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セブルス・スネイプ語録集「謎のプリンス」編(12)(28回シリーズ)

スネイプが最初の授業で6年生に課したのは「無言呪文」でした。スネイプは無言呪文の利点をハーマイオニーに説明させた後に生徒たちに2人1組になって相手に無言で呪いをかけもう一方はその呪いを撥ね返せと指示しました。そしてここでもハリーとの間で一騒動あったというわけなんですよね。(全3項目)

3-1.無言呪文
「こちらがどんな魔法をかけようとしているかについて敵対者に何の警告も発しない事です」ハーマイオニーはこう答えた後「それが一瞬の先手を取るという利点になります」と言いそれを受けてスネイプはこう言いました。

「基本呪文集6学年用と一字一句違わぬ丸写しの答えだ」

スネイプは素っ気なくこう言いました。すると教室の隅にいたドラコ・マルフォイがせせら笑いました。でもそれは答えたのがハーマイオニーだからで別の例えばスリザリン生が答えたなら違う言葉になっていたでしょうね。

「しかし概ね正解だ。左様。呪文を声高に唱える事無く魔法を使う段階に進んだ者は呪文をかける際驚きという要素の利点を得る。言うまでもなく全ての魔法使いが使える術ではない」

続けてスネイプは「集中力と意思力の問題でありこうした力は諸君の何人かに」と言うと悪意に満ちた視線をハリーに向けたその後「欠如している」と言いました。スネイプの念頭には昨年度の閉心術の課外授業の事がある。

それが判っていたハリーは意地でもその視線を外すまいとスネイプを睨みつけやがてスネイプが視線を外しました。つまりはハリーより先にスネイプのほうが根負けしたというわけです。スネイプはさらに言葉を続けました。

「これから諸君は2人1組になる。1人が無言で相手に呪いをかけようとする。相手も同じく無言でその呪いを撥ね返そうとする。では始めたまえ」

スネイプは知らないのですがハリーは先学期この教室にいる生徒の半数つまりはDAのメンバー全員に「盾の呪文」を教えました。しかし無言で呪文をかけた事ができた人は1人もいませんでした。ここでもやはりそうでした。

暫くすると当然のごまかしが始まり声に出して呪文を唱える代わりに囁くだけの生徒が沢山いました。10分後には例によって例の如くハーマイオニーがネビルの呟く「くらげ足の呪い」を一言も発する事なく撥ね返しました。

3-2.ハリーとロンの所に来ると
ハーマイオニーのした事はまっとうな先生ならばグリフィンドールに「20点」を与えたと思われる見事な成果なのにスネイプは知らぬふりで相変わらず育ち過ぎた蝙蝠そのものの姿で生徒が練習する間を動き回っていました。

そして課題に苦労しているハリーとロンを立ち止まって眺めました。ハリーに呪いをかけるはずのロンは呪文を声を出して唱えるのを堪えて唇を固く結び顔を紫色にしていてハリーは呪文を撥ね返そうと杖を構えていました。

けれども呪いは永久にかかって来そうになくハリーはやきもきと待ち構えていました。暫くするとスネイプが「悲劇的だなウィーズリー」と言ったかと思うと「どれ。我輩が手本を」と言うが早いがハリーに杖を向けました。

スネイプがあまりに素早く杖を向けたのでハリーは本能的に反応しました。無言呪文など頭から吹き飛びハリーは「プロテゴ!護れ!」と叫びました。ハリーのかけた「盾の呪文」は半端ないほどに強力だったんですよね。

そのためスネイプはバランスを崩して机にぶつかりました。生徒全員が振り返りスネイプが険悪な顔で体勢を立て直すのを見つめました。ハリーが無言ではなく何と呪文を叫んだのでスネイプはハリーにこう言ったのでした。

「我輩が無言呪文を練習するように言ったのを憶えているのかポッター?」

ハリーは突っ張って自分が何を言っているのか考える間もなく「はい。はい先生。僕に先生なんて敬語をつけていただく必要はありません。先生」と言い放ちました。ハーマイオニーを含めた何人かの生徒は息を呑みました。

しかしスネイプの背後ではロンにディーン・トーマスとシェーマス・フィネガンが「よくぞ言った」とばかりにニヤリと笑いました。その一方スネイプのほうはハリーに向かってこう言い渡して来たというわけなんですよね。

「罰則。土曜の夜。我輩の部屋。何人たりとも我輩に向かって生意気な態度は許さんぞポッター。例え選ばれし者であってもだ」

それから暫くして休憩時間に入り安全な場所まで来るとロンが「あれはよかったぜハリー!」と言ってうれしそうに高笑いをしました。しかしハーマイオニーのほうはハリーがした事には否定的でこう言って来たんですよね。

「あんなこと言うべきじゃなかったわ。どうして言ったの?」

ハリーは憤慨して「あいつは僕に呪いをかけようとしたんだ。もし気づいてなかったのなら言うけど!」と答えました。そしてスネイプとスネイプをあの教職に就かせたダンブルドア校長に対して不満をぶちまけたのでした。

3-3.同じ事を言っていた?
「僕は閉心術の授業でそういうのを嫌というほど経験したんだ!たまには他のモルモットを使ったらいいじゃないか?」ハリーは今日スネイプが自分にした事についてこう文句を言いダンブルドアにもこう不満を言いました。

「だいたいダンブルドアは何をやってるんだ?あいつに防衛術を教えさせるなんて!あいつが闇の魔術の事をどんな風に話すか聞いたか?あいつは闇の魔術に恋してるんだ!千変万化・破壊不能とか何とか」

するとハーマイオニーが「でも私は何だかあなたみたいな事を言ってるなと思ったわ」と言葉を返しました。ハリーが「僕みたいな?」と訊くとハーマイオニーは以前にハリーが話してくれた事をこう紹介したんですよね。

「ええ。ヴォルデモートと対決するのはどんな感じかって私たちに話してくれた時だけど。あなたはこう言ったわ。呪文をごっそり覚えるのとは違う。たった1人で自分の頭と肝っ玉しかないんだって」

それがスネイプが言っていた事だ。結局は勇気と素早い思考だとハーマイオニーはハリーに言ったのでした。ハーマイオニーが自分の言葉をまるで「基本呪文集」と同じように暗記をする価値があるとそう思ってくれていた。

その事でハリーはすっかり毒気を抜かれ反論もしなかったというわけなんですよね。

今日の最後に
スネイプはこの5年間ハリーに対して「魔法薬学」の授業中に嫌がらせの限りを尽くして来ました。ハーマイオニーをして「本当に不公平だわ」と言わしめるほどでスネイプのハリーへの仕打ちは理不尽極まりないものでした。

しかしご主人様のヴォルデモートにシビル・トレローニーの予言の内容の一部を知らせ結果としてハリーの両親を死なせるきっかけを作ったのはスネイプでした。それならスネイプに後ろめたい気持ちはないのでしょうか?

スネイプとしては例え教える科目が「魔法薬学」から「闇の魔術に対する防衛術」に変わってもハリーに嫌がらせをする方針に変更はないという事なんでしょうね。私はむしろこの行為は後ろめたさの裏返しだと思いますね。

自分のために両親を失いマグルのダーズリー夫妻に育てられて惨めな10年間を過ごさせてしまった。そう申し訳なく思う一方憎んでも余りあるジェームズ・ポッターにそっくりのハリーを見ると思わず憎悪が込み上げて来る。

スネイプの心の中ではハリーに対して後ろめたさと申し訳ない気持ちが激しく葛藤している。そのためスネイプは申し訳ない気持ちを打ち消すためにハリーには執拗なまでに嫌がらせをしてしまうんだと私はそう思いますね。

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