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ハリポタ通の館(やかた)

ここではハリーポッター・シリーズに関する様々な情報や私の推測(妄想?)をお届けしています。毎週、日曜・月曜・水曜・木曜更新。

魔法省の外来者用入口はハリーが期待していた感動的な所ではありませんでした。しかしそこから地下に潜ると景色は一変しました。こうしてハリーはおそらくは生まれて初めて魔法省へと足を踏み入れたというわけなんですよね。(全3項目)

3-1.一見すると故障した電話ボックス
2人が辿り着いたのは相当にみすぼらしい所でハリーは魔法省のある場所はもう少し感動的な所だろうと期待していました。一方アーサー氏は赤い古ぼけた電話ボックスを指差し「さあ着いた」と明るく言ったというわけです。

電話ボックスはガラスが数枚なくなっていましたし後ろの壁は落書きだらけでした。アーサー氏は電話ボックスの戸を開けてハリーに「先にお入りハリー」と言いました。一体全体どういう事なのかわけが分りませんでした。

しかしハリーは中に入りました。するとアーサー氏もハリーの脇に体を折り畳むようにして入り込み戸を閉めました。ぎゅうぎゅう詰めでハリーの体は電話機に押しつけられていました。電話機は斜めに壁に掛かっています。

どうやら電話機を外そうとした野蛮人がいたようでした。アーサー氏はハリー越しに受話器を取りました。ハリーが「おじさん。これも故障してるみたいだよ」と言うとアーサー氏は「いやいやこれは大丈夫」と言いました。

アーサー氏はハリーの頭の上で受話器を持ちダイヤルを覗き込みました。そして「えーと」などと言いながら何とダイヤルを回し始めました。最初は「6」で次は「2」でそれから「4」を2回と最後にはまた「2」を回しました。

ダイヤルが滑らかに回転し終わるとアーサー氏が手にした受話器ではなく電話ボックスの中から落ち着き払った女性の声が流れ出ました。まるで2人のそばに姿の見えない女性が立っているように大きくはっきり聞こえました。

「魔法省へようこそ。お名前とご用件をおっしゃってください」

アーサー氏は「えー」と言い淀んで受話器に向かって話すべきかどうか迷った挙句に受話器の口の部分を耳に当てる事で妥協する事にしました。そして聞こえて来た女性の声にこのように返事をしたというわけなんですよね。

「マグル製品不正使用取締局のアーサー・ウィーズリーです。懲戒尋問に出廷するハリー・ポッターに付き添って来ました」

3-2.魔法省
すると落ち着き払った女性の声が「ありがとうございます。外来の方はバッジをお取りになりローブの胸にお着けください」と言いました。カチャそしてカタカタと音がして返却口の受け皿に何かが滑り出て来たんですよね。

普通なら釣り銭が出て来るコイン返却口の受け皿から拾い上げると銀色の四角いバッジで「ハリー・ポッター懲戒尋問」と書いてありました。ハリーはそのバッジをTシャツの胸に止めました。するとまた女性の声がしました。

「魔法省への外来の方は杖を登録いたしますので守衛室にてセキュリティ・チェックを受けてください。守衛室はアトリウムの一番奥にございます」

そして電話ボックスの床がガタガタと揺れたかと思うとゆっくりと地面へと潜り始めました。ボックスのガラス窓越しに地面が段々上昇してついに頭上まで真っ暗になるのをハリーははらはらしながら見つめていたのでした。

何も見えなくなりました。電話ボックスが潜って行くガリガリと言う鈍い音以外には何も聞こえません。ハリーにはもっと長い時間に感じられましたが1分も経つと一筋の金色の光が射し込んで来て足下を照らしたのでした。

光は段々と広がりハリーの体を照らしついに顔を照らしました。暗闇から突然明るい所に出て来たのでハリーは涙が出そうになり目を激しく瞬きさせたのでした。すると女性の声が今度はこう言ったというわけなんですよね。

「魔法省です。本日はご来省ありがとうございます」

電話ボックスの戸がさっと開きアーサー氏が外に出ました。続いて外に出たハリーは思わず口をあんぐりと開けてしまったのでした。そこは長い豪華なホールの一番端で黒っぽい木の床はピカピカに磨き上げられていました。

ピーコックブルーの天井には金色に輝く記号が象嵌され絶え間なく動き変化をしてまるで空に掛かった巨大な掲示板のようでした。両側の壁はこれもピカピカの黒い木の腰板で覆われ金張りの暖炉が幾つも設置されています。

左側の暖炉からは数秒毎に魔法使いや魔女が柔らかいヒューッという音と共に現れ右側には暖炉毎に出発を待つ短い列ができていました。ホールの中程には噴水があり丸い水盆の真ん中には黄金の立像が幾つも立っています。

実物大より大きくて一番背が高いのは高貴な顔つきの魔法使いで天を突くように杖を掲げていました。その周りを囲むように美しい魔女にケンタウルスに小鬼に屋敷しもべ妖精の像がそれぞれ1体ずつ立っていたんですよね。

ケンタウルスと小鬼と屋敷しもべ妖精の像は魔法使いと魔女を崇めるように見上げていました。そして2本の杖の先とケンタウルスの矢尻と小鬼の帽子の先と屋敷しもべ妖精の両耳の先からキラキラと噴水が上がっていました。

噴水が水面を打つ音と「姿現わし」するポン又はバシッという音と何百人もの魔法使いや魔女の足音などが混じり合い聞こえて来ます。多くの人々は早朝のむっつりした表情でホールの一番奥に向かって足早に歩いています。

向かう先には黄金のゲートがありました。アーサー氏が「こっちだ」と言って2人は人波に混じり魔法省で働く人々の間を縫うようにして進みました。羊皮紙の山をぐらぐらさせながら進んでいる役人もハリーは見かけました。

他にくたびれたブリーフケースを抱えている人や歩きながら「日刊予言者新聞」を読んでいる魔法使いもいます。噴水のそばを通ると水底からシックル銀貨やクヌート銅貨が光るのが見えて噴水脇に小さな立て札がありました。

「魔法族の和の泉」からの収益は
聖マンゴ魔法疾患障害病院に寄付されます


滲んで薄くなった文字でこう書かれているのを見てハリーは「もしホグワーツを退学にならなかったら10ガリオン入れよう」とすがる思いで考えている自分に気がつきました。アーサー氏が「こっちだハリー」と言いました。

2人は黄金のゲートに向かって流れて行く魔法省の役人たちから抜け出しました。左のほうに「守衛」と書かれた案内板があって下の机にピーコックブルーのローブを着た無精ひげを生やした魔法使いが座っていたんですよね。

守衛の魔法使いは2人が近づくのに気づいて「日刊予言者新聞」を下に置きました。

3-3.魔法省内に入ると
アーサー氏はハリーのほうを見ながら「外来者の付き添いです」と言いました。すると守衛はつまらなそうに「こっちへどうぞ」と言いハリーが近づくと車のアンテナのように細くへなへなした長い金の棒を取り出しました。

それをハリーの体の前と後ろで上下させ金の棒を下に置くと守衛は無愛想に「杖」と一言だけ言い片手を突き出しました。ハリーが杖を差し出すと守衛はその杖を奇妙な真鍮の道具にポンと落としたというわけなんですよね。

皿が1つしかない秤のような道具が震え始めました。台の所にある切れ目から細長い羊皮紙が出て来ました。守衛はそれを破り取ると「28センチ。不死鳥の羽根の芯。使用期間4年。間違いないか?」とそう言って来たのでした。

ハリーは緊張して「はい」と答えました。守衛は「これは保管する」と言って羊皮紙の切れ端を小さな真鍮の釘に突き刺しました。そして守衛は「これはそっちに返す」と言って杖をハリーに突き返しました。ところがです。

ハリーが「ありがとうございます」と言うと守衛は今度は「ちょっと待て」とゆっくり言いました。守衛の目はハリーの胸の銀バッジから額へと走りました。しかしそんな守衛にアーサー氏はきっぱりとこう言ったのでした。

「ありがとうエリック」

そしてハリーの肩を掴むとエリックと呼んだ守衛の机から引き離して黄金のゲートに向かう人々の流れに連れ戻したというわけです。流れに揉まれるようにしてハリーはアーサー氏の後に続いてゲートをくぐったんですよね。

ゲートの向こう側には小ホールがありそこには少なくとも20機のエレベーターが各々がっしりした金の格子の後ろに並んでいました。ハリーはアーサー氏と一緒にその内の1台の前に集まっている群れに加わったんですよね。

そばに鬚面の大柄な魔法使いが大きなダンボール箱を抱えて立っていました。箱の中からはガリガリという音が聞こえて来てその大柄な魔法使いがアーサー氏に向かって「やあアーサー」と言って頷いて来たというわけです。

アーサー氏が「ボブ。何が入ってるんだい?」と訊いて箱に目をやるとボブと呼ばれたその魔法使いは深刻な顔で「よく分らないんだ」と答えました。さらにこうも言いました。箱の中にはどうやら鶏が入っているようです。

「ごくありきたりの鶏だと思っていたんだが火を吐いてね。どうも実験的飼育禁止令の重大違反らしい」

ジャラジャラあるいはカタカタと派手な音を立てエレベーターが目の前に下りて来ました。金の格子が滑らかに横に開きハリーとアーサー氏はみんなと一緒にエレベーターに乗り込みました。ハリーは珍しい存在のようです。

気がつくとハリーは後ろの壁に押しつけられていました。数人の魔法使いや魔女がハリーを物珍しげに見ていたのでした。ハリーは目が合わないように足元を見つめました。同時に前髪を撫でつけたというわけなんですよね。

今日の最後に
ハリーの場合1才3ヵ月まで魔法界に身を置いていたので決して断言はできませんがおそらくは今回が初めて魔法省に足を踏み入れたという事になるんでしょうね。過去には実は初めてではなかったという例があるんですよね。

それはホグワーツに入って最初に行われた飛行訓練授業でハリーはマクゴナガル先生に箒に乗るのは初めてなんでしょうと問われ頷いていますが1才の誕生日プレゼントにシリウスに箒を貰って乗っていたという例があります。

魔法省に入るとアーサー氏はまずハリーを杖を登録するために守衛室に連れて行きました。しかし守衛のエリック氏がハリーの額の傷痕を見咎めたのを見て取って「ありがとう」ときっぱり言うと足早に守衛室を離れました。

それからアーサー氏とハリーは黄金のゲートをくぐってエレベーターに乗る群れに加わりましたがアーサー氏はボブという魔法使いが抱えるダンボール箱に目をやって「何が入ってるんだい?」とそう尋ねたというわけです。

私が思うにアーサー氏は先程立ち寄った守衛室でエリック氏がハリーの額の傷痕を見咎めたのを見て取って今度は誰にもハリーが額の傷痕をじろじろ見られないようその場にいる人々の気を逸らすために質問したと思います。

つまりはハリーへのさりげない配慮と心配りだったというわけなんですよね。

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