばの椅子に沈むように座り込みました。沈黙の中で封筒の残骸が燻って灰になって行きました。叔父さんがその沈黙を破りこう問いかけたというわけです。

「何だこれは?何の事か。わしにはとんと。ペチュニア?」

叔母さんは何も言いません。ダドリーは呆然と口を開け母親を見つめていました。沈黙が恐ろしいほどに張り詰めました。ハリーもまた呆気に取られて叔母さんを見ていました。ハリーの頭は割れんばかりに痛んでいたのでした。

「ペチュニアや?ペ、ペチュニア?」

叔父さんがおどおどとこう声をかけると叔母さんは顔を上げました。まだ激しく震えています。叔母さんはまるで意を決するようにごくりと生唾を飲みました。そして何と驚くべき事には自分の夫に向かってこう言ったのでした。

「この子。この子はバーノンここに置かないといけません」

3-3.吼えメールを受け取ると
これ以上ないというぐらいに驚愕して「な。何と?」と訊く叔父さんに叔母さんは「ここに置くのです」と答えました。叔母さんはハリーの顔を見ないで言いました。まるで決意を固めたかのように叔母さんは立ち上がりました。

「こいつは。しかしペチュニア」

こう言う叔父さんに叔母さんは「私たちがこの子を放り出したとなればご近所の噂になりますわ」と応えました。叔母さんはまだ青い顔をしていたものの普段の突っけんどんでぶっきらぼうな言い方を急速に取り戻していました。

「面倒な事を訊いて来ますよ。この子がどこに行ったか知りたがるでしょう。この子を家に置いておくしかありません」

叔父さんの体は「さあハリーを追い出すぞ!」という気迫で膨れ上がりシャツの前がきつくなっていました。しかし自分の妻つまり叔母さんにこう言われて叔父さんのその体は中古タイヤのように萎んで行ってしまったのでした。

叔母さんは「しかしペチュニアや」と言う叔父さんを無視してハリーのほうを向くと「お前は自分の部屋にいなさい。外に出てはいけない。さあ寝なさい」と言いました。ハリーは動きませんでした。叔母さんにこう訊きました。

「吼えメールは誰からだったの?」

ハリーのこの問いに叔母さんは「質問はしない」とぴしゃりと答えました。それでもハリーは「叔母さんは魔法使いと接触してるの?」と訊かずにはいられませんでした。当然の如く叔母さんは答えずにハリーにこう言いました。

「寝なさいと言ったでしょう!」

さらにハリーが「どういう意味なの?最後の何を思い出せって?」と訊くと叔母さんは「寝なさい!」とまた言いました。さらにさらにハリーが「どうして?」と訊くと叔母さんは堪忍袋の緒が切れたとばかりにこう言いました。

「叔母さんの言う事が聞こえないの!さあ寝なさい!」

今日の最後に
当サイトでは開設した直後に「ペチュニア叔母さん秘密の守人」説を発表しました。ダンブルドアは1才3ヵ月のハリーをプリベット通り4番地の玄関先に置き去りにする際にハリーをくるんだその毛布に手紙を挟み込んでいます。

この場面を読み返す毎に私は「ダンブルドアが挟み込んだ手紙は実は2通だったのでは?」と考えずにはいられないんですよね。1通はダーズリー夫妻宛でもう1通はペチュニア・ダーズリー宛に書かれた手紙というわけですよね。

ペチュニア叔母さん宛に書かれた手紙には「忠誠の術」についての詳細な説明があり叔母さんがハリーを引き取れば叔母さんが「秘密の守人」となりハリーのみならずダーズリー一家全員の身の安全が保証されると書かれていた。

さらにハリーに対しては質問を禁ずるようにとも書かれていた。ハリーの「吼えメールは誰からだったの?」という問いに叔母さんは「質問はしない」とぴしゃりと答えていますよね。ハリーを引き取れば家族全員が守られる。

だからこそペチュニア叔母さんはハリーを引き取ったしハリーにいなくなられては困るというわけなんですよね。そしてハリーはこの年度末に吼えメールの送り主が実はダンブルドアだったという事を知る事になったのでした。
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