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セブルス・スネイプ語録集「謎のプリンス」編(8)(28回シリーズ)

スネイプもハリーもドラコ・マルフォイに対してそれぞれの思いを抱きながら新学期を迎える事となりました。そんな2人は学期初日の9月1日にハリーにとっては思わぬ形で顔を合わせる事になりました。スネイプのハリーに対する態度は相変わらずでハリーの怒りは爆発寸前でした。(全3項目)

3-1.学期初日早々に
ハリーは「夜の闇横丁」のボージン・アンド・バークスでドラコ・マルフォイを見つけて以来「何を企んでいるんだ?」と疑念を抱くようになり一方スネイプはそのドラコの事で母ナルシッサと「破れぬ誓い」を結びました。

そんなハリーとスネイプは何と学期初日の9月1日に学校の校門で顔を合わせる事となりました。ハリーが「透明マント」を被ってドラコ・マルフォイの話を盗み聞きしていたら「金縛りの呪文」をかけられてしまったのです。

ハリーはトンクスに助けられてホグズミード駅から歩いて学校に行きました。ヴォルデモートの復活が公になった事を受けて夏の間に警備措置が百倍も強化されたため学校の敷地内に入るのはもはや不可能という状態でした。

「ここで野宿して朝を待つしかないという事か」ハリーがこう言うとトンクスは「誰かが君を迎えに来る」と応えた後に「ほら」と言いました。遠く城の下のほうでランタンの灯りが上下に揺れているのが見えたのでした。

ハリーはうれしさのあまりフィルチだって構うもんかと思いました。黄色の灯りが数メートル先に近づいて姿を現すために「透明マント」を脱いだ時になってハリーは初めて迎えに来たのが誰かという事に気づいたのでした。

そして混じりけなしの憎しみが押し寄せて来ました。灯りに照らし出されたのはフィルチよりもさらに最悪のスネイプだったからでした。スネイプは「さてさてさて」と言うと意地悪く笑いながら杖を取り出したんですよね。

閂を一度叩くと鎖がくねくねと反り返り門が軋みながら開きました。スネイプは「ポッター出頭するとは感心だ。ただし制服のローブを着るとせっかくの容姿を損なうと考えたようだが」と言ってハリーはこう応えたのでした。

「着替えられなかったんです。手元に持ってなくて」

ハリーは理由を話し始めましたがスネイプはそれを遮ると「ニンファドーラ待つ必要はない。ポッターは我輩の手中で。極めて。あー。安全だ」と言いましたがトンクスは顔をしかめてスネイプにこう不満を言ったのでした。

「私はハグリッドに伝言を送ったつもりだった」

3-2.城に向かうその途中で
「ハグリッドは新学年の宴会に遅刻した。このポッターと同じようにな。代わりに我輩が受け取った」ハグリッドではなく何故自分がハリーを迎えに来たのかの理由をスネイプはこう説明しました。そしてこうも言いました。

「ところで君の新しい守護霊は興味深い」

スネイプは一歩下がってハリーを中に入れながらこう言ってトンクスの鼻先でガランと大きな音を立てて門を閉めました。スネイプが再び杖で叩くと鎖はガチャガチャと音を立てながら滑るように元に戻ったというわけです。

「我輩は昔の奴のほうがいいように思うが」

こう言うスネイプの声には紛れもなく悪意がこもっていました。スネイプはさらに追い打ちをかけるようにして「新しい奴は弱々しく見える」と言いました。そう言うとスネイプはぐるりとランタンの向きを変えたのでした。

その時ちらりと見えたトンクスの顔に怒りと衝撃の色が浮かんでいるのをハリーは見ました。しかし次の瞬間トンクスの姿は再び闇に包まれていました。スネイプと共に歩き出しながらハリーは振り返るとこう挨拶しました。

「お休みなさい。ありがとう。色々」

トンクスは「またねハリー」と挨拶を返して来ました。こうしてハリーとスネイプは城へと向かい始めましたが1分ほどはスネイプは口を利きませんでした。ハリーは自分の体から憎しみが波のように発散するのを感じました。

スネイプの体を焼くほど強い波なのにスネイプが何も感じていないのは信じられないとハリーは思いました。初めて出会った時からハリーはスネイプを憎悪していました。しかしその憎悪が昨年度さらに増す事になりました。

それはスネイプがシリウスに対して取った態度のせいでした。今やスネイプはハリーにとっては絶対にそして永久に許す事のできない存在になっていました。ハリーはこの夏休みの間にスネイプの事をじっくりと考えました。

そして結論を出してダンブルドアが何と言おうとスネイプは騎士団の他のメンバーがヴォルデモートと戦っている時にシリウスがのうのうと隠れていると言った。つまりシリウスが死んだのはスネイプのせいというわけです。

おそらく悪意に満ちたスネイプの言葉の数々が強い引き金になって死んだあの夜シリウスは向こう見ずにも魔法省に出かけた。ハリーはこの考えにしがみついていました。そうすればスネイプを責める事ができたからでした。

さらにはこの事で満足できたからです。それにシリウスの死を悲しまない奴がいるとすればそれは今自分と並んで歩いている男つまりスネイプだからというわけです。ここでスネイプは沈黙を破ってハリーにこう言いました。

「遅刻でグリフィンドール50点減点だな。さらにフーム。マグルの服装のせいでさらに20点減点。まあ新学期に入ってこれほど早期にマイナス得点になった寮はなかろうな。まだデザートも出ていないのに」

最後にスネイプは「記録を打ち立てたかもしれんぞポッター」と言ってくれました。ハリーは腸が煮えくり返り白熱した怒りと憎しみが炎となって燃え上がりそうでした。でも遅れた理由を絶対話したくないとも思いました。

ドラコ・マルフォイに「金縛りの呪文」をかけられて身動きが取れなくなったなんて話すぐらいならあのままホグワーツ特急に乗ってロンドンに戻ったほうがまだマシだというわけです。スネイプはしゃべり続けたのでした。

「多分衝撃の登場をしたかったのだろうねえ?空飛ぶ車がない以上宴の途中で大広間に乱入すれば劇的な効果があるに違いないと判断したのだろう」

ハリーは黙っていましたが胸中は爆発寸前でした。スネイプがわざわざ自分を迎えに来たのはこのためだとハリーには判っていました。他の誰にも聞かれる事無く自分をチクチクと責め立てる事ができるからというわけです。

この数分間のためにスネイプは自分を迎えに来たとハリーはそう考えていたというわけなんですよね。

3-3.ようやく城に到着
スネイプとハリーはようやく城の階段に辿り着きました。玄関ホールが見えると大広間に向かって開かれた扉を通して弾けるような笑い声や話し声に食器やグラスが触れ合う音などが2人を迎え入れたというわけなんですよね。

ハリーは「透明マント」をまた被れないだろうかと思いました。そうすれば誰にも気づかれずにグリフィンドールの長テーブルに座れる。都合の悪い事にグリフィンドールのテーブルは玄関ホールから一番遠くにありました。

「マントはなしだ。全員が君を見られるように歩いて行きたまえ。それがお望みだったと存ずるがね」

しかしハリーの心を読んだかのようにスネイプがこう言いました。ハリーは即座にくるりと向きを変え開いている扉にまっすぐ突き進みました。スネイプから離れる事ができるならば何でもするという心境だったからでした。

大広間はいつものように飾りつけられていました。蝋燭が宙に浮かんでテーブルに置かれた食器類を輝かせていました。でも急ぎ足で歩いているハリーには全てがぼやけた光の点滅にしか見えないというそんな有り様でした。

あまりの速さにハッフルパフ生がハリーを見始める頃にはそのテーブルを通り過ぎ生徒たちがよく見ようとして立ち上がった時にはハリーはもうロンとハーマイオニーを見つけて飛ぶように移動して2人の間に座っていました。

「どこにいたん。何だい。その顔はどうしたんだ?」

ロンが周りの生徒たちと一緒になってハリーをじろじろ見ながらこう言いました。ハリーは「何で?どこか変か?」と訊き返すとガバッとスプーンを掴んで歪んで映っている自分の顔を目を細くして見たというわけですよね。

「血だらけじゃない!こっちに来て」

ハーマイオニーはこう言うと杖を上げて「テルジオ!拭え!」と唱えて血糊を吸い取ってくれました。ハリーは顔に手を触れてきれいになったのを感じながら「ありがと」と礼を言いました。死ぬほど心配したのだそうです。

けれども「何があったの?」と訊くハーマイオニーにハリーは「後で話すよ」と素気なく答えました。ジニーにネビルとそれにディーン・トーマスとシェーマス・フィネガンが聞き耳を立てている事に気づいていたからです。

さらにはグリフィンドール塔付きのゴースト「ほとんど首なしニック」も盗み聞きしようとしてふわふわ漂っていました。

今日の最後に
スネイプは夏休み中に我が家を訪れたナルシッサ・マルフォイとベラトリックス・レストレンジにハリーは特別な能力など全くない徹底的に平凡な奴だなどと説明してハリーなど取るに足らない奴だとそう言っていましたね。

奴つまりハリーは何度かピンチに陥ったが単なる幸運とより優れた才能を持った友人との組み合わせだけで乗り切って来たとスネイプはハリーの事を酷評しました。しかし肝心な事は決して口にはしていなかったんですよね。

当サイトでは折ある毎にハリーは極めて優秀な開心術士だと指摘しています。スネイプは先学期のクリスマス休暇明けからハリーに課外授業で閉心術を教えましたがそれを嫌がったのはハリーが開心術に長けていたからです。

それはハリーなら他の人が決して覗き込めないような心の奥まで見透かされてしまうからです。実はハリーは只者ではない。スネイプはそれについては言及しませんでした。スネイプはちゃんとハリーの事を庇っていました。

セブルス・スネイプはそういうしたたかな男なんですよね。

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