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ハリポタ通の館(やかた)

ここではハリーポッター・シリーズに関する様々な情報や私の推測(妄想?)をお届けしています。毎週、日曜・月曜・水曜・木曜更新。

ダンブルドアは今もゴドリックの谷に住むバチルダ・バグショットにグリフィンドールの剣を預けたのか?そしてついに剣を受け取る時がやって来たのか?しかしバチルダは2階の寝室にハリーを招き入れるとその正体を現したのでした。(全3項目)

3-1.バチルダの寝室で
階段は狭く勾配も急でバチルダは今にも落ちて来そうでハリーは自分の上に仰向けに落ちて来ないよう尻を両手で支えてやろうかと半ば本気でそう思いました。バチルダは少し喘ぎながらゆっくり2階の踊り場に上がりました。

そこから急に右に折れて天井の低い寝室へとハリーを導きました。そこも真っ暗でひどい悪臭がしました。バチルダが扉を閉める前におまるがベッドの下から突き出ているのが見えましたがそれさえすぐに闇に飲まれました。

ハリーは「ルーモス。光よ」と唱えて杖先に灯りを点しました。途端にハリーはどきりとしました。真っ暗になってほんの数秒だったのにバチルダがすぐそばに来ていてしかもハリーは近づく気配さえ感じ取れませんでした。

バチルダが「ポッターか?」と囁きハリーは「そうです」と答えました。するとバチルダはゆっくり重々しく頷きました。ハリーは分魂箱が自分の心臓より速く拍動するのを感じました。心を掻き乱す気持ちの悪い感覚です。

「僕に何か渡す物があるのですか?」

ハリーはこう訊きましたがバチルダはハリーの杖灯りが気になるようでした。ハリーは再び「僕に何か渡す物があるのですか?」と同じ質問を繰り返しました。バチルダは目を閉じその瞬間に幾つもの事が同時に起りました。

ハリーの傷痕が痛み分魂箱がハリーのセーターの前がはっきり飛び出るほどぴくりと動いて悪臭のする暗い部屋が一瞬消え去りました。ハリーは喜びに心が躍って冷たく甲高い声で「こいつを捕まえろ!」としゃべりました。

3-2.バチルダついに正体を現わす
ハリーはその場に立ったまま体をふらつかせていました。部屋の悪臭と暗さが再びハリーの周りに戻って来ました。たった今何が起ったのかハリーには分りませんでした。ハリーは前よりも大きい声でまたも質問をしました。

「僕に何か渡す物があるのですか?」

バチルダは部屋の隅を指差して「あそこ」と囁きました。ハリーが杖を構えて見るとカーテンの掛かった窓の下に雑然とした化粧台が見えました。バチルダは今度は先に立って歩こうとはしなかったというわけなんですよね。

ハリーは杖を構えながらバチルダと乱れたままのベッドの僅かな空間を横になって歩きました。バチルダから目を離したくなかったからです。化粧台に辿り着くとハリーは「何ですか?」とバチルダに訊いたというわけです。

そこには形からしても臭いからしても汚い洗濯物しかありません。バチルダは再び指差すと「そこだ」と答えました。指された所にグリフィンドールの剣らしい痕跡が見えはしないかと探るためにハリーは目を逸らしました。

その一瞬の間にバチルダが不気味な動き方をしました。目の端でその動きを捕えたハリーは得体の知れない恐怖に駆られて振り向きゾッとして体が強張りました。バチルダの体が倒れ首のあった場所から大蛇が現れたのです。

ハリーが杖を上げるのと大蛇が襲いかかるのが同時でした。前腕を狙った強烈な一噛みで杖は回転しながら天井まで吹き飛び杖灯りが部屋中を回って消えました。大蛇の尾がハリーの腹を強打してハリーは息が止まりました。

そのまま化粧台に背中を打ちつけてハリーは汚れ物の山に仰向けに倒れました。化粧台が蛇の尾の一撃を受けました。ハリーは横に転がって辛くも身をかわしましたが今の今ハリーが倒れていたその場所が蛇に打たれました。

粉々になった化粧台のガラスが床に転がるハリーに降りかかりました。階下から「ハリー?」とハーマイオニーが呼ぶ声が聞こえましたがハリーは息がつけずハーマイオニーの呼びかけに応える息さえもなかったのでした。

重いヌメヌメした塊がハリーを床に叩きつけました。その強力で筋肉質の塊が自分の上を滑って行くのをハリーは感じました。床に釘づけにされハリーは「退け!」と喘ぎました。すると囁くような声がこう言ったのでした。

「そぉぉだ。そぉぉだ。こいつを捕まえろ。こいつを捕えろ」

ハリーは「アクシオ。杖よ来い」と唱えましたが駄目でした。しかも両手を突っ張り胴体に巻きつく蛇を押し退けなくてはなりませんでした。大蛇はハリーを締めつけて息の根を止めようとしていました。何もかもが遠のく。

胸に押しつけられた分魂箱は必死に脈打つハリー自身の心臓のすぐそばで命を脈動させる丸い氷のようでした。頭の中は冷たい白い光で一杯になって全ての思いが消えて行きました。息が苦しく遠くで足音がしたのでした。

ヴォルデモートは箒もセストラルもなしで勝ち誇って飛んでいました。ハリーはそれを感じていました。すると突然ハリーは我に返りました。ナギニはハリーを放していました。ハリーはやっとの事で立ち上がったのでした。

そしてハリーが目にしたのは踊り場からの明かりを背にした大蛇の輪郭でした。大蛇が襲いかかってハーマイオニーが悲鳴を上げて横に飛び退くのが見えました。ハーマイオニーが放った呪文が逸れて窓を打ったのでした。

そのためガラスが割れて凍った空気が部屋に流れ込んで来ました。降りかかるガラスの破片をまた浴びないようにハリーが身をかわした途端に鉛筆のような細い物に足を取られてハリーは滑りました。それは自身の杖でした。

3-3.あいつが来る!
ハリーは屈んで杖を拾い上げました。しかし部屋の中には大蛇しか見えずハーマイオニーの姿はどこにもなかったのでハリーは刹那に最悪の事態を考えました。しかしその時バーンという音と共に赤い光線が閃いたのでした。

大蛇が宙を飛びました。太い胴体を幾重にも巻きながら大蛇は天井まで吹き飛びハリーの顔を嫌というほど擦りました。ハリーは杖を上げましたが同時にその時傷痕がここ何年もなかったほど激しく焼けるように痛みました。

「あいつが来る!ハーマイオニーあいつが来るんだ!」

ハリーがこう叫ぶのと時を同じくして大蛇が落下して来て荒々しい息を吐きました。何もかもめちゃめちゃでした。大蛇は壁の棚を打ち壊して陶器の欠片が四方八方に飛び散りました。ハリーはベッドを飛び越したのでした。

そしてハーマイオニーだと判る黒い影を掴みました。ベッドの反対側にハーマイオニーを引っ張って行こうとしましたがハーマイオニーは痛みで叫び声を上げました。天井から落ちて来た大蛇は再び鎌首を持ち上げました。

しかし大蛇よりもっと恐ろしいものがやって来る事をハリーは知っていました。もう門まで来ているかもしれない。傷痕の痛みで頭が真っ二つに割れそうだ。そのぐらいヴォルデモートは迫って来ていたというわけですよね。

ハーマイオニーを引きずってハリーは部屋から逃げ出そうと走り出しました。大蛇が逃がしてなるものかとばかりに襲いかかって来ました。その時でした。ハーマイオニーが「コンフリンゴ!爆発せよ!」と叫んだのでした。

呪文は部屋中を飛び回り洋箪笥の鏡を爆発させ床と天井の間を跳ねながら2人に向かって撥ね返って来ました。ハリーは手の甲が呪文の熱で焼けるのを感じました。ハーマイオニーを引っ張って壊れた化粧台に飛び移りました。

ハリーは破れた窓から一直線に「姿くらまし」しました。窓ガラスの破片がハリーの頬を切りました。ハーマイオニーの叫び声を闇に響かせ2人は空中で回転していました。そしてその時ハリーの傷痕がざっくりと開きました。

ハリーはヴォルデモートでした。悪臭のする寝室を走って横切り長い蝋のような両手が窓枠を握りました。その目に禿げた男つまりはハリーと小さな女すなわちハーマイオニーが「姿くらまし」をするのが僅かに見えました。

ヴォルデモートは怒りの叫びを上げました。その叫びはハーマイオニーの悲鳴と混じり教会のクリスマスの鐘の音を縫って暗い庭に響き渡りました。ヴォルデモートの叫びはハリーの叫びでした。また同じ事が起きたのです。

ヴォルデモートの痛みはハリーの痛みでした。前回取り逃がしたこの場所でまたしても同じ事が起ころうとは。死とはどんなものかを知る一歩手前まで行った。あの家が見えるこの場所で同じ事が起こるとは何という事だ。

死ぬ事は激しい痛みだった。肉体から引き裂かれて。しかし肉体がないのなら何故こんなにも頭が痛いのか。死んだのなら何故こんなに耐え難い痛みを感じるのか。痛みは死と共に終わるのではないか。やむのではないのか。

今日の最後に
もう門まで来ているかもしれない。傷痕の痛みで頭が真っ二つに割れそうだ。ハリーのこの予感は的中していてヴォルデモートが寝室を走って横切り窓枠を握った所でハリーたちが消えるのを僅かに見たという際どさでした。

ハリーは蛇のナギニが正体を現すまで繰り返し「僕に何か渡す物があるのですか?」という質問をしていて最後の最後まで騙されていてバチルダは自分にグリフィンドールの剣を渡してくれるものとそう信じ込んでいました。

ここまではアルバス・ダンブルドアとヴォルデモートは呉越同舟でハリーにはゴドリックの谷にやって来てヴォルデモートが仕掛けた罠に嵌って欲しいという思いで一致していましたがここから2人の思いは正反対になります。

ヴォルデモートはハリーを亡き者にしたいと思い一方ダンブルドアは生き延びて欲しいと願う。叶えられたのはダンブルドアの願いでした。ヴォルデモートはまたしても目前でハリーに逃げられ願いは叶えられませんでした。

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