突如としてルーピンはハリーたち3人に同行したいと申し出て来ました。妻のトンクスは妊娠しているので実家に帰れば問題ないという事のようです。しかしルーピンが妻トンクスの懐妊を告げた事でハリーの気持ちはルーピンの予想とは違う方向に行ってしまったようで・・・(全3項目)

3-1.予想外?のハリーの反応
何と言ってもダンブルドアが自分を「闇の魔術に対する防衛術」の教師に任命したのだからダンブルドアが承知しないとは考えられない。こう言ってルーピンは自分がハリーたちに同行する事に自信を見せたというわけです。

さらにルーピンはほとんど誰も出会った事がなく想像した事もないような魔法と対決する事になるに違いないと言うのです。ロンとハーマイオニーは同時にハリーを見てその見られたハリーはルーピンにこう言ったのでした。

「ちょっと。ちょっと確かめたいんだけどトンクスを実家に置いて僕たちと一緒に来たいんですか?」

ルーピンは「あそこにいればトンクスは完璧に安全だ。両親が面倒を見てくれるだろう」と答えました。ルーピンの言い方はほとんど冷淡と言っていいほどにきっぱりしていました。さらにルーピンはこうも言ったのでした。

「ハリー。ジェームズなら間違いなく私に君と一緒にいて欲しいと思ったに違いない」

これにハリーは考えながらゆっくりと「さあ」と言ったその後「僕はそうは思わない。はっきり言って僕の父はきっとあなたが何故自分自身の子供と一緒にいないのかとわけを知りたがっただろうと思う」とそう応えました。

ルーピンの顔から血の気が失せました。まるで厨房の温度が十度も下がってしまったかのようです。ロンはまるで厨房を記憶せよと命令されたかのように見回しました。ハーマイオニーの目は2人の間を激しく移動しました。

暫くしてようやくルーピンが口を開き「君には分っていない」と言いハリーは「それじゃ判らせてください」と言葉を返しました。ルーピンは意を決するように生唾を飲むと現在の苦しむ心情をこう吐露したというわけです。

「私は。私はトンクスと結婚するという重大な過ちを犯した。自分の良識に逆らう結婚だった。それ以来ずっと後悔して来た」

するとハリーは「そうですか。それじゃトンクスも子供も棄てて僕たちと一緒に逃亡するというわけですね?」と言いました。そう言われてルーピンは座っていた椅子が引っくり返るほどの勢いで立ち上がったんですよね。

そしてハリーを睨みつけると・・・

「分らないのか!妻にもまだ生まれていない子供にも私が何をしてしまったか!トンクスと結婚すべきではなかった。私はあれを世間ののけ者にしてしまった!」

3-2.出所の分らない怒りから
自分を睨みつけるその目のあまりの激しさにハリーはルーピンの顔に初めて狼の影を見ました。妻が懐妊してもうれしいなどとは到底思えないというわけです。ルーピンは倒した椅子を蹴りつけると続けてこうも言いました。

「君は私が騎士団の中にいるかホグワーツでダンブルドアの庇護の下にあった姿しか見てはいない!魔法界の大多数の者が私のような生き物をどんな目で見るか君は知らないんだ!」

さらに続けてルーピンが言うには自分が狼人間だと知ると連中はほとんど口も利いてくれない!自分が何をしてしまったのか分らないのか?トンクスの家族も自分たちの結婚には嫌悪感を持ったと苦しい心情を吐露しました。

「一人娘を狼人間に嫁がせたい親がどこにいる?それに子供は。子供は」

最後にこう言いながらルーピンは自分の髪を両手で鷲掴みにして発狂せんばかりの苦しみようでした。ルーピンによれば普通は狼人間は子供を作らないんだそうです。自分と同じになる。そうに違いないからなのだそうです。

それを知りながら罪もない子供にこんな自分の状態を受け継がせる危険を冒した自分が許せない!もしも奇跡が起こって子供が自分のようにならないとしたらその子供には恥に思うような父親などいないほうが百倍もいい!

「リーマス!そんな事を言わないで。あなたの事を恥に思う子供なんているはずがないでしょう?」

そんな父親はいないほうが百倍もいい。ルーピンがそう言うのを聞いてハーマイオニーは涙ながらに小声でこう訴えました。一方ハリーは自分でも出所が分りませんでしたが何だか腹が立って来てこう言ったというわけです。

「へえハーマイオニーそうかな。僕ならとても恥ずかしいと思うだろうな」

ハリーはその出所の分らない怒りから立ち上がりました。ルーピンはハリーに殴られたような顔をしていました。ハリーは話し続けました。ハリーは今度はルーピンに向かって怒りに任せてこう言い放ったというわけですよね。

「新しい体制がマグル生まれを悪だと考えるならあの連中は騎士団員の父親を持つ半狼人間をどうするでしょう?僕の父は母と僕を守ろうとして死んだ}

さらに続けてハリーが「それなのにその父があなたに子供を棄てて僕たちと一緒に冒険に出かけろとそう言うとでも思うんですか?」と言うとルーピンは「よくもそんな事が。そんな事が言えるな」と言い返したのでした。

「何かを望んでの事じゃない。冒険とか個人的な栄光とか。どこを突ついたらそんなものが出て」

さらにこう言うルーピンの言葉を途中で遮りハリーは「あなたは少し向こう見ずな気持ちになっている。シリウスと同じ事をしたいと思っている」と言いました。ハーマイオニーはすがるようにハリーにこう言ったのでした。

「ハリー辞めて!」

しかしハリーは辞めませんでした。

3-3.ルーピンに対して
ハリーは言葉を続け青筋を立てたルーピンの顔を睨んだまま「僕には信じられない。僕に吸魂鬼との戦い方を教えた人が。腰抜けだったなんて」とそう言い渡したのでした。ルーピンはついに堪忍袋の緒が切れたようでした。

ルーピンは杖を抜きました。あまりの速さにハリーは自分の杖に触れる間もありませんでした。バーンという大きな音と共にハリーは殴り倒されたように仰向けに吹き飛ばされ厨房の壁にぶつかって床に滑り落ちたのでした。

「リーマス。リーマス。戻って来て!」

ハーマイオニーがこう叫びましたがルーピンは応えません。まもなく玄関の扉が閉まる音が聞こえて来てルーピンが12番地から去った事を知らせました。ハーマイオニーは泣き声で「ハリー!あんまりだわ!」と言いました。

しかしハリーは「いくらでも言ってやる」と言うと立ち上がりました。怒りが収まらずハリーはまだ体を震わせていました。そのためハーマイオニーに向かって「そんな目で僕を見るな!」と噛みついたというわけですよね。

するとロンが唸るように「ハーマイオニーに八つ当たりするな!」と言い寄りハーマイオニーが2人の間に割って入ると「駄目。駄目よ。喧嘩しちゃ駄目!」と言いました。ロンはハリーにこう言ったというわけなんですよね。

「あんな事ルーピンに言うべきじゃなかったぜ」

これにハリーは「身から出た錆だ」と言い返したものの心の中には様々な光景が目まぐるしく出入りしていました。ベールの向こうに倒れるシリウスに宙に浮くダンブルドアの折れ曲がった体に緑の閃光と母親の叫び声です。

「親は子供から離れるべきじゃない。でも。でもどうしてもという時だけは」

ハリーはこう言ったのでした。

今日の最後に
リーマス・ルーピンは何と言ってもあのアルバス・ダンブルドアが自分を「闇の魔術に対する防衛術」の教師にしたのだからハリーたち3人に同行するのに自分ほどの適任者は他にいないと自信を持っていたみたいですよね。

確かにそれはそうかもしれませんね。ハリーたち3人はホグワーツに入学してから昨年度までの6年間にご存知のように1学期毎に1人ずつですからこれまで6人の教師から「闇の魔術に対する防衛術」を教えて貰っていますよね。

1年生の時のクィレルは死んでしまいました。2年生の時のギルデロイ・ロックハートは記憶喪失になり今は聖マンゴ魔法疾患障害病院に入院しています。4年生の時のマッド・アイ・ムーディはつい最近死んでしまいました。

5年生の時はそんな申し出をする可能性は全くないドローレス・アンブリッジでした。そして昨年度の6年生の時はハリーの目の前でダンブルドアを殺害したセブルス・スネイプでした。だから適任者はルーピンだけですよね。

でもハリーが却下してしまいました。
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