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ハリーは池の底に沈んだグリフィンドールの剣を手に入れるためその池に飛び込みました。するとハリーにとっては思ってもみなかった事が勃発してハリーは池から上がれなくなり溺れそうになりました。ところがふと気がつくとハリーは池から上がって雪の上にいてまたも驚愕する事に・・・(全3項目)

3-1.池の中へ
ハリーは折れた柊と不死鳥の杖に母リリーの手紙とシリウスの形見の両面鏡とダンブルドアの遺贈品の古いスニッチの入った17才の誕生日にハグリッドがくれたモークトカゲの巾着袋を脱いだ服の置いたというわけですよね。

そしてハリーはハーマイオニーの杖を池の氷に向けて「ディフィンド!裂けよ!」と唱えました。氷の砕ける音が静寂の中で弾丸のように響きました。池の表面の氷が割れ黒っぽい氷の塊が波立った池の面で揺れたのでした。

ハリーは池はそれほど深くはないがそれでも剣を取り出すためには完全に潜らなくてはならないだろうとそう判断をしました。これからする事をいくら考えてみた所でやり易くなるわけでもなく水が温かくなるわけでもない。

ハリーは池の縁に進み出てハーマイオニーの杖を灯りを点けたままそこに置きました。これ以上どこまで凍えるのだろう?どこまで激しく震える事になるのだろう?そんな事は想像しないようにしつつハリーは決行しました。

池に飛び込んだのです。体中の毛穴という毛穴が抗議の叫びを上げました。氷のような水に肩までつかると肺の中の空気が凍りついて固まるようなそんな気がしました。ほとんど息ができず波立った水が池の縁を洗いました。

水が波立ったのはハリーの体が激しく震えたからでした。かじかんだ両足でハリーは剣を探りました。潜るのは1回だけにしたかったのです。喘ぎ震えながらハリーは潜る瞬間を刻一刻と先延ばしにしていました。そしてです。

ついにやるしかないと自分に言い聞かせハリーはあらん限りの勇気を振り絞って池に潜りました。冷たさがハリーを責め苛み火のようにハリーを襲いました。暗い水を押し分け池の底に辿り着くとハリーは手を伸ばしました、

剣を探りながらハリーは脳みそまで凍りつくような気がしました。指が剣の柄を握りました。ハリーは剣を引っ張り上げました。後は池の上へと浮かび上がるだけです。ところがここで思ってもみなかった事が勃発しました。

3-2.気がつくと雪の上に
その時です。何かがハリーの首を絞めました。潜った時には何も体に触れる物はなかった。多分水草だろうと思いハリーは空いている手でそれを払い退けようとしました。でも首を絞めていたのは水草ではありませんでした。

分魂箱の鎖がきつく絡みついてハリーの喉笛をゆっくりと締め上げていました。ハリーは水面に戻ろうとがむしゃらに水を蹴りました。しかし池の岩場のほうへと進むばかりでした。ハリーは巻きつく鎖をかきむしりました。

しかし凍りついた指は鎖を緩める事もできず今やハリーの頭の中にはパチパチと小さな光が弾け始めました。溺れるんだ。もう残された手段はない。自分には何もできない。胸の周りを締めつけるのは「死」の腕に違いない。

ぐしょ濡れで咳き込み嘔吐しながら「こんなに冷えたのは生まれて初めてだ」というほど凍えハリーは雪の上に腹這いになって我に返りました。ついさっきまで池の底にいたのに何故だかハリーは今は雪の上にいたのでした。

さらにはどこか近くでもう1人の誰かが喘ぎ咳き込みながらよろめいています。蛇に襲われた時に来てくれたようにハーマイオニーがまた来てくれたんだ。最初はそう思ったハリーでした。ところが何だか違っているようです。

咳の声は低いし足音の重さからしてもこの音はハーマイオニーのようではない。違う。しかしハリーは助けてくれたのが誰かを見るために頭を持ち上げる力もありませんでした。震える片手を喉まで上げるのが精一杯でした。

そこに分魂箱が食い込んでいました。分魂箱はそこにはありませんでした。誰かがハリーを解き放したのです。その時でした。ハリーの頭上で喘ぎながらこう話す声が聞こえて来てハリーはよろよろと立ち上がったのでした。

「おい。気は。確かか?」

その声を聞いたショックがなければハリーは起き上がる力が出なかったでしょう。歯の根も合わないほど震えながらハリーが立ち上がると目の前に服を着たままでびしょ濡れで髪が顔に張り付いているロンが立っていました。

「全くどうして。潜る前にこいつを外さなかったんだ?」

ロンは片手にはグリフィンドールの剣を持ちもう片手には鎖の切れた分魂箱をぶら下げていました。ロンは分魂箱を持ち上げて息を継ぎながらこう訊きました。分魂箱が下手な催眠術の真似事のように前後に揺れていました。

ロンの問いにハリーは答えられませんでした。銀色の牝鹿などロンの出現に比べれば何でもない。ハリーは信じられませんでした。寒さに震えながらハリーは池の縁に重ねて置いておいた服を掴むと着始めたというわけです。

1枚また1枚とセーターを頭から被る毎にロンの姿が見えなくなるので「ロンが消えてしまうのではないか?」と半信半疑でハリーはロンを見つめていました。でもロンは本物に違いありません。ロンは池に飛び込んだのです。

そしてハリーの命を救ったのです。

3-3.帰って来た!
歯をガチガチ言わせながらハリーはようやく口を開き「君だったの?」と訊きました。分魂箱に首を絞められ殺害されそうになったため普段より弱々しい声でした。ハリーの問いにロンは若干まごつきながらこう答えました。

「まあそうだ」

ハリーが「君があの牝鹿を出したのか?」と訊くとロンは「え?もちろん違うさ!僕は君がやったと思った!」と答えハリーは「僕の守護霊は牡鹿だ」と言葉を返しました。するとロンは納得したようにこう言ったのでした。

「ああそうか。どっか違うと思った。角なしだ」

ハリーはハグリッドの巾着袋を首に掛け直し最後の1枚のセーターを着て屈んでハーマイオニーの杖を拾うともう一度ロンと向き合いました。そしてロンに「どうして君がここに?」と訊きました。ロンはこう答えたのでした。

「あのさ僕。ほら。僕戻って来た。もしも」

どうやらロンはこの話題が出るのならもっと後に出て欲しかったようなのです。ロンは咳払いをすると「あの。君がまだ。僕にいて欲しければ。なんだけど」と言葉を言い終えました。2人の間に一瞬沈黙が流れたのでした。

その沈黙の間にロンが去って行った事が2人の間に壁のように立ちはだかるように思われました。しかしロンはここにいます。帰って来ました。帰って来たのです。そしてたった今ハリーの命を救ったというわけなんですよね。

今日の最後に
まさにハリーにとっては一挙両得又は一石二鳥の展開になりましたよね。白銀の牝鹿を追って行ったらグリフィンドールの剣を見つけて手に入れる事ができました。おまけにもう会えないと思っていたロンと再会したのです。

放浪の旅に出てテント暮らしが始まった時からハーマイオニーはテントの周りに数々の保護呪文を施しました。そのため人と接触するためにはハリーとハーマイオニーはその範囲外に出なければならないというわけですよね。

ハリーは白銀の牝鹿を追って保護呪文の範囲外へと出て来ました。そのお陰でこうしてロンと再会する事ができましたね。さらにロンはグリフィンドールの剣を手に入れ加えてハリーの命をも救ったというわけなんですよね。

分魂箱はハリーに剣を手に入れられたら破壊されてしまうという事でハリーを殺害しようとしました。しかしそこにロンが現れハリーを救ったのです。つまり分魂箱にとってはロンは想定外で不意を衝かれたというわけです。

分魂箱にしてみればロンは一体何なんだ。どうしてここに現れたんだという感じですよね。これもアルバス・ダンブルドアの目論見だったと私はそう思いますね。
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