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マッド・アイ・ムーディが渡した羊皮紙に「不死鳥の騎士団の本部はロンドンのグリモールド・プレイス12番地に存在する」と書かれていたのでここはどうやらロンドンのようでした。見えて来たその建物に足を踏み入れるとそこは闇も闇それも大闇の魔法使いの家だったんですよね。(全3項目)

3-1.11番地と13番地の間から
「何ですか?この騎士団って?」ハリーがこう問いかけるとマッド・アイが「ここでは駄目だ!中に入るまで待て!」と唸りました。そう言ったかと思うとマッド・アイはハリーの手からその羊皮紙をひったくってしまいました。

そして杖で火を点けて燃やしてしまいました。ハリーはもう一度周りの家を見回しました。すると何だかとても奇妙な事に気づいたのです。今立っているのは11番地で左を見ると10番地で右隣は何と13番地で12番地がないのです。

「でもどこが?」と訊くハリーにルーピンが「今覚えたばかりのものを考えるんだ」と静かに言いました。ハリーは考えました。すると11番地と13番地の間のグリモールド・プレイス12番地という所まで来た途端だったのでした。

11番地と13番地の間にどこからともなく古びて痛んだ扉が現れ今度は薄汚れた壁と煤けた窓も現れました。まるで両端の11番地と13番地の家を押し退けてもう1つの家が膨れ上がって来たようです。ハリーは呆然と見ていました。

11番地のステレオはまだ鈍い音を響かせています。どうやら中にいるマグルは何も感じていないようでした。マッド・アイがハリーの背中を押しながら低い声で「さあ急ぐんだ」と言いハリーに前に進むようにと促したのでした。

ハリーは突然出現した扉を見つめながら石段を上がって行きました。扉の黒いペンキがみすぼらしく剥がれています。訪問客用の銀のドア・ノッカーは1匹の蛇がとぐろを巻いた形になっています。鍵穴も郵便受けもありません。

ルーピンは杖を取り出し扉を1回叩きました。するとカチッカチッと大きな金属音が何度か続き鎖がカチャカチャというような音が聞こえて扉が開きました。ルーピンはハリーに「早く入るんだ」と囁くとこう注意をしました。

「ただしあまり奥には入らないよう。何にも触らないよう」

ハリーは敷居を跨ぐとほとんど真っ暗闇の玄関ホールへと入りました。湿った埃っぽい臭いがしてそこには打ち捨てられた廃屋の気配が漂っていました。ハリーが振り返って見ると先発護衛隊の面々が並んで入って来る所でした。

ルーピンとトンクスはハリーのトランクとヘドウィグの鳥籠を運んでいます。マッド・アイは階段の一番上に立って「灯消しライター」で盗み取った街灯の明かりを元に戻していました。広場は一瞬だけオレンジ色に輝きました。

マッド・アイが中に入って玄関の扉を閉めるとホールは再び完璧な暗闇になりました。マッド・アイは「さあ」と言うとハリーの頭を杖で叩きました。今度は何か熱い物が背中を流れ落ちるようなそんな感じがしたんですよね。

「目くらまし術」が解けたに違いないとハリーは思いました。

3-2.誰もが皆囁き声
マッド・アイが「みんなじっとしていろ。わしがここに少し明かりを点けるまでな」と囁きました。誰もが皆小さい声で話すのでハリーは不吉な事が起こりそうな奇妙な予感がしました。柔らかいジュッという音が聞こえました。

すると旧式のガスランプが壁に沿って灯されたのでした。長い陰気なホールと剥がれかけた壁紙と擦り切れたカーペットにぼんやりと明かりが投げかけられました。天井には蜘蛛の巣だらけのシャンデリアが輝いていたのでした。

年代を経て黒ずんだ肖像画が壁全体に斜めに傾いで掛かっています。シャンデリアもすぐそばの華奢なテーブルに置かれた燭台も蛇の形をしています。そしてホールの一番奥の扉から急ぎ足でやって来る足音が聞こえて来ました。

足音の主はウィーズリーおばさんでした。おばさんは笑顔で歓迎していました。しかしハリーはおばさんが前に会った時よりも痩せて青白い顔をしているのに気づきました。おばさんはハリーに向かってこう言って来たのでした。

「まあハリーまた会えてうれしいわ!」

囁くようにこう言いおばさんはハリーを抱き締めた後に両腕を伸ばしてハリーを調べるように眺めると「痩せたわね。ちゃんと食べさせなくっちゃ。でも残念ながら夕食まではもうちょっと待たないといけないわ」と言いました。

それからおばさんはハリーの後方の魔法使いの一団に向かって急かすように「あの方が今しがたお着きになって会議が始まっていますよ」と囁いて魔法使いたちは興奮と関心でざわめき次々とハリーの脇を通り過ぎて行きました。

ハリーはルーピンに従いて行こうとしましたがおばさんが引き止め「駄目よ」と言われてしまいました。何でも騎士団のメンバーだけの会議なのでロンもハーマイオニーも上の階にいて会議が終わった後に夕食になるそうです。

最後におばさんは「ホールでは声を低くしてね」と囁きました。ハリーが「どうして?」と訊くとおばさんは「何にも起こしたくないからですよ」と答えて言葉の意味が分らないハリーはさらに「どういう意味?」と訊きました。

「説明は後でね。今は急いでるの。私も会議に参加する事になっているから。あなたの寝る所だけを教えておきましょう」

静かにするようにと言いたげに唇に指を当ておばさんは先に立って虫食いだらけの長い両開きカーテンの前を抜き足差し足で通りました。その裏には別の扉があるのだろうとハリーは思いました。でもそうではありませんでした。

3-3.扉を開けた途端に
トロールの足を切って作ったのではと思われる巨大な傘立ての脇をすり抜けて暗い階段を上がって萎びた首が掛かった飾り板がずらりと並ぶ壁の前を通り過ぎました。よく見るとその首は屋敷しもべ妖精のものだったんですよね。

一歩進む毎にハリーはますますわけが分らなくなっていました。闇も闇で大闇の魔法使いの家のような所で一体みんなは何をしているのだろうとハリーは思いました。そこでハリーはウィーズリーおばさんにこう訊いたのでした。

「ウィーズリーおばさん。どうして?」

ハリーのこの問いにおばさんは「ロンとハーマイオニーが全部説明してくれますよ。私は本当に急がないと」と心ここに在らずという感じで答えました。2人は2つ目の踊り場に来ていました。この場でおばさんはこう言いました。

「ここよ。あなたのは右側の扉。会議が終わったら呼びますからね」

それからおばさんは急いで階段を下りて行ってしまいました。ハリーは薄汚れた踊り場を歩いてこれも蛇の頭の形をした取っ手を回して扉を開けました。ほんの一瞬だけベッドが2つ置かれて天井の高い陰気な部屋が見えました。

次の瞬間にはふくろうが「ホッホッ」と鳴く大きな囀りが聞こえたかと思うとそれより大きな叫び声が聞こえふさふさした髪の毛でハリーは完全に視界を遮られてしまいました。ハーマイオニーがハリーに飛びついて来たのです。

そしてほとんど押し倒そうになるほど抱き締めたのです。ロンのふくろうのピッグウィジョンは興奮し頭上を飛び回っていました。ハーマイオニーが矢継ぎ早に絶え間なく話して来るのでハリーはしゃべる事ができませんでした。

ハーマイオニーは「ハリー!」と名前を呼ぶとロンに「ハリーが来たわ。ハリーが来たのよ!到着した音が聞こえなかったわ!」と言いました。そしてハリーに対しこう立て続けに数々の質問をして来たというわけなんですよね。

「ああ元気なの?大丈夫なの?私たちのこと怒ってた?怒ってたわよね」

次にハーマイオニーは「私たちの手紙が役に立たない事は知ってたわ。だけどあなたに何にも教えてあげられなかったの」と言いそれはダンブルドアに教えない事を誓わされたんだとその理由を説明したというわけなんですよね。

話したい事が一杯ある。あなたもそうでしょう。吸魂鬼ですって!それに魔法省の尋問の事はひどい。私すっかり調べたのよ。すると魔法省はハリーを退学にできない事が判ったんだそうです。それはこういう事なのだそうです。

「未成年魔法使いの妥当な制限に関する法令」で生命を脅かされる状況に於いては魔法の使用が許される事になっているとの事でした。

今日の最後に
ハリーが部屋に入るや否やハーマイオニーはハリーに飛びついて押し倒しそうにするほど抱き締めるとその後は矢継ぎ早に絶え間なく話し続けました。それがためにハリーは一言も口を挟む暇がなかったというわけなんですよね。

ロンとハーマイオニーの2人は手紙が行方不明になる事もあるので重要な事は書かないようにと言われたんだそうです。でも学期が始まって最初の週末にハリーはシリウスに手紙を書いてヘドウィグにその手紙を届けさせました。

その際ハリーは手紙が途中で行方不明になる事も考えてかなり書く文章に工夫を加えました。ハーマイオニーならハリーがそうしたようにできる能力を当然備えているはずです。でもハーマイオニーはそうはしませんでしたよね。

ハーマイオニーもきっと考えたでしょう。しかし駄目と言われた以上できなかった。そんな後ろめたさがあったのでハーマイオニーはハリーが話す事ができないように矢継ぎ早に絶え間なく話し続けたんだと私はそう思いますね。
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