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自分の部屋に戻るとハリーは即座にシリウスとロンにハーマイオニーの3人に手紙を書きヘドウィグに持たせました。翌朝には返事の手紙が来るだろう。ハリーはそう思いました。しかし4日経ってもヘドウィグは帰って来ませんでした。ところがダーズリー一家が出かけたと思ったら・・・(全3項目)

3-1.自分の部屋に戻ると
寝室に戻るや否やハリーは同じ文面を3枚の羊皮紙に書きました。最初のはシリウス宛で2通目はロン宛で3通目はハーマイオニー宛です。ヘドウィグは狩りに出かけていて鳥籠は空だったためハリーは帰って来るのを待ちました。

「僕はさっき吸魂鬼に襲われた。それにホグワーツを退学させられるかもしれない。何が起こっているのか一体僕はいつここから出られるのか知りたい」

ハリーが書いた手紙の文面はこうでした。ハリーはヘドウィグの帰りを待ちながら部屋を往ったり来たりしました。目がちくちく痛むほど疲れていましたが次々と色々な思いが浮かんで来ていたので眠れそうになかったんですよね。

ダドリーを家まで背負って来たので背中が痛み窓にぶつかった時とダドリーに殴られた際の瘤も痛みました。歯噛みし拳を握り締めて部屋を往復しながらハリーは怒りと焦燥感で疲れ果て窓際を通ると怒りを込めて見上げました。

自分を始末するのに吸魂鬼が送られた。フィッグばあさんとマンダンガス・フレッチャーがこっそり自分を追跡していた。その上ホグワーツの停学処分に加えて魔法省での懲戒尋問。それなのにまだ誰も何にも教えてはくれない。

それにあの「吼えメール」は一体何だったんだ?台所中に響いたあの恐ろしい脅すような声は誰の声だったんだ?これについては先回の記事で言ったように送り主がダンブルドアだという事をハリーが知るのは学期末の事でした。

どうして自分は何も知らされずに閉じ込められたままなんだ?どうしてみんなは自分の事を聞き分けのない小僧扱いするんだ?ハリーの頭の中は怒りに猛り狂っていました。ハリーの脳裏にはあの文面が浮かんでいたのでした。

「これ以上魔法を使ってはいけない。家を離れるな」

通りがかりざまハリーは学校のトランクを蹴飛ばしました。しかし怒りが収まる所かかえって気が滅入る事になってしまいました。全身が痛いその上に今度は爪先の鋭い痛みまでもがさらに加わる事になってしまったからでした。

3-2.ヘドウィグに手紙を持たせたが
片足を引きずりながらハリーが窓際を通り過ぎた時にヘドウィグがようやく帰って来ました。ハリーは「遅かったじゃないか!」とヘドウィグを叱責するとこう言いました。死んだ蛙をくわえたヘドウィグの目は恨めしげでした。

「それは置いとけよ。僕の仕事をして貰うんだから!」

ハリーは「こっちに来るんだ」と言うと小さく丸めた3枚の羊皮紙と革ひもを取り上げヘドウィグの脚に括り付けました。そしてシリウスにロンとハーマイオニーにまっすぐに届けるんだとそう命じたというわけなんですよね。

相当長い返事を貰うまでは帰って来るな。いざとなったら3人がちゃんとした手紙を書くまでずっと突いてやれとも言いました。ヘドウィグは取って来た獲物の蛙をくわえたままだったのでくぐもった声で「ホー」と鳴きました。

ハリーが「それじゃ行け」と言うとヘドウィグはすぐさま出発しました。ハリーは着替えもせずにベッドに寝転ぶと暗い天井を見つめました。惨めな気持ちに今度はヘドウィグに苛立ちをぶつけた後悔まで加わってしまいました。

ここプリベット通り4番地でヘドウィグは唯一の友達なのに苛立ちをぶつけてしまった。シリウスにロンとハーマイオニーから返事を貰って帰って来たら優しくしてやろう。3人ともすぐに返事を書くはずとハリーは思いました。

吸魂鬼の襲撃を無視できるはずがない。明日の朝目覚めた頃には自分をすぐさま「隠れ穴」に連れ去る計画を書いた同情に満ちた分厚い手紙が3通来ている事だろうとハリーは思いました。そう思うと気が休まり眠くなりました。

しかしヘドウィグは翌朝戻っては来ませんでした。ハリーはトイレに行く以外は1日中部屋に閉じこもっていました。ペチュニア叔母さんが3度バーノン叔父さんが3年前に扉に取り付けたくぐり戸から食事を入れてよこしました。

叔母さんが部屋に近づく毎にハリーは「吼えメール」の事を聞き出そうとしましたが当然の如く叔母さんは決して答えませんでした。バーノン叔父さんにダドリーの2人はハリーの部屋には絶対に近づかないようにしていました。

無理やり一緒にいて何になる。また言い争いをして結局自分が腹を立て違法な魔法を使うのが落ちじゃないかとハリーは思いました。そんな風にして丸3日が経ちました。ある時は苛立って気が昂ぶり何も手につきませんでした。

部屋をうろつきながら自分がわけの分らない状況に悶々としているのに放ったらかしにしているみんなに立腹しました。そうでない時は全くの無気力に襲われ1時間もベッドに横たわったままぼんやり空を見つめていたのでした。

そして魔法省の尋問を思い恐怖に苛まれていました。不当な判決が出たらどうしよう?本当に学校を追われ杖を折られたら?何をしたら?どこに行ったらいいんだろう?ここに帰って来てダーズリー一家と暮らすなんてできない。

ハリーは3年生の時にシリウスから「一緒に暮らさないか?」と誘われました。それならシリウスの家に引っ越す事ができるのだろうかとも考えました。それともどこに住むという事も判決で決まるのだろうかとも考えました。

国際機密保持法に違反したのはアズカバンの独房行きになるほどの重罪なのだろうか?ここまで考えるとハリーはいつもベッドから滑り降りまたも部屋をうろつき始めるというわけです。ヘドウィグが出発して4日目の夜でした。

ようやく事が動き始めたのです。

3-3.扉が開いて部屋を出て行くと
その日の夜ハリーは何度目かの無気力のサイクルに入り疲れ切って何も考えられず天井を見つめて横たわっていました。するとバーノン叔父さんが一張羅の背広を着込みご満悦の表情で入って来るとハリーにこう告げたのでした。

「わしらは出かける」

ハリーがゆっくり首を回し叔父さんを見るとこう言うのでハリーは「え?」と言いました。さらに叔父さんがペチュニア叔母さんとダドリーも出かけると言うとハリーは「いいよ」と気のない返事をして再び天井を見上げました。

自分たちの留守中に部屋から出てはならん。テレビやステレオその他にも自分たちの持ち物に触ってはならん。冷蔵庫から食べ物を盗んではならん。これらの全てにハリーが了解の返事をすると叔父さんは最後にこう言いました。

「この部屋に鍵を掛けるぞ」

ハリーが「そうすればいいさ」と応えると叔父さんはじろじろ見て来ました。さっぱり言い返して来ないのを怪しんだようでした。叔父さんは言った通りにしてハリーの部屋に鍵を掛けると階段を下りて行ってしまったのでした。

数分後に車の扉が閉まる「バタン」という音が聞こえてエンジンがかかる音が聞こえて紛れもなく車が出て行く音が聞こえました。起き上がって明かりを点ける気力もなかったのでハリーの部屋は段々暗くなって行ったのでした。

ヘドウィグが帰って来る幸せな瞬間を待って窓は開けっ放しにしてありました。ハリーは何も考えず呆然と惨めさの中に横たわっていました。するとやおら階下の台所ではっきりと何かが壊れる音がしてハリーは飛び起きました。

そして耳を澄ませました。ダーズリー一家のはずがない。帰って来るには早過ぎるし車の音を聞いていない。一瞬静かになりましたが今度は人の声が聞こえて来ます。ハリーはベッドから滑り降りて立ち上がるとこう思いました。

「泥棒だ」

しかし次の瞬間ハリーは泥棒ならば声を潜めているはずだと気づきました。台所を動き回っているのが誰であれ声を潜めようとしていないのは確かだったからです。ハリーは杖を掴むと部屋の扉の前に立ち全神経を耳にしました。

すると鍵が大きな音を立てて扉が開いたのでハリーは飛び上がりました。ハリーは身動きせず開いた扉から暗い踊り場を見つめて何か聞こえはしないかとさらに耳を澄ませました。でも何の物音もしないので部屋を出たのでした。

その時ハリーは一瞬躊躇しました。そして素早く音を立てずに部屋を出て階段の踊り場に立ちました。何と下の薄暗いホールに大勢の人影が見えたのです。

今日の最後に
こうしてハリーはダドリーと共に吸魂鬼に襲われてから4日後の夜に再結成された不死鳥の騎士団の面々が大挙してプリベット通り4番地にやって来てその人たちに護衛して貰いながらここを離れる事になったというわけです。

でも当然「2度とハリーに魔法を使わせてはならない」という事で騎士団の誰かがハリーを見張っていたんでしょうね。そしてダーズリー一家を追い出しハリーを迎えにやって来るその手筈を着々と整えていたというわけです。

でも4日間に渡り悶々としていたハリーの心情を思うと「何故ハリーに何の知らせもしなかったのか?」と私は思わずにはいられませんね。誰かが護衛についている事はハリーにはもう吸魂鬼に襲われた夜にバレてしまいました。

だったら別に知らせてもあげても良かったのでは?とついついそう思ってしまいますよね。
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