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ハリポタ通の館(やかた)

ここではハリーポッター・シリーズに関する様々な情報や私の推測(妄想?)をお届けしています。毎週、日曜・月曜・水曜・木曜更新。

何分にも初めて来たその上に案内をしてくれる人もいないのでハリーとハーマイオニーは散々寄り道をした挙句にジェームズとリリー・ポッターの眠る墓に辿り着きました。ようやく両親の墓参りをする事ができたハリーでしたがその心中は複雑だったというわけなんですよね。(全3項目)

3-1.非常に古い墓
ハーマイオニーはハリーを見つめていました。憤りが表れた顔が暗がりに隠れていて良かったとハリーはそう思いました。ハリーは墓石に刻まれた言葉をもう一度読みましたが一体何の事なのか理解できなかったんですよね。

「汝の財宝(たから)のある所には汝の心もあるべし」

母親亡き後は家長となったダンブルドアの選んだ言葉に違いないとハリーは思いました。するとハーマイオニーが口を開き「先生は本当に一度もこの事を?」と訊くのでハリーはぶっきらぼうに「話してない」と答えました。

ハリーは続けて「もっと探そう」と言いました。そしてその場を離れつつ見なければ良かったと思いました。興奮と戦慄が入り交じった気持ちに恨みを交えなくありませんでした。暫くしてハーマイオニーが再び叫びました。

ところが「ここ!」と叫んだその後にハーマイオニーは「あご免なさい!ポッターと書いてあると思ったの」と謝って来ました。ハーマイオニーは苔むして崩れかけた墓石を擦っていましたが少し眉根を寄せ覗いていました。

「ハリーちょっと戻って来て」

ハリーはもう寄り道はしたくありませんでしたがハーマイオニーがこう言うので渋々雪の中を引き返しました。ハリーが「なに?」と訊くとハーマイオニーは「これを見て!」と言いました。指したのは非常に古い墓でした。

3-2.ようやくといった感じで
風雨にさらされハリーには名前もはっきり読み取れません。ハーマイオニーは名前の下の印を指差し「ハリーあの本の印よ!」と言いました。その示す先をハリーはよくよく見ましたが何が刻まれているのかよく分りません。

石がすり減っているからです。しかしほとんど判読できない名前の下に三角の印らしいものがありました。ハリーは「うん。そうかもしれない」と応えハーマイオニーは杖灯りを点けて墓石の名前の所に向けこう言いました。

「イグ-イグノタスだと思うけど」

ハリーは少しとげとげしく「僕は両親の墓を探し続ける。いいね?」と言い古い墓の前に屈み込むハーマイオニーを置いて歩き始めました。先程見たアボットのようにハリーは時々ホグワーツで出会った名前を見つけました。

数世代に渡る同じ家系の墓も幾つか見かけました。年号から考えてその家系はもう死に絶えたか現在の世代がゴドリックの谷から引っ越してしまったようです。ハリーはどんどん奥に入り込みまた新しい墓石を見つけました。

そのたびに不安と期待でハリーはどきっとしました。突然暗闇と静寂が一段と深くなったような気がしました。ハリーは吸魂鬼ではないかと不安に駆られてあたりを見回しました。しかしハリーの懸念は幸いにも外れでした。

そうではなくクリスマス・キャロルを歌い終わった参列者が次々と街の広場に出て行き話し声や騒音が徐々に消えて行ったからでした。教会の中の誰かが明かりを消した所でした。そしてやっとこさ今度こそはだったのです。

「ハリーここだわ。ここよ」

ハーマイオニーの声の調子からハリーは今度こそ自分の両親の墓だと判りました。重苦しいもので胸を塞がれるように感じながらハリーはハーマイオニーのほうに歩きました。ダンブルドアが死んだ直後と同じ気持ちでした。

本当に心臓と肺を押しつぶすような重い悲しみでした。その墓石はケンドラとアリアナ母娘の墓からほんの二列後ろにありダンブルドアの墓と同じく白い大理石なので暗闇に輝くような白さのお陰で字を読むのは容易でした。

刻まれた文字を読み取るのにハリーはひざまずく必要も間近に行く必要もありませんでした。墓石には上にジェームズとリリー・ポッターの生年月日と命日も刻まれていました。その下にはこの言葉が刻まれていたのでした。

「最後の敵なる死もまた亡ぼされん」

3-3.両親の墓参りをして
ハリーはたった一度しかその意味を理解するチャンスがないかのようにゆっくりと墓碑銘を読んで最後の言葉は声に出して読みました。ハリーは恐ろしい考えが浮かび恐怖に駆られてそしてハーマイオニーにこう訊きました。

「これ死喰い人の考えじゃないのか?それがどうしてここに?」

ハーマイオニーは優しい声で「ハリー死喰い人が死を打ち負かすという時の意味とこれとは違うわ」と答えました。ハーマイオニーが言うにはここでの意味は「死を超えて生きる。死後に生きること」との事なんだそうです。

「しかし両親は生きていない」とハリーは思いました。死んでしまった。空虚な言葉で事実をごまかす事はできない。両親の遺体は何も感じず何も知らず雪と石の下に横たわり朽ち果てている。ハリーの頬を涙が伝いました。

熱い涙は知らず知らずの内に流れ瞬時に凍りました。涙を拭ってどうなる?隠してどうなる?ハリーは涙が流れるに任せ唇を固く結び足下の深い雪を見つめました。この下の自分の目には見えない所に両親が横たわっている。

リリーとジェームズの最後の姿が横たわっている。もう骨になっているに違いない。塵に帰ったかもしれない。生き残った息子がこんなに近くに立っているというのに。2人の犠牲のお陰で心臓は脈打ち生きているというのに。

この瞬間その息子が雪の下で2人と一緒に眠っていたいとまで願っているというのに何も知らず無関心に横たわっている。ハーマイオニーはまたハリーの手を取って強く握りました。ハリーは顔を上げる事ができませんでした。

しかしその手を握り返し刺すように冷たい夜気を深く吸い込んで気持ちを落ち着かせると立ち直ろうとしました。何か手向ける物を持って来るべきだった。今まで考えつかなかった。墓地の草木は全てが葉を落とし凍っている。

するとハーマイオニーが杖を上げました。そして空中に円を描き目の前にクリスマス・ローズの花輪を咲かせました。ハリーはそれを取り両親の墓に供えました。立ち上がるとすぐにハリーはその場を去りたいと思いました。

もうこれ以上ここにいるのは耐えられない。ハリーは片腕をハーマイオニーの肩に回しハーマイオニーはハリーの腰に片腕を回しました。そして2人は黙って雪の中を歩きダンブルドアの母親と妹の墓の前を通り過ぎました。

そして明かりの消えた教会さらにはまだ視界に入っていない出口の小開き門へと向かったのでした。

今日の最後に
ケンドラにアリアナ・ダンブルドア母娘の墓石の次にハーマイオニーが見つけたのが例のあの不思議な三角の印が刻まれた墓石でした。ハーマイオニーは杖灯りを向け刻まれている名前を辛うじてこうして読んだんですよね。

「イグ-イグノタスだと思うけど」

当然この時はハリーもハーマイオニーも知らないのですがハーマイオニーが見つけたこの墓はハリーのみならず父親ジェームズの祖先でもあるイグノタス・ペベレルの墓だったんですよね。だからあの印がついていたのです。

イグノタス・ペベレルの子孫は脈々と「透明マント」を受け継いで来ました。この場面を今回読み返して「あーこれもあった。忘れていた」と思いました。だからダンブルドアはハリーとゴドリックの谷に来なかったのです。

もう1つの理由がこれでした。ハーマイオニーにイグノタス・ペベレルの墓を見つけて欲しかったんですよね。

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