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改めてヴォルデモートについて「炎のゴブレット」編(12)(13回シリーズ)

死を覚悟してハリーはヴォルデモートと真正面から対峙し「エクスペリアームス!」と叫びヴォルデモートは「アバダ ケダブラ!」と叫びました。するとヴォルデモートにハリーの双方が驚愕する摩訶不思議な現象が次々と起きました。ヴォルデモートは赤い目を大きく見開いて・・・(全3項目)

3-1.金色に輝く光の糸
2人の杖から放たれた緑と赤の閃光が空中でぶつかり合うとハリーの杖が電流で貫いたかのように振動を始めました。ハリーの手は杖を持ったまま動かなくなりました。むしろなったというよりも離せなくなったというわけです。

細い一筋の光がもはや緑でも赤でもなく眩い濃い金色の糸のように2つの杖を結びました。驚きその光を目で追ったハリーはその先にヴォルデモートの蒼白い長い指を見ました。同じように震え振動する杖を握り締めていました。

ヴォルデモートの杖もまたハリーの杖と同様に振動していたのです。そしてハリーが全く予想していなかった事が起りました。杖同士が金色に輝く糸に結ばれたまま2人の足が地上を離れるという摩訶不思議な現象が起きました。

ヴォルデモートとハリーは空中に浮き上がり2人はヴォルデモートの父親の墓石から離れて滑るように飛ぶと何もない場所に着地しました。死喰い人たちは口々に叫ぶとヴォルデモートに指示を仰いでいたというわけですよね。

死喰い人たちはまた近づいて来てヴォルデモートとハリーの周りに輪を作り直しました。そのすぐ後を蛇のナギニが這って来ました。何人かの死喰い人たちは杖を取り出しました。ところがまた新たな展開が待ち受けていました。

ヴォルデモートとハリーを繋いでいた金色の糸が裂けました。杖同士を繋いだまま光が千本余りに分れてヴォルデモートとハリーの上に高々と弧を描き2人の周りを縦横に交差して2人はやがて金色のドーム型の網に覆われました。

光の籠ですっぽりと覆われ相変わらず死喰い人たちは2人を取り巻いていました。しかしその叫び声は今は不思議に遠くに聞こえました。ヴォルデモートがそんな死喰い人に向かって「手を出すな!」とそう叫んでいたのでした。

ヴォルデモートのその赤い目は今まさに起きている事に驚愕して見開かれ2人の杖を未だに繋いだままの光の糸を断ち切ろうともがいていました。ハリーはますます強く両手で杖にしがみついて金色の糸は繋がったままでした。

「命令するまで何もするな!」

ヴォルデモートが死喰い人に向かってこう叫びました。

3-2.美しい調べ
その時この世のものとは思えない美しい調べがあたりを満たしました。その調べはヴォルデモートとハリーを包んで振動している光が織り成す網の1本1本の糸から聞こえて来ます。ハリーはそれが何の調べか判っていたのでした。

これまで生涯で一度しか聞いた事のない不死鳥の歌でした。ハリーにとってそれは希望の調べでした。これまでの生涯に聞いた中で最も美しくうれしい響きです。その歌はハリーの周囲のみならず体の中にも響くよう感じました。

ハリーにダンブルドアを思い出させる調べでした。そしてその音はまるで友人がハリーの耳元に「糸を切るでないぞ」と話しかけているようでした。切っていけない事は判っています。ハリーはその調べにこう語りかけました。

しかしそう思った途端に切らないという事が難しくなりました。ハリーの杖がこれまでよりずっと激しく震動し始めました。そしてヴォルデモートとハリーを結ぶ光の糸も変化して幾つもの大きな光の玉が往復していたのでした。

2本の杖の間を滑っていました。光の玉がゆっくりと着実にハリーの杖のほうに滑って来るとハリーの手の中で杖が身震いしていました。光線は今ヴォルデモートから自分に向かって動いて来ている。杖が怒りに震えているんだ。

ハリーはそんな気がしました。一番近くの光の玉がハリーの杖先に一層近づくと指の下で杖の柄が熱くなり余りの熱さに「火を噴いて燃えるのでは?」と思いました。その玉が近づけば近づくほどハリーの杖は激しく震えました。

その玉に触れたら杖はそれ以上は耐えられないに違いないとハリーは思いました。ハリーの手の中で杖は今にも砕けそうです。そこでハリーはその玉をヴォルデモートのほうに押し返そうと気力を最後の一滴まで振り絞りました。

耳には不死鳥の歌を一杯に響かせ目は激しくしっかり玉を凝視しました。すると非常にゆっくりと光の玉の列が震えて止まりました。そしてまた同様にゆっくり反対の方向に動き出し今度はヴォルデモートの杖の番だったのです。

ヴォルデモートの杖が激しく震えています。ヴォルデモートは驚き恐怖の色さえ見せました。玉の1つがヴォルデモートの杖先から僅か数センチの所で震えています。ハリーは何故自分でもそんな事をするのか分りませんでした。

それがどんな結果をもたらすのかも知りませんでした。しかしハリーは今これまで経験した事がないくらい神経を集中させその光の玉をヴォルデモートの杖に押し込もうとしました。光の玉はゆっくり金の糸に沿って動きました。

一瞬光の玉が震えてヴォルデモートの杖先に触れました。たちまちヴォルデモートの杖があたりに響き渡る苦痛の叫びを上げ始めました。そしてヴォルデモートは驚愕して赤い目を大きく見開きました。何かが出て来たからです。

濃い煙のような手が杖先から飛び出したかと思うと消えました。それはヴォルデモートがワームテールに与えた銀の手のゴーストでした。そしてずっと大きい何かがヴォルデモートの杖先から花が開くように出て来たんですよね。

3-3.ヴォルデモートの杖先から次々と
それは何か灰色がかった大きなもので濃い煙の塊のようなものでした。何とそれは頭部でした。次には胴体や腕が出て来ました。ハリーがショックで杖を取り落とすとしたならきっとこの時でしたがハリーは落としませんでした。

金色の光の糸が繋がり続けるようハリーは本能的にしっかり杖を握り締めていました。ヴォルデモートの杖先からセドリック・ディゴリーの濃い灰色のゴーストがまるで狭いトンネルを無理やり抜け出して来たように現れました。

あまりにしっかりした体なので「本当にゴーストなのか?」と思わせるほどでした。セドリックの影はその場に立つと金色の光の糸を端から端まで眺めたかと思うと遠くから聞こえて反響する声で「ハリー頑張れ」と言いました。

ハリーはヴォルデモートを見ました。大きく見開いた赤い目はまだ驚愕しています。ハリーと同様ヴォルデモートにとってもセドリックのゴーストが現れたのは予想外だったのです。死喰い人たちも恐れの叫びを上げていました。

金色のドームの外側から微かに叫び声が聞こえました。すると杖がまたしても苦痛の叫びを上げました。杖先からまた何かが現れました。濃い影のような頭部に続いて腕と胴体が出て来たので今度も人のゴーストのようでした。

セドリックと同じように杖先から自分を搾り出すようにして出て来ました。それはセドリックの隣に落ちてステッキに寄り掛かり若干驚いたようにヴォルデモートとハリーと金色の網をそして2本の結ばれた杖を眺めたのでした。

今日の最後に
ハリーは11才の誕生日にハグリッドに連れられてダイアゴン横丁のオリバンダーの店に行き杖を購入した時オリバンダー翁から自分が買った不死鳥の尾羽根に柊の杖はヴォルデモートの杖と同じ不死鳥の尾羽根と聞かされました。

それが何とダンブルドアが飼っているフォークスの尾羽根だったとホグワーツに戻ってからダンブルドアから聞いて知ったのです。したがってハリーとヴォルデモートの杖は兄弟杖なので無理やり戦わせると正常に作動しない。

これは「呪文逆戻し効果」といって持ち主が2本の杖を無理に戦わせると一方の杖がもう一方の杖に対しそれまでかけた呪文を逆の順番つまり一番新しい呪文を最初にそしてそれ以前にかけた呪文を吐き出させるというわけです。

そのためヴォルデモートがワームテールに与えた銀の手のゴーストが最初に出て来て次にセドリック・ディゴリーそして次には「リドルの館」の庭番でヴォルデモートに殺害されたフランク・ブライスのゴーストが姿を現した。

これらは全て本に書いてある事なので面白くも何ともないですがここでは避けて通れない事柄なのでしょうがない事ですよね。1つだけ面白いのはヴォルデモートは自分の杖とハリーの杖が兄弟杖だと知らない事というわけです。

だから「何でこんな事が起こるんだ?」と驚愕したのです。死喰い人たちも同じだったみたいですね。

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