3日目の昼食の席でマージ叔母さんが手にしたワイングラスを爆発させるというアクシデントを起こしてしまったハリーは「あんな事は二度とあってはならない」と新たな方策を考えつきました。そんなこんなでマージ叔母さんが滞在する最後の夜になりました。ところがだったのです。(全3項目)

3-1.最後の夜
3日目の昼食の席でハリーはマージ叔母さんが手にしたワイングラスを爆発させるというアクシデントを起してしまいました。あんな事は二度とあってはならないとハリーは新たな方策を考えつき実行に移したというわけです。

それはマージ叔母さんが自分に難癖をつけ始めた時には「自分でできる箒磨きガイドブック」の事を必死で考えてやり過ごすというものでした。これはなかなか上手く行きましたがどうもハリーの目が虚ろになるようでした。

そのためマージ叔母さんはハリーが落ちこぼれだとはっきり口に出して言い始めたのでした。そしてようやくやっとの事でマージ叔母さんの滞在最終日の夜が来ました。ペチュニア叔母さんは豪華なディナーを料理しました。

バーノン叔父さんはワインを数本開けました。スープに始まりサーモン料理に至るまでただの一度もハリーの欠陥が引き合いに出される事なく食事は進みました。最後にバーノン叔父さんはブランデーを1本持って来ました。

叔父さんに「一杯どうだね?」と勧められた時にはマージ叔母さんはワインでもう既にかなり出来上がっていて巨大な顔が真っ赤でした。それでもマージ叔母さんは「それじゃほんの一口貰おうか」と言うと笑ったのでした。

ハリーは自分の部屋に戻りたくて堪りませんでした。しかし叔父さんの目が怒っているのを見て最後まで付き合わなければならないんだと思い知らされました。ところがその事が大惨事を招く事となってしまったんですよね。

マージ叔母さんは舌鼓を打つと空になったブランデー・グラスをテーブルに戻しました。そしてペチュニア叔母さんに「素晴らしいご馳走だったよ」と言いました。普段の夕食は大抵あり合わせを炒めるだけなんだそうです。

12匹も犬を飼っていて世話が大変だからなのだそうです。ところがここでマージ叔母さんは「それにしてもわたしゃ健康な体格の男の子を見るのが好きさね」と言い出したかと思うとダドリーにウィンクしてこう言いました。

「ダッダーあんたはお父さんとおんなじにちゃんとした体格の男になるよ。ああバーノンもうちょいとブランデーを貰おうかね」

こう言ったかと思うと

「ところがこっちはどうだい」

顎でぐいと指されたハリーは胃が痛み急いで「ガイドブックだ」と思い浮かべました。ところがこれが大惨事の始まりでした。

3-2.やっぱり最後の夜も
こっちの子つまりハリーは何だかみすぼらしい生まれ損ないの顔なんだそうです。犬にもこういうのがいる。去年ファブスター大佐に一匹水に沈めて処分させたのだそうです。まるでハリーもそうしろと言わんばかりですね。

「こないだも言ったが要するに血統だよ。悪い血が出てしまうのさ。いやいやペチュニアあんたの家族の事を悪く言ってるわけじゃない」

そう言いつつペチュニア叔母さんの家族の事を悪く言っていると私はそう思いますけどね。ハリーは必死に12ページの「後退を拒む箒を治す呪文」を思い浮かべていました。マージ叔母さんは今度はこう言い始めたのでした。

それはハリーの母親のほうは出来損ないだった。どんな立派な家系にもそういうのがひょっこり出て来るもんなのだそうです。それでもってろくでなしと駆け落ちをして結果は目の前にいる。ペチュニア叔母さんは悪くない。

そう言いたいようですね。ハリーは自分の皿を見つめていました。奇妙な耳鳴りがしました。柄ではなく箒の尾をしっかり掴む事。確かそうだった。しかしその続きが思い出せません。もはや我慢の限界に達していたのです。

「そのポッターとやらは。そいつが何をやってたのか聞いてなかったね」

ダーズリー夫妻の顔は極端に緊張していました。ダドリーでさえ食べていたパイから目を離し茫然と口を開けて親の顔を見つめました。ハリーのほうを中途半端に見やりながら叔父さんはこう答えたというわけなんですよね。

「ポッターは働いていなかった。失業者だった」

これを聞いてマージ叔母さんは「そんなこったろうと思った!」と言うとさらに「文無しの役立たずのゴクつぶしのかっぱらいが」と言い放ちました。マージ叔母さんの「文無しの」が特に問題だったと私はそう思いますね。

バーノン叔父さんはハリーが学校つまりホグワーツに行くのに当たってまさにビタ一文出した事はありませんでした。魔法界の銀行グリンゴッツには父親が遺した膨大な量の金貨がありハリーはその金で学用品を揃えました。

突然ハリーは「違う」と言いました。周囲は静まり返りました。ハリーは全身を震わせていました。こんなに腹が立ったのは生まれて初めてでした。父親をも罵倒されてハリーは我慢の限界を越えてしまったというわけです。

叔父さんはハリーに自分の部屋に戻れと言いましたが時既に遅しでもはや引っ込みがつかなくなっていました。マージ叔母さんがそれを手を上げて制止すると「いーや待っとくれ」と言いハリーを見据えるとこう言いました。

「言うじゃないか。続けてご覧よ。親が自慢てわけかい。え?勝手に車をぶつけて死んじまったんだ。どうせ酔っ払い運転だったろうさ」

ハリーは思わず立ち上がり「自動車事故で死んだんじゃない!」と反論しました。ところがこの後の事だったんですよね。

3-3.プリベット通り4番地を
「自動車事故で死んだんだ。性悪の嘘つき小僧め。きちんとした働き者の親戚にお前のような厄介者を押しつけて行ったんだ!」マージ叔母さんは怒りで膨れ上がりながらハリーの主張など絶対認めぬとばかりに叫びました。

ところが「お前は礼儀知らず恩知らず」とまで言った所でマージ叔母さんは突然黙りました。一瞬言葉に詰まったかのように見えました。言葉も出ない程の怒りで膨らんでいるように見えました。何と膨れが止まりません。

巨大な赤ら顔が膨張し始め目は飛び出し口は左右に強く引っ張られて話す所ではありません。次の瞬間には上着のボタンが弾け飛んで壁を打って落ちました。マージ叔母さんは恐ろしく巨大な風船のように膨れ上がりました。

ダーズリー夫妻が同時に「マージ!」と叫びました。マージ叔母さんの体が椅子を離れ天井に向かって浮き上がり始めたからです。今やマージ叔母さんは完全な球体でした。両手両足は球体から不気味に突き出していました。

息も絶え絶えにパクパク言いながらふわふわと空中に舞い上がり始めました。リッパーが転がるように部屋に入って来ると狂ったように吠えました。叔父さんはマージ叔母さんの片足を捕まえて引っ張り降ろそうとしました。

ところが自分のほうが床から持ち上げられそうになる始末でした。リッパーが飛びかかって叔父さんの足に噛みつきました。その一方ハリーは止める間もなく部屋を飛び出し階段下の物置に近づきました。その時の事でした。

ハリーが物置のそばに行くと戸が魔法のように開きました。ハリーは重いトランクを玄関まで引っ張り出すと飛ぶようにして2階に駆け上がってベッドの下に滑り込むと緩んだ床をこじ開けて枕カバーをむんずと掴みました。

枕カバーには教科書や誕生祝いプレゼントが入っていました。そして空のヘドウィグの鳥籠を引っ掴み脱兎の如く階段を駆け下りトランクの所に戻りました。ちょうどその時バーノン叔父さんが部屋から飛び出して来ました。

「ここに戻るんだ!戻ってマージを元通りにしろ!」

叔父さんはこうがなり立てました。ズボンの脚の所がズタズタで血まみれでした。しかしハリーは怒りで前後の見境がなくなっていました。トランクを蹴って開けると杖を引っ張り出し叔父さんに突きつけてこう言いました。

「当然の報いだ。身から出た錆だ。僕に近寄るな」

ハリーは後ろ手で扉の取っ手をまさぐり「僕は出て行く。もう沢山だ」と言い放ち次の瞬間には重いトランクを引っ張り腋の下にはヘドウィグの鳥籠を抱えて静まり返った真っ暗な通りに立っていたというわけなんですよね。

今日の最後に
マージ叔母さんは虎の尾を踏んだ。私はそう思いますね。ハリーは魔法界に足を踏み入れてからというもの多くの人たちから外見が父親に似ているとそう言われて来ていて母親より父親への思い入れがとても強いんですよね。

その父親の事を激しく罵倒された。しかも著しく事実に反する内容だった。そのためついにハリーも堪忍袋の緒が切れたというわけです。こんなに腹が立ったのは生まれて初めてだった。ハリーの怒りは最高潮に達しました。

ハリーの怒りは半端ない程の強さだったためマージ叔母さんは膨れ上がって球体と化し天井に向かって浮き上がりました。ハリーの怒りの凄まじさを表しています。ハリーは「当然の報いだ。身から出た錆だ」と言いました。

私もそう思いますね。
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