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学期2日目にして早くもロックハートに激しい嫌悪感を抱く事になったハリーはそれからは顔を合わせないよう手段を講じる事を余儀なくされました。ところが週末の土曜日にまたしてもロックハートと会う事が避けられない事となってしまいました。それは夜の8時に・・・(全3項目)

3-1.誰もいなかった?
それから数日はギルデロイ・ロックハートが廊下を歩いて来るのが見えて来る毎に素早く隠れるという手の繰り返しでハリーは随分と時間を取られました。そして週末の土曜日には思わぬ場所でロックハートに遭遇したのでした。

クィディッチ競技場でグリフィンドール・チームが練習をしようとしているとスネイプが新人シーカーのため特別許可を出したと言ってスリザリン・チームが割り込んで来ました。その新人シーカーはドラコ・マルフォイでした。

少なくともグリフィンドールの選手は1人としてお金で選ばれていない。純粋に才能で選手になった。父親のルシウス氏がスリザリン・チームにニンバス2001を寄贈してマルフォイが入ったのでハーマイオニーがこう言いました。

そう言われてマルフォイは「誰もお前の意見なんか求めてない。生まれ損ないの穢れた血め」と吐き捨てるように言い返しました。その途端に轟々と非難の声が上がり激昂したロンはマルフォイに呪いをかけようとしたのでした。

ところが杖が折れていたため呪いは逆噴射してロン自身に撥ね返って来ました。ロンがマルフォイにかけようとしたのは「ナメクジゲップの呪い」でした。ハリーとハーマイオニーはロンをハグリッドの小屋に連れて行きました。

そこにロックハートがいたのです。ハリーは「早く。こっちに隠れて」と囁くと脇の茂みにロンを引っ張り込みました。ハーマイオニーはハリーの指示に渋々従いました。こうしてハリーはロックハートをやり過ごしたのでした。

「ねえハグリッド。ロックハートは何の用だったの?」

ハリーがこう訊くとハグリッドは「井戸の中から水魔を追っ払う方法を俺に教えようとしてな。まるで俺が知らんとでもいうようにな。その上自分が泣き妖怪とか何とかを追っ払った話をさんざぶち上げとった」と答えました。

さらにハグリッドは「やっこさんの言っとる事が1つでも本当だったら俺はへそで茶を沸かしてみせるわい」とロックハートの事を激しく非難したのでした。ホグワーツの先生を批判するなんてハグリッドらしくないですよね。

ハーマイオニーは普段より少し上ずった声で「それって少し偏見じゃないかしら。ダンブルドア先生はあの先生が一番適任だとお考えになったわけだし」と反論しました。それに対してハグリッドはこう言葉を返したのでした。

「他にだーれもおらんかったんだ。人っ子ひとりおらんかったんだ。闇の魔術の先生をする者を探すのが難しくなっちょる。だーれも進んでそんな事をやろうとせん。な?みんなこりゃ縁起が悪いと思い始めたな」

何でもハグリッドが言うにはここの所は長続きした者はいないのだそうです。だから今年度は「闇の魔術に対する防衛術」の教師にはお世辞にも優秀とは言い難いギルデロイ・ロックハートが選ばれたとハグリッドは言うのです。

3-2.罰則
昼食の時間になったのでハリーたち3人はハグリッドにさよならを言って城に戻って来ました。玄関ホールに足を踏み入れた途端に声が響いてマクゴナガル先生が厳しい表情で近づいて来るとハリーとロンにこう言ったのでした。

「ポッター。ウィーズリー。そこにいましたか。2人とも処罰は今夜になります」

新学期初日に空飛ぶ車で「暴れ柳」に突っ込んだ件でハリーとロンは罰則を受ける事になっていました。何と罰則は2人別々でロンは管理人アーガス・フィルチと一緒にトロフィー室で魔法なしで銀磨きをするという内容でした。

一方ハリーのほうはロックハートがファンレターに返事を書くのを手伝うという内容でした。ハリーは絶望的な声でマクゴナガル先生に「えーっ。そんな。僕もトロフィー・ルームのほうでいけませんか?」と訊いたのでした。

しかしマクゴナガル先生は眉を吊り上げ「もちろんいけません。ロックハート先生はあなたを特にご指名です」と言いハリーとロンに「2人とも8時きっかりに」と告げました。2人が2人とも最悪の貧乏くじを引いたと思いました。

8時5分前ハリーは重い足をひきずり3階の廊下を歩いてロックハートの部屋に到着しました。ハリーが歯を食い縛って扉をノックすると扉は瞬時に開かれロックハートは笑顔を見せてハリーを見下ろすとこう言ったんですよね。

「おや悪戯坊主のお出ましだ!入りなさい。ハリーさあ中へ」

ロックハートにとっては待望の時間がやって来たというわけです。壁には額入りのロックハートの写真が数え切れないほど飾ってあり沢山の蝋燭に照らされて明るく輝きサイン入りの物も幾つかあって机の上にも一山ありました。

「封筒に宛名を書かせてあげましょう!」

その口調は「こんな素晴らしいもてなしはないだろう」と言わんばかりでした。要するに書き取り罰則というわけです。ハリーが最初に書いたのはグラディス・ガージョンという人で幸いにもロックハートの大ファンだそうです。

時間はのろのろと過ぎました。ハリーは時々「うー」とか「えー」とか「ハー」と生返事をしながらロックハートの声を聞き流していました。たまにハリーの耳に入って来たロックハートの台詞はこんな言葉だったんですよね。

「ハリー評判なんて気まぐれなものだよ」

「有名人らしい行為をするから有名人なのだよ。覚えておきなさい」

蝋燭が燃えて炎が段々低くなりハリーを見つめているロックハートの写真の顔の上で光が踊りました。もう千枚目の封筒じゃないだろうかと思いながらハリーは痛む手を動かしてベロニカ・スメスリーの住所を書いていました。

もうそろそろ帰ってもいい時間のはずだ。どうぞそろそろ時間になりますようにとハリーは惨めな気持ちでそんな事を考えていました。その時の事だったんですよね。

3-3.謎の声
その時何かが聞こえました。消えかけた蝋燭が吐き出す音ではなくロックハートがファン自慢をしゃべりまくる声でもありません。それは骨の髄まで凍らせるような息が止まるような氷のように冷たいまるで毒のような声でした。

ハリーは飛び上がって「何だって?」と大声で言いました。ベロニカ・スメスリーの住所の丁目の所に滲みができてしまいました。ハリーの問いかけにロックハートがこう答えました。しかし残念な事には的外れもいい所でした。

「驚いたろう!6ヵ月連続ベストセラー入り!新記録です!」

ハリーは我を忘れて「そうじゃなくてあの声!」と叫びました。するとロックハートは不審そうに「えっ?どの声?」と訊いて来ました。これにハリーは「あれです。今のあの声です。聞こえなかったんですか?」と言いました。

「ハリー一体何の事かね?少しとろとろして来たんじゃないのかい?おやまぁこんな時間だ!4時間近くここにいたのか!信じられませんね。矢のように時間が経ちましたね?」

ロックハートは唖然としてハリーを見るとこう応えました。ハリーは言葉を返さずにじっと耳を澄ませてあの声をもう一度聞こうとしました。しかし何の音もしませんでした。ロックハートがハリーにこう言っているだけでした。

「処罰を受ける時いつもこんなにいい目に遭うと期待してはいけないよ」

ハリーは呆然としたままロックハートの部屋を出ました。寮に帰るとハリーはまっすぐ寝室に戻りました。ロンはまだ戻っておらずハリーがパジャマに着替えて待っていると30分ほどして右腕をさすりさすり戻って来たのでした。

「それでロックハートはその声が聞こえないって言ったのかい?ロックハートが嘘をついていたと思う?でも分らないなあ。姿の見えない誰かだったとしてもドアを開けないと声が聞こえないはずだし」

ハリーが自分が聞いた声の事を話すとロンはこう言って来ました。月明かりの中でロンの顔が曇ったのがハリーには判りました。ハリーはベッドに仰向けになり「そうだよね。僕にも分らない」と呟いたというわけなんですよね。

今日の最後に
ロンも初授業を受けて「ご本人はやっとおっしゃいますがね」と疑いハグリッドも「闇の魔術に対する防衛術」の先生を探すのが難しくなっている。他に誰もいなかったからロックハートがこの教職に就いたとそう言っています。

実はギルデロイ・ロックハートはスクイブの一歩手前の魔法使いで魔法力が極度に弱くてまともにかけられるのは「忘却術」だけなんですよね。本に書いている事は他人がした事でロックハートがしている事ではないんですよね。

ロックハートは本のネタにできそうな事をしている人を探す。そして話を聞き出すとその人に「忘却術」をかけて忘れさせる。ロックハートが後に告白した際に言ったのは自分はそういう人を探すという努力をしたのだそうです。

ロックハートはハリーが大好きで罰則を科されたハリーと過ごした4時間が「矢のように時間が経ちましたね!」と言っています。私はロックハートはハリーが好きと言うよりもハリーが成し遂げた事が好きだとそう思いますね。

ハリーがヴォルデモートを消し去って魔法界を平和にしたという実績が好きなのです。ロックハートは本当はハリーに「忘却術」をかけてハリーのその手柄を自分のものにしたいと願っていると私はそう思います。でもできない。

ハリーがヴォルデモートを消し去った事は魔法界に知れ渡っています。加えて既に数々の本に書かれてしまっています。だからできない。これがロックハートにしてみれば最も苛立つ事で最大のジレンマというわけなんですよね。
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