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ハリポタ通の館(やかた)

ここではハリーポッター・シリーズに関する様々な情報や私の推測(妄想?)をお届けしています。毎週、日曜・月曜・水曜・木曜更新。

ロンは行ってしまった。ロンは行ってしまったんだ。もう戻って来ない。グリフィンドールの剣の在り処も他の分魂箱がどこにあるのかも分らずハリーは絶望に飲み込まれてしまいそうでした。そんなハリーとハーマイオニーの話し相手になってくれたのは?(全3項目)

3-1.翌日の朝になって
翌朝目覚めたハリーは何が起きたのか一瞬思い出せませんでした。その後で子供じみた考えでしたが全てが夢ならばいいのにと願いました。ロンはまだそこにいる。いなくなったわけではないとそう思いたいとも願いました。

しかし枕の上で首を捻ると主のいないロンのベッドがそこにありました。空のベッドはまるで屍のようにハリーの目を引きつけました。ハリーはロンのベッドを見ないようにしながら上段のベッドから飛び降りたのでした。

ハーマイオニーはもう台所で忙しく働いていましたが「おはよう」の挨拶もなくハリーがそばを通ると急いで顔を背けました。ハリーは自分に「ロンは行ってしまった」とそう言い聞かせました。ロンは行ってしまったんだ、

顔を洗い服を着る間も反芻すればショックが和らぐかのようにハリーはその事ばかり考えていました。ロンは行ってしまった。もう戻って来ない。この場所を一旦引き払ってしまえばロンはもはや自分たちを見つけられない。

保護呪文がかかっているという事はそういう事だという単純な事実をハリーは知っていました。ハリーとハーマイオニーは無言で朝食を取りました。ハーマイオニーは泣き腫らした赤い目をしていて眠れなかったようでした。

2人は荷造りをしましたがハーマイオニーは手が進まないようでした。ハーマイオニーがこの川岸にいる時間を引き延ばしたい理由はハリーにも判っていました。ハーマイオニーは何度か期待を込めて顔を上げていたのでした。

ハリーはこの激しい雨の中でロンの足音を聞いたような気がしたのだろうとそう思いました。しかし木立の間から赤毛の姿が現れる様子はありませんでした。ハリーもハーマイオニーに釣られて思わずあたりを見回しました。

ハリーもまた微かな希望を捨てられませんでした。でも雨に濡れた木立以外には何も見えませんでした。そしてそのたびにハリーの胸中で小さな怒りの塊が爆発しました。ロンの声が聞こえ鳩尾が絞られるような思いでした。

「君が何もかも納得ずくで事に当たっていると思ってた!」

ハリーは再び荷造りを始めました。

3-2.さらにもっと深い闇
そばを流れる川は急速に水嵩を増し今にも川岸に溢れ出しそうでした。2人はいつもなら引き払っていたであろう時間より優に1時間はぐずぐずしていました。ハーマイオニーは三度もビーズバッグを完全に詰め直していました。

ハーマイオニーはとうとうこれ以上長居する理由が見つからなくなったようです。2人はしっかり手を握り合って「姿くらまし」すると荒涼とした丘の斜面に現れました。到着するなりハーマイオニーは手をほどいたのでした。

ハリーから離れると大きな岩に腰を下してしまいました。膝に顔を埋め身を震わせているハーマイオニーを見れば泣いているのが判ります。そばに行って慰めるべきだとは思いながらもハリーはその場から動けませんでした。

何かがハリーをその場に釘づけにしていました。体の中の何もかもが冷たく張り詰めていました。ロンの軽蔑をしたような表情がまたしてもハリーの脳裏に浮かびました。ハリーは大股で歩きながら大きな円を描きました。

打ちひしがれているハーマイオニーを中心にいつもならハーマイオニーが安全のためにかけている保護呪文を施しました。それから数日の間2人はロンの事を全く話題にしませんでした。ハリーは名前すら口にしませんでした。

二度と口にしないと心に誓っていたのです。ハーマイオニーはこの問題を追及しても無駄だと判っているようでした。しかし夜になると時々ハリーの寝ている時間を見計らったようにハーマイオニーの泣く声が聞こえました。

一方ハリーは「忍びの地図」を取り出して杖灯りで調べるようになりました。ロンを示す点がホグワーツの廊下に戻る瞬間を待っていたのです。現れれば純血という身分に守られてぬくぬくとした城に戻った証拠になります。

しかしロンは地図には現れませんでした。暫くするとハリーは女子寮のジニーの名前を見つけるためだけに地図を取り出している自分に気がつきました。これだけ強烈に見つめればもしかしたらジニーの夢に入れるのでは?

自分がジニーの事を想い無事を祈っている事が何とかジニーに通じるのではと思いました。昼間はグリフィンドールの剣のありそうな場所はどこかと2人で必死に考えました。しかし2人の推理はますます絶望的になりました。

ダンブルドアが隠しそうな場所を話し合えば話し合うほどありそうもない方向へ流れて行きました。ハリーがどんなに脳みそを絞ってもダンブルドアが何か隠す場所を口にしたという記憶はなかったというわけなんですよね。

時々ハリーはダンブルドアとロンのどちらにより腹を立てているか分らなくなる時がありました。ロンの言った事は正しい。ハリーはその事実から目を背ける事はできませんでした。ロンのこの言葉が頭に浮かんだからです。

「僕たちは君が何もかも納得ずくで事に当たっていると思ってた!僕たちはダンブルドアが君のやるべき事を教えてると思っていた!君にはちゃんとした計画があると思ったよ!」

ダンブルドアは事実上ハリーに何も遺して行きませんでした。分魂箱の1つは探し出したものの破壊する方法はありませんでした。他の分魂箱が手に入らないという状況は最初から全く変わっていないというそんな有り様です。

ハリーはこんな絶望に飲み込まれてしまいそうでした。こんな当てのない無意味な旅に同行するという友人の申し出を受け入れた自分は身のほど知らずだった。ハリーは今更ながらに動揺しました。自分は何も知らないんだ、

何の考えも持っていないのだ。ハーマイオニーもまた嫌気がさして自分から離れると言い出すのではないかとハリーはそんな気配を見落とさないようにといつも痛いほどに張り詰めていました。まさにどん底の極地でした。

3-3.ロンの抜けた穴を埋めるために
幾晩も2人はほとんど無言で過ごしました。ハーマイオニーはロンが去った後の大きな穴を埋めようとするかのようにしてフィニアス・ナイジェラス・ブラックの肖像画を取り出して椅子に立て掛けたというわけなんですよね。

二度と来ないとの宣言にも関わらずフィニアスはハリーの目的を窺い知る機会の誘惑に負けたようで数日おきに目隠し付きで現れる事に同意しました。傲慢で人を嘲るタイプではあっても話し相手には違いなかったからです。

ハリーはフィニアスでさえも会えてうれしいと思いました。ホグワーツで起こっている事ならどんなニュースでも2人にとっては歓迎でした。もっともフィニアスは2人には残念な事に理想的な情報屋とは云えなかったのです。

フィニアスは自分が学校を牛耳って以来のスリザリン出身である校長を崇拝していたのでスネイプを批判したり校長に関する生意気な質問をしたりしないようにと気をつけないとたちまち肖像画から姿を消してしまいました。

そうは言ってもある程度の断片的なニュースは漏らしてくれました。スネイプは強硬派の学生による小規模の反乱に絶えず悩まされているようでした。ジニーはホグズミード行きを禁じられていました。そしてだったのです。

スネイプはアンブリッジ時代の古い教育令である学生集会禁止令を復活させ3人以上の集会や非公式の生徒の組織を禁じていました。以上の事からハリーはジニーがネビルやルーナと共に活動しているに違いないと思いました。

多分ダンブルドア軍団を継続する努力をしているのだろうと推測しました。こんな僅かなニュースでもハリーは胃が痛くなるほどジニーに会いたくて堪らなくなりました。でもロンとダンブルドアの事も考えてしまいました。

ホグワーツそのものをジニーと同じぐらい恋しく思いました。フィニアスがスネイプによる弾圧の話をした時には一瞬我を忘れて学校に戻りスネイプ体制の揺さぶりの運動に加わろうとハリーは本気でそう思ったのでした。

自分以外の誰かが指揮を執っている状況はこの時のハリーにとってこの上なく素晴らしいものに思えました。しかしハリーは「問題分子ナンバーワン」の称号がつきハリーの首には一万ガリオンの懸賞金が懸っているのです。

それを思い出してハリーは今ホグワーツに戻るのは魔法省に乗り込むのと同じくらい危険だと思い直しました。実際フィニアスは何気なくハリーとハーマイオニーの居場所に関する誘導質問を会話に挟んで来るんですよね。

その事で計らずもその危険性を浮き彫りにしてくれました。そのたびにハーマイオニーは肖像画を乱暴にビーズバッグに押し込みました。フィニアスは無礼な別れの挨拶への応酬にその後の数日は姿を現さないのが常でした。

今日の最後に
フィニアス・ナイジェラス・ブラックは二度と来ないと宣言したのにハリーの目的を窺い知る機会の誘惑に負けたようで数日おきに目隠し付きで現れる事に同意した。多分フィニアスがそれを匂わす発言をしたんでしょうね。

でもそれは表向きの理由で本当にフィニアスが知りたいのはハリーとハーマイオニーのいる場所だと私はそう思います。何故ならフィニアスはハリーが学校に戻らなかった理由つまり旅の目的を知っているからなんですよね。

昨年度ハリーはダンブルドア校長がクリスマス休暇明けに出した宿題をやり遂げてホラス・スラグホーンの記憶を回収した後に校長室にやって来ました。そこで明らかになったのがヴォルデモートの分魂箱の事だったのです。

その時ハリーは壁の歴代校長の肖像画が全員目を覚まして自分とダンブルドアの会話に聞き入っている事に気がつきました。歴代校長の肖像画たちはヴォルデモートが複数の分魂箱を作ろうとしていた事をその時知りました。

歴代校長の肖像画たちは知っていた。だから当然フィニアスも知っている。フィニアスもハリーの旅の目的を知っているというわけなんですよね。

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