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自分たちの横にやって来たのは「魔法史」の著者のバチルダ・バグショットなのか?ハリーが「あなたはバチルダですか?」と問うと魔女が頷いて再び手招きをするのでハリーとハーマイオニーは従いて行く事にしました。果たして向かった先に「グリフィンドールの剣」はあるのか?(全3項目)

3-1.バチルダの家の中に
魔女は玄関で暫くは鍵を開けていましたがやがて扉を開き身を引いてハリーにハーマイオニーを先に通しました。魔女からはひどい臭いがしました。あるいはその家の臭いだったかもしれません。2人は魔女の横を通りました。

「透明マント」を脱ぎながらハリーは鼻に皺を寄せました。横に立ってみるとその魔女の小ささがよく判りました。歳のせいで腰が曲がっているのでハリーの胸にようやく届くぐらいの背丈でした。魔女は扉を閉めました。

剥げかかったペンキを背景に魔女の染みの浮き出た青い指の関節が見えました。それから魔女は振り向いてハリーの顔を覗き込みました。その目は白内障で濁り薄っぺらな皮膚の皺の中に沈み込んでいるといった状態でした。

顔全体に切れ切れの静脈や茶色の斑点が浮き出ています。ハリーは自分の顔が全く見えていないのではないかとそう思いました。もし仮に見えたとしてもその目に映るのはハリーが姿を借りている禿かけたマグルのはずです。

魔女が虫食いだらけの黒いショールを外し頭皮がはっきり見えるほど薄くなった白髪頭を現すと老臭や埃の悪臭に汚れたままの衣服と腐った食べ物の臭いが一段と強くなりました。ハリーは再び「バチルダ?」と訊きました。

魔女はもう一度頷きました。ハリーは胸元の皮膚に当たるロケットの時々脈を打つ何かが目覚めるのに気がつきました。冷たい金のケースを通してハリーはその鼓動を感じました。判っているのだろうか?感じているのか?

それつまりは分霊箱は自分を破壊する何かが近づいている事に気づいているような動きを見せました。しかし実はそうではなかったんですよね。バチルダはぎこちない足取りでハリーとハーマイオニーの前を通り過ぎました。

しかしハーマイオニーは目に入らないかのように押し退けました。そして居間と思われる部屋に姿を消しました。バチルダが姿を消すとハーマイオニーが「ハリー何だかおかしいわ」と言いました。ハリーはこう答えました。

「あんなに小さいじゃないか。いざとなれば捻じ伏せられるよ。あのね君に言っておくべきだったけどバチルダがまともじゃないって僕は知っていたんだ。ミュリエルは老いぼれって呼んでいた」

すると居間からバチルダが「おいで!」と呼びました。

3-2.写真立ての中から見つかった男
ハーマイオニーは飛び上がってハリーの腕にすがりましたがハリーは「大丈夫だよ」と元気づけるように言うと先に居間に入りました。バチルダはよろよろと歩き回って蝋燭に火を点していましたがそれでも暗い状態でした。

そして言うまでもなく居間もひどく汚くて埃が分厚く積もっていました。さらにハリーはもっとひどい例えば肉の腐ったような悪臭を嗅ぎ分けていました。バチルダがまだ何とか暮らしていたのは一体いつの事だったのか?

それを確かめるために最後に誰かがこの家に入ったのはいつの事だろうとハリーは訝りました。バチルダは魔法を使えるという事さえも忘れ果ててしまったようで手で不器用に蝋燭を点していたし袖口に火が移りそうでした。

ハリーは「僕がやります」と申し出てバチルダからマッチを引き取りました。部屋の各所に置かれた燃えさしの蝋燭に火を点けて回るハリーをバチルダは立ったまま見ていました。蝋燭の置かれた皿は様々な所にありました。

積み上げた本の上の危ない場所やひび割れて黴の生えたカップが所狭しと置かれたサイドテーブルの上に載っていました。最後の燭台は前面が丸びを帯びた整理ダンスの上でした。そこには写真が沢山置かれていたのでした。

蝋燭が点されると写真立ての埃っぽいガラスや銀の枠に火影が揺らめきました。写真の中の小さな動きが幾つかハリーの目に入りバチルダが暖炉に薪をくべようとしてよたよたしている間にハリーは小声で呪文を唱えました。

「テルジオ。拭え」

写真の埃が消えるとすぐにハリーは取り分け大きく華やかな写真立ての幾つかから写真が5~6枚なくなっているのに気づきました。バチルダなのか?それとも他の誰かが取り出したのかとハリーはそう考えたというわけです。

その時です。写真のコレクションの中の一番後ろの1枚がハリーの目を引きました。ハリーはその写真をさっと手に取りました。ブロンドの髪の陽気な顔の盗っ人でした。グレゴロビッチから何かを奪って行った魔法使いです。

写真立ての中から退屈そうにハリーに笑いかけています。その途端にハリーは以前にどこで見たのかを思い出しました。魔法省のアンブリッジの部屋にあった「アルバス・ダンブルドアの真っ白な人生と真っ赤な嘘」でした。

ハリーが適当に開いたページの写真で十代のダンブルドアと腕を組んでいた青年だったのです。リータ・スキーターの本にはここからなくなった写真が載っているに違いないとハリーは思って次の行動に打って出たのでした。

ハリーは微かに声を震わせながらバチルダに「この人は誰ですか?」と訊きました。バチルダは部屋の真ん中に立ってハーマイオニーが代わりに暖炉の火を点けるのを見ていました。ハリーは繰り返して呼びかけたのでした。

そして写真を手にして近づいて行きました。暖炉の火が燃え上がるとバチルダはハリーの声のほうを見上げました。分魂箱の鼓動がますます速まるのがハリーの胸に伝わって来ます。ハリーは写真を突き出しこう言いました。

「この人は誰ですか?」

バチルダはまじめくさって写真をじっと眺めるとハリーを見上げました。そこでハリーはいつもよりずっとゆっくりとずっと大きな声でバチルダに「この人が誰か知っていますか?」と繰り返し訊くとさらにこう言いました。

「この男ですよ。この人を知っていますか?何という名前ですか?」

バチルダはただぼんやりとした表情でした。ハリーはひどく焦りました。リータ・スキーターは一体どうやってバチルダの記憶をこじ開けたのだろうとハリーは思いました。ハリーは今度は大声でバチルダにこう訊きました。

「この男は誰ですか?」

3-3.今度は居間を出て
するとそこでハーマイオニーがハリーに対し「ハリーあなた何をしているの?」と訊いて来ました。ハリーは「この写真だよハーマイオニーあの盗っ人だ。グレゴロビッチから盗んだ奴なんだ!お願いです!」と答えました。

最後の「お願いです!」はバチルダに対してでした。しかしいくら「これは誰なんですか?」と訊いてもバチルダはハリーを見つめるばかりでした。ハーマイオニーも声を大きくしてバチルダに向かってこう訊いたのでした。

「どうして私たちに一緒に来るようにと言ったのですか?ミセス-ミス-バグショット?何か私たちに話したい事があったのですか?」

バチルダはハーマイオニーの声が聞こえた様子もなくハリーに数歩近寄りました。そして頭をくいと捻って玄関ホールを振り返るのでハリーは「帰れという事ですか?」と訊きました。するとバチルダは同じ動きをしました。

しかし今度は最初にハリーを指し次に自分を指してそれから天井を指しました。それを見てハリーは「ああそうか。ハーマイオニーこの人は僕に一緒に2階に来いと言っているらしい」と言いハーマイオニーはこう応えました。

「いいわ。行きましょう」

ところがハーマイオニーが動くとバチルダは驚くほど強く首を横に振って再びハリーを指し次に自分自身を指すのでハリーは「この人は僕1人に来て欲しいんだ」と言いましたがハーマイオニーは「どうして?」と訊きました。

ハーマイオニーの声は蝋燭に照らされた部屋にはっきりとそれも鋭く響きました。大きな音が聞こえたのか?バチルダは微かに首を振りました。そこでハリーはハーマイオニーに向かってこう答えたというわけなんですよね。

「ダンブルドアが剣を僕に僕だけに渡すようにってそう言ったんじゃないかな?」

するとハーマイオニーは「この人はあなたが誰なのか本当に判っていると思う?」と訊いて来てハリーは「ああ。判っていると思うよ」と答えハーマイオニーは「まあそれならいいけど。でもハリー早くしてね」と言いました。

ハリーはバチルダに「案内してください」と言いバチルダは理解したようでぎこちない足取りでハリーのそばを通り過ぎて扉に向かいました。ハリーはハーマイオニーをちらりと振り返って大丈夫だからと微笑んだのでした。

しかしハーマイオニーは部屋の真ん中で寒そうに両腕を体に巻きつけて本棚のほうを見ていたので見えたかどうかは定かではありません。部屋から出る際にハリーはバチルダにもハーマイオニーにも気づかれぬ事をしました。

それは正体不明の盗っ人の写真が入った写真立てを上着の内側に滑り込ませる事でした。

今日の最後に
ハリーはダンブルドアの葬儀終了後にロンとハーマイオニーに来年度はヴォルデモートの分魂箱を探す旅に出るために学校には戻らないとの決意を告げました。そして同時に両親の墓参りに行くとも言及しているんですよね。

そして今回当初はヴォルデモートもまたハリーが両親の墓参りをしに来ると予想しているからと反対していたハーマイオニーが積極的に賛成してくれたのでハリーはハーマイオニーと故郷のゴドリックの谷を訪れたのでした。

ハーマイオニーがゴドリックの谷に来る事を賛成したのはダンブルドアがバチルダ・バグショットにグリフィンドールの剣を預けたのではと推測したからでした。すると2人の前にそのバチルダが姿を現わして手招きをした。

こうしてハリーとハーマイオニーはバチルダに従いて行く事でヴォルデモートがゴドリックの谷に仕掛けた罠に嵌って行く事となりましたよね。これはある意味では必然で2人がこの罠に嵌ってしまうのは当然の事ですよね。

何だかヴォルデモートとアルバス・ダンブルドアという決して混じり合わないはずの2人が結託してハリーとハーマイオニーを2人がかりで騙しているみたいですよね。
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