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ハリポタ通の館(やかた)

ここではハリーポッター・シリーズに関する様々な情報や私の推測(妄想?)をお届けしています。毎週、日曜・月曜・水曜・木曜更新。

ヴォルデモートが立てた計画通りに事は成ってハリーはリトル・ハングルトンの教会墓地に運ばれて来ました。そしてハリーはワームテールの手によってこの3年間悪夢で悩まし続けられていたその人物がついに復活するのを見届ける事になったというわけなんですよね。(全3項目)

3-1.リトル・ハングルトンの教会墓地に
ヴォルデモートの目論見通りにハリーはリトル・ハングルトンの教会墓地に運ばれて来ました。ようやく優勝杯から手が離れ「何故ここに運ばれて来たのか?」の理由が全く分からないハリーはセドリックにこう訊いたのでした。

「ここはどこだろう?」

当然の如くセドリックも首を横に振りました。2人は周りを見回しました。ホグワーツからは完全に離れている事は判ります。何キロかあるいは何百キロも離れているかもしれない。城を取り囲む山々さえ見えなかったからです。

「優勝杯が移動キーになっているって君は誰かから聞いているか?」

セドリックは優勝杯を見下ろしてからハリーを見てこう訊きました。ハリーは「全然」と答えると「これも課題の続きなのかな?」と訊き返しセドリックは少し不安げな声で「分らない」と答えるとハリーにこう言って来ました。

「杖を出しておいたほうがいいだろうな?」

「ああ」と答えつつハリーはセドリックのほうが先に杖の事を言ってくれてうれしいと思いました。2人は杖を取り出しました。ハリーはずっとあたりを見回していました。誰かに見られているという奇妙な感じがしたからです。

ハリーが突然「誰か来る」と言いました。暗がりでじっと目を凝らすと墓石の間を間違いなくこちらに近づいて来る人影があります。顔は見分けられませんでしたが歩き方や腕の組み方などから何かを抱えているのは判りました。

誰かは分りませんが小柄でフードつきのマントをすっぽり被って顔を隠していました。その姿がさらに近づいて距離が一段と狭まって来た時にはハリーにはその影が抱えているのが赤ん坊のように見えたというわけなんですよね。

ハリーは杖を少し下ろし横目でセドリックをちらりと見ました。セドリックもハリーに訝しげな視線を返しました。そして2人とも近づいて来る影に目を戻しました。その影は2人から僅か2メートルほどの墓石の前で止まりました。

丈高の大理石の墓石でした。一瞬ハリーにセドリックとその小柄な姿が互いに見つめ合いました。その時でした。何の前触れもなしにハリーの額の傷痕に激痛が走りました。これまで一度も経験した事のないような苦痛でした。

両手で顔を覆ったハリーの指の間から杖が滑り落ちハリーはがっくりと膝を折ってしまったのでした。地面に座り込み痛みで全く何も見えず今にも頭が割れそうかと思うほどの激しい痛みでした。その声はどこか遠くからでした。

「アバダ ケダブラ!」

緑の閃光がハリーの閉じた瞼の裏で光りました。何か重いものがハリーの脇の地面に倒れる音がしました。あまりの傷痕の痛さに吐き気がするほどです。その時ふと痛みが薄らぎました。目を開ける事さえ恐ろしいと思いました。

しかしハリーが目を開けると非情な現実が目の前にありました。セドリックが足下に大の字になって倒れている。死んでいたのでした。

3-2.包みの中から出て来たのは?
一瞬が永遠に感じられました。ハリーは虚ろに見開かれた廃屋の窓ガラスのように無表情なセドリックの灰色の目をあるいは少し驚いたように半開きになったセドリックの口元を見ました。信じられず受け入れられませんでした。

信じられないという思いの他は感覚が麻痺していました。誰かが自分を引きずって行く。フードを被った小柄な男が手にした包みを下に置き杖灯りを点けハリーを大理石の墓石のほうに引きずって行ったというわけなんですよね。

ハリーは無理やり後ろ向きにされて背中をその「トム・リドル」の名前が入った墓石に押しつけられました。男は今度は杖から頑丈な縄を出して来るとハリーを墓石に縛りつけ始めました。ハリーが抵抗をすると殴って来ました。

指が1本欠けている。それを見てハリーはその小柄な男がワームテールだと判って「お前だったのか!」と言いましたがワームテールは何も言いませんでした。縛り終えると縄目の堅さを確かめるのに余念がなかったのでした。

結び目をあちこち不器用に触りながらワームテールの指は止めようもなく小刻みに震えていました。ハリーが墓石にしっかり縛りつけられている事を確認するとワームテールは黒い布を出して乱暴にハリーの口に押し込みました。

それから一言も言わずにハリーに背を向けて急いで立ち去りました。ハリーが赤ん坊だと思った包みは墓のすぐ前にありました。包みはじれったそうに動いているようです。包みを見つめると傷痕が再び焼けるように痛みました。

その時ハリーは包みの中身が何なのかに気付きました。包みの中身は見たくない。開けないでくれとハリーは思ったのでした。足下で音がして見下ろすとハリーを縛りつけている墓を包囲するように巨大な蛇が這っていました。

ワームテールの荒い息遣いがまた一段と大きくなって来ました。何か重たい物を動かしているようです。それは何か水のような物で並々と満たされている石の大鍋でした。大変巨大で大人1人が十分中に座れるほどの大きさです。

地上に置かれた包みは何かが中から出たがっているようにますます絶え間なく動いていました。ワームテールは今度は鍋の底の所で杖を使い忙しく動いていました。すると突然鍋の底から音が立って火が燃え上がったんですよね。

鍋の中の液体はすぐに熱くなり表面が沸騰し始めました。そればかりでなく火の粉が散り始めました。湯気が濃くなりワームテールの姿がぼやけるほどでした。包みの中の動きが一層激しくなり再びあの甲高い声が聞こえました。

「急げ!」

今や液面は全体が火花でダイアモンドをちりばめているように眩いばかりでした。ワームテールが「準備ができました。ご主人様」と言い甲高い声が「さあ」と言いました。そしてワームテールが地上に置いた包みを開きました。

ワームテールが開いた包みから出て来たのは縮こまった人間の子供のようなものでした。ただしこんなに子供らしくないものは見た事がないという感じで髪の毛はなくて鱗に覆われた赤剥けのどす黒い醜いものだったのでした。

のっぺりと蛇のような顔で赤い目が不気味に光っていました。それはほとんど無力に見えました。細い両手を上げ首に巻きつけるとワームテールが持ち上げました。その時フードがずれ落ちてワームテールの顔が露になりました。

それを大鍋の縁まで運ぶ時にワームテールの顔に激しい嫌悪感が浮かぶのをハリーは見ました。一瞬ハリーは液面に踊る火花が邪悪なのっぺりした顔を照らし出すのを見ました。ワームテールはそれを大鍋の中に入れたのでした。

ジュッという音と共にそれは見えなくなりコツンと小さな音を立て鍋底に落ちたのをハリーは聞きました。溺れてしまいますようにとハリーは願いました。大鍋の中にワームテールが入れたのが何だったのか判っていたからです。

3-3.復活
ワームテールが何か言葉を発しています。声は震え恐怖で分別もつかないかのように見えました。杖を上げて両目を閉じワームテールは夜の闇に向かってこう唱えました。するとハリーの足下の墓の表面がパックリと割れました。

「父親の骨知らぬ間に与えられん。父親は息子を蘇らせん!」

細かい塵や芥が宙を飛んで静かに鍋に降り注ぐのをハリーは恐怖に駆られながら見ていました。ダイアモンドのような液面が割れシュウシュウと音がしました。四方八方に火花を散らし液体は鮮やかな毒々しい青に変わりました。

ワームテールは悲痛な泣き声を上げながら細長い銀色に光る短剣を取り出しました。すると今度はワームテールの声が恐怖に凍りついたような啜り泣きに変わりました。そしてワームテールは指が欠けた右手を前にと出しました。

「下僕の―肉―よ、喜んで差し出されん。―下僕は―ご主人様を―蘇らせん」

左手にしっかり短剣を握ると振り上げました。ハリーはワームテールが何をしようとしているのかを事の直前に悟りました。ハリーは両目をできるだけ固く閉じましたが夜を劈く悲鳴に耳を塞ぐ事はできはしなかったんですよね。

何かが地面に倒れる音とワームテールが苦しみ喘ぐ声に何かが鍋に落ちる嫌な音が聞こえました。ハリーは目を開ける気になれませんでした。しかし液体は燃えるような赤になり目を閉じていても入って来るほどの明るさでした。

ワームテールは苦痛に喘ぎ呻き続けていました。その苦しそうな息が自分の顔にかかってハリーは初めてワームテールが目の前にいる事に気がつきました。ワームテールはこう唱えると短剣でハリーの右腕から鮮血を取りました。

「敵の血力ずくで奪われん。汝は敵を蘇らせん」

ワームテールはガラスの薬瓶を取り出すと滴り落ちたハリーの鮮血を傷口に押し当てて取りました。ワームテールはよろめきながら大鍋に戻るとハリーの血を注ぎました。鍋の液体は今度は目も眩むような白に変わったのでした。

任務を終えたワームテールはがっくりと鍋のそばに膝をつき横に倒れました。大鍋は煮え立ち四方八方にダイアモンドのような閃光を放っています。目も眩むような明るさで周りの物の全てが覆い尽くされて何も見えはしません。

溺れてしまえ。失敗しますようにとハリーは願いました。すると突然大鍋から出ていた火花が消えました。今度は煙のような白い蒸気がうねりながら立ち昇って来ました。今度は濃い蒸気が目の前の全ての物を隠したのでした。

ハリーが「失敗だ」と思ったその時でした。靄の中に見たものでハリーは氷のような恐怖を掻き立てました。大鍋の中からゆっくりと立ち上がったのは骸骨のように瘠せ細った背の高い男の黒い影でした。失敗しなかったのです。

その男は甲高い冷たい声で「ローブを着せろ」と言いました。ワームテールは相変わらず啜り泣き呻いていましたが慌てて地面に置いてあった黒いローブを拾うと立ち上がって片手でローブを持ち上げると男の頭から被せました。

男はハリーをじっと見ながら大鍋を跨いでハリーも見つめ返しました。その顔はこの3年間ハリーを悪夢で悩まし続けた顔でした。骸骨よりも白い顔に細長い真っ赤な不気味な目に蛇のように平らな鼻に切れ込みのような鼻の穴。

ヴォルデモートが復活しました。

今日の最後に
石の大鍋に液体を満たし3つの言葉(呪文?)を唱えて体を再生させるのに必要な物を取って大鍋に入れる。当然「大鍋の中の液体はいかなる物でどう作るのか?」もワームテールはヴォルデモートから聞いて作ったんでしょうね。

「父親の骨知らぬ間に与えられん。父親は息子を蘇らせん!」
「下僕の肉喜んで差し出されん。下僕はご主人様を蘇らせん」
「敵の血力ずくで奪われん。汝は敵を蘇らせん」

これが体を再生させるための3つの言葉です。最後の「敵の血」をハリーか又は他の魔法使いにするかで当初ヴォルデモートとワームテールは意見が分かれましたがヴォルデモートは押し切ってハリーの血にしたというわけです。

ハリーは6年生の学期末に知ったのですがヴォルデモートが復活できたのは魂を分割する。つまり分魂箱を作っていたからでした。その方法を学んだのが当時はまだホグワーツの図書室にあった「深い闇の秘術」という本でした。

おそらくはこの「深い闇の秘術」に石の大鍋の中の液体の作り方から体を再生される全ての手順が3つの言葉も含めて記されていたんでしょうね。私はそう考えます。

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