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こうして11月1日の夜も更けていよいよ三大魔法学校対抗試合の代表選手が決まる瞬間がやって来ました。代表選手はダームストラングが最初に決まり次はボーバトンでホグワーツは最後でした。ところがその後に誰もが全く予想していなかった驚くべき展開が待ち受けていたんですよね。(全3項目)

3-1.いよいよ11月1日の夜になり
こうして何と学期が始まって丸2ヵ月が経った11月1日に今学期初めてハグリッドの小屋を訪れたハリーたちだったのですがハーマイオニーにとっては残念な事にハグリッドは「しもべ妖精福祉振興協会」には入会しませんでした。

ハグリッドが言うには人の世話をするのは連中の本能でそれが好きなんだそうです。仕事を取り上げてしまったら連中を不幸にするばかりだし給料を払うなんて事は侮辱行為でそれはかえってあいつらのためにならないそうです。

ハーマイオニーがハリーが自由にしたドビーが今では給料を要求していると言うとハグリッドはお調子者はどこにでもいる。しかし大多数の屋敷しもべ妖精はハーマイオニーの説得などには応じない。骨折り損のくたびれ儲けだ。

そういう事でハグリッドは「しもべ妖精福祉振興協会」には入会せずハーマイオニーは相当機嫌を損ねた様子でバッジが入った箱をマントのポケットに戻す事となりハーマイオニーはハグリッドを説得する事ができませんでした。

そんなハグリッドだったのですがハリーたちが訪ねて行ってあっと驚く事がありました。ハグリッドは一張羅のしかし悪趣味の茶色い背広を着込んでいました。しかも櫛で髪をといてみたりと要は妙に色気づいていたんですよね。

その原因はボーバトンの校長でハグリッドと同じぐらいの巨大な体格をしたマダム・マクシームの存在です。マダム・マクシームと話す時のハグリッドの表情はうっとりと目が潤んでいました。2人は晩餐会に一緒に行きました。

ハグリッドはあの人に気があるんだ。こう言う時のロンは信じられないという声でした。ハリーたち3人がハグリッドの小屋を出て扉を閉めると今度はダームストラング生たちが湖から城に向かって歩いて来るのが見えました。

ビクトール・クラムはカルカロフ校長と並んで歩き他のダームストラング生たちはその後ろからバラバラと歩いていました。ロンはわくわくしながらクラムを見つめましたがクラムのほうはハリーたちには目もくれませんでした。

ハリーたち3人が中に入った時には蝋燭の灯りに照らされた大広間はほぼ満員でした。教職員テーブルのまだ空席になっているダンブルドアの席の正面に「炎のゴブレット」が移されていました。フレッドとジョージもいました。

フレッドとジョージは鬚もすっかりなくなって失望を乗り越えどうやら調子を取り戻したようでした。

3-2.ついに代表選手が決まる瞬間を迎えて
ハリーたち3人が席に着くとフレッドが「アンジェリーナだといいな」と声をかけて来ました。ハーマイオニーも声を弾ませて「私もそう思う!」と言った後に「さあもうすぐはっきりするわ!」とそう言ったというわけです。

ハロウィン・パーティはいつもより長く感じられました。2日続けての宴会だったからかもしれません。ハリーも準備された豪華な食事にいつもほど心を奪われませんでした。それはハリーだけではなく他の生徒もそうでした。

大広間の誰も彼もが首を伸ばして待ち切れないという顔をして「ダンブルドアはまだ食べ終わらないのか」とそわそわしたり立ち上がったりしていました。ハリーも同じ気持ちで早く皿の中身が片付けられて欲しいと願いました。

そして誰が代表選手に選ばれたのか聞けるといいのにと思っていました。ついにその願い通りに皿がきれいさっぱりと元のまっさらな状態になり大広間の騒がしさが急に大きくなりましたがダンブルドアが立ち上がった時でした。

大広間は一瞬にして静まり返りました。ダンブルドアの両脇にいるカルカロフ校長とマダム・マクシームも生徒たちと同じように緊張と期待感に満ちた顔でした。バグマン氏も生徒たちに向かって笑いかけウィンクしていました。

その一方でクラウチ氏は全く無関心でほとんどうんざりした表情でした。立ち上がったダンブルドアは「さてゴブレットはほぼ決定したようじゃ。わしの見込みではあと1分ほどじゃの」と言うとこの後の段取りを説明しました。

「さて代表選手の名前が呼ばれたらその者たちは大広間の一番前に来るがよい。そして教職員テーブルに沿って進み隣の部屋に入るよう。そこで最初の指示が与えられるであろう」

ダンブルドアは言葉の途中で教職員テーブルの後ろの扉を示しながらこう言いました。そして杖を取り出すと大きく一振りしました。途端にくり抜きかぼちゃを残しそれ以外の蝋燭が全て消えて大広間はほぼ真っ暗になりました。

「炎のゴブレット」は今や大広間の中で殊更に明々と輝き青白い炎が目に痛いほどでした。全ての目が見つめ待ちました。ハリーから2つ離れた席のリー・ジョーダンが「来るぞ」と呟きました。そしてついにその時が来ました。

ゴブレットの炎が候補者が名前を入れた時と同じように突然また赤くなりました。火花が飛び散り始めました。次の瞬間には炎が宙を舐めるように燃え上がり炎の舌先から焦げた羊皮紙が1枚落ちて来て全員が固唾を飲みました。

ダンブルドアがその羊皮紙を捕らえ再び青白くなった炎の明かりで読もうと胸の高さに差し上げました。力強いはっきりした声でダンブルドアが読み上げました。その名前を聞いてロンがそう来なくっちゃと声を張り上げました。

「ダームストラングの代表選手はビクトール・クラム」

大広間中が拍手の嵐に加えて歓声の渦でした。ビクトール・クラムがスリザリンのテーブルから立ち上がり前屈みにダンブルドアのほうに歩いて行くのをハリーは見ていました。ダンブルドアの指示通りに隣の部屋に入りました。

「ブラボービクトール!判っていたぞ。君がこうなるのは!」

カルカロフ校長の声が轟きました。大きな拍手の音にも関わらず全員に聞き取れるほどの大声でした。拍手が収まると全員の関心は数秒後にまたも赤く燃え上がったゴブレットに集まりました。2人目が決まったというわけです。

「ボーバトンの代表選手はフラー・デラクール!」

ヴィーラに似た美少女が優雅に立ち上がりシルバーブロンドの豊かな髪をサッと振って後ろに流すとレイブンクローとハッフルパフのテーブルの間を滑るように進みました。前日の夜にはブイヤベースを取りに来た美少女でした。

そこでハリーが「ロン。あの女(ひと)だ」と叫びました。一方ハーマイオニーは残されたボーバトン生を見て「まあ見てよ。みんながっかりしてるわ」と言いました。ハリーは「がっかり」ぐらいでは言い足りないと思いました。

選に漏れた2人の女子生徒は泣き出し腕に顔を埋めてしゃくり上げていました。フラー・デラクールが隣の部屋に入るとまたしても沈黙が訪れました。今度は興奮で張り詰めています。残るはホグワーツの代表選手だからです。

3-3.途切れたダンブルドアの言葉
そして今夜三度目に「炎のゴブレット」が赤く燃えました。溢れるように火花が飛び散りました。炎が空を舐めて高く燃え上がりその舌先からダンブルドアが3枚目の羊皮紙を取り出しました。そして読み上げたというわけです。

「ホグワーツの代表選手はセドリック・ディゴリー!」

これを聞いてロンが大声で「駄目!」と言いました。しかしハリーの他には誰にも聞こえはしませんでした。隣のテーブルの大歓声が物凄かったからでした。ハッフルパフ生が総立ちになって叫びながら足をも踏み鳴らしました。

セドリックは笑顔を浮かべるとその中を通り抜け教職員テーブルの後ろの部屋へと向かいました。セドリックへの拍手があまりにも長々と続いたのでダンブルドアが再び話し出すまでに暫く間を置かなければならないほどでした。

「結構結構!さてこれで3人の代表選手が決まった。選ばれなかったボーバトン生もダームストラング生も含めみんな打ち揃ってあらん限りの力を振り絞り代表選手たちを応援してくれる事と信じておる」

ところが「選手に声援を送る事でみんなが本当の意味で貢献でき」とまで言った所でダンブルドアが突然言葉を切りました。何がダンブルドアの気を散らせたのか誰の目にも明らかでした。到底考えられない事が起きたからです。

「炎のゴブレット」がまたしても赤く燃え始めたのです。火花が迸りました。空中に炎が伸び上がりその舌先には4枚目の羊皮紙を載せていました。ダンブルドアは反射的に長い手を伸ばすとその4枚目の羊皮紙を捕らえました。

ダンブルドアはその羊皮紙を掲げると書かれた名前をじっと見ていました。両手で持った羊皮紙をダンブルドアはそれから暫くの間眺めていました。長く沈黙が続きました。大広間中の目がダンブルドアに集まっていたのでした。

やがてダンブルドアは咳払いをすると読み上げました。

「ハリー・ポッター」

今日の最後に
ダンブルドアにとってハリーはお気に入りの生徒で初対面の時からファーストネームで呼んでいました。そしてカルカロフ校長にとってビクトール・クラムはお気に入りの生徒でやはりファーストネームで呼んでいるんですよね。

10月31日の夜も宴会が終わって船に戻る時には「厨房から卵酒でも持って来させようか?」と風邪気味のクラムを気遣ってみたり11月1日の夜に船から城に来る際にもカルカロフ校長はクラムと肩を並べて歩いていたんですよね。

そして自校の代表選手がクラムに決まった時にはそれはもう大きな声で「ブラボービクトール!判っていたぞ。君がこうなるのは!」と言いました。そのぐらいカルカロフ校長はビクトール・クラムがお気に入りというわけです。

でもダンブルドアにとってのハリーとカルカロフ校長とクラムの関係が大きく異なるのはカルカロフ校長はクラムの事を露骨に贔屓してそれを隠そうともしない事ですよね。ダンブルドアも実はハリーの事を贔屓はしています。

でもダンブルドアの場合は密かにさりげなくであって決して露骨ではありませんからね。そこが違っていますよね。
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