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アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その2(17)(52回シリーズ)

何とアンブリッジはヴォルデモートの分魂箱の金のロケットを肌身離さず持ち歩いていました。ところがこの後アンブリッジの口から発せられた言葉を聞いてハリーは激怒し警戒心を忘れてしまいました。アンブリッジからロケットを奪うとハリーはカターモール夫人とハーマイオニーを引き連れて・・・(全3項目)

3-1.アンブリッジの嘘を聞いて
「それ-それきれいだわドローレス」ハーマイオニーはこう言ってアンブリッジの胸で光っているロケットを指差しました。するとアンブリッジはぶっきらぼうに「なに?」と言いながら下を見るとこう言ったというわけです。

「ああこれ。家に先祖代々伝わる古い品よ」

アンブリッジは胸に載っているロケットをポンポンと叩き「エスの字はセルウィンのエス。私はセルウィンの血筋なの。実のところ純血の家系で私の親戚筋でない家族はほとんどないわ。残念ながら」とそう言ったのでした。

アンブリッジはカターモール夫人の調査票にざっと目を通しながら声を大にして言葉を続け「あなたの場合はそうはいかないようね。両親の職業・青物商」と言いました。それを聞いてヤックスリーは嘲笑っていたのでした。

下のほうではふわふわした銀色の猫が往ったり来たりの見張りを続け吸魂鬼は部屋の隅で待ち構えていたのでした。その一方ハリーはアンブリッジの嘘を聞いて頭に血が上り警戒心を忘れてしまったというわけなんですよね。

コソ泥のマンダンガス・フレッチャーから賄賂として奪ったロケットが自分の純血の証明の補強に使われている。ハリーは「透明マント」の下に隠す事さえせずに杖を上げると「ステューピファイ!麻痺せよ!」と唱えました。

赤い閃光が走りアンブリッジは倒れて額が高欄の端にぶつかりカターモール夫人の調査票は膝から床に滑り落ちました。それと同時に壇の下では歩き回っていた銀色の猫が消え氷のような冷たさが下から上へ襲って来ました。

それはまるで風のようでした。混乱したヤックスリーは原因を突き止めようとあたりを見回しハリーの体のない手と杖だけが自分を狙っているのを見つけて杖を抜こうとしましたが間に合わずハリーは再び呪文を唱えました。

「ステューピファイ!麻痺せよ!」

ヤックスリーは床に倒れ身を丸めて横たわりました。

3-2.怒りに任せて
「ハリー!」と名前を呼ぶハーマイオニーにハリーは「黙って座ってなんかいられるか?あいつが嘘をついて」と反論をしましたがハーマイオニーは今度は「カターモールさんが!」とそう訴えたというわけなんですよね。

ハリーは「透明マント」をかなぐり捨てて素早く振り向きました。下では吸魂鬼が部屋の隅から動き出して椅子に鎖で縛りつけられているカターモール夫人へと近づいていました。守護霊が消えたのが原因なのでしょうか?

それか飼い主の牽制が効かない状態になったのを感じ取ったからなのか?吸魂鬼がかなぐり捨てたのは抑制のようです。手でカターモール夫人の顎を押し上げ上を向かせカターモール夫人は凄まじい恐怖の悲鳴を上げました。

「エクスペクトパトローナム!守護霊よ来たれ!」

銀色の牡鹿がハリーの杖先から飛び出し吸魂鬼に向かって突進しました。吸魂鬼は退却し再び暗い影となって消えました。牡鹿は法廷の中を何度もゆっくりと駆け回って猫の守護霊よりずっと力強く暖かい光で満たしました。

ハリーはハーマイオニーに「分魂箱を取るんだ」と言ってそして階段を駆け下りながら「透明マント」をローブにしまいカターモール夫人に近づきました。ランコーンの姿のハリーを見てカターモール夫人は驚いたようです。

「あなたが?でも-でもレッジが言ってたわ。私の名前を提出して尋問させたのはあなただって!」

カターモール夫人は小声でこう言いました。ハリーはカターモール夫人の腕を縛っている鎖を引っ張りながら「そうなの?」と言葉を濁して言いました。頭に血が上っていたのでどうでもいいという心境だったんでしょうね。

ハリーは「そう気が変わったんだ」と言うと「ディフィンド!裂けよ!」と唱えましたが何事も起こりません。ハリーはハーマイオニーに「どうやって鎖を外せばいい?」と訊きましたがハーマイオニーはこう答えました。

「ちょっと待って。こっちでもやっている事があるの」

ハリーが「吸魂鬼に囲まれてるんだぞ!」と言うとハーマイオニーは「判ってるわよ」と応えました。アンブリッジが目を覚ました時に備えてロケットのコピーを作っているのだそうです。ハーマイオニーはこう唱えました。

「ジェミニオ!そっくり!」

「ほーらこれで騙せるわ」と言うとハーマイオニーも階段を駆け下りて来ました。そして「レラシオ!放せ!」と唱えると鎖は椅子の肘掛けへと戻りました。カターモール夫人はそれでもなお怯えているような様子でした。

自分を差し出したランコーンが助けてくれたのでカターモール夫人は再び小声で「わけが分らないわ」と言いました。目の前にいるのがポリジュース薬でランコーンに成り済ましている別人という事が理解できてないのです。

ハリーは「ここから一緒に出るんだ」と言うとカターモール夫人を引っ張って立たせました。

3-3.法廷を出て
ハリーはもうとにかくアンブリッジの嘘を聞いて頭に血が上っていたので怒りに任せてカターモール夫人に「家に帰って急いで子供たちを連れて逃げろ。いざとなったら国外に脱出するんだ。変装して逃げろ」と言いました。

そしてさらに続けて「事情はその目で見た通り。ここでは公正に聞いて貰う事なんてできない」とその理由を説明したというわけです。外見はアルバート・ランコーンでも心はすっかりハリー・ポッターに戻っているのです。

「ハリー扉の向こうは吸魂鬼が一杯よ。どうやってここから出るつもり?」

ハーマイオニーにこう問われてハリーは杖を自分の守護霊に向けながら「守護霊たちをできるだけ沢山呼び出すんだ。ハーマイオニー。君のも」と答えました。そこでハーマイオニーも守護霊を呼び出そうとしたんですよね。

牡鹿は速度を緩めて眩い光を放ったまま並足で扉のほうに移動しました。一方ハーマイオニーは呪文を唱えましたが何事も起こりません。ハリーは呆然としているカターモール夫人にこう話しかけたというわけなんですよね。

「この人はこの呪文だけが苦手なんだ」

ハリーが「ちょっと残念だよ。本当に。頑張れハーマイオニー」と励ましてハーマイオニーはようやく杖先から銀色のカワウソを飛び出させる事ができました。銀色のカワウソは空中を優雅に泳いで牡鹿のそばに寄りました。

ハリーは「行こう」と言うとハーマイオニーとカターモール夫人を連れて扉に向かい法廷を出ました。二体の守護霊が法廷から飛び出すと外で待っていた人々が驚いて叫び声を上げたのでした。ハリーは周囲を見回しました。

吸魂鬼はハリーたちの両側で退却して闇に溶けて守護霊たちの前に散り散りになって消えました。ハリーは外で待っていたマグル生まれたちに「みんな家に戻り家族と共に隠れるようにと決定された」とそう告げたのでした。

「できればこの国から出るんだ。とにかく魔法省からできるだけ離れる事。それが。えーと。省の新しい立場だ。さあ守護霊たちに従いて行けばアトリウムから外に出られる」

守護霊の光を眩しげに見ながらまだ縮こまっている一同にハリーはこう言いました。石段を上がるまでは邪魔される事もなく移動する事ができました。しかしハリーはエレベーターに近づくと心配になり始めてしまいました。

何せ20人もの人々を引き連れてアトリウムに行くのです。

今日の最後に
ハリーが「ステューピファイ!麻痺せよ!」と唱えるとアンブリッジは気絶してそれと同時に銀色の猫つまり守護霊は消えました。つまり銀色の猫はハリーの推測通りでアンブリッジの守護霊だったというわけなんですよね。

今回この場面を読み返して私は「あれ?」と思ってしまいました。それと言うのも後にハリーがヴォルデモートの分魂箱つまりこの金のロケットを首からぶら下げていたために守護霊を創れなかったという場面が出て来ます。

しかしアンブリッジは胸からこのロケットすなわちヴォルデモートの分魂箱をぶら下げていたのに守護霊を創る事ができていました。それはおそらくはアンブリッジがマグル生まれを次々とアズカバンに送っていたからです。

こういう効果が分魂箱にはあるという事です。自分の意に沿った行為をしている時は守護霊を創る事を邪魔せず逆に自分の意にそぐわない行為つまりはマグルを救おうとしている場合には守護霊を創る事を邪魔立てして来る。

とにもかくにもハリーが怒りに任せての行動でしたがこうして1つ目の分魂箱を手に入れる事ができました。ハリーたちはアルバス・ダンブルドアから託された使命を果たしてその第一歩を踏み出したというわけなんですよね。

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