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災い転じて福と成す、その3(4)(8回シリーズ)

怒りに任せてプリベット通り4番地を飛び出したハリーでしたがふと気がついてみると最悪の八方塞がりでどこに行くという当てもなく1人で取り残されるという状況に陥ってしまいました。しかし終わり良ければ全て良しという感じで自由を謳歌する日々がハリーを待ち受けていたのでした。(全3項目)

3-1.あっさりと
怒りに任せてプリベット通り4番地を飛び出して来たハリーでしたが10分程経つと別の感情がハリーに襲いかかって来ました。最悪の八方塞がりで全く行く当てもなくたった1人で取り残されているという状況に陥ったのでした。

さらにもっと悪い事にハリーは魔法を使ってしまいました。つまりほとんど間違いなく「未成年魔法使いの制限事項令」を真正面から破ってしまったというわけです。でも自分には父親が遺してくれた「透明マント」がある。

もう少し魔法を使ってもいいじゃないか。トランクに魔法をかけて軽くして箒に括りつけて「透明マント」をすっぽり被ってロンドンまで飛んで行く。そうすればグリンゴッツに預けてある残りの遺産を取り出す事ができる。

そして無法者としての人生を歩み出す。ところがそんな事をしなくともハリーがロンドンまで移動する手段が舞い込んで来ました。耳を劈くようなバーンという音がして目の前に3階建ての派手な紫色のバスが出現したのです。

それは「夜の騎士(ナイト)バス」でした。ハリーがこのバスを呼び寄せる事ができたのはハリーは知るべくもなかったのですが名付け親のシリウス・ブラックのお陰でした。シリウスはハリーを背後から見つめていたのです。

ハリーは杖灯りでシリウスを見て動転し思わず後退りしました。トランクにぶつかり足を取られました。倒れる体を支えようと片腕を伸ばした際ハリーは自分では気がつかない内に杖腕を上げてバスを呼び出したんですよね。

車掌のスタン・シャンパイクが「日刊予言者新聞」を広げ読み始めました。一面記事に大きな写真が掲載されもつれた長い髪の頬のこけた男がハリーを見てゆっくり瞬きをしました。何だか妙に見覚えがあるような気がする。

ハリーがそう思ったのは先程杖灯りで見た得体の知れない何かがその人物だったからです。こうしてハリーは「夜の騎士(ナイト)バス」に拾われてロンドンの「漏れ鍋」に到着しました。ところがだったというわけですよね。

「ハリーやっと見つけた」

こう声がしたかと思うとハリーが振り返る間もなく肩に手が置かれました。その手の主は魔法大臣コーネリウス・ファッジでした。まさに魔法大臣その人の手中にハリーは飛び込んでしまって無法者の野望は露と消えました。

ハリーの肩にかかったファッジの手に力が加わりハリーは否応なしに「漏れ鍋」に入って行きました。個室を頼むとファッジは言い主人のトムはカウンターから続く廊下にファッジを招き入れハリーも続いたというわけです。

3-2.個室に入ると
個室に入るとファッジはまずはハリーが引き起こしたマージ叔母さんの大惨事の事後処理の内容を話してくれました。ミス・マージョリー・ダーズリーの不幸な風船事件は我々つまりは魔法省の手で処理済みなんだそうです。

数時間前に「魔法事故リセット部隊」2名をプリベット通りに派遣しマージ叔母さんはパンクして元通りになり記憶は修正されたので事故の事は全く覚えていないのだそうです。これで一件落着して実害なしとの事だそうです。

ハリーはにわかには信じられず何か話そうと口を開けたものの言葉が見つからずまた口を閉じてしまいました。それを見てファッジはハリーはダーズリー夫妻の反応が心配なんだとそう思ったようでハリーにこう言いました。

「それはハリー非常に怒っていた事は否定しない。しかし君がクリスマスとイースターの休暇をホグワーツで過ごすなら来年の夏には君をまた迎える用意がある」

ハリーは詰まった喉をこじ開け自分はいつだってクリスマスとイースターはホグワーツに残っている。それにプリベット通りには二度と戻りたくはないと応えました。こう言うハリーに対してファッジはこう言ったのでした。

「まあまあ落ち着けば考えも変わるはずだ。何と言っても君の家族だ。それに君たちはお互いに愛しく思っている。アー心のふかーい所でだがね」

ハリーは間違いを正す気にもなれませんでした。それは自分が一体どうなるのかをまだ聞いていなかったからです。ところがファッジが自分にこう言って来たのでハリーは思わずファッジに詰問する事となってしまいました。

「そこで残る問題は夏休みの残りの2週間を君がどこで過ごすかだ。私はこの漏れ鍋に部屋を取ると良いと思うがそして」

ファッジがここまで言った所でハリーは思わず「待ってください。僕の処罰はどうなりますか?」と訊きました。ファッジは目をパチクリさせ「処罰?」と繰り返しました。これに対しハリーはこう言ったというわけですよね。

「僕規則を破りました!未成年魔法使いの制限事項令です!」

するとファッジは動揺を隠せない様子で当省はあんなちっぽけな事でハリーを罰したりしないと言いました。あれは事故だったのだから叔母さんを膨らませた廉でハリーをアズカバン送りにはしないとファッジは言いました。

「去年屋敷しもべ妖精が叔父さんの家でデザートを投げつけたというだけで僕は公式警告を受けました!その時魔法省は僕があそこでまた魔法を使ったらホグワーツを退学させられるだろうと言いました」

これでは自分がこれまで経験した魔法省の措置と辻褄が合わないとばかりにハリーがこう抗議するとファッジは我々が考慮すべきは現状に於いて状況は変わるものだと応え当然退学にはなりたくないだろうと訊いて来ました。

ハリーが「もちろん嫌です」と答えるとファッジはさらりと笑い「それなら何をつべこべ言うのかね?」と言いました。それからファッジは部屋を出て行き「漏れ鍋」に空き部屋があるのかどうかを確かめに行ったのでした。

ファッジは亭主のトムを従えて戻って来るとハリーに11号室が空いていると告げました。そして最後にマグルのロンドンには出て行かないで欲しい。行くのはダイアゴン横丁だけにしてくれたまえとハリーに告げたのでした。

また行方不明になると困るからだそうです。ハリーがどこにいるのか判っているほうがいいのだそうです。

3-3.一転して自由な日々に
好きな時に起きて食べたい物を食べるなんて初めての経験でハリーはこんな奇妙な感覚に慣れるまでに数日かかりました。しかもダイアゴン横丁から出なければどこへでも好きな所に行ける。自由な日々を獲得したのでした。

毎朝「漏れ鍋」で朝食を取りながら他の泊り客を眺めるのがハリーは好きでした。そして朝食の後は裏庭に出て杖を取り出しゴミ箱の上の左から3番目のレンガを軽く叩いて少し後ろに下がって待てばアーチ型の入口が広がる。

長い夏の1日をハリーはダイアゴン横丁をぶらぶら歩いて店を覗いて回ったりカフェ・テラスに並んだ鮮やかなパラソルの下で食事をしたりしました。もう宿題を真夜中にこっそり懐中電灯片手にする必要もありませんでした。

フローリアン・フォーテスキュー・アイスクリーム・パーラーのテラスに座り明るい陽の光を浴びながら店主のフローリアン・フォーテスキュー氏に時々手伝って貰いながらハリーは宿題を仕上げていたというわけですよね。

店主は何と30分毎にアイスクリームをタダで振る舞ってくれるのです。一方グリンゴッツの金庫からお金を引き出し巾着を一杯にしてしまった後は一度に全部を使ってしまわないようにするのには相当な自制心が必要でした。

しかしハリーはまだ5年間ホグワーツに通うのだ。教科書を買うお金をバーノン叔父さんにせがむのがどんなに辛いか考えろと頻繁に自分に言い聞かせ浪費を我慢しました。でもそれは「漏れ鍋」に滞在して1週間後の事でした。

ハリーの決意を最も厳しい試練にかける物がお気に入りの「高級クィディッチ用具店」に現れました。それはハリーが今まで見たどの箒よりも素晴しい箒「ファイアボルト」でした。まだ出たばかりで試作品なんだそうです。

世界一速い箒でアイルランド・インターナショナル・サイドが先日この美人箒を7本つまり1チーム分を注文したと店のオーナーが見物客に向かって言いました。このチームはクィディッチ・ワールドカップの本命だそうです。

こんなに欲しいと思い詰めた事はありませんでした。しかしハリーは持っているニンバス2000で負けた事はなく十分に良い箒を持っていると思って何とか思い止まりました。しかしファィアボルト見たさに毎日通いました。

ロンにハーマイオニーと合流をしたのは夏休み最終日の8月31日でした。ロンのペットのネズミのスキャバーズが元気がなくご両親がくれた10ガリオンでふくろうが欲しいとハーマイオニーが言うのでハリーはこう言いました。

「すぐそこに魔法動物ペットショップがあるよ。ロンはスキャバーズ用に何かあるか探せるしハーマイオニーはふくろうが買える」

ハリーはダイアゴン横丁の事ならもう何でも知っていました。そしてここでハーマイオニーが買ったのがふくろうではなく猫のクルックシャンクスだったのです。

今日の最後に
魔法大臣コーネリウス・ファッジは「漏れ鍋」でハリーが来るのを待ち受けていました。そしてマージ叔母さん風船事件の事後処理を一体全体どうしたのかの説明をするとティー・カップを傾けその縁越しに笑いかけました。

その姿はお気に入りの甥をじっくりと眺める伯父さんという雰囲気でした。ファッジ大臣もまたヴォルデモートを凋落させて一躍魔法界のヒーローになったハリーの事が好きでしかたがないとそういう事というわけですよね。

したがってそんな人気者のハリーをアズカバンに送ったりなどすればどんでもない事態になる。だから事件ではなく事故という扱いにすめるためにプリベット通りには「魔法事故リセット部隊」2名を派遣したというわけです。

ハリーをアズカバンに送ったりすれば猛抗議が押し寄せる事は必至なのでファッジも処置には気を使ったというわけです。ロンもマージ叔母さんを膨らませたのが有名人のハリー・ポッターだからだと言っていたんですよね。

そういう事というわけなんですよね。

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