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12番地の屋敷の除染作業は困難を極めハリーはこの屋敷に対して戦いを挑んでいるという意見でした。しかしその一方で尋問の事を考えずに済むのでハリーにとってそれはむしろ好都合でした。しかしついにハリーは尋問前夜を迎えてしまいました。(全3項目)

3-1.大掃除ではなく戦い?
午後からハリーたちはシリウスも加わって客間のガラス扉の飾り棚を片付ける作業をしました。一同が捨てる物品の数々を腰布に隠して持ち去ろうとしたためクリーチャーとシリウスの間で激しい攻防が繰り広げられました。

シリウスがブラック家の家紋が入った大きな金の指輪をその手からもぎ取るとクリーチャーは怒りでわっと泣き出し啜り泣いてしゃくり上げながら部屋を出る時にハリーが聞いた事のないひどい言葉でシリウスを罵りました。

「父の物だったんだ。クリーチャーは父に対して必ずしも母に対するほど献身的ではなかったんだがそれでも先週あいつが父の古いズボンを抱き締めている現場を見た」

シリウスは指輪を袋に投げ入れながらこう言いました。ウィーズリーおばさんはそれから数日間みんなをよく働かせました。客間の除染には丸々3日かかりました。最後に残った嫌な物の1つは例のタペストリー家系図でした。

このブラック家のタペストリー家系図は壁から剥がそうとするあらゆる手段にことごとく抵抗しました。もう1つはガタガタという文机でした。ムーディがまだ本部に立ち寄っていないので中身の確認が未だにできないのです。

中に何が入っているのかはっきりと分りません。客間の次は1階のダイニング・ルームでそこの食器棚には大皿ほどもある巨大な蜘蛛が数匹隠れているのが見つかりました。蜘蛛が苦手なロンはそれを見て逃げてしまいました。

ロンはお茶を入れると言って出て行ってしまい1時間半も戻って来ませんでした。ブラック家の紋章と家訓を書き入れた食器棚もまたシリウスが全部無造作に袋に投げ込みました。黒ずんだ銀の枠に入った古い写真類もでした。

写真の主たちは自分を覆っているガラスが割れると甲高い声を上げました。どの作業も簡単ではありません。スネイプはこの作業を大掃除と呼んだかもしれませんがハリーは屋敷に対して戦いを挑んでいるという意見でした。

屋敷はクリーチャーに煽られて中々いい戦いぶりを見せていました。クリーチャーはみんなが集まっている所に頻繁に現れてはゴミ袋から何かを持ち出そうとする時のぼやきもますます厭味ったらしくなっていたんですよね。

シリウスは洋服をくれてやるぞとまで脅しましたがクリーチャーも負けてはいませんでした。それができない事をクリーチャーは知っていたのです。

3-2.ついに尋問前夜になり
クリーチャーはどんよりした目でシリウスを見つめ「ご主人様はご主人様のお好きなようになさいませ」と言ったその後に背を向けると今度は大声でこう言ったのでした。だからシリウスは自分を解雇できないと言うのです。

「しかしご主人様はクリーチャーめを追い払う事はできません。できませんとも。何故ならクリーチャーめはこいつらが何を企んでいるか知っているからです。ええそうですとも。ご主人様の闇の帝王に抵抗する企みです」

こう言った後にクリーチャーが「穢れた血」に「裏切り者」と「クズども」とまたしてもハーマイオニーやウィーズリー家の面々を誹謗中傷する差別用語を連発したためクリーチャーの腰布を後ろから引っ掴んだのでした。

そしてハーマイオニーの抗議を無視してクリーチャーを思いっ切り部屋から放り出しました。シリウスにはこんなクリーチャーとの戦いがありましたがハリーたちにはまた別の意味での戦いが待ち受けていたというわけです。

1日に何回か玄関のベルが鳴りそれを合図にシリウスの母親がまた叫び出しました。それを合図にハリーたちは訪問客の言葉を盗み聞きしようとしました。でもチラッと姿を見て会話の断片を聞くだけで収穫はほぼなしでした。

ウィーズリーおばさんに作業に呼び戻されるからです。スネイプはそれから数回12番地に慌ただしく出入りしましたがハリーとはうれしい事に一度も顔を合わせませんでした。マクゴナガル先生の姿もちらりと見かけました。

マグルの服とコートを着てとても奇妙な姿でした。マクゴナガル先生も忙しそうで長居はしませんでした。時には訪問客が手伝う事もありました。トンクスが手伝った日の午後には年老いたグールお化けが発見されました。

上階のトイレをうろついていて記念すべき午後になりました。ルーピンはシリウスと一緒にこの屋敷に住んでいましたが騎士団の秘密の任務で長いこと家を空けていました。ルーピンは床置き時計を直すのを手伝いました。

古くて大きな床置き時計は誰かがそばを通ると太いボルトを発射するという嫌な癖がついたのでそれを直すのをルーピンが手伝いました。ロンは洋箪笥から取り出そうとした古い紫のローブに窒息させられそうになりました。

それを救ったのがマンダンガスだったのでウィーズリーおばさんの手前少し名誉挽回しました。ハリーはまだよく眠れませんでしたしこの夏よく見る廊下と鍵の掛かった扉の夢を見てそのたびに傷痕が刺すように痛みました。

しかしこの夏休みに入って初めて楽しいと思えるようになっていました。忙しくしている限りハリーは幸せでした。でもあまりやる事がなくて気が緩んだり疲れて横になり天井を見つめていると重苦しい気持ちになりました。

天井を横切るぼんやりした影を見つめたりしていると魔法省の尋問の事が重苦しくのしかかって来ました。退学になったらどうしようと考える毎に恐怖が針のようにちくちくとハリーの体内を突き刺すように感じられました。

考えるだけで空恐ろしく言葉に出して言う事もできずロンやハーマイオニーにさえも話せませんでした。2人が時々声を潜めて話をして心配そうに自分のほうを見ている事にもハリーは気づいていました。やはり心配なのです。

しかし2人ともハリーが何も言わないのならと尋問の事には触れて来ませんでした。時には考えまいと思ってもどうしても想像してしまう事がありました。顔のない魔法省の役人が現れるとハリーの杖を真っ二つに折るのです。

そしてダーズリーの所へ戻れと命令する。でも自分は戻りはしない。ハリーの心は決まっていました。グリモールド・プレイス12番地に戻ってシリウスと一緒に暮らすんだ。そしてついに尋問の前の日がやって来たのでした。

「ハリー明日の朝のためにあなたの一番良い服にアイロンをかけておきましたよ。今夜は髪を洗って頂戴ね。第一印象がいいと随分違うものよ」

夕食の時にウィーズリーおばさんがハリーのほうを向いて低い声でこう言いました。ハリーは胃の中にレンガが落ちて来たような気がしました。ロンにハーマイオニーとフレッドにジョージとジニーが一斉に話を辞めました。

そしてハリーを見ました。ハリーは頷いて食べ続けようとはしましたが口が渇いてとても噛めませんでした。ハリーが平気な声を繕って「どうやって行くのかな?」と訊くとおばさんは優しくこう答えたというわけですよね。

「アーサーが仕事に行く時連れて行くわ」

3-3.シリウスの無念にハリーの落ち込む気持ち
アーサー氏がテーブルの向こうから励ますように微笑み「尋問の時間まで私の部屋で待つといい」と言いました。ハリーはシリウスのほうを見ましたが質問をする前におばさんがその答えをこう言ったというわけなんですよね。

「ダンブルドア先生はシリウスがあなたと一緒に行くのは良くないとお考えですよ。それに私も」

おばさんのこの言葉を聞いてシリウスは「ダンブルドアが正しいと思いますよ」と食い縛った歯の間から声を出しました。自分の希望を叶えて貰えなかったというシリウスの無念の思いが込められているというわけですよね。

おばさんは唇を強く結びました。ハリーは引き続きシリウスを見つめながら「ダンブルドアはいつそう言ったの?」と訊きました。ハリーのその問いにはアーサー氏が「昨夜君が寝ている時にお見えになった」と答えました。

シリウスはむっつりとジャガイモにフォークを突き刺しました。ハリーのほうは自分の皿に目を落としました。ダンブルドアが前夜ここ12番地に来ていた。尋問の直前の夜にここに来ていたのに自分に会おうとしなかった。

そう思うと既に最低だったはずの自分の気持ちが前にも増してまた一段と落ち込むのをハリーは感じたというわけなんですよね。

今日の最後に
スネイプはこの12番地の屋敷の除染作業の事を大掃除と呼んだそうですがハリーは屋敷に対して戦いを挑んでいるという意見でした。屋敷はクリーチャーに煽られて中々にいい戦いぶりを見せていたというわけなんですよね。

そんなクリーチャーに対しシリウスは洋服をくれてやるとまで脅しましたがクリーチャーも負けていません。何故ならクリーチャーはこいつらつまり不死鳥の騎士団の面々が何を企んでいるのかを知っているからだそうです。

「クリーチャーは父に対して必ずしも母に対するほど献身的ではなかったんだがそれでも先週あいつが父の古いズボンを抱き締めている現場を見た」

シリウスはそのクリーチャーについてこう言っています。クリーチャーは12番地に出入りしている奴らつまり不死鳥の騎士団の面々が何をしようとしているのか知っているからシリウスは自分を解雇できないと言っています。

でもシリウスは「先週あいつが父の古いズボンを抱き締めている現場を見た」と言っています。実はもう既にクリーチャーは自由な屋敷しもべ妖精なんですよね。それはシリウスの父親のズボンを手にしているからなのです。

クリーチャーは自分の意思でここ12番地に留まっているんですよね。それはまだやり遂げていない事があるかというわけですよね。ハリーがそれを知るのは2年後の事なんですよね。
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