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7月と8月の記事が思いの他に長くてこのシリーズの開始が1週間遅れになってしまいました。今日から5週間に渡って第4巻「炎のゴブレット」の大広間がメインの舞台になる場面を紹介する事にします。ハリー4年生の新学期初日は朝から土砂降りでハリーたち3人もびしょ濡れだったのですが・・・(全3項目)

3-1.その日は朝から土砂降り
今年の新学期初日は朝から土砂降りでハリーたちの前の馬車に乗っていた生徒たちも急ぎ足で城への石段を上っていました。ハリーにロンとハーマイオニーとネビルの4人も馬車を飛び降りると石段を一目散に駆け上がりました。

ロンが「この調子で降ると湖が溢れるぜ」と言わしめるほどの豪雨でしたが大きな赤い水風船が天井からロンの頭に落ちると割れました。ぐしょ濡れで水を撥ね飛ばしながらロンは横にいたハリーのほうによろけてしまいました。

その時2発目の水風船が落ちて来てハーマイオニーを掠めてハリーの足下で破裂しました。周りの生徒たちは悲鳴を上げて水爆弾の攻撃から離れようと押し合いへし合いしました。ハリーが見上げると攻撃の主が見えたのでした。

ポルターガイストのピーブズでした。次の標的に狙いを定めていると誰かが「ピーブズ!」と怒鳴りました。それはマクゴナガル先生でさらには「ピーブズここに降りて来なさい。今すぐに!」と言い渡したというわけですよね。

マクゴナガル先生も大広間から飛び出して来たので濡れた床に足を取られて思わずハーマイオニーの首にがっちりしがみついてしまいました。先生は「おっと失礼。ミス・グレンジャー」と謝りハーマイオニーはこう応えました。

「大丈夫です。先生」

マクゴナガル先生は曲がった三角帽子を直しながら「ピーブズ降りて来なさい。さあ!」とピーブズのほうに睨みを利かせて怒鳴りました。それに対してピーブズは「なーんもしてないよ!」と言いながら高笑いをしていました。

そう言いながら5年生の女子生徒めがけて水爆弾を放り投げました。投げられた女子生徒たちは悲鳴を上げながら大広間に飛び込んで行きました。ピーブズは「どうせビショ濡れなんだろう?」などと減らず口を叩いていました。

ピーブズが全く水爆弾攻撃を止めようとしないのでマクゴナガル先生は最後の切り札とばかりに「校長先生を呼びますよ!」とがなり立てました。ピーブズはベーッと舌を出し最後の水爆弾を宙に放り投げると去って行きました。

「さあどんどんお進みなさい!さあ大広間へ。急いで!」

マクゴナガル先生はビショ濡れ集団に向かって激しい口調でこう言いました。ハリーにロンとハーマイオニーも玄関ホールを進み右側の二重扉を通って大広間に入りました。ロンはぐしょ濡れの髪を掻き揚げつつ怒っていました。

そして文句を呟いていたのでした。

3-2.グリフィンドールのテーブルに着いて
大広間は例年のように学年始めの祝宴に備え見事な飾りつけが施されていました。テーブルに置かれた金の皿やゴブレットが宙に浮かぶ何百という蝋燭に照らされ輝いています。玄関ホールより大広間のほうが暖かく感じました。

各寮の長テーブルには既に寮生がぎっしり座り久々の再会を喜び合っているようです。上座のテーブルには生徒たちに向かい合うようにして先生と職員が座っています。ハリーたち3人は他の3つの寮のテーブルを通り過ぎました。

そして大広間の一番奥にあるグリフィンドールのテーブルに着きました。隣にいたのはグリフィンドールのゴースト「ほとんど首なしニック」でした。今夜もいつもの特大ひだ襟つきのダブレットを着ていたというわけですよね。

この襟は単に晴れ着の華やかさを見せるだけでなく皮一枚で繋がっている首があまりぐらつかないよう押さえる役目も果たしています。ニックは「素敵な夕べだね」と言うとハリーたちに笑いかけハリーはこう言葉を返しました。

「素敵かなあ?早く組分け式にしてくれるといいな。僕腹ペコだ」

ハリーは靴を脱ぎ中の水を捨てながら言いました。毎年学期の初日には新入生を各寮に分ける儀式があります。運の悪い巡り合せが重なりハリーは自分の組分け式の時以来この儀式に立ち会っていなかったので大変楽しみでした。

ちょうどその時テーブルの向こうから興奮で息を弾ませた声がハリーを呼びました。ハリーをヒーローと崇める3年生のコリン・クリービーで「わーいハリー!」と言って来たのでハリーは「やあコリン」と用心深く応えました。

「ハリー何だと思う?当ててみて。ね?ハリー。弟も新入生だ!弟のデニスも!」

こう言うコリンにハリーは「あ。良かったね」と言いました。コリンは座ったままで体を上下に揺らして落ち着かない様子で「弟ったらもう興奮しちゃって!」と言ったその後にハリーに向かってこう言って来たというわけです。

「グリフィンドールになるといいな!ねえそう祈っててくれる?ハリー?」

ハリーは「あ。うん。いいよ」と答えるとハーマイオニーにロンとニックのほうを見て「兄弟ってだいたい同じ寮に入るよね?」と訊きました。ウィーズリー一家は7人全員がグリフィンドールに入れられたからというわけです。

「あら違うわ。必ずしもそうじゃない。パーバティ・パチルは双子だけど1人はレイブンクローよ。一卵性双生児なんだから一緒の所だと思うでしょ?」

その次にハリーは教職員テーブルを見上げました。いつもより空席が目立つような気がしました。当然ハグリッドは1年生を引率して湖を渡るのに奮闘中だろう。マクゴナガル先生は多分玄関ホールの床を拭くのを指揮している。

しかしもう1つ空席があります。誰がいないのかハリーは思い浮かびませんでしたがハリーと同様教職員テーブルを見ていたハーマイオニーが「闇の魔術に対する防衛術の新しい先生はどこかしら?」と答えを出してくれました。

「闇の魔術に対する防衛術」の先生は1年以上長く続いた事がありません。ハリーは教職員テーブルを端から端まで眺めましたが新顔は全くいません。それを見てハーマイオニーは心配そうにこう言ったというわけなんですよね。

「多分誰も見つからなかったのよ!」

ハリーはもう一度今度はしっかり教職員テーブルを見直しました。小柄な「呪文学」のフリットウィック先生にその隣が「薬草学」のスプラウト先生で次が「天文学」のシニストラ先生でその隣は「魔法薬学」のスネイプでした。

スネイプもハリーも互いの事を嫌悪していましたが昨年度の学期末に宿敵のシリウスの逃亡を手助けした事でスネイプのこれ以上強くなりようがないはずのハリーに対する憎しみが前にも増してますますひどくなったんですよね。

スネイプの向こう側に空席がありましたがハリーはマクゴナガル先生の席だろうと思いました。その隣がテーブルの真ん中で流れるような銀髪と白鬚が蝋燭の明かりに輝き深緑色のローブ姿のダンブルドア校長が座っていました。

3-3.1年生が入って来て
ダンブルドア校長の着ているその堂々とした深緑色のローブには星と月の刺繍が施されていました。ダンブルドア校長はすらりと長い指の先を組んでその上に顎を載せて天井を見上げて何やら物思いに耽っているかのようでした。

ハリーもそれにつられるように天井を見上げました。天井は魔法で本物の空と同じように見えるようになっており今はこれまで見た事のないほどのひどい荒れ模様になっていました。黒と紫の暗雲が渦巻き稲妻が走っていました。

「ああ早くしてくれ。僕ヒッポグリフだって食っちゃう気分」

ハリーの横でロンがこう呻きました。その言葉が終わるか終わらない内に大広間の扉が開いて一同は静まり返りました。マクゴナガル先生を先頭にして一列に並んだ1年生の長い列が大広間の奥へと進んで行ったというわけです。

ハリーたち3人もびしょ濡れでしたが1年生に比べれば何でもありませんでした。湖をボートで渡って来たというよりもまるで泳いで来たかのようでした。教職員テーブルの前に整列してこちらを見た時には全員が震えていました。

一番小柄で薄茶色の髪の男の子だけが震えていませんでした。厚手木綿のオーバーに包まっていたからです。ハリーにはそのオーバーがハグリッドの物だと判りました。それはあまりに巨大で大テントをまとっているようでした。

襟元から飛び出したその小さな顔は興奮し切って何だか痛々しいほどでした。寒さと緊張で引きつった顔で整列する1年生に混じって並びながらその子はコリン・クリービーを見つけると何とガッツポーヅをしたというわけです。

そして声を出さず口の形だけで「僕。湖に落ちたんだ!」と言いました。うれしくて堪らないようでした。そんな1年生たちの前にマクゴナガル先生が三本脚の丸椅子を置きその上に継ぎはぎだらけの古い三角帽子を置きました。

1年生がそれをじっと見つめました。在校生も見つめました。ほんの一瞬だけ大広間が静まり返りました。すると帽子のつばに沿った長い破れ目が口のように開いて帽子が歌い出しました。組分け帽子の歌が始まったのでした。

今日の最後に
パーバティとパドマ・パチルの姉妹は一卵性双生児なのに同じ寮に所属せずパーパティはグリフィンドールでパドマのほうはレイブンクローに所属しています。ウィーズリー家の7人は全員がグリフィンドールに所属しています。

何故パチル姉妹はグリフィンドールとレイブンクローに分れたのか?過去に取り上げた事があるかもしれませんが記憶がはっきりしないのでここで触れる事にします。その理由は両親の出身寮が違うからだと私はそう思いますね。

ウィーズリー家の場合は両親が共に2人ともグリフィンドール出身なので7人の子供たちもグリフィンドール生になりました。しかしパチル姉妹の両親はどちらか一方がグリフィンドールでもう一方がレイブンクローなんですよね。

つまりパーバティはグリフィンドール的要素をそしてパドマのほうはレイブンクロー的要素を両親からより多く引き継いだ。それがためにパチル姉妹の所属する寮は2つに分かれた。こういう事だと私はそのように考えています。
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