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改めてヴォルデモートについて「炎のゴブレット」編(13)(シリーズ最終回)

ハリーが光の玉をヴォルデモートの杖に押し込もうとすると摩訶不思議な現象が起きました。ヴォルデモートの杖に殺害された犠牲者たちが次から次へと姿を現したのです。そして最後に現れた父親のジェームズ・ポッターが息子のハリーに向かって・・・(全3項目)

3-1.ヴォルデモートに殺害された犠牲者たちが次々と
ステッキに寄り掛かって若干驚いたようにヴォルデモートとハリーと金色の網にそして2本の結ばれた杖を眺めたフランク・ブライスは「そんじゃあいつは本当の魔法使いだったのか?」と死んだ後に驚いたというわけですよね。

そしてあいつが俺を殺害しやがった。やっつけろ坊やとハリーに言ったのでした。その時には既に頭がもう1つ現われていました。灰色の煙の像のような頭部は今度は女性でした。他の影たちと同様に立ち上がったんですよね。

「離すんじゃないよ。絶対!あいつにやられるんじゃないよハリー。杖を離すんじゃないよ!」

バーサ・ジョーキンズは目の前の戦いを目を丸くして眺めるとセドリックと同様遠くから聞こえて来るような声でこう言いました。バーサ・ジョーキンズも他の2つの影のような姿も金色の網の内側に沿って歩き始めたのでした。

死喰い人たちは金色の網の外側を右往左往していました。ヴォルデモートに殺害された犠牲者たちは2人の決闘者の周りを回りながら声をかけました。ハリーには激励の言葉を囁く一方でヴォルデモートは罵っていたようです。

ハリーの所までは影たちがヴォルデモートを罵る言葉は聞こえて来ませんでした。そしてまた別の頭がヴォルデモートの杖先から現れました。一目見てハリーにはそれが誰なのかが判りました。セドリックが現れた時からでした。

その瞬間からずっとそれを待っていたかのようにハリーには判っていました。この夜ハリーが他の誰より強く心に思っていた女性だったからです。ハリーを助け護るために自分の命を投げ出してくれたあの女性が姿を現しました。

3-2.父親のジェームズ・ポッターがハリーに
髪の長い若い女性の煙のような影がバーサ・ジョーキンズと同じように地上に落ちさりげなく立ってハリーを見つめました。ハリーの腕は今やどうにもならないほど激しく震えていましたが見つめ返さずにはいられませんでした。

「お父さんが来ますよ。お父さんのためにも頑張るのよ。大丈夫。頑張って」

ハリーのお母さんが静かにこう言いました。そしてその父親がやって来ました。今まで現れた影たちと同様に最初は頭がそれから体が出て来ました。背が高くハリーが譲り受けたくしゃくしゃな髪のジェームズ・ポッターでした。

その姿は地上に落ちてお母さんと同様に立ちました。そしてハリーのほうに近づきハリーを見下ろして他の影と同じように遠くから響くような声で静かに話しかけて来ました。ジェームズは低い声でハリーにこう話して来ました。

「繋がりが切れると私たちはほんの少しの間しか留まっていられない。それでもお前のために時間を稼いであげよう。移動キーの所まで行きなさい。それがお前をホグワーツに連れ帰ってくれる。ハリー判ったね?」

静かに低い声でハリーに話したのは殺戮の犠牲者に周りを徘徊され恐怖で鉛色の顔をしたヴォルデモートに聞こえないように配慮したからでした。ハリーは手の中から滑り落ちそうな杖を必死で握りながら「はい」と答えました。

「ハリー僕の体を連れて帰ってくれないか?両親の許へ」

セドリックの影がこう囁きました。ハリーは杖を離さぬよう顔が歪むほど力を込めながら「判った」と答えました。するとジェームズがハリーに「さあやりなさい。走る準備をして。さあ今だ」と囁いたというわけなんですよね。

ハリーは「行くぞ!」と叫びました。どっちにしろもう一刻も杖を掴んでいる事はできないとハリーは思いました。ハリーは渾身の力で杖を上に捩じ上げました。すると金色の糸が切れ光の籠も消えて不死鳥の歌も止んだのでした。

しかしヴォルデモートの犠牲者の影は消えてはいませんでした。犠牲者たちはハリーの姿をヴォルデモートの目から隠すようにヴォルデモートに迫って行きました。このようにしてハリーの必死の逃亡が始まったというわけです。

3-3.逃亡
ハリーは走りました。こんなに走った事はないと思えるほど走りました。途中で呆気に取られている死喰い人を2人跳ね飛ばしました。墓石で身を庇いながら左右に走りました。死喰い人たちは呪いを放ちながら追って来ました。

それを感じ呪いが墓石に当たる音を聞きながら走りました。呪いと墓石を避けながらハリーはセドリックの亡骸に向かって飛ぶように走りました。足の痛みも感じません。やらなければならない事に全身全霊を傾けて走りました。

「奴を失神させろ!」

ヴォルデモートがこう叫ぶ声が聞こえて来ました。セドリックの亡骸まであと3メートルに迫るとハリーは赤い閃光を避けて大理石の天使の像の陰へと飛び込みました。呪文が像に当たって天使の片翼の先が粉々になりました。

杖を一層固く握り締めハリーは天使の像の陰から飛び出すと杖を肩に担いで追いかけて来る死喰い人たちに当てずっぽに杖先を向けながら「インペディメンタ!妨害せよ!」と叫びました。少なくとも1人は命中したようでした。

喚き声がくぐもったからです。しかし振り返って確かめている暇はありません。ハリーは優勝杯を飛び越えいよいよ後ろで盛んに杖が炸裂するのを聞きながら身を伏せました。それと同時にますます多くの閃光が飛んで来ました。

そしてハリーの頭上を飛び越して行きました。ハリーはセドリックの腕を掴もうと手を伸ばしセドリックの手首を掴みました。ヴォルデモートが自分が殺害してやる。奴は自分のものだからどけと言ってハリーに迫って来ました。

ハリーとヴォルデモートの間には墓石1つしかありません。でもセドリックは重過ぎて運べません。優勝杯に手が届かないのです。暗闇の中でヴォルデモートの真っ赤な目が燃えました。ハリーに向かって杖を構えていました。

「アクシオ!来い!」

ハリーは優勝杯に杖を向けると呼び寄せ呪文を叫びました。優勝杯は浮き上がるとハリーに向かって飛んで来ました。ハリーは優勝杯の取っ手を掴みました。ハリーが消えるのを見てヴォルデモートは怒りの声を上げたのでした。

「移動キー」が作動したのです。風と色の渦の中を優勝杯はぐんぐんとハリーをセドリックと一緒にホグワーツへと連れ去って行きました。このようにしてヴォルデモートはまたもハリーを殺害し損ねたというわけなんですよね。

最後に
皮肉な巡り合わせ。まあこれも今更という感じなのですがハリーは「呼び寄せ呪文」が苦手でした。しかし三大魔法学校対抗試合の「第1の課題」でファイアボルトを手に入れるためには必要不可欠という事で猛練習をしました。

その結果ハリーはこの「呼び寄せ呪文」を完璧に習得しお陰でファイアボルトを手に入れる事ができ「第1の課題」を無事クリアしました。ご存じのようにアドバイスしたのはバーテミウス・クラウチ・ジュニアだったのでした。

マッド・アイ・ムーディに成り済ましてハリーに課題をクリアさせるためにわざわざ自分の部屋に呼びつけてそうアドバイスしたんですよね。そしてこのようにハリーがヴォルデモートから逃げるのにも役に立ってしまいました。

私はハリーが逃げた後にリドル・ハングルトンの教会墓地でヴォルデモートと死喰い人たちの間でどんな会話ややり取りがされたのかや何が起きたのかという事が大変気になります。死喰い人たちは一体どうなったんでしょう?

八つ当たりされたのでは?死喰い人全員が「磔の呪い」をかけられたのでは?などの心配事が頭に浮かびますよね。でもハリーに逃げられてしまってヴォルデモートは半端ないほどに腹を立て苛立ちショックを受けたんでしょうね。

何せ自分でハリーにチャンスを与えていますからね。ヴォルデモートの怒りと苛立ちはおそらく極限に達したんでしょうね。

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