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ハリポタ通の館(やかた)

ここではハリーポッター・シリーズに関する様々な情報や私の推測(妄想?)をお届けしています。毎週、日曜・月曜・水曜・木曜更新。

あのゴドリックの谷でまたしてもこんな事が起きるとは!ハリーを殺害し損ねた同じ村でハリーをまたも逃したヴォルデモートの脳裏に浮かんだのは16年前にハリーの両親を殺害しさらに1才3ヵ月の幼子のハリーをも亡き者にしようとした「あの夜」の事でした。そしてハリーは?(全3項目)

3-1.ゴドリックの谷の思い出
その夜は雨で風が強かった。かぼちゃの姿をした子供が2人広場をよたよたと横切って行く。店の窓は紙製の蜘蛛で覆われている。信じてもいない世界の扮装でごてごてと飾り立てるマグルたち。滑るように「あの人」は進む。

自分には目的があり力があり正しいのだと「あの人」がこういう場合に必ず感じる感覚は怒りではない。そんなものは自分より弱い魂にふさわしい。そうではない。勝利感なのだ。この時を待っていた。この事を望んでいた。

「おじさん凄い変装だね!」

そばまで駆け寄って来た小さな男の子の笑顔がマントのフードの中を覗き込んだ途端に消えるのを「あの人」は見ました。絵の具で変装した顔が恐怖で翳るのを「あの人」は見ました。子供は向きを変えると走り去りました。

ローブの下で「あの人」は杖の柄をいじりました。たった一度簡単な動きをしさえすれば子供は母親の所まで帰れない。しかし無用な事だ。全く無用だ。そして「あの人」は別のより暗い道を歩いていました。そしてでした。

目的地がついに目に入りました。あいつらはまだそれを知らないが「忠誠の術」は破れた。黒い生垣まで来ると「あの人」は歩道を滑る落ち葉ほどの物音さえ立てず生垣の向こうをじっと窺いました。カーテンが開いている。

小さな居間にいるあいつらがはっきりと見える。眼鏡を掛けた背の高い黒髪の男が杖先から色とりどりの煙の輪を出してブルーのパジャマを着た黒い髪の小さな男の子をあやしている。赤ん坊は笑い声を上げていたのでした。

小さな手で煙を掴もうとしていました。そこに扉が開いて母親が入って来ました。何か言っているが声は聞こえません。母親の顔には深みのある赤い長い髪がかかっていました。父親は息子を抱き上げると母親に渡しました。

それから杖をソファに投げ出し欠伸をしながら伸びをしました。

3-2.そしてついに!
門を押し開けると微かに軋みました。しかしジェームズ・ポッターには聞こえません。マントの下から杖を取り出して扉に向けるとパッと開きました。敷居を跨いで「あの人」が家に入るとジェームズは走って出て来ました。

「リリー。ハリーを連れて逃げろ!あいつだ!行くんだ!早く!僕が食い止める」

容易い事よ。あまりに容易い事よ。玄関ホールに出て来たジェームズは杖さえ持っていませんでした。食い止めるだと?杖も持たずにか!呪いをかけるその前に「あの人」は高笑いしました。それから呪文を唱えたのでした。

「アバダ ケダブラ!」

緑の閃光が狭い玄関ホールを埋め尽くしました。壁際に置かれた乳母車を照らし出し階段の手すりが避雷針のように光を放ちました。そしてジェームズ・ポッターはまるで糸の切れた操り人形のように倒れて行ったのでした。

2階から逃げ場を失った彼女の悲鳴が聞こえました。しかしおとなしくさえしていれば彼女は恐れる必要は全くないのです。バリケードを築こうとする音を微かに楽しんで聞きながら「あの人」は階段を上って行ったのでした。

彼女も杖を持っていない。愚かな奴らめ。一瞬たりとも武器を手放してはならぬものを友人を信じ安全と思い込むとは。扉の陰に大急ぎで積み上げた椅子や箱を杖の軽い一振りで難なく押し退け「あの人」は扉を開けました。

そこに赤ん坊を抱き締めた母親が立っていました。母親は「あの人」を見るなり息子を後ろのベビーベッドに置いてそれが助けになるとでもいうように赤ん坊を見えぬように守れば自分が代わりに選ばれるとでも言うように。

両手を広げて立ち塞がりました。そして息子の命乞いを始めたというわけです。押し問答をしながら「あの人」は考えました。思いました。母親をベッドから引き離す事もできる。しかし一気にやってしまうのが賢明だろう。

「ハリーだけはハリーだけはどうぞハリーだけは!」
「どけ馬鹿な女め。さあどくんだ」
「ハリーだけはどうかお願い。私を私を代わりに殺して」
「これが最後の忠告だぞ」
「ハリーだけは!お願い。助けて。許して。ハリーだけは!ハリーだけは!お願い。私はどうなっても構わないわ」
「どけ。女。どくんだ」

部屋に緑の閃光が走りました。母親は夫と同じように倒れました。赤ん坊は初めから一度も泣きませんでした。ベッドの柵に捕まり立ちして侵入者の顔を無邪気な好奇心で見上げていました。父親と思ったのかもしれません。

マントに隠れてきれいな光をもっと出してくれる父親だと思ったのかもしれません。そして母親は今にも笑いながら立ち上がるとそう思っているのかもしれません。それから「あの人」はその赤ん坊へと杖を向けたのでした。

「あの人」は慎重に杖を赤ん坊の顔に向けました。こいつがこの説明のつかぬ危険が滅びる所を見たいと願いました。赤ん坊が泣き出しました。こいつは俺様がジェームズでないのが判ったのだ。こいつが泣くのは真っ平だ。

孤児院で小さい奴らが泣くといつも腹が立った。そしてついに「あの人」はハリーの顔に向けて「死の呪文」を放ったのでした。

「アバダ ケダブラ!」

3-3.気がつくとハリーがいたのは?
そして「あの人」は壊れました。無でした。痛みと恐怖だけしかない無でした。しかも身を隠さなくてはなりません。取り残された赤子が泣き喚いています。この破壊された家の瓦礫の中ではなくどこか遠くにずっと遠くに。

「あの人」は「駄目だ」と呻きました。汚らしい雑然とした床を大蛇が這う音がする。その男の子を「あの人」は殺害した。それなのに「あの人」がその男の子だった。そして今「あの人」は思い出に耽っていたのでした。

バチルダの家の破れた窓のそばに立って自分にとって最大の敗北の思い出に耽っていました。足元に大蛇がうごめいて割れた陶器やガラスの上を這っていました。床を見て「あの人」は何か信じ難い物に目を留めたのでした。

「駄目だ」
「ハリー大丈夫よ。あなたは無事なのよ!」

「あの人」は屈んで壊れた写真立てを拾い上げました。あの正体不明の盗っ人がいる。探していた男だ。ハリーがバチルダの家の居間の写真立てから見つけ出したグレゴロビッチから何かを奪った男の写真だったんですよね。

「駄目だ。僕が落としたんだ。落としたんだ」
「ハリー大丈夫だから目を覚まして目を開けて!」

ハリーは我に返りました。自分はヴォルデモートではなくてハリーでした。床を這うような音は大蛇ではありませんでした。ハリーが目を開けるとハーマイオニーが「ハリー気分はだ-大丈夫?」とそう訊いて来たのでした。

ハリーは「うん」と嘘をつきました。ハリーはテントの中の二段ベッドの下段に何枚も毛布をかけられて横たわっていました。静けさとテントの天井を通して見える寒々とした薄明かりからどうやら夜明けが近いようでした。

ハリーは汗びっしょりでした。シーツや毛布にそれを感じました。

今日の最後に
ヴォルデモートが両親を殺害しさらに自分をも亡き者にしようとしたあの夜ハリーは当初ヴォルデモートを無邪気な好奇心で見上げていました。しかしやがて父親のジェームズではないと気づいたようで泣き出したのでした。

当サイトでは折ある毎にハリーは極めて優秀な開心術士だと指摘しています。ハリーが泣き出したのは今目の前にいる人物つまりヴォルデモートが両親を殺害しさらに自分も亡き者にしようとしている事を開心術で見抜いた。

そしてこの瞬間ハリーにとってヴォルデモートの心を見通して知った事が人生最悪の記憶になった。そのためにハリーは3年生の学期初日にホグワーツ特急で吸魂鬼に出会った時に気絶をしてしまったんだと私は思いますね。

しかしそれが13才という若さで「守護霊の呪文」を習得し有体の守護霊が創り出せる事に繋がった。そしてその学期末にはダンブルドアがハーマイオニーが持っていた逆転時計を使わせてハリーに多くの命を救わせたのです。

両親をヴォルデモートに殺害された事がハリーにとって最悪の記憶になったのはハリーが開心術に長けていたからに他ならないでしょう。

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