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ハリーは8月2日の夜に起った出来事をありのままに正直に話しましたが魔法大臣コーネリウス・ファッジは何度も練習して来た嘘話などと言って決して信じようとはしません。ところがずっと沈黙を守っていたダンブルドアの口からファッジにとっては衝撃の内容が飛び出して来たのでした。(全3項目)

3-1.ハリーが創り出した守護霊を巡って
ハリーの懲戒尋問はこうして始まりましたが魔法大臣コーネリウス・ファッジは矢継ぎ早に質問をして来るばかりでハリーに反論の機会を全く与えてくれません。ハリーが「はい。でも」を4回も繰り返したその後の事です。

ハリーが腹が立って来て今度こそはとばかりに「はい。でも魔法を使ったのは僕たちがあの時」とまで言ったその時でした。今度はファッジの左手に座っていた片メガネの魔女が低く響く声でハリーの言葉を遮ったのでした。

「完全な守護霊を創り出したのか?」

こう訊く片メガネの魔女にハリーは「はい」と答えた後「何故なら」とその理由を説明しようとしました。それを再び遮ると魔女は「有体守護霊か?」と訊いて来てハリーは意味が分からず「ゆ。何ですか?」と訊きました。

「創り出した守護霊ははっきりとした形を持っていたか?つまり霞か雲か以上のものだったか?」

魔女はこう訊いて来ました。何度も自分の言葉を途中で遮られ苛立っていたハリーはやけくそ気味でした。そこで「牡鹿です。いつも牡鹿の姿です」と答えるとその魔女つまりはマダム・ボーンズはハリーにこう訊きました。

「いつも?前にも守護霊を出した事があるのか?」

この問いにハリーは「はい。もう1年以上やっています」と答えました。するとマダム・ボーンズは「しかし15才なのだね?」と訊いてハリーが「そうです。そして」と答えるとその次は「学校で学んだのか?」と訊きました。

「はい。ルーピン先生に3年生の時に習いました。何故なら」

ハリーが「何故なら」とまで言った所でハリーの言葉をまたも途中で遮りマダム・ボーンズはハリーをずいっと見下ろして「驚きだ。この歳で本物の守護霊とは。まさに驚きだ」と感嘆の言葉を漏らしたというわけですよね。

周りの魔法使いや魔女は再びざわつきました。しかし何人かは頷いていたもののそれ以外は顔をしかめ頭を振っています。するとそんなハリーとマダム・ボーンズのやり取りを聞いていたファッジが苛立ってこう言いました。

「どんなに驚くべき魔法かどうかはこの際問題ではない」

3-2.咳払いをすると
ファッジは続けて「むしろこの者はあからさまにマグルの面前でそうしたのであるから驚くべきであればあるほど性質が悪いと私はそう考える!」と吼え立てました。顔をしかめていた者たちがその通りだとざわめきました。

それよりもパーシーが殊勝ぶって小さく頷いているのを見てハリーはどうしても話をせずにはいられませんでした。そこでハリーは誰にも邪魔されないように大声で「吸魂鬼のせいなんです!」とそう言ったというわけです。

ざわめきが大きくなるだろうとハリーは期待していました。ところが沈黙でした。しかも何故かこれまでよりもっと深い沈黙でした。暫くしてマダム・ボーンズが眉を吊り上げ片メガネを落としそうになってこう訊きました。

「吸魂鬼?君どういう事かね?」

ハリーは「路地に吸魂鬼が2人いたんです。そして僕と僕のいとこを襲ったんです!」と答えました。するとファッジは「ああ」と言い嫌なニヤニヤ笑いを浮かべるとウィゼンガモット法廷を見回したというわけなんですよね。

あたかも冗談を楽しもうじゃないかと誘いかけているかのようでした。そして「うんうんこんな話を聞かされるのではないかと思った」と言いました。さらにはマダム・ボーンズも度肝を抜かれたような声でこう言いました。

「リトル・ウィンジングに吸魂鬼?わけが分らない」

ファッジはまだ薄ら笑いを浮かべながら「そうだろうアメリア?説明しよう。この子は色々考え抜いて吸魂鬼がなかなか上手い口実になるという結論を出したわけだ。まさに上手い話だ」と言いその理由をこう説明しました。

「マグルには吸魂鬼が見えないからな。そうだろう君?好都合だまさに好都合だ。君の証言だけで目撃者はいない」

またしてもざわめき出した法廷に向かってハリーは大声で「嘘じゃない!二体いたんだ。路地の両端からやって来た。周りが真っ暗になって冷たくなっていとこも吸魂鬼を感じて逃げ出そうとした」と必死に訴えたのでした。

しかしファッジは小馬鹿にしたような顔で傲然と「沢山だ。もう沢山!せっかく何度も練習して来たに違いない嘘話を遮ってすまんが」と言ってハリーの言う事を全く信じようとはしません。するとそこでだったんですよね。

ハリーに対する尋問が始まってからはずっと沈黙していたダンブルドアが咳払いをしました。ウィゼンガモット法廷は再び静まり返りました。この後ダンブルドアが発した言葉はまさにファッジにとって衝撃的な内容でした。

「実は路地に吸魂鬼が存在した事の証人がおる。ダドリー・ダーズリーの他にという意味じゃが」

これを聞いてファッジのふっくら顔が誰かに空気を抜き取られたかのように弛(たる)みました。一呼吸二呼吸ダンブルドアをぐいと見下ろしてそれから辛うじて体勢を立て直した感じでファッジはこう言ったというわけです。

「残念ながらダンブルドアこれ以上戯言を聞いている暇はない。この件は早く片付けたい」

これに対してダンブルドアは「間違っておるかもしれんが」とそう前置きをした上で心地よくこう言ったのでした。ウィゼンガモット権利憲章に被告人は自分に関する事件の証人を召喚する権利を有すると確かにあるはずだ。

さらにダンブルドアはマダム・ボーンズに「これは魔法法執行部の方針ではありませんかの?」と訊きマダム・ボーンズは「その通り。全くその通り」と答えたんですよね。そこでファッジはばしりとこう言ったのでした。

「ああ結構結構。証人はどこかね?」

ファッジに証人はどこかねと訊かれてダンブルドアは「一緒に連れて来ておる。この部屋の前におるが。それではわしが?」と答え最後に自分がここに連れて来ようかと訊きましたがファッジがパーシーにこう怒鳴りました。

「いやウィーズリー。君が行け」

3-3.姿を現した証人は?
パーシーはすぐさま立ち上がると裁判官バルコニーから石段を下りてダンブルドアとハリーには一瞥もくれずに急いで脇を通り過ぎました。パーシーはすぐに戻って来ました。後ろに従っていたのはフィッグばあさんでした。

怯えた様子でいつにも増して風変りに見えました。いつものスリッパを履き替えて来る気配りが欲しかったとハリーは思いました。フィッグばあさんが来るとダンブルドアは立ち上がって自分が座っていた椅子を譲りました。

そして自分用にともう1つ椅子を取り出しました。フィッグばあさんがおどおどと椅子の端に腰掛けるとファッジが大声で「姓名は?」と訊きました。名前を訊かれてフィッグばあさんはいつものわなわな声でこう答えました。

「アラベラ・ドーリン・フィッグ」

ファッジはうんざりしたように高飛車な声で「それで何者だ?」と訊きフィッグばあさんは「あたしゃリトル・ウィンジングに住んどりましてハリー・ポッターの家の近くです」と答えました。するとだったというわけです。

「リトル・ウィンジングにはハリー・ポッター以外に魔法使いや魔女がいるという記録はない。そうした状況は常に厳密にモニターして来た。過去の事件が事件だけに」

マダム・ボーンズが即座にこう言いました。するとフィッグばあさんは「あたしゃ出来損ないのスクイブで。だからあたしゃ登録なんかされていませんでしょうが?」と言いました。ファッジは疑わしげにじろりと見ました。

「スクイブえ?それは確かめておこう。助手のウィーズリーに両親についての詳細を知らせておくよう。ところでスクイブは吸魂鬼が見えるのかね?」

そしてファッジは裁判官席の左右を見ながらこう言いました。するとフィッグばあさんは怒ったように「見えますともさ!」と言いました。ファッジは今度は眉を吊り上げ再びフィッグばあさんを見下ろしたというわけです。

そして「結構だ」と言ったその後に超然とした様子を装いながら「話を聞こうか?」と言ったというわけなんですよね。

今日の最後に
魔法大臣コーネリウス・ファッジはハリーが吸魂鬼に襲われた話を始めると嫌なニヤニヤ笑いを浮かべてウィゼンガモット法廷を見回しました。あたかも冗談を楽しもうじゃないかと誘いかけているかのようだったそうです。

さらにファッジはハリーは色々考え抜いて吸魂鬼がなかなか上手い口実になると結論を出した。何故ならマグルには吸魂鬼が見えないからハリーの証言だけで目撃者はいない。だからハリーにとっては好都合だと言うのです。

そしてハリーが「嘘じゃない!」と言って吸魂鬼に襲われた時の状況を詳しく具体的に説明するとファッジは何度も練習して来たに違いない嘘話を聞かされるのは沢山だとも言っています。ハリーの話を信じようとしません。

ハリーがグリモールド・プレイス12番地に入った最初の夜にハーマイオニーは「日刊予言者新聞」はハリーを思い込みの激しい目立ちたがり屋で自分を悲劇のヒーローと思っているみたいな書き方をしていると言っています。

それはハリーの事を全く信用できない人間に仕立て上げようとしている。ファッジが糸を引いているに決まっているとハーマイオニーは言うのです。でも尋問でのハリーとファッジのやり取りを見ていると違うと思いますね。

私はファッジは仕立て上げようとしているのではなく心の底からハリーは思い込みの激しい目立ちたがり屋で自分を悲劇のヒーローと思っているんだとそう考えていると私は思いますね。実際にそうだと思ってるんですよね。

ファッジにしてみれば事実を新聞に報道させて何がいけないんだという事なんでしょうね。でもそれは明らかに事実誤認以外の何物でもないですよね。ハリーは絶対に思い込みの激しい目立ちたがり屋ではありませんからね。
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