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リドル一家死亡事件の後も「リドルの館」の庭番を続けていたフランク・ブライスでしたがとある8月の夜に目を覚ますと屋敷の2階の窓に灯りが見えたため悪ガキどもがまたも侵入したと思ってフランクは出かけて行きました。しかし一番奥の部屋にいたのは2人の男でした。(全3項目)

3-1.一番奥の部屋で
「ご主人様まだお腹がお空きでしたら今少しは瓶に残っておりますが」おどおどと話す男に別の声が「後にする」と応えました。これも男の声でしたが不自然に甲高くしかも氷のような風が吹き抜けるかのような冷たい声です。

「ワームテール俺様をもっと火に近づけるのだ」

何故かしらその声はフランクの後頭部の毛を逆立てさせました。フランクはまだましな右の耳を扉のほうにと向けました。瓶を何か硬い物の上に置く音が聞こえたかと思うと今度は重い椅子を引きずる床を擦る鈍い音がしました。

椅子を押している小柄な男の背中がちらりと見えました。長く黒いマントを着ていました。そして再び小男の姿が視界から消えたかと思うと冷たい声が「ナギニはどこだ?」と訊いてびくびくした声がこう答えたというわけです。

「わ-分りません。ご主人様。家の中を探索に出かけたのではないかと」

すると別の声が「寝る前にナギニのエキスを絞るのだぞワームテール。夜中に飲む必要がある。この旅で随分と疲れた」と言いました。眉根を寄せてフランクが右耳をさらに扉に近づけると一瞬間を置いてこう声が聞こえました。

「ご主人様。ここにはどのぐらいご滞在のおつもりか伺ってもよろしいでしょうか?」

ワームテールと呼ばれた男がこう訊くと冷たい声が「1週間だ」と答えました。もっと長くなるかもしれない。ここはまあまあ居心地がいいし計画をまだ実行できないからだそうです。さらに冷たい声はこう言ったんですよね。

「クィディッチのワールドカップが終わる前に動くのは愚かであろう」

フランクは指を耳に突っ込んで耳糞を掻き出そうとしました。何故ならば「クィディッチ」なんて言葉とは言えない言葉が聞こえて来たからです。しかしその言葉はワームテールと呼ばれた男の口からも聞こえて来たんですよね。

お許しください。自分には分らない。どうしてワールドカップが終わるまで待たなければならないのでしょう?こう訊くワームテールに冷たい声は「愚か者め」と言い放ちました。ワールドカップが終わるまでは待たねばならぬ。

今この時こそ世界中から魔法使いがこの国に集まり魔法省のお節介どもがこぞって警戒して不審な動きがないかと鵜の目鷹の目で身許の確認をしている。マグルが何も気づかぬようにと安全対策に血眼になっているから待つのだ。

「それではあなた様はご決心がお変わりにならないと?」

ワームテールがひっそりこう訊くと冷たい声は?

3-2.ハリー・ポッターなしでも?
冷たい声は脅すような響きを内包させながら「ワームテールよ。もちろん変わらぬ」と答えました。一瞬言葉が途切れました。そしてワームテールがまた口を開きましたがまるで言葉が慌てて転げ出て来るかのような感じでした。

気持ちが挫けない内に無理にでも言ってしまおうとしているかのようでした。今度はワームテールは「ご主人様。ハリー・ポッターなしでもおできになるのではないでしょうか」と言いこの後は少し長めに言葉が途切れました。

「ハリー・ポッターなしでだと?なるほど」

こう言う冷たい声にワームテールは声を上ずらせて自分は何もあの小僧の事を心配して申し上げているのではない。自分は何とも思ってなどいない!ただハリー・ポッターでなくとも他の魔女や魔法使いで事はもっと迅速に行える。

ほんの暫くの間だけお側を離れさせていただければ自分はご存じのようにいとも都合の良い変身ができる。ほんの2日もあれば適当な者を連れて戻って参る事ができるとワームテールはそう言ったのでした。すると冷たい声は?

「確かに他の魔法使いを使う事もできよう。確かに」

冷たい声が低い声でこう言うとワームテールはいかにもほっとした声で「ご主人様。そうでございますとも」と言いました。何しろハリー・ポッターは厳重に保護されているので手をつけるのは非常に難しいとも言ったのでした。

しかし冷たい声は言うのです。進んで身代わりを捕まえに行くのか?自分の世話をするのが面倒になって来たのでは?計画を変えよと言いながらお前は自分を置き去りにしようとしているのでは?ワームテールはこう答えました。

「滅相もない!わ、わたくしめがあなた様を置き去りになど決してそんな」

冷たい声は歯噛みして「俺様に向かって嘘をつくな!」と言いました。お見通しなんだそうです。ワームテールは自分の所に戻った事を後悔していると冷たい声は言うのです。自分を見ると反吐が出るとも冷たい声は言いました。

お前は自分を見るたびにたじろぐし触れる時にも身震いしている。そう言う冷たい声にワームテールは「違います!わたくしめはあなた様に献身的に」と反論をしましたが冷たい声はそれは臆病以外の何物でもないと言うのです。

「前よりずっとお元気におなりでは」こう言うワームテールに冷たい声は「嘘をつくな。元気になってなどいるものか」とそう応えました。2日か3日も放置されればお前の不器用な世話で何とか取り戻した僅かな力もすぐに失う。

冷たい声はこう言いました。お前にももう話したようにあの小僧を使うには自分なりの理由がある。他の奴は使わぬ。13年も待った。あと数カ月が何だというのだ。お前が僅かな勇気を持てばこの計画は上手く行くんだそうです。

3-3.重要な仕事
しかしワームテールは更なる懸念材料を提示して来ました。バーサ・ジョーキンズが消えた事は早々に気付かれてしまう。それに対し冷たい声はワームテールがこの計画通りに実行すれば魔法省は決して気付かないと言うのです。

お前はそっと下手に騒がずにやれば良い。さらに冷たい声は「あと1人邪魔者を消せばハリー・ポッターへの道は一直線だ」とそう言うのです。お前に1人でやれとは言わぬ。その時までには忠実なる下僕が再び加わるであろう。

「わたくしめも忠実な下僕でございます」

こう言うワームテールの声が微かにすねていました。それに対して冷たい声は自分には頭のある人物が必要なのだ。揺らぐ事のない忠誠心を持った者だとも言いました。ワームテールには不幸にしてどちらの要件も満たしていない。

「わたくしがあなた様を見つけました」

今度ははっきり口惜しさを漂わせつつワームテールがこう言うと冷たい声は「貴様にそんな才覚があろうとは思わなかったわ」と楽しむように言いました。しかし同時にあの女がどんなに役に立つか気づいてはいなかっただろう。

そう言ったというわけです。あの女の情報は価値があった。あれなくして我々の計画を練る事はできなかったであろう。そこで冷たい声はワームテールにその事で褒美を授ける。自分のために1つ重要な仕事を果たす事を許そう。

「ま、まことでございますか?ご主人様。どんな?」

我につき従う者の多くが諸手を挙げて馳せ参ずるような仕事を授けよう。こう言う冷たい声にワームテールがこう訊きました。すると冷たい声はせっかく驚かせてやろうという楽しみを台無しにする気かとそう言ったのでした。

ワームテールの役目は最後の最後なのだそうです。

今日の最後に
「ハリー・ポッターなしでもおできになるのではないでしょうか」ワームテールはこう口火を切って冷たい声つまりはヴォルデモートに代わりの者を自分が見つけて来れば事はもっと迅速に行えるとそう提案しているんですよね。

何故こう提案したのか?私は理由は2つあるとそう思いますね。1つ目はやはりこの計画にハリーを引き込みたくない。あんな小僧の事は何とも思っていないと言いつつワームテールにとってハリーは命の恩人だからなんですよね。

2つ目には1日も早く計画をやり遂げてヴォルデモートと2人だけというこの状況から脱したいとそう思っている。ヴォルデモートはワームテールに自分の所に戻って来た事を後悔していて離れたいと思っていると言っています。

見ると反吐が出る。見るたびにたじろいでいるし触れる時にも身震いをしている。ヴォルデモートはワームテールにこう言って暗に自分と一緒にいたくはないんだろうとそう指摘していますよね。一緒にいるのが嫌なんですよね。

だからワームテールは「ご主人様と2人だけというこの状況を1日も早く終了させたい!」とそう願っているというわけなんですよね。
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