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アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その2(25)(52回シリーズ)

2つ目以降の分魂箱がどこにあるのかも今持っている分魂箱を一体どうしたら破壊できるのかも分らずハリーたち3人は先の見えない流浪の旅という状況に陥ってしまいました。そのためロンとハーマイオニーの2人はハリーに対して不満を持ち始めたようです。ところがちょっとした変化が訪れました。(全3項目)

3-1.先の見えない流浪の旅に
他に新しい事も思いつかない。2つ目の分魂箱がどこにあるのかも今持っている分魂箱を一体どうしたら破壊できるのかも分らない。そんな八方塞がりで先の見えない状況に陥ってしまいハリーたち3人は地方を転々としました。

毎朝野宿の跡を残さないように消し去ってからまた別の人里離れた寂しい場所を求めて旅立ちました。ある日はまた森へ崖の薄暗い割れ目へヒースの咲く荒地へハリエニシダの茂る山の斜面へと様々な所に移動を重ねました。

そしてある日は風を避けた入り江の小石だらけの場所へと「姿現わし」で移動しました。さらに約12時間毎に分魂箱を次の人に渡しました。まるで音楽が止んだ時に皿を持っていると褒美が貰える皿回しゲームのようでした。

そのゲームをひねくれてスローモーションで遊んでいるかのようでした。ただ褒美に貰える物が12時間の募る恐れと不安なのでゲームの参加者は音楽が止まるのを恐れました。ハリーの傷痕はひっきりなしに疼いていました。

分魂箱を身につけている間が一番頻繁に痛む事にハリーは気づきました。時には痛みに耐えかねて体が反応してしまう事さえありました。ハリーが顔をしかめるとロンが「どうした?何を見たんだ?」と問い詰めて来ました。

そのたびにハリーは「顔だ。いつも同じ顔だ。グレゴロビッチから何かを盗んだ奴の」と答えました。するとロンは顔を背けて失望を隠そうともしませんでした。自分が知りたい事をハリーが見なかったからというわけです。

ロンが知りたがっていたのは家族や不死鳥の騎士団のメンバーの安否でした。その事はハリーも判っていました。しかしハリーはテレビのアンテナではないので好きな事にチャンネルを合わせるなんて芸当はできないのです。

ハリーが見る事ができるのはある時点でのヴォルデモートが考えている事なのです。どうやらヴォルデモートはあのうれしそうな顔の若者の事を四六時中考えているようでした。ところがいる場所も一体誰なのかも分らない。

ハリーの額の傷痕は焼けるように痛み続け陽気なブロンドの若者の顔が焦らすようにして脳裏に浮かびました。しかしその盗っ人の事を口に出せばロンとハーマイオニーを苛立たせるばかりだったというわけなんですよね。

そこでハリーは痛みや不快感を抑えて表に出さない術を身につけました。みんなが必死になって分魂箱の糸口を見つけようとしているのだからという事でハリーは一概にはロンとハーマイオニーだけを責められませんでした。

3-2.何日間が何週間にもなり
何日間が何週間にもなりました。ハリーはロンとハーマイオニーが自分のいない所で自分の事を話しているような気がして来ました。ハリーがテントに入って行くと突然2人が黙り込むという事が数回あったからなんですよね。

テントの外でも偶然に二度ほど2人が一緒にいるのに出くわした事がありました。ハリーから少し離れた所で額を寄せ合い早口で話していましたがハリーが近づくのに気づいた途端に話を辞めて作業に忙しいふりをするのです。

ロンとハーマイオニーは自分と一緒に旅に出ると言った。しかし2人は自分には秘密の計画がありその内きっと自分たちにも話してくれるだろうと思ったからこそ従いて来たのではないかとハリーはそう考えたというわけです。

この旅が目的もなく漫然と歩き回るだけになってしまった今となってはハリーはそう考える事しかできませんでした。ロンは機嫌の悪さを隠そうともしません。ハリーは今のこんな状況が段々心配になって来てしまいました。

ハーマイオニーも自分のリーダーとしての能力に失望しているのではないかとハリーは思いました。何とかしなければとハリーは分魂箱の在り処を考えてみましたが何度考えても唯一頭に浮かぶのは「ホグワーツ」だけです。

しかしロンもハーマイオニーも完全否定するのでハリーは言い出せませんでした。こうして地方を巡る内に次第に秋の色が濃くなって来ました。テントを張るその場所にも落ち葉がぎっしり敷き詰められるようになりました。

吸魂鬼の作り出す霧に自然の霧が加わり風も雨もハリーたち3人の苦労を増すばかりでした。ハーマイオニーは食用茸を見分けるのが上手くなりましたがそれだけではあまり慰めにならないほどハリーたちは孤立していました。

他の人間から切り離されヴォルデモートとの戦いがどうなっているのかも全く分らないままでした。ある晩ウェールズのとある川岸に野宿をしている時に皿に載った黒焦げの魚を憂鬱そうに突きながらロンがこう言いました。

「ママは何にもない所からおいしい物を作り出せるんだ」

ハリーは反射的にロンの首を見ました。思った通りでそこには分魂箱の金鎖が光っています。ロンに向かって悪態を吐きたい衝動をハリーはやっとの事で抑えました。ロケットを外す時が来るとロンの態度は少しは良くなる。

その事をハリーも知っていたからです。するとハーマイオニーがロンに「あなたのママでも何にもない所から食べ物を作り出す事はできないのよ」と言いました。そしてそれはどうしてなのかをこう説明したというわけです。

「誰にもできないの。食べ物というのはねガンプの元素変容の法則の5つの主たる例外のその第1で」

ハーマイオニーがここまで言った所でロンが歯の間から魚の骨を引っ張り出しながら「あーあ普通の言葉でしゃべってくれる?」と言い言葉を途中で遮られたのがお気に召さなかったようでハーマイオニーはこう言いました。

「何もない所からおいしい食べ物を作り出すのは不可能です!食べ物がどこにあるかを知っていれば呼び寄せできるし少しでも食べ物があれば変身させる事も量を増やす事もできるけど」

これを口火にロンとハーマイオニーの言い争いが始まりました。

3-3.ロンとハーマイオニーの言い争いの途中で
増やす事ができる。ハーマイオニーがこう言った事に反応してロンは「ならさ。これなんか増やさなくていいよ。ひどい味だ」と言いました。ハリーは踏み止まりましたがハーマイオニーはできなかったようでこう言いました。

「ハリーが魚を釣って私ができるだけの事をしたのよ!結局いつも私が食べ物をやり繰りする事になるみたいね。多分私が女だからだわ!」

これにロンは「違うさ。君の魔法が一番上手いからだよ!」と切り返しました。するとハーマイオニーは突然立ち上がりました。焼いたカマスの身がブリキの皿から下に滑り落ちハーマイオニーは今度はこう言ったのでした。

「ロン明日はあなたが料理するといいわ!あなたが食料を見つけて呪文で何か食べられる物に変えるといいわ。それで私はここに座って顔をしかめて文句を言うのよ」

ところがハーマイオニーが「そしたらあなたは少しは」とまで言った所でハリーが突然立ち上がり両手を挙げながら「黙って!シーッ!黙って!」と言いました。ハーマイオニーは憤慨した顔でハリーにこう言ったのでした。

「ロンの味方をするなんて。この人ほとんど一度だって料理なんか」

しかし再び言葉の途中でハリーがハーマイオニーに「静かにして。声が聞こえるんだ!」と言いハリーは今度は両手で2人にしゃべるなと制しながら聞き耳を立てました。ハリーたちのテントの傍らには川が流れていました。

その川の流れる音に混じってまた話し声が聞こえて来ました。ハリーは「かくれん防止器」を見ましたが動いていませんでした。ハリーは小声でハーマイオニーに「耳塞ぎの呪文はかけてあるね?」と確認の質問をしました。

「全部やったわ。耳塞ぎだけじゃなくてマグル避け目くらまし術全部よ。誰が来ても私たちの声は聞こえないし姿も見えないはずよ」

ハーマイオニーはこう囁き返しました。何か大きな物が動き回る音や物が擦(こす)れ合う音に混じって石や小枝が押し退けられる音が聞こえて来るので相手は複数だと判りました。木の茂る急な坂を這い下りて来ていました。

ハリーたちのテントのある狭い川岸へと近づいて来ます。ハリーたち3人は杖を抜いて待機しました。この真っ暗闇の中なら周囲に巡らした呪文だけでマグルや魔法使いたちに気づかれないようにするには十分だったのでした。

今日の最後に
2つ目以降の分魂箱は一体どこに?生前ダンブルドアはハリーにヴォルデモートは全部で「6個」の分魂箱を作ったと言いました。その内の1つは「リドルの日記」でハリーが2年生の時に破壊をしたというわけなんですよね。

そしてもう1つはダンブルドアがリトル・ハングルトンのゴーントの家から持ち帰って来て破壊しました。そしてさらにもう1つはハリーたちがドローレス・アンブリッジから奪い返して今手元に持っているというわけですよね。

つまり残るはあと「3個」というわけです。その3つの内の1つは蛇のナギニです。つまりどこにあって一体何なのか分からないのは「2個」というわけです。隠し場所としてハリーが頭に思い浮かべたのは「ホグワーツ」でした。

実はこのハリーの推測は当たっていました。しかしそれならばダンブルドアが見つけているはずだとハーマイオニーが否定しロンもまた同意見だったためハリーはもはやこのホグワーツ説を言い出す事ができなくなりました。

でも現段階ではそれでいいという事なんでしょう。何故ならダンブルドアはハリーたちがホグワーツに行くのは最後に行って欲しいとそう望んでいるからです。その前に残る「1つ」の分魂箱を見つけて貰いたいと思っている。

今はホグワーツに行くには期が熟してはいないというわけなんですよね。

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