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ハリーは2階でエレベーターを降りると闇祓い本部のキングズリー・シャックルボルトの小部屋に立ち寄ってからアーサー氏の職場の「マグル製品不正使用取締局」にやって来ました。ところがアーサー氏の同僚のパーキンズ氏が出勤して来たと思ったら尋問の開始時間と場所が変わったと告げられて・・・(全3項目)

3-1.アーサー氏の職場に到着
ハリーはアーサー氏についてキングズリー・シャックルボルトの小部屋から出ると何度も曲がって幾つもの廊下を通ってようやく箒置き場の隣にあるアーサー氏の職場の「マグル製品不正使用取締局」へと到着したのでした。

アーサー氏の「未処理」の箱は書類で溢れ一番上に座り込んだ古いトースターは気の滅入るようなしゃっくりをしていましたし革の手袋は勝手に両方の親指をくるくる回して遊んでいました。その隣に家族写真がありました。

ウィーズリー家の家族の写真でハリーはそこからパーシーがいなくなったらしい事に気づきました。アーサー氏は「窓がなくてね」と済まなそうに言いながらボマージャケットを脱いで椅子の背に掛けるとこうも言いました。

「要請したんだが我々には必要ないと思われているらしい。さあハリー掛けてくれ。パーキンズはまだ来てないようだな」

ハリーは体を押し込むようにパーキンズ氏の机の後ろの椅子に座りました。アーサー氏はキングズリーから渡された羊皮紙の束をパラパラとめくり「ああ」と言うと「ザ・クィブラー」という雑誌を引っ張り出したのでした。

「なるほど。なるほど。シリウスがこれを読んだら面白がるだろうと言っていたがその通りだ。おや今度は何だ?」

メモ飛行機が開けたままの扉から入って来てしゃっくりトースターの上に降りたのでアーサー氏は紙飛行機を開いて声を出して読みました。ベスナル・グリーンで3つ目の逆流公衆トイレが見つかった事による調査依頼でした。

こうなると度が過ぎるな。最後にこう言ったアーサー氏にハリーが「逆流トイレ?」と問いかけるとアーサー氏は「マグル嫌いの悪ふざけだ」と答え眉根を寄せました。3つ目という事で過去の2件は先週あったんだそうです。

ウィンブルドンで1件とエレファント・アンド・キャッスルで1件あったのだそうです。マグルが水を流そうとレバーを引くと流れて行くはずの水が逆流して来る。可哀想な被害者は助けを求めて配管工を呼ぶというわけです。

そのパイプなんかを修理する「配管工」をアーサー氏は「管配工」と言い間違えてハリーが思わず訂正する事になってしまいました。

3-2.同僚のパーキンズ氏が来たと思ったら
ハリーが今度は「配管工?」と訊くとアーサー氏は「その通りそう。しかし当然呼ばれてもまごまごするだけだ。誰がやっているにせよ取っ捕まえたいものだ」と答えました。ハリーは捕まえるのは闇祓いかとも質問しました。

するとアーサー氏は闇祓いはこんな小者はやらないと答えました。これは普通の魔法警察パトロールの仕事なんだそうです。するとここでアーサー氏が「ああハリー。こちらがパーキンズさんだ」と同僚を紹介したのでした。

猫背でふわふわした白髪頭の気の小さそうな年寄りの魔法使いが息を切らして部屋に入って来た所でした。するとパーキンズ氏はハリーには目もくれず絶望的な声で「ああアーサー!」と言った後にこうも言ったんですよね。

「よかった。どうするのが一番いいか分からなくて。ここであなたを待つべきかどうかと。たった今お宅にふくろうを送った所です。でももちろん行き違いで。10分前に緊急通達が来て」

アーサー氏が「逆流トイレの事なら知っているが」と言うとパーキンズ氏は「いやいやトイレの話じゃない」と応えました。ハリーの尋問の時間と場所が変わって8時開廷で場所は下にある古い10号法廷になったのだそうです。

「下の古い。でも私が言われたのは。何たるこった!」

アーサー氏は時計を見て短い叫び声を上げると椅子から立ち上がりました。そして「急げハリー。もう5分前にそこに着いていなきゃならなかった!」と言うと急いで部屋を飛び出しました。ハリーもそのすぐ後に続きました。

その間パーキンズ氏は書類棚にペタンとへばりついていました。闇祓いの小部屋の前を矢のように走り過ぎながらハリーは息せき切って「どうして時間を変えたの?」と訊きました。闇祓いたちも何事かと思ったようでした。

駆け抜けるハリーとアーサー氏を闇祓いたちは首を突き出して見ていました。ハリーは内臓をそっくりそのままパーキンズ氏の机に置き去りにして来たような気がしました。ハリーのその問いにアーサー氏はこう答えました。

「私にはさっぱり。しかし良かった随分早く来ていたから。もし出廷しなかったらとんでもない大惨事になっていた!」

アーサー氏はエレベーターの前で急停止すると待ち切れないようにボタンを何度も突きました。そして「早く!」と言いエレベーターが現れると2人は急いで乗りました。途中で止まるとアーサー氏は悪態を散々つきました。

そして「9」のボタンを拳で叩き続けました。アーサー氏は憤慨し「あそこの法廷はもう何年も使っていないのに何故そこでやるのかわけが分らん。もしや。いやまさか」と言いました。しかし説明はそこまでだったのでした。

小太りの魔女が煙を上げているゴブレットを手にして乗り込んで来たからです。落ち着き払った女性の声が「アトリウム」と言いました。金の格子が開きました。ハリーは遠くに噴水と黄金の立像群をちらりと見たのでした。

小太りの魔女がエレベーターを降りて土気色の顔をした陰気な魔法使いが乗り込んで来ました。エレベーターが下り始めた時その魔法使いが葬式のような声で「あはようアーサー」と挨拶をすると次にはこう言ったのでした。

「ここらあたりでは滅多に会わないが」

3-3.急ぎに急いで法廷へ
焦れったそうに体を上下に動かしてハリーを心配そうな目で見ながらアーサー氏は「急用でねボード」と答えました。ボード氏は瞬きもせずにハリーを観察しながら「ああそうかね。なるほど」とそう言ったというわけです。

ハリーはボード氏の事など到底気にする所ではありませんでした。だからと言って無遠慮に見詰められて気分がよくなるわけでもありませんでした。落ち着き払った女性の声が「神秘部でございます」と一言だけ言いました。

エレベーターの扉が開いたその途端アーサー氏が「早くハリー」と言って急き立てました。2人は廊下を疾走しました。そこは上のどの階とも違っていました。壁は剥き出しで廊下の突き当たりに真っ黒な扉があるだけでした。

それ以外には他に扉も窓もありません。ハリーはその扉を開けて入るのかと思いました。ところがアーサー氏はハリーの腕を掴むと左のほうに引っ張って行きました。そこにぽっかり入口が開き下への階段に続いていました。

「下だ下。こんな下まではエレベーターも来ない。一体どうしてこんな所でやるのか私には」

アーサー氏は階段を二段ずつ駆け下りながら喘ぎ喘ぎこう言いました。階段の下まで来るとまた別の廊下を走りました。そこはごつごつした石壁に松明が掛かりホグワーツのスネイプの地下牢教室に行く廊下とそっくりです。

どの扉も重そうな木製で鉄の閂と鍵穴がついていました。アーサー氏はつんのめるように止まると「法廷。10号。多分。ここいらだ。あったぞ」と言いました。巨大な鉄の錠前がついた黒々と厳めしい扉の前だったんですよね。

アーサー氏は鳩尾を押さえ壁にもたれ掛かるとゼイゼイ言いながら親指で扉を指して「さあここから入りなさい」と言いました。ハリーが「おじさんは。一緒じゃないの?」と訊くとアーサー氏はこう答えたというわけです。

「いやいや私は入れない。頑張るんだよ!」

ハリーの心臓は激しく喉仏を打ち鳴らしました。ぐっと息を呑み重い鉄の取っ手を回すとハリーは法廷に足を踏み入れたのでした。

今日の最後に
懲戒尋問の開始時間が8時に変更され加えて行われる場所が地下の10号法廷になった。アーサー氏はハリーにもう5分前に着いていなければならなかったと言っているので聞いた時間は8時5分過ぎだったという事になりますよね。

パーキンズ氏は10分前に緊急通達が来たと言っていますから場所と時間が変わったという通達が出たのは開始時間の5分前という事になりますね。これはあまりと云えばあまりにも度が過ぎた突然の時間と場所の変更ですよね。

そのためアーサー氏は大パニックの大慌てになってしまったのでした。そんな大急ぎで地下の法廷に向かうハリーが偶然出会ったのが神秘部に勤めるボードという人物でした。実はハリーは1年前にも出会っているんですよね。

クィディッチ・ワールドカップの決勝戦を観戦に行った際にウィーズリー一家のテントの脇を通って行った魔法省の職員の中にいてアーサー氏が最初は「無言者」だと紹介したのがそのボードとクローカーという人物でした。

ハリーが「え?何ですか?」と訊くとアーサー氏は「神秘部に属している。極秘事項だ。一体あの部門は何をやっているのやら」と答えていますね。魔法省に勤めているアーサー氏でさえ何をしているのか分らないそうです。

この学期末にハリーにロンとハーマイオニーにジニーとネビルそしてルーナの6人がこの「神秘部」に潜入する事になるのですが「神秘部は一体全体何をしているのか?」のほんの一部分が垣間見えるというわけなんですよね。
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