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何とかしてダーズリー一家との会話を成立させたいと懸命のアーサー氏は息子のダドリーに声をかけました。ところがそこに戻って来たフレッドとジョージが仕掛けた悪戯でアーサー氏の努力は雲散霧消してしまい居間はくんずほぐれつの修羅場と化してしまいました。そしてバーノン叔父さんは?(全3項目)

3-1.フレッドとジョージが戻って来て
前回ダドリーが魔法使いつまりハグリッドに会った際には魔法で尻に尻尾を生やされる事となりました。だから敵に同じ的を見せまいとして両手で尻をがっちりガードしていたのです。でも当然アーサー氏はその事を知りません。

そのためにアーサー氏はその奇怪な行動を心から心配したようでした。アーサー氏が次に口を開いた時にはその気持ちが口調に表れていました。ダーズリー夫妻がアーサー氏を変だと思ったようにアーサー氏も同様にそう考えた。

それがハリーにははっきりと判りました。ただアーサー氏の場合は恐怖心からではなく気の毒に思う気持ちだからという所がダーズリー夫妻とは違っていました。そこでアーサー氏はダドリーに優しくこう声をかけたんですよね。

「ダドリー夏休みは楽しいかね?」

ダドリーはヒッと低い悲鳴を上げました。尻に当てた手がさらにきつく尻を締め付けたのをハリーは見ました。ダドリーはまたしても尻に尻尾を生やされては堪らないとそう思ったようです。ダドリーには恐怖心しかないのです。

そこにフレッドとジョージがハリーのトランクを持って居間に戻って来ました。入るなり部屋をさっと見渡してダドリーを見つけると2人の顔がそっくり同じに悪戯っぽく笑いました。それを受けてアーサー氏がこう言いました。

「あーではそろそろ行こうか」

私はこの一言に「ダーズリー一家と会話が成り立たなくて残念だ」というアーサー氏の無念の思いが込められていると思いますね。アーサー氏はローブの袖をたくし上げ杖を取り出しました。ダーズリー一家が一塊になりました。

そして壁に張り付きました。アーサー氏は元は暖炉だった壁の穴に向かって杖を向けると「インセンディオ!燃えよ!」と唱えました。するとたちまち炎が上がり何時間も燃え続けていたかのようにして楽しげな音を立てました。

アーサー氏はポケットから小さな巾着袋を取り出し紐を解いて中の粉を一掴み炎の中に投げ入れました。すると炎はエメラルド色に変わりさらに高く燃え上がりました。これで「隠れ穴」に帰る準備ができたというわけですよね。

3-2.次々と炎の中へ
支度が整ったのでアーサー氏は「さあフレッド行きなさい」と声をかけフレッドは「今行くよ」と応えましたが続けて「あっしまった。ちょっと待って」と言いました。ポケットから菓子袋が落ちて中身が転がり出たんですよね。

それは色鮮やかな紙に包まれた大きくておいしそうなヌガーでした。フレッドは急いで掻き集めポケットに突っ込むとダーズリー一家に愛想よく手を振って炎に向かってまっすぐに進み炎の中に入ると「隠れ穴!」と唱えました。

叔母さんが身震いしながらあっと息を呑みました。ヒュッという音と共にフレッドの姿が消えました。するとアーサー氏は「よし次はジョージ。お前とトランクだ」と指示をしました。トランクを運ぶのをハリーが手伝いました。

さらにトランクを縦にして抱え易くしました。今度はジョージが「隠れ穴!」と叫び再びヒュッという音がしてジョージとトランクが消えました。そしてその次にアーサー氏は「ロン次だ」とそう言ったというわけなんですよね。

ロンは「じゃあね」とダーズリー一家に明るく声をかけました。そしてハリーに向かって笑いかけると火の中に入り「隠れ穴!」と叫び姿を消しました。そこに残ったのはアーサー氏とハリーの2人だけになったというわけです。

「それじゃ。さよなら」

ハリーはダーズリー一家にこう挨拶をしました。ダーズリー一家は何も言いません。ハリーは炎に向かって歩きました。ところが暖炉の端の所まで来た時アーサー氏は手を伸ばしハリーを引き止めました。唖然とした表情でした。

「ハリーがさよならと言ったんですよ。聞こえなかったんですか?」

こう抗議するアーサー氏にハリーは「いいんです。本当にそんな事どうでもいいんです」と言いました。しかしアーサー氏はまだハリーの肩を掴んだままでした。アーサー氏は軽い怒りを込めて叔父さんにこう言ったんですよね。

「来年の夏まで甥ごさんに会えないんですよ。もちろんさよならと言うのでしょうね」

叔父さんは激しく顔を歪ませました。居間の壁を半分吹き飛ばした直後の男から礼儀を説教される事にひどく屈辱を感じているようです。しかしアーサー氏のその手には杖があります。叔父さんはちらっとその杖を見たのでした。

選択肢は1つしかない。叔父さんは口惜しそうに「それじゃさよならだ」と言いました。ハリーは「じゃあね」と言葉を返すとエメラルド色の炎に片足を入れました。まるで暖かい息を吹きかけられているような心地よさでした。

ところがその時突然背後でゲエゲエとひどく吐く声が聞こえ叔母さんが悲鳴を上げました。ハリーが振り返るとダドリーはもはや両親の背後に隠れてはいませんでした。コーヒーテーブルの脇に膝をついて咽込んでいたのでした。

口から30センチほどの紫色のヌルヌルした物を突き出しています。ハリーは一瞬何だろうと当惑しましたがすぐにその30センチほどの物がダドリーの舌だと判りました。そして色鮮やかなヌガーの包み紙が足下に落ちていました。

それが大騒動の始まりでした。

3-3.くんずほぐれつの大騒動!
まさかそれが息子の舌だとは思ってもみなかった叔母さんはダドリーの脇に身を投げ出し膨れ上がった舌の先を掴んでもぎ取ろうとしました。当然の如くダドリーは喚きさらにひどく咽込み母親を振り放そうとしてもがきました。

叔父さんが大声で喚くわ両腕を振り回すわでアーサー氏は何を言おうにも大声を張り上げなくてはなりませんでした。アーサー氏は「ご心配なく。私がちゃんとしますから!」と叫ぶと手を伸ばしてその次には杖を掲げました。

そしてダドリーのほうに歩み寄りました。しかし叔母さんはますますひどい悲鳴を上げるとダドリーに覆い被さってアーサー氏から庇おうとしました。アーサー氏は困り果てて「本当に大丈夫ですから!」とそう言ったのでした。

「簡単な処理ですよ。ヌガーなんです。息子のフレッドが。しょうのないやんちゃ者で。しかし単純な肥らせ術です。まあ私はそうじゃないかと。どうかお願いです。元に戻せますから」

アーサー氏はさらにこう説明しましたがダーズリー夫妻はそれで納得をせずますますバニック状態に陥りました。叔母さんはヒステリーを起こして泣き喚きながらダドリーの舌をちぎり取ろうとがむしゃらに引っ張ったのでした。

ダドリーは母親と自分の舌の重みで窒息しそうになり叔父さんは完全にキレてサイドボードの上の陶器の置物を引っつかんでアーサー氏めがけ力任せに投げつけました。アーサー氏が身をかわしたのでぶつかりはしませんでした。

陶器は爆破された暖炉にぶつかって粉々になりました。アーサー氏は怒って杖を振り回しました。そして「全く!私は助けようとしているのに!」と言いました。しかし叔父さんにはもはや聞く耳が全くないといった様子でした。

叔父さんは手負いのカバのように唸り声を上げ別の置物を引っつかみました。杖を叔父さんに向けてアーサー氏は「ハリー行きなさい!いいから早く!私が何とかするから!」と叫びました。こんな面白いもの見逃したくはない。

ハリーはそう思いましたが叔父さんの投げた2つ目の置物が耳元を掠めましたし結局はアーサー氏に任せるのが一番良いとハリーは思いました。炎に足を踏み入れハリーは「隠れ穴!」と叫びながら後ろを振り返ったのでした。

居間の最後の様子がちらりと見えました。叔父さんが掴んだ3つ目の置物をアーサー氏が杖で吹き飛ばし叔母さんはダドリーに覆い被って相変わらず悲鳴を上げています。ダドリーの舌はニシキヘビのようにのたくっていました。

次の瞬間ハリーは急旋回を始めました。エメラルド色の炎が勢いよく燃え上がりダーズリー家の居間は視界から消えて行きました。

最後に
せっかくアーサー氏は「仲良くしたい!」とそう思ってプリベット通り4番地にやって来たというのにバーノン叔父さんはただただ怖がるだけでアーサー氏のその思いを知る事なくアーサー氏は「隠れ穴」に帰る事になりました。

さらにフレッドとジョージがダドリーに悪戯を仕掛けてその場は修羅場と化してしまいました。でもハリーが去ったその後にアーサー氏はダドリーの舌を元に戻して破壊された暖炉も修復して「隠れ穴」に戻って来たんですよね。

それを見てバーノン叔父さんも少しは魔法に対する認識を改めたのではないでしょうか?だからこそ3年後に我が家にアーサー氏がキングズリー・シャックルボルトと共に訪れた際は敷居を跨ぐのを許したと私はそう思いますね。
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