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セブルス・スネイプ語録集「謎のプリンス」編(17)(28回シリーズ)

プリンスを失うわけにはいかない。プリンス手書き入りの「上級魔法薬」の教科書を失うわけにはいかない。ハリーはこの本を「必要の部屋」に隠す事にしました。そしてロンの「上級魔法薬」の本をカバンに押し込んでスネイプの待つトイレに戻りました。とてつもない代償が待ち受けていました。(全3項目)

3-1.プリンス手書き入りの「上級魔法薬」の本を隠すため
「君の教科書が必要だ。君の魔法薬の本。早く。僕に渡して」ハリーがこう言うとロンは「でもプリンスはどうするんだ?」と訊いて来ました。ハリーは「後で説明するから!」と答えました。緊急を要するというわけです。

ロンは自分のカバンから「上級魔法薬」の本を引っ張り出しハリーに渡しました。寝室から談話室に戻るとハリーは自分のカバンを掴み夕食を済ませた何人かの生徒が驚き眺めているのも構わず肖像画の穴に飛び込みました。

そして8階の廊下を矢のように走りました。踊るトロールのタペストリーの脇で急停止してハリーは両目を閉じて歩き始めました。プリンス手書き入りの「上級魔法薬」の教科書を「必要の部屋」に隠すためだったんですよね。

「僕の本を隠す場所が必要だ。僕の本を隠す場所が必要だ。僕の本を隠す場所が必要だ」

何もない壁の前をハリーは3回往復しました。目を開けると扉が現れていました。ハリーはその扉を開けて「必要の部屋」へと入って行きました。ハリーは息を呑みました。目の前の光景に威圧されずにはいられませんでした。

急いでいる上に無我夢中でしたしトイレでは恐怖が待ち受けているのにも関わらずです。そこは大聖堂ほどもある広い部屋で高窓から幾筋もの光が射し込み聳え立つ壁でできている都市のような空間を照らしていたのでした。

ホグワーツの住人が何世代にも渡って隠して来た物が壁のように積み上げられていました。壊れた家具が積まれぐらぐらしながら立っているその山の間が通路になっていました。家具類は多分しくじった魔法の証拠品だろう。

城自慢の屋敷しもべ妖精たちが隠したかったんだろう。何千冊あるいは何万冊という本もありました。明らかに禁書か書き込みがしてあるか盗品だろう。その他にも様々な物がとてつもなく大量に隠されていたんですよね。

ハリーはプリンス手書き入りの「上級魔法薬」を隠すために急いで入り込みました。

3-2.再びスネイプの待つトイレへ
巨大なトロールの剥製を通り過ぎた所で右に曲がり少し走って壊れた「姿をくらますキャビネット棚」の所を左折しました。去年モンタギューがフレッドとジョージに押し込まれ姿を消したキャビネット棚だったんですよね。

最後にハリーは酸をかけられたらしく表面がボコボコになった大きな戸棚の前で立ち止まりました。軋む戸の1つを開けるとそこには既に五本足の檻に入った何かが隠されていました。ハリーは檻の陰へと教科書を隠しました。

そしてきっちり戸を閉めました。雑然とした廃物の山を眺めてハリーは暫くそこに佇みました。この場所を再び見つけられるかどうか心配だったのです。そこでハリーは近くの木箱の上に置いてあった胸像を取り上げました。

それを本を隠した戸棚の上に置きその頭に埃だらけの古い蔓と黒ずんだティアラを載せてさらに目立つようにしました。それからできるだけ急いで駆け戻り「必要の部屋」を出てスネイプの待つトイレへと向かったのでした。

走りながらロンの「上級魔法薬」の教科書を自分のカバンに押し込みました。そして1分後ハリーはスネイプの面前に戻っていました。スネイプは一言も言葉を発する事なくハリーのカバンに手を差し出し調べ始めたのでした。

ハリーは息を弾ませ胸に焼けるような痛みを感じながらカバンを手渡して待ちました。スネイプはハリーの本を1冊ずつ引き出して調べました。最後に残った魔法薬の教科書をスネイプは入念に調べてから口を利いたのでした。

「ポッターこれは君の上級魔法薬の教科書か?」

スネイプにこう訊かれハリーはまだ息を弾ませながら「はい」と答えました。するとスネイプは「確かにそうか?ポッター?」と訊いて来ました。この問いにハリーは少し食ってかかるようにして「はい」と答えたのでした。

「君がフローリシュ・アンド・ブロッツ書店から買った上級魔法薬の教科書か?」

さらにこう訊くスネイプにハリーは「はい」と今度はきっぱり答えました。するとまたしてもスネイプはハリーに質問して来ました。その質問を聞いてハリーの心臓が一泊ずつ飛ばしました。スネイプはこう訊いて来ました。

「それならば何ゆえ表紙の裏にローニル・ワズリブと書いてあるのだ?」

スネイプのこの問いにハリーは「それは僕のあだ名です」と答えました。これはロンがフレッドとジョージの店つまりはウィーズリー・ウィザード・ウィーズで買った「綴り修正付き」の羽根ペンで書いた文字だったのです。

スネイプが「君のあだ名」と繰り返すとハリーは「ええ。友達が僕をそう呼びます」と応えスネイプは「あだ名がどういうものかは知っている」と言いました。そしてスネイプはまたしてもハリーの心を覗き込んで来ました。

3-3.最後通告
ハリーはスネイプの目を見ないようにしました。心を閉じるんだ。心を閉じるんだ。でもハリーはそのやり方をきちんと習得していませんでした。スネイプはハリーに極めて低い声でこう言い渡したというわけなんですよね。

「ポッター我輩が何を考えているか判るか?我輩は君が嘘つきのペテン師だと思う。そして今学期一杯土曜日に罰則を受けるに値すると考える。ポッター君はどう思うかね?」

ハリーはまだスネイプの目を見ないようにしながら「僕。僕はそうは思いません。先生」と答えました。これにスネイプは「ふむ。罰則を受けた後で君がどう思うか見てみよう」と言うとハリーにこう告げたというわけです。

「土曜の朝10時だ。ポッター。我輩の研究室で」

ハリーは絶望的になって顔を上げ「でも先生。クィディッチが。最後の試合が」と言いました。しかしスネイプは「10時だ」と言って黄色い歯を見せて笑いながら囁き声でハリーにこう最後通告を突きつけたというわけです。

「哀れなグリフィンドールよ。今年は気の毒に4位だろうな」

スネイプはそれ以上は一言も言わずにトイレを出て行きました。残されたハリーはそれはもうひどい吐き気を催しながら割れた鏡を見つめていました。この後ハリーは夕食に行きませんでした。全く食欲がなかったからです。

「だから注意したのに。なんて言わないわ」1時間後に談話室でハーマイオニーがこう言いました。ロンは怒って「ほっとけよハーマイオニー」と言いました。ハリーはロンとハーマイオニーそれにジニーに説明した後でした。

しかし話す必要はなかったようです。ニュースはあっという間に広まっていました。どうやら「嘆きのマートル」が勝手に役目を引き受けて城中のトイレに現れその話をしたようでした。その後始末がまた大変だったのです。

土曜日の試合でプレイできないと告げた時のグリフィンドール・チームの表情が最悪の罰でした。土曜日にはジニーがシーカーになりディーン・トーマスがチェイサーを務めるようにと言わなくてはならなかったんですよね。

それでもハリーのプリンスに対する気持ちは変わりませんでした。ほとぼりが冷めたらあの本を取りに行くつもりだったんですよね。

今日の最後に
完全にハリーの負けですね。ロンの「上級魔法薬」の教科書には「ローニル・ワズリブ」と名前が記されていました。前述のようにフレッドとジョージの店で買った「綴り修正付き」の羽根ペンで書いた文字だったのでした。

魔法が切れかけているのでロンの名前がこうなってしまいました。スネイプがハリーに全ての教科書を持って来いと言った時点でアウトでしたよね。当然他の教科書には「ハリー・ポッター」と名前が書かれていたでしょう。

開心術など使わなくともハリーが真っ赤な嘘をついているのは明々白々でした。スネイプがハリーの心を覗き込んだのは確認のためだった。しかしこんな目に遭ってもハリーのプリンスに対する信頼は揺らぎませんでしたね。

ところがハリーは学期末に衝撃の事実を知る事になるんですよね。

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