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アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その2(5)(52回シリーズ)

ルーピンはグリモールド・プレイス12番地を去って行ってしまいました。ルーピンが残して行った「日刊予言者新聞」をハリーがめくっているとリータ・スキーターが書いたダンブルドアの伝記の抜粋が載っていてハリーは「これ以上落ち込んだ気持ちが悪くなる事はないだろう」と読み始めたのですが・・・(全3項目)

3-1.ルーピンが残して行った「日刊予言者新聞」をめくっていると
ハーマイオニーは「ハリー」と名前を呼ぶと慰めるように手を伸ばしました。しかしハリーはその手を振り払ってハーマイオニーの作り出した火を見つめながら暖炉のほうに歩いて先学期のあの出来事を思い出していました。

一度この暖炉の中からルーピンと話をした事がある。父親の事で確信が持てなくなった時だ。ルーピンは慰めてくれた。今はルーピンが苦しんでいる。蒼白な顔が目の前を回っているような気がするとハリーは思いました。

後悔がどっと押し寄せて来てハリーは気分が悪くなりました。ロンもハーマイオニーもまた黙っています。しかし2人が背後で見つめ合い無言の話し合いをしているに違いないとハリーはそう感じて後ろに振り向いたのでした。

すると2人は慌てて顔を背け合いました。ハリーが「判ってるよ。ルーピンを腰抜け呼ばわりすべきじゃなかった」と言うとロンは即座に「ああそうだとも」と言いました。でもハリーはこう言葉を返したというわけですよね。

「だけどルーピンはそういう行動を取った」

これにハーマイオニーが「それでもよ」と言いハリーが後の言葉を引き継いで「判ってる。でもそれでルーピンがトンクスの所に戻るなら言ったかいがあった。そうだろう?」と言いつつ願わずにはいられなかったのでした。

ハリーの声には「そうであって欲しい」という切実さが滲んでいました。ハーマイオニーはそんなハリーの心情を判ってくれたようです。しかしロンは曖昧な表情でした。ハリーは足元を見つめて父親の事を考えたのでした。

父ジェームズは自分がルーピンに言った事を肯定してくれるだろうか?それとも息子が旧友にあのような仕打ちをした事を怒るだろうか?ルーピンが持って来た「日刊予言者新聞」がテーブルに広げたまま置いてありました。

一面の自分の写真が天井を睨んでいます。ハリーは新聞に近づいて腰を掛け脈絡もなく紙面をめくって読んでいるふりをしました。まだルーピンとのやり取りの事で頭が一杯で文字は頭には入りませんでした。するとでした。

新聞の向こう側ではロンとハーマイオニーがまた無言の話し合いを始めたに違いない。そう思いつつハリーは大きな音を立てて紙面をめくりました。するとダンブルドアの名前が目に飛び込んで来ました。家族の写真がある。

その意味が飲み込めるまで一呼吸か二呼吸かかりました。写真の下にこう説明がありました。

「ダンブルドア一家。左からアルバス。生まれたばかりのアリアナを抱くパーシバル。ケンドラ。アバーフォース」

3-2.アルバス・ダンブルドアの伝記が目に留まり
思わず目が吸い寄せられハリーは写真をじっくりと見ました。ダンブルドアの父親のパーシバルは美男子でセピア色の古い写真にも関わらず目が悪戯っぽく輝いています。赤ん坊のアリアナはパン1本より少し長いくらいです。

そのため顔形はよく分りません。母親のケンドラは漆黒の髪を髷にして頭の高い所で留めていて彫刻のような雰囲気の顔でした。ハイネックの絹のガウンを着ていましたが瞳は黒く顔は頬骨が張っていて鼻はまっすぐでした。

ハリーはアメリカ原住民の顔を思い起こしました。アルバスとアバーフォースはお揃いのレース衿のついた上着を着て肩で切り揃えた同じ髪型をしていました。アルバスが幾つか年上に見えましたが2人はとても似ていました。

それはアルバスの鼻が折れる前でメガネを掛ける前の事だったからです。ごく普通の幸せな家族に見えました。赤ん坊のアリアナが出した腕を微かに振っています。ハリーは写真の上に載っている見出しを読んだのでした。

リータ・スキーター著
アルバス・ダンブルドアの伝記(近日発売)より抜粋《独占掲載》

落ち込んだ気持ちがこれ以上悪くなる事はないだろうとハリーは読み始めました。何でも夫のパーシバルが逮捕されてアズカバンに収監された事が広く報じられた後ケンドラ・ダンブルドアは家族と共に移住をしたそうです。

誇り高く気位の高いケンドラはモールド・オン・ザ・ウォルドに住む事が耐えられなくなりそこを引き払い家族全員であのハリーがヴォルデモートから不思議にも逃れた事件で有名になったゴドリックの谷に移ったそうです。

モールド・オン・ザ・ウォルド同様ゴドリックの谷にも多くの魔法使いが住んでいたがケンドラの顔見知りは1人もおらずそれまで住んでいた村のように夫の犯罪の事で好奇の目を向けられる事はないだろうと考えたそうです。

新しい村では近所の魔法使いたちの親切な申し出を繰り返し断る事でケンドラはまもなくひっそりとした家族だけの暮らしを確保したんだそうです。例えばバチルダ・バグショットはこのように語ったとの事なんだそうです。

「私が手作りの大鍋ケーキを持って引っ越し祝いに行った時なんぞ鼻先でドアを閉められたよ」

引っ越して来た最初の年は2人の息子を時々見かけるだけだったのだそうです。その年の冬にバチルダ・バグショットが月明かりで鐘鳴り草を摘んでいなかったら娘がいる事は知らずじまいだった。その時だったんだそうです。

ケンドラがアリアナを裏庭に連れ出しているのを見たのだそうです。娘の手をしっかり握って芝生を一周させるとまた家の中に連れ戻した。バチルダ・バグショットは一体どう考えていいのか分からなかったとの事でした。

3-3.読み終えて
ケンドラはアリアナを永久に隠してしまうにはゴドリックの谷への引っ越しが持ってこいの機会とそう考えたとの事でした。彼女は多分何年も前からその事を計画していた。そのタイミングに重要な意味があるのだそうです。

アリアナが人前から消えたのは7才になるかならないの歳だった。7才というのは魔法力がある場合にはそれが顕れる歳だという事で多くの専門家の意見が一致する。そして1つの事実がそれを物語っているとの事だそうです。

現在生きている魔法使いの中でほんの僅かでも魔法力を示したアリアナを記憶している者はいない。つまりだからケンドラがスクイブを生んだ恥に耐えるよりも娘の存在を隠してしまおうと決めたのは明らかなんだそうです。

アリアナを知る友人や近所の人たちから遠ざかる事でアリアナを閉じ込め易くなったのはもちろんの事なのだそうです。それまででもアリアナの存在を知っていたごく僅かの者は秘密を守ると信用できる人たちばかりだった。

例えば2人の兄は母親に教え込まれた答えで都合の悪い質問をかわしたんだそうです。それは「妹は体が弱くて学校には行けない」という答えだったのだそうです。読み終えてハリーは「自分の考えは甘かった」と思いました。

ますます気持ちが落ち込みました。ハリーは一見幸せそうな家族の写真をもう一度見ました。本当だろうか?どうやったら確認できるのだろう?ハリーは自分の生まれ故郷でもあるゴドリックの谷に行きたいと思いました。

例えバチルダ・バグショットが自分に話せるような状態でなくとも行きたいと思いました。ダンブルドアも自分も共に愛する人たちを失った場所に行ってみたいとそう思いロンとハーマイオニーの意見を聞こうと思いました。

そこでハリーが新聞を下しかけたその時です。厨房全体に響き渡る「バチン」という大きな音がしました。音の主はマンダンガス・フレッチャーを連れて3日ぶりに戻って来た屋敷しもべ妖精のクリーチャーだったんですよね。

今日の最後に
何故ケンドラ・ダンブルドアは娘のアリアナを住居を変えてまで隠さなくてはならなかったのか?これについてはハリーたち3人は翌年5月にアバーフォースからその全ての真相を聞かされる事になるというわけなんですよね。

私の中でも数々の思いが駆け巡っていますがそれを発表するのは次の機会にする事としてダンブルドアは昨年度ハリーに対して行った最初の個人教授の冒頭で自分とて他の者と同じように過ちを犯す事があると言っています。

そして不遜な言い方だが事実自分は大多数の者よりもかなり賢いのでその犯した過ちもまたより大きなものになりがちだとそう言っていますね。このダンブルドアの発言については念頭に妹アリアナの事もあるんでしょうね。

今言えるのはこれが精一杯なんですよね。

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