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こうして(多分)生まれて初めて魔法省に足を踏み入れたハリーは守衛室で杖の登録を済ませると黄金のゲートをくぐってエレベーターに乗り込みました。そして2階にあるアーサー氏の職場に向かったのですがその途中でアーサー氏は寄り道をしたのでした。そこでハリーが会ったのは?(全3項目)

3-1.エレベーターに乗って
同じエレベーターに乗り合わせた人々が物珍しげに見るのでハリーは目が合わないよう足元を見つめ同時に前髪を撫でつけました。エレベーターはチェーンをガチャガチャ言わせながらゆっくりと昇り始めたというわけです。

「7階。魔法ゲーム・スポーツ部がございます。その他イギリス・アイルランド・クィディッチ連盟本部、公式ゴブストーン・クラブ、奇抜な特許庁はこちらでお降りください」

同時にハリーが電話ボックスで聞いたあの落ち着き払った女性の声がまたこう鳴り響きました。そしてエレベーターの扉が開き雑然とした廊下に壁に曲がって貼ってある色々なクィディッチ・チームのポスターがありました。

腕一杯に箒を抱えた魔法使いが1人エレベーターからやっとの事で降り廊下の向こうに消えて行きました。扉が閉まりエレベーターはまた激しく軋みながら昇って行きました。すると再び女性のアナウンスが聞こえて来ました。

「6階。魔法運輸部でございます。煙突ネットワーク庁、箒規制管理課、移動キー局、姿現わしテストセンターはこちらでお降りください」

扉が再び開き4~5人の魔法使いと魔女が降りました。同時に紙飛行機が数機飛び込んで来ました。ハリーは頭の上をのんびり飛び回る紙飛行機を見つめました。薄紫色で両翼の先端に「魔法省」とスタンプが押されています。

「省内連絡メモだよ。昔はふくろうを使っていたんだがとんでもなく汚れてね。机は糞だらけになるし」

アーサー氏が小声でハリーにこう説明しました。エレベーターが上へ昇る間メモ飛行機は天井から下がって揺れるランプの周りをハタハタと飛び回りました。扉が開くと2機のメモ飛行機が数人の人々と一緒に出て行きました。

「5階。国際魔法協力部でございます。国際魔法貿易基準機構、国際魔法法務局、国際魔法使い連盟イギリス支部はこちらでお降りください」

3-2.エレベーターを降りると
扉が開いてメモ飛行機が2機とここでも数人の魔法使いたちが降りて行きました。しかし入れ替わりに数機が飛び込んで来てランプの周りを飛び回るので灯りがちらついて見えました。そしてまたも女性がこう言ったのでした。

「4階。魔法生物規制管理部でございます。動物課、存在課、霊魂課、小鬼連絡室、害虫相談室はこちらでお降りください」

先程アーサー氏が声をかけた火を吐く鶏を運んでいたボブという魔法使いが「失礼」と言って出て行き後を追ってメモ飛行機が今度は群れを成して出て行きました。扉がまたもガチャンと閉まって次の階に到着したのでした。

「3階。魔法事故惨事部がございます。魔法事故リセット部隊、忘却術士本部、マグル対策口実委員会はこちらでお降りください」

この階でほとんど全員が降りました。残ったのはハリーにアーサー氏に床まで垂れる長い羊皮紙を読んでいる魔女だけです。残ったメモ飛行機はエレベーターが再び揺れながら昇る間ランプの周りを飛び回っていたのでした。

「2階。魔法法執行部でございます。魔法不適正使用取締局、闇祓い本部、ウィゼンガモット最高裁事務局はこちらでお降りください」

扉が開いてこうアナウンスの声がしました。アーサー氏が「ここで降りるよハリー」と言って2人は魔女に続いて降りて沢山の扉が並んだ廊下に出ました。アーサー氏はハリーに「私の部屋はこの階の一番奥だ」と言いました。

「おじさん。ここはまだ地下でしょう?」

陽の光が流れ込む窓のそばを通りながらハリーがこう訊きました。するとアーサー氏は「そうだよ」と答えました。窓に魔法がかけてあるんだそうです。魔法ビル管理部が毎日の天気を決めるとアーサー氏が説明をしました。

この間は賃上げ要求で2ヵ月もハリケーンが続いたそうです。アーサー氏は「もうすぐそこだよハリー」と言うと角を曲がり樫材のどっしりした両開きの扉を過ぎて雑然とした広い場所に出ました。小部屋に仕切られています。

そこは話し声や笑い声でさざめいていました。メモ飛行機が小型ロケットのように小部屋からビュンビュン出入りしています。一番手前の小部屋には「闇祓い本部」という表札が曲がって掛けられていたというわけですよね。

通りすがりにハリーは小部屋の入口からこっそりと盗み見ました。闇祓いたちは小部屋の壁に色々と貼り付けていました。お尋ね者の人相書きやら家族の写真やら贔屓のクィディッチ・チームのポスターも貼られていました。

「日刊予言者新聞」の切り抜きも貼られています。ビルより長いポニーテールの魔法使いは真紅のローブを着てブーツを履いた両足を机に載せ羽根ペンに報告書を口述筆記させていました。片目に眼帯をした魔女もいました。

その魔女は間仕切り壁の上からキングズリー・シャックルボルトに話しかけていました。ハリーとアーサー氏が近づくとキングズリーが「おはようウィーズリー」と何気なく挨拶をしました。そしてこう言って来たのでした。

「君と話したいと思っていたんだがちょっとお時間をいただけますかね?」

これにアーサー氏は「ああほんのちょっとだけなら。かなり急いでるのでね」とそう答えたんですよね。

3-3.キングズリーの小部屋を出ると
2人はほとんど互いに知らないような話し方をしました。要は他人行儀というわけですよね。ハリーがキングズリーに挨拶しようと口を開きかけるとアーサー氏がハリーの足を踏んでハリーが挨拶をするのを阻止したのでした。

キングズリーの後について2人は小部屋の列に沿って歩くと一番奥の部屋へと行きました。ハリーは若干ショックを受けました。四方八方からシリウスの顔がハリーを見下ろして目を激しく瞬きさせていたからというわけです。

新聞の切り抜きやハリーの両親のポッター夫妻の結婚式でシリウスが新郎の付き添い役を務めた時の古い写真まで壁にびっしりと貼られていたのでした。ただ1箇所だけシリウス抜きの空間には世界地図があったんですよね。

その地図には赤い虫ピンが沢山刺されて宝石のように光っていました。キングズリーは「これだがね」と言いながら羊皮紙の束をアーサー氏の手に押しつけたその後きびきびと話しかけました。情報提供を求める内容でした。

「過去12ヵ月間に目撃された空飛ぶマグルの乗り物についてできるだけ沢山情報が欲しい。ブラックが未だに自分の古いオートバイに乗っているかもしれないという情報が入ったのでね」

キングズリーはハリーに特大のウィンクをしながら「雑誌のほうは彼に渡してくれ。面白がるだろう」と小声で付け加えました。それからキングズリーは今度は普通の声に戻してアーサー氏にこう言ったというわけですよね。

「それからウィーズリーあまり時間をかけ過ぎないでくれ。あの足榴弾の報告書が遅れたせいで我々の調査が1ヵ月も滞ったのでね」

これにアーサー氏は「私の報告書をよく読めば正しい言い方は手榴弾だと判るはずだが。それに申し訳ないがオートバイ情報は少し待って貰いませんとね。今我々は非常に忙しいので」と冷やかに言い放ったというわけです。

それからアーサー氏は今度は声を落として「7時前にここを出られるかね。モリーがミートボールを作るよ」と言ったのでした。それからアーサー氏はハリーに合図をしてキングズリーの部屋から外へと出て行ったんですよね。

アーサー氏はまた別の樫の扉を通ってハリーを別の廊下へと導きました。そこを左に曲がりまた別の廊下を歩いて右に曲がると薄暗くてとびきりみすぼらしい廊下に出ました。そして最後のどん詰まりに辿り着いたのでした。

左に半開きになった扉があり中に箒置き場が見えます。右側の扉には黒ずんだ真鍮の表札が掛かっていてそこに「マグル製品不正使用取締局」と書かれていました。そのしょぼくれた部屋は箒置き場より少し狭く見えました。

机が2つ押し込まれ壁際には書類で溢れ返った棚が立ち並んでいました。棚の上にも崩れ落ちそうなほどの書類の山があります。そのお陰で机の周りは身動きする余地すらありません。何とか壁面が僅かに空いていたのでした。

そこにはアーサー氏が取り憑かれている趣味の証で自動車のポスターが数枚ありました。その内の1枚はエンジンの分解図でマグルの子供の本から切り取ったらしい2枚の郵便受けのイラストが貼ってあったというわけですよね。

それにプラグの配線の仕方を示した図も貼ってありました。

今日の最後に
今回の場面でハリーが闇祓いのキングズリー・シャックルボルトと直に顔を合わせたのは「3回目」になりますね。初めて対面したのは不死鳥の騎士団の先発護衛隊の1人としてプリベット通り4番地にやって来た時でしたよね。

2回目はハリーがグリモールド・プレイス12番地に入った日の夜で厨房で夕食を取った後ハリーが騎士団の活動内容を聞く時にその場にいてそこでハリーはキングズリーが今回新たに騎士団に加わったと聞かされたんですよね。

その翌日にもキングズリーは12番地に来ています。しかしハリーとは直接顔を合わせませんでした。そして初めて魔法省にアーサー氏に連れて来られアーサー氏の職場に行く途中でこうして顔を合わせたというわけですよね。

過去の「2回」のいずれの時にもハリーはキングズリーが騎士団員の身分を隠しているという事を説明されていませんでした。そのためにハリーはキングズリーに挨拶をしようとしてアーサー氏がそれを止めたというわけです。

今回こうして魔法省内で対面をした事でハリーはキングズリー・シャックルボルトが騎士団員の身分を隠しているという事を学習したというわけです。そして学期に入ってから窮地を救って貰う事になるというわけですよね。

ダンブルドア軍団の活動がマリエッタ・エッジコムの密告によって露見した時でした。
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