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グリモールド・プレイス12番地を追われて流浪の旅に出たハリーたち3人でしたがグリフィンドールの剣で分霊箱を破壊できるという事が判りました。しかしその事でハリーとハーマイオニーはロンを失う事になってしまいました。ところがグロスター州のディーンの森で事は起こりました。(全3項目)

3-1.こんな所に!
ハリーは呆然として銀色の牝鹿を見つめました。牝鹿とハリーは暫くの間は互いにじっと見つめ合っていました。それから牝鹿は向きを変えて去り始めました。ハリーはほんの一瞬だけ「罠なのでは?」との懸念を抱きました。

危ない誘いかもしれない。慎重さが囁きかけて躊躇しました。しかし圧倒的な直感が「これは闇の魔術ではない」とハリーにそう教えていました。そこでハリーは銀色の牝鹿を追い始めたというわけです。そしてだったのでした。

銀色の牝鹿は立ち止まるともう一度ハリーのほうに顔を向けました。ハリーは走り出しました。ところがハリーが話しかけようとして口を開いた途端に牝鹿は消えてしまいました。ハリーは方向感覚を失い恐怖が蘇って来ました。

ハリーは借りているハーマイオニーの杖先に灯りを点し高く掲げました。誰も襲って来る気配はありません。それなら何故に牝鹿は自分をここに連れて来たのだろうとハリーは思いました。その時の事だったというわけですよね。

杖灯りで何かが光りました。ハリーが後ろを向くと小さな凍った池がありました。よく見ようとして杖を持ち上げると暗い池の表面が割れて光っていました。ハリーは用心深く近づき池を見下ろしました。ハリーは驚愕しました。

心臓が喉元まで飛び出すほどに驚きました。池の縁にひざまずいて池の底にできるだけ光が当たるように杖を向けました。深紅の輝き。柄に輝くルビーを嵌め込んだ剣。グリフィンドールの剣が池の底に横たわっていたのでした。

ハリーはほとんど息を止めて剣を覗き込みました。どうしてこんな事が?自分とハーマイオニーが野宿しているグロスター州のディーンの森の池の中にこうしてグリフィンドールの剣か横たわってるなんて一体どうしてなんだ?

フィニアス・ナイジェラス・ブラックがハーマイオニーのビーズバッグの中で聞き耳を立てて自分たちがグロスター州のディーンの森にいると肖像画のダンブルドアに知らせスネイプが持って来ただなんて予想は不可能ですよね。

したがってハリーには「何故グリフィンドールの剣がここにあるのか?」の理由なんて皆目見当がつかないというわけですよね。ところがこの後さらにさらにハリーを驚愕させる出来事が待ち受けていたというわけなんですよね。

3-2.驚愕の再会
ハリーは杖を向けて呟くように「アクシオ。剣よ来い」と唱えましたが剣は微動だにしませんでした。ハリーも動くとは全く期待していませんでした。そんなに簡単に動くくらいなら剣が池の底に沈んでいるはずがないからです。

ただ単純に渡すだけなら剣は地面に置かれていただろうと考えるのが妥当だからです。考えに考え抜いたその末にあまりにも気の進まない事でしたがハリーは服を脱ぎ始めました。そして氷の張る池に飛び込んで行ったのでした。

ところが指が剣の柄を握り引っ張り上げたその時の事でした。何かがハリーの首を絞めました。多分水草だろうと思いハリーは空いている手でそれを払い退けようとしました。しかしそれは水草ではなく首にかけた分霊箱でした。

ハリーは水面に戻ろうとがむしゃらに水を蹴りましたが池の岩場のほうへと進むばかりでした。溺れるんだ。もう残された手段はない。自分には何もできない。胸の周りを締め付けているのは「死」の腕に違いないと思いました。

ふと気づくとハリーは雪の上で腹這いになって我に返っていました。どこか近くでもう1人の誰かが喘ぎ咳き込みながらよろめいています。ハーマイオニーがまた助けに来てくれたんだとハリーは思いましたが何かが違います。

足音の重さが違うし咳き込む声が低いのです。ハリーは助けてくれたのが誰かを見るために頭を持ち上げる力さえありませんでした。その声を聞いたショックがなければハリーは起き上がる力さえ出なかったというわけですよね。

「おい。気は。確かか?」

歯の根も合わないほどに震えながらハリーはよろよろと立ち上がりました。目の前にロンが立っていました。服を着たままでびしょ濡れで髪は顔に張りつき片手にグリフィンドールの剣を持ちもう片手には分霊箱を持っています。

「全くどうして潜る前にこいつを外さなかったんだ?」

この問いにハリーは答えられませんでした。銀色の牝鹿などロンの出現に比べたら何でもない。ハリーは目の前の現実が到底信じられませんでした。寒さに震えつつハリーは池の縁に重ねて置いてあった服を掴むと着始めました。

1枚セーターを頭から被る毎にロンの姿が消えてしまうのでハリーはそのたびにロンが消えてしまうのではないかと半信半疑でした。しかしロンは本物で消えはしませんでした。池に飛び込んで溺れるハリーを救ったのでした。

「き、君だったの?」

こう言ってハリーはようやく口を開きました。分霊箱に首を絞められていたので普段より弱々しい声でした。ハリーのこの問いにロンは若干まごつきながらも「まあそうだ」と答えました。ハリーはさらにロンにこう訊きました。

「どうして君がここに?」

どうやらロンはこの話題が出るのならもっと後に出て欲しかったようです。ロンは咳払いをすると「あのさ僕。ほら。僕戻って来た。もしも」と言葉を途切れがちにして言うとハリーに向かって今度はこう言ったというわけです。

「あの君がまだ僕にいて欲しければなんだけど」

一瞬沈黙がありました。その沈黙の間にロンの去って行った事が2人の間に壁のように立ちはだかるかのように思えました。しかしロンはここにいる。帰って来た。そしてたった今ハリーの命を救ったというわけなんですよね。

3-3.分霊箱を破壊
ハリーがしゃべれるようになったので2人は暫くの間は銀色の牝鹿つまり守護霊について話し合いました。結論は誰だか分らないが守護霊を出した人が池の底に剣を置いたに違いないという事になりロンがこう訊いて来ました。

「こいつ本物だと思うか?」

この問いにハリーは「1つだけ試す方法がある。だろう?」と答えました。ハリーはハーマイオニーの杖を高く掲げると周りを見回しシカモアの木陰の平たい岩に目をつけました。ここに分霊箱を置いて破壊するというわけです。

ロンが剣を差し出すとハリーは首を振って「いや君がやるべきだ」と言いました。ロンは驚いた顔をして「僕が?どうして?」と訊いて来ました。ハリーは親切心や気前のよさからではなく確信があってロンにこう言いました。

「君が池から剣を取り出したからだ。君がやる事になっているのだと思う」

ハリーはさらに「僕がこれを開く。そして君が刺すんだ。一気にだよいいね?中にいる物が何であれ歯向かって来るからね」とロンに言いました。かつて日記の中のリドルの欠片もハリーを殺害しようとしたからというわけです。

怯えた表情になりロンは「どうやって開くつもりだ?」と訊いて来ました。その問いにハリーは「開けって頼むんだ。蛇語で」と答えました。ここで久方ぶりにハリーが蛇語を話せる事が役に立つ時がやって来たというわけです。

ロンは自分にはできないと激しく躊躇して来ました。駄目だ。そいつが苦手なんだ。自分には手に負えない。自分にはできないよなどと言うロンにハリーはこう言ってロンを励ましロンがこの分霊箱を破壊すべきだと訴えました。

「君にはできる。できるんだ!君はたった今剣を手に入れた。それを使うのは君なんだって事が僕には判るんだ。頼むからそいつをやっつけてくれ。ロン」

最後に「ロン」と名前を呼ばれた事が刺激剤の役目を果たしたようでした。ロンは意を決したように唾を飲み込むと「合図してくれ」と言いました。ハリーは分霊箱を見下ろすと「3つ数えたらだ」とロンにそう告げたのでした。

ハリーは目を細めロケットの「S」の字に集中し蛇を思い浮かべました。3つ数えて最後に言った「開け」は蛇語でした。カチッという小さな音と共にロケットの金色の2つの蓋が開きました。分霊箱はやはり歯向かって来ました。

「お前の心を見たぞ。お前の心は俺様のものだ」とか「母親の愛情がいつも一番少なかった。母親は娘が欲しかったのだ。今も愛されていない」などと言って来ました。最後にはハリーとハーマイオニーの奇妙な姿が現れました。

苦悶に歪んだ表情で両腕を震わせながらロンはグリフィンドールの剣を振り下ろしました。鋭い金属音と長々しい叫び声がしました。目を涙で濡らすロンを見ないふりをしてハリーは屈み込み破壊された分霊箱を拾い上げました。

こうして1つ目に獲得した分霊箱のスリザリンの金のロケットは破壊されたというわけなんですよね。

最後に
2年生の時にハリーはギルデロイ・ロックハートが主宰した「決闘クラブ」で蛇語を解し話せる事が明らかになって学校中から「スリザリンの継承者で一連の襲撃事件の犯人では?」と疑われ恐れられる事となってしまいました。

しかしその能力を使って「秘密の部屋」を開き毒蛇の王バジリスクをグリフィンドールの剣を使って倒しました。そして今回ハリーは蛇語で「開け」と言ってロケットを開けロンがその剣を使って分霊箱を破壊したんですよね。

さらにハリーとハーマイオニーはグリフィンドールの剣という新たな探し物が加わった事でロンを失うという災難に遭ってしまいました。しかしそのロンはこうして戻って来てハリーを救い分霊箱を破壊したというわけですよね。

つまり2つの災いが巡り巡って福と成りハリーたち3人に恩恵をもたらしたというわけなんですよね。
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