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セブルス・スネイプ語録集「謎のプリンス」編(11)(28回シリーズ)

6年生になって最初の授業はハーマイオニーは「古代ルーン文字学」でしたがハリーとロンは何と「闇の魔術に対する防衛術」でした。学期が始まって早々に顔を合わせる事になったハリーとスネイプでしたがどうやら双方に思う所があったようで・・・(全3項目)

3-1.ハリーとロンの最初の授業
ハーマイオニーは「その時間は勉強するのに必要なのよ」と言いましたがロンは6年生になると自由時間があって丸々空いている時間がある。だからロンは談話室に座ってのんびりとしていればいいとそう言っていたのでした。

ホラス・スラグホーンが「魔法薬学」の教師としてホグワーツの教壇に復帰した事でハリーには思わぬ収穫がありました。スネイプは最も優秀な成績つまり「優・O」を取らないと6年生以降の受講を許可していませんでした。

しかしスラグホーンは「良・E」の学生も喜んで受け入れる。時間割を決める際に寮監のマクゴナガル先生にそう言われてハリーはロンに「優・O」だったハーマイオニーと一緒に「魔法薬学」を履修できる事になったのでした。

「どうだい僕たち今が自由時間だぜ。それに休憩時間の後に自由時間。それと昼食の後。やったぜ!」

マクゴナガル先生に渡された時間割を眺めてロンはうれしそうにこう言いました。ハーマイオニーは履修する科目が多かったのでいませんでした。そこでハリーとロンの2人は談話室へと戻って来たというわけなんですよね。

7年生が5~6人いるだけで談話室はガランとしていました。2人は1時間後に渋々太陽が降り注ぐ談話室を離れると4階下の「闇の魔術に対する防衛術」の教室に向かいました。2人の6年生に於ける初授業の教師はスネイプでした。

ハーマイオニーは重い本を腕一杯抱え「理不尽だわ」という顔で既に教室の外に並んでいました。ハリーとロンがそばに行くとハーマイオニーが不安げに「ルーン文字で宿題を一杯出されたの」と言い続けてこう言いました。

「エッセイを40センチ。翻訳が2つ。それにこれだけの本を水曜日までに読まなくちゃならないのよ!」

ロンは「ご愁傷様」と言うと欠伸をしました。ハーマイオニーは恨めしげに「見てらっしゃい。スネイプもきっと山ほど出すわよ」とそう言いました。ハーマイオニーのその言葉が終わらない内に教室の扉が開いたのでした。

いつもの通りの両開きのカーテンのようなねっとりとした黒髪で縁取られた土気色の顔でスネイプが廊下に出て来ました。生徒たちの行列が瞬時にして静まり返りました。そんな生徒たちにスネイプは「中へ」と言いました。

3-2.まずは演説から
ハリーはあたりを見回しながら教室に入りました。スネイプは既に教室に自分らしい個性を持ち込んでいました。窓にはカーテンが引かれて陰気臭く蝋燭で灯りを取っていました。壁には新たに絵が掛けられていたのでした。

絵の多くは身の毛もよだつ怪我や奇妙にねじ曲がった体の部分をさらして痛み苦しむ人の姿でした。薄暗い教室の中で凄惨な絵を見回しながら生徒たちは無言で席に着きました。するとスネイプが生徒たちにこう言いました。

「我輩はまだ教科書を出せとは頼んでおらん」

扉を閉め生徒と向き合うために教壇の机に向かって歩きながらスネイプは言いました。ハーマイオニーは慌てて「顔のない顔に対面する」の教科書をカバンに戻すと椅子の下に置きました。スネイプは今度はこう言いました。

「我輩が話をする。十分傾聴するのだ」

こう言うとスネイプの暗い目が頭を上げている生徒たちの上を漂いました。ハリーの顔に他の顔より僅かに長く視線が止まりました。やはりスネイプもハリーがいる事が気になるようですね。そしてこう話し出したのでした。

「我輩が思うにこれまで諸君はこの学科で5人の教師を持った」

ハリーは心の中で「思う?スネイプめ。全員が次々といなくなるのを見物しながら今度こそ自分がその職に就きたいと思っていたくせに」と痛烈に嘲っていました。そんなハリーの思いをよそにスネイプの話は続きました。

「当然こうした教師たちはそれぞれ自分なりの方法と好みを持っていた。そうした混乱にも関わらずかくも多くの諸君が辛くもこの学科のO.W.L合格点を取った事に我輩は驚いておる」

毎年1年毎に先生が次々と変わっているというのにこんなに多くの生徒が「闇の魔術に対する防衛術」のふくろう試験で合格できたのは驚きとスネイプはそう言うのです。そして6年生を迎えるに当たってはこうなんだそうです。

「N.E.W.Tはそれよりずっと高度であるからして諸君が全員それについて来るような事があれば我輩はさらに驚くであろう」

スネイプは今度は低い声で話しながら教室の端を歩き始めました。生徒全員が首を伸ばしスネイプの姿を見失わないようにしました。そしていよいよ本題に入りスネイプは「闇の魔術」について説明を始めたというわけです。

「闇の魔術は多種多様・千変万化・流動的にして永遠なるものだ。それと戦うという事は多くの頭を持つ怪物と戦うに等しい。首を1つ切り落としても別の首がしかも前より獰猛で賢い首が生えて来る」

スネイプはさらに「諸君の戦いの相手は固定できず変化し破壊不能なものだ」と言いました。ハリーはスネイプを凝視しました。危険な敵である「闇の魔術」を侮るべからずと言うのなら頷けるとハリーはそう思いました。

しかし今のスネイプのように優しく愛撫するような口調で語るのは話が違うだろうとハリーは思ったというわけです。スネイプは声を僅かに高くしてこう話しました。歩き始めたのは壁に掛けられた絵を指し示すためでした。

「諸君の防衛術はそれ故諸君が破ろうとする相手の術と同じく柔軟にして創意的でなければならぬ。これらの絵は術にかかった者たちがどうなるかを正しく表現している」

3-3.教壇に戻ると
「例えば磔の呪文の苦しみ」こう言うとスネイプは明らかに苦痛に悲鳴を上げている魔女の絵を指しました。次に「吸魂鬼のキスの感覚」と言って壁にぐったりと寄り掛かり虚ろな目でうずくまる魔法使いの絵を指しました。

さらに「亡者の攻撃を挑発した者」と言うと地上に血だらけの塊を描いた絵を指し示しました。するとここでパーバティ・パチルが甲高い声でスネイプに向かって亡者についてこのように質問をしたというわけなんですよね。

「それじゃ亡者が目撃されたんですか?間違いないんですか?あの人がそれを使っているんですか?」

この問いにスネイプは「闇の帝王は過去に亡者を使った。となれば再びそれを使うかも知れぬと想定するのが賢明というものだ」と答え「さて」と言うと教室の後ろを回り込んで教壇の机に向かって反対側を歩き出しました。

黒いマントを翻して教室の端を歩くその姿を生徒全員がまた目で追いました。そしてスネイプは教壇の机に戻って来ました。教室の前に戻って来て教壇に立つとスネイプは生徒たちにこう問いかけたというわけなんですよね。

「諸君は我輩の見る所無言呪文の使用に関してはずぶの素人だ。無言呪文の利点は何か?」

ハーマイオニーの手がさっと挙がりました。スネイプは他の生徒を見渡すのに時間をかけましたが選択の余地がない事を確認してからやっとぶっきらぼうに「それでは。ミス・グレンジャー?」と声をかけたというわけです。

「こちらがどんな魔法をかけようとしているかについて敵対者に何の警告も発しない事です」

ハーマイオニーはこう答えました。

今日の最後に
こうしてスネイプはホグワーツの教師になって以来長年の念願だった「闇の魔術に対する防衛術」の教職にようやく就きました。そしてハリーたち3人を含めた6年生に向かって無言呪文の質問をしたというわけなんですよね。

するとやはりという展開で手を挙げたのはハーマイオニー1人だけでした。スネイプは他の生徒を見渡すのに時間をかけましたが選択の余地がない事を確認してからやっとハーマイオニーを指名し質問に答えさせたんですよね。

一方教壇に立って生徒たちを見た時ハリーにはほんの僅か視線が長めに止まりました。つまりスネイプはハーマイオニーについては来年度も教える事になるだろうと心の準備ができていたがハリーのほうはできていなかった。

私はそう思いますね。ハーマイオニーは優秀な生徒なのでふくろう試験では「魔法薬学」も「優・O」を取る事が容易に予想できた。しかしハリーは「優・O」を取れないので来年度からは授業で会う機会はないとそう思った。

ところがいざ次の年度が始まったらスネイプは「闇の魔術に対する防衛術」の教師になり目の前にはハリーがいる。スネイプにとっては何でまたハリーと向き合わなくてはならないんだとそういう気持ちだったんでしょうね。

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