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ついについに懲戒尋問の当日がやって来てしまいました。5時半に起きてハリーが着替えを済ませて厨房に下りて行くとそこにはウィーズリー夫妻にシリウスとルーピンにトンクスがハリーを待ち受けていたかのように座っていました。そしてアーサー氏と共に出発したというわけです。(全3項目)

3-1.ついに懲戒尋問当日の朝に
尋問当日の朝ハリーは5時半にそれもまるで誰かが耳元で大声を出したかのように突然はっきりと目覚めました。暫くの間ハリーはじっと横になっていました。しかし懲戒尋問の事が頭の隅々まで埋め尽くして耐えられません。

そのためついにハリーはベッドから飛び出すとメガネを掛けました。ウィーズリーおばさんがベッドの足元に洗い立てのジーンズとTシャツを置いてくれていました。ハリーはもたもたしながらそれを着込んだというわけです。

壁の絵のない絵がニヤニヤ笑いました。ロンは大の字になり大口を開け眠り込んでいました。ハリーが部屋を横切り踊り場に出てそっと扉を閉めるまでロンは全く動きませんでした。その事は考えまいとハリーは思いました。

次にロンと会う時はもはやホグワーツの生徒同士ではなくなってしまっているかもしれないという事です。ハリーはそっと階段を下りてクリーチャーの先祖たちの首の前を通り過ぎると厨房へと降りて行ったというわけです。

厨房には誰もいないだろうと思っていましたが扉の所まで来ると中から低い話し声が聞こえて来ました。扉を開けるとウィーズリー夫妻にシリウスとルーピンにトンクスがハリーを待ち受けていたかのように座っていました。

全員が着替えを済ませていましたがおばさんだけは紫のキルトの部屋着を羽織っていました。ハリーが入って行くとおばさんが勢いよく立ち上がって「朝食ね」と言うと杖を取り出し暖炉のほうに急いだというわけですよね。

トンクスが「お-お-おはようハリー」と挨拶しながら欠伸をしました。今朝はブロンドの巻き毛でした。トンクスが「よく眠れた?」と訊いて来たのでハリーは「うん」と答えました。トンクスはずっと起きていたそうです。

トンクスはもう1回ブルルッと体を震わせて欠伸をすると「ここに座りなさいよ」と言って椅子を引っ張りました。ついでに隣の椅子まで引っくり返してしまいました。するとそこにおばさんがハリーにこう呼びかけたのでした。

「何を食べる?オートミール?マフィン?ニシンの燻製?ベーコンエッグ?トースト?」

ハリーは「あの。トーストだけお願いします」と答えました。

3-2.みんなに励まされて
するとルーピンがハリーをチラッと見てそれからトンクスに「スクリムジョールの事で何か言いかけていたね?」と話しかけました。ルーピンにそう話しかけられたトンクスはそのスクリムジョールについてこう話しました。

「あ。うん。あのね私たちもう少し気をつける必要があるってこと。あの男キングズリーや私に変な質問するんだ」

会話に加わる必要がない事をハリーはぼんやりと有難く思いました。腸がのたうち回っていました。ウィーズリーおばさんが前に置いてくれたマーマレードを塗った2枚のトーストを食べようとしましたが到底食べられません。

まるで絨毯を噛み締めているようでした。おばさんが隣に座ってハリーのTシャツのラベルを内側に入れたり肩の皺を伸ばしたりと面倒を見始めました。むしろそれは有難迷惑でハリーは辞めてくれればいいのにと思いました。

「それにダンブルドアに言わなくちゃ。明日は夜勤できないわ。私と-と-とっても疲れちゃって」

こう言うとトンクスはまた大欠伸をしてアーサー氏が「私が代わってあげよう。私は大丈夫だ。どうせ報告書を1つ仕上げなきゃいけないし」と言いました。この日のアーサー氏は魔法使いのローブ姿ではありませんでした。

細縞のズボンに袖口と腰の締まった古いボマージャケットを着ていました。アーサー氏はトンクスからハリーのほうに向き直ると「気分はどうかね?」と訊いて来てハリーが肩をすくめると元気づけるようにこう言いました。

「すぐ終るよ。数時間後には無罪放免だ。尋問は私の事務所と同じ階でアメリア・ボーンズの部屋だ。魔法法執行部の部長で君の尋問を担当する魔女だがね」

ハリーが黙って聞いているとトンクスが今度は真面目に「アメリア・ボーンズは大丈夫よハリー。公平な魔女だからちゃんと聞いてくれるわよ」と言いました。ハリーは頷きましたが何を言っていいのかまだ考えつきません。

「カッとなるなよ。礼儀正しくして事実だけを言うんだ」

突然シリウスがこう言いました。ハリーはまた頷きました。すると次にルーピンが「法律は君に有利だ。未成年魔法使いでも命を脅かされる状況では魔法を使う事が許される」と静かに言いました。そしてその時の事でした。

何かとても冷たい物がハリーの首筋を流れ落ちました。一瞬ハリーは誰かに「目くらまし術」をかけられたかと思いましたがおばさんが濡れた櫛でハリーのくしゃくしゃの髪を何とかしようとしているのだと気がつきました。

おばさんは絶望的な声で「まっすぐにはならないのかしら?」と言いハリーは首を横に振りました。アーサー氏は時間をチェックするとハリーのほうを見ました。そしてハリーに向かってこう言って来たというわけですよね。

「そろそろ出かけよう。少し早いがここでぐずぐずしているより魔法省に行っていたほうがいいだろう」

ハリーはトーストを離し「オーケー」と反射的に答えながら立ち上がりました。トンクスが「大丈夫よハリー」と言ってハリーの胸をポンポンと叩きました。ルーピンが「頑張れ。必ず上手く行くと思うよ」と言いました。

「そうじゃなかったら私が君のためにアメリア・ボーンズに一泡吹かせてやる」

シリウスが恐い顔でこう言いました。ハリーは弱々しく笑いました。おばさんはハリーを抱き締めると「みんなでお祈りしてますよ」と言いました。ハリーは「それじゃ。あの。行って来ます」と一同に挨拶をしたのでした。

そしてアーサー氏について厨房を出ました。

3-3.地下鉄に乗ってロンドンの中心部に
ハリーはアーサー氏について階段を上がるとホールを歩きました。シリウスの母親がカーテンの陰で寝息を立てているのが聞こえました。アーサー氏が玄関の閂を外して2人は冷たい灰色の夜明けの外に出たというわけです。

「いつもは歩いて行くんじゃないんでしょう?」

広場を足早に歩きながらハリーがこう訊くとアーサー氏が「いやいつもは姿現わしで行く」と答えその理由を説明しました。それは当然ハリーには「姿現わし」ができないし完全に魔法を使わないほうがいいからだそうです。

完全に魔法を使わないやり方で向こうつまり魔法省に到着するのが一番良いと思う。ハリーの懲戒処分の理由を考えればそのほうが印象がいいからなんだそうです。そしてもちろんアーサー氏は警戒を怠っていませんでした。

アーサー氏は片手をジャケットに突っ込んだままで歩いていました。その手が杖を握り締めている事をハリーは知っていました。荒れ果てた通りにはほとんど人影もありませんでしたが地下鉄の駅に辿り着くと一変しました。

みすぼらしい小さな地下鉄の駅に辿り着くと既にそこは早朝の通勤客で一杯でした。それはいつもの事ですがマグルが日常の生活をしているのを身近に感じるとアーサー氏は興奮を抑え切れないようで感動の連続のようです。

アーサー氏は自動券売機を指差して「全く素晴らしい。驚くべき思いつきだ」と囁きました。しかしハリーのほうは極めて冷静沈着で貼り紙を指差し「故障してるよ」と言いました。ところがそれでもだったというわけです。

アーサー氏は「そうか。しかしそれでも」と言葉を濁しつつも券売機に向かって愛おしげに笑顔を向けました。アーサー氏がマグルの金に疎くて券売機が故障していたので眠そうな顔の駅員からハリーが切符を買いました。

そして5分後ハリーとアーサー氏は地下鉄に乗りロンドンの中心部に向かって揺れていました。アーサー氏は窓の上に貼ってある地下鉄の地図を心配そうに何度も確かめていました。でも初めて乗る電車を噛み締めていました。

「あと4駅だハリー。これであと3つになった。あと2つだハリー」

ロンドン中心部の駅でブリーフケースを抱えたスーツ姿の男女の波に流されるように2人は電車を降りエスカレーターを上り改札口を通り広い通りに出ました。自動改札機に切符が吸い込まれるのもアーサー氏は大喜びでした。

通りには堂々たるビルが立ち並び既に車で混雑していました。ところがアーサー氏が「ここはどこかな?」とポカンとして言うのでハリーは一瞬心臓が止まると思いました。アーサー氏はひっきりなしに地図を見ていました。

それなのに降りる駅を間違えたのかとハリーはそう思いました。しかし次の瞬間アーサー氏は「ああそうか。ハリーこっちだ」と言いハリーを脇道に導きました。そして一瞬道が分らなくなった理由をこう説明したのでした。

「すまん。何せ電車で来た事がないのでマグルの視点から見ると何もかもかなり違って見えたのでね。実を言うと私はまだ外来者用の入口を使った事がないんだ」

脇道に入ってさらに歩いて行くと建物は段々小さくなり厳めしさはなくなって行きました。最後に辿り着いた通りには相当にみすぼらしいオフィスが数軒とパブが1軒にゴミの溢れた大型のゴミ容器が1つだけあったのでした。

どうやら魔法省に到着したようです。

今日の最後に
アーサー氏にシリウスとルーピンそれからトンクスは何とかハリーを元気づけようと懸命にハリーを励ましてくれました。それぞれの各人が自分の持っている知識を駆使してハリーに大丈夫だと説いてくれたというわけです。

しかし唯一ウィーズリーおばさんだけはハリーを励ます言葉を発するわけでもなく「みんなでお祈りしてますよ」と言っただけでした。それ以外ではおばさんはもっぱらハリーの身の周りの面倒を見るだけだったんですよね。

1つだけハリーが異なる反応を示したのが上手く行かなかったらハリーのためにアメリア・ボーンズに一泡吹かせてやると言ったシリウスの言葉です。ハリーはそれを聞いて思わず弱々しく笑ってしまったというわけですよね。

シリウスがアメリア・ボーンズに一泡吹かせる。それはシリウスが12番地を出て自分の身を危険にさらすという事になるのでは?ハリーはそう考えて思わず弱々しく笑ってしまったんでしょうね。できればやって欲しくない。

つまりはハリーの弱々しい笑いは苦笑いというわけなんですよね。そんな事には決してなっては欲しくないというわけです。そのためハリーは別の意味で是非とも無罪放免になりたいと切にそう願ったと私はそう思いますね。
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