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ハリーにとってはまさかという感じの展開で懲戒尋問は「吸魂鬼は本当に存在したのか?」が最大にして唯一の争点になりました。しかしその議論を主にしたのはファッジとダンブルドアの2人でした。そしてハリーには意外なほどに早くダンブルドアが評決を促して・・・(全3項目)

3-1.吸魂鬼の存在を巡って
自分はきっと誤解している。愚かにも自分はほんの一瞬だがまるでダンブルドアが魔法省が命令してハリーを襲わせたと言っているように聞こえた。ファッジの右手に座っていたドローレス・アンブリッジはこう言いました。

その時ドローレス・アンブリッジは愛想笑いを浮かべていましたが大きな丸い目は冷ややかでした。アンブリッジ上級次官にそう言われてダンブルドアはこう言葉を返したんですよね。あくまでも礼儀正しく述べたのでした。

「吸魂鬼が魔法省からしか命令を受けない事が確かだとなればそして1週間前二体の吸魂鬼がハリーといとこを襲った事が確かだとなれば論理的には魔法省の誰かが襲うように命令したという事になるじゃろう」

こう述べた上でダンブルドアは「もちろんこの二体の吸魂鬼が魔法省の制御できない者だったという可能性は」と続けて言ったのでした。ダンブルドアのこの言葉を聞きファッジは真っ赤になってこう噛みついたんですよね。

「魔法省の統制外にある吸魂鬼はいない!」

するとダンブルドアは軽く頭を下げ「それなれば魔法省は必ずや徹底的な調査をなさる事でしょう。2人の吸魂鬼が何故アズカバンからあれほど遠くにいたのか。何故承認も受けず襲撃したのか」とそう言ったというわけです。

「魔法省が何をするかしないかはダンブルドアあなたが決める事ではない」

ファッジはこう言ってダンブルドアに再び噛みつきました。今度のファッジはバーノン叔父さんも感服をするような赤紫色の顔でした。それを受けてダンブルドアはあくまでも穏やかにこう言ったというわけなんですよね。

「もちろんじゃ。わしはただこの件は必ずや調査がなされるものと信頼しておると述べたまでじゃ」

こう言うとダンブルドアはマダム・ボーンズをちらりと見ました。そのマダム・ボーンズは片メガネを掛け直し少し顔をしかめてダンブルドアをじっと見返したのでした。するとファッジが一同にこう述べたというわけです。

「各位に改めて申し上げる。これら吸魂鬼がもし本当にこの少年のでっち上げでないとしたならだがその行動は本件の審理事項ではない!」

ファッジは続けて「本法廷の事件はハリー・ポッターの尋問であり未成年魔法使いの妥当な制限に関する法令の違反事件である!」と言いました。要は吸魂鬼がいたのかいなかったのかと今回の尋問は関係ないという事です。

3-2.いつの間にやら激論に?
そう言うファッジにダンブルドアは「もちろんじゃ」と応えつつも「しかし路地に吸魂鬼が存在したという事は本件に於いて非常に関連性が高い」と返す言葉でファッジの主張を真っ向から否定しその理由をこう述べました。

それは法令第7条によれば例外的状況に於いてはマグルの前で魔法を使う事が可能である。その例外的状況に含まれる事態とは魔法使いもしくは魔女自身やその時その場に存在する人々の生命が脅かされた場合というわけです。

これは12番地でハリーがハーマイオニーにシリウスとルーピンから言われていた事でもあるんですよね。そのためファッジは「第7条は熟知している。余計な事だ!」と唸ったのでした。するとダンブルドアはこう言いました。

「もちろんじゃ。それなれば我々は同意見となる。ハリーが守護霊の呪文を行使した状況はこの条項に述べられる如くまさに例外的状況の範疇に属するわけじゃな?」

恭しくこう言ったダンブルドアにファッジは「吸魂鬼がいたとすればだ。有り得んが」と言いました。あくまでもハリーの吸魂鬼がいたという主張は認めないというわけです。それに対しダンブルドアはこう口を挟みました。

「目撃者の証言をお聞きになりましたな。もし証言の信憑性をお疑いなら再度召喚し喚問なさるがよい。証人に異存はないはずじゃ」

これにファッジは「私は。それは。否だ。それは。私は本件を今日中に終わらせたいのだ。ダンブルドア!」と目の前の羊皮紙を掻き回しながら哮(たけ)り狂いました。そんなファッジにダンブルドアはこう言ったのでした。

「しかし重大な誤審を避けんとすれば大臣は当然何度でも証人喚問をなさる事を厭わぬはずじゃ」

するとファッジはあらん限りの声を振り絞って「重大な誤審まさか!」と言いました。そしてこの少年が学校外で魔法を不正使用してそれをごまかすのに何度でっち上げ話をしたか数え上げた事があるのかと訊いたのでした。

その例の1つとして3年前の浮遊術事件を挙げたというわけです。それを聞いてハリーは「あれは僕じゃない。屋敷しもべ妖精だった!」と反論せずにはいられませんでした。しかしファッジはそれも嘘だと言いたいようです。

ファッジは「そーれ聞いたか?」と吼えて派手な動作でハリーを指すと「しもべ妖精!マグルの家で!どうだ」と言いました。しかし今回もまたダンブルドアは負けてはいませんでした。ファッジにこう反論したのでした。

「問題の屋敷しもべ妖精は現在ホグワーツ校に雇われておる。ご要望とあらばすぐにでもここに召喚し証言させる事ができる」

これにファッジは「私は。否。しもべ妖精の話など聞いている暇はない!」と叫ぶと続けてハリーはそれだけではなく自分の叔母を膨らませた。言語道断だと叫び拳で裁判官のデスクを叩いてインク瓶を引っくり返しました。

それに対してダンブルドアは「そして大臣はご厚情をもってその件は追及しない事になさった」と反論しました。それは最良の魔法使いでさえも自分の感情を常に抑える事はできないと認めたからだとその理由を説明しました。

ファッジはノートにかかったインクを拭き取ろうとしながら「さらに私はまだこの少年が学校で何をやらかしたかに触れていない」と言いました。これにダンブルドアはあくまでも相変わらず丁寧にこう反論をしたのでした。

「しかし魔法省はホグワーツの生徒の学校に於ける不品行について罰する権限をお持ちではありませんな。学校に於けるハリーの態度は本件とは無関係じゃ」

たとえ丁寧でもダンブルドアの言葉の裏には今や冷やかさが漂っていました。ダンブルドアの物言いを聞いてファッジは「おっほー!学校で何をやろうと魔法省は関係ないと?そうですかな?」と言い放ったというわけです。

さらにダンブルドアはファッジにこうも言いました。魔法省にはホグワーツの生徒を退学にする権限はない。8月2日の夜に念を押したはずだ。さらに罪状が黒とはっきり証明されるまで杖を取り上げる権限もないんだそうです。

これも8月2日の夜に念を押したのだそうです。大臣は法律を擁護せんとの情熱が放っておけないので性急に事を運ぶあまりどうやらうっかりに相違ないが他の幾つかの法律を見逃しているようだとダンブルドアは言うのです。

するとファッジは邪険にこう言いました。

「法律は変えられる」

3-3.評決
それに対してダンブルドアは「その通りじゃ」と言ったその後に皮肉たっぷりにファッジにこう言ったのでした。君はどうやら随分法律を変えるつもりらしいのう。それはハリーが今受けている懲戒尋問もそうなのだそうです。

自分がウィゼンガモットを去るように要請されてからほんの2~3週間の間に単なる未成年者の魔法使用の件を扱うのに何と刑事事件の大法廷を召集するやり方になってしまった!ダンブルドアのこの指摘は痛かったようです。

後列の魔法使いが何人かいかにも居心地が悪そうに座り直しました。ファッジの顔はさらに深い暗褐色になりました。しかしファッジの右側のガマガエル魔女つまりドローレス・アンブリッジは顔色1つ変えはしませんでした。

そしてダンブルドアをぐっと見据えていたのでした。ダンブルドアは話し続けました。自分の知る限り現在の法律のどこをどう探しても本法廷がハリーのこれまで使った魔法を逐一罰する場であるとは書いていないそうです。

ハリーが起訴されたのはある特定の違反事件であり被告人はその抗弁をした。ダンブルドアは「被告人とわしが今できる事はただ評決を待つ事のみじゃ」と言うと再び指を組んでそれ以上は何も言わなかったというわけです。

ファッジは明らかに激怒してダンブルドアを睨んでいました。ハリーは大丈夫なのかどうか確かめたくて横目でダンブルドアを見ました。ウィゼンガモットに対してダンブルドアが事実上すぐ評決を促したのは正しいのか?

ハリーはその確信が持てませんでした。ところがまたしてもダンブルドアはハリーが視線を合わせようとしている事に気づかないかのように裁判官席を見つめたままです。ウィゼンガモット法廷は慌ただしくなっていました。

全員がひそひそ話を始めていました。ハリーは足元を見つめました。心臓が不自然な大きさに膨れ上がったかのように肋骨の下で激しく鼓動をしていました。ハリーは尋問の手続きはもっと長くかかるとそう思っていました。

自分が良い印象を与えたのかどうか全く確信が持てませんでした。まだほとんどしゃべっていない。吸魂鬼の事や自分が倒れた事に自分とダドリーがどう襲われたのかをもっと完全に説明すべきだったと後悔もしたのでした。

ハリーは二度ファッジを見上げ口を開きかけました。しかしそのたびに膨れた心臓が気道を塞いでハリーは深く息を吸っただけで再び下を向いて自分の靴を見つめるしかありませんでした。そしてその時に囁きが止みました。

ハリーは裁判官たちを見上げたいとそう思いました。でも靴紐を調べ続けるほうがずっと楽だと判りました。マダム・ボーンズがウィゼンガモットの裁判官たちに「被告人を無罪放免とする事に賛成の者?」と言いました。

ハリーはぐいと頭を上げました。手が沢山それも半分以上挙がっていました。息を弾ませながらハリーは数えようとしましたがハリーが数え終わる前にマダム・ボーンズは「有罪に賛成の者?」と言ってしまったのでした。

ファッジの手が挙がりました。その他5~6人の手が挙がりました。右側の魔女つまりドローレス・アンブリッジと先程フィッグばあさんが証言している時に囁いていた魔法使いと笑って頷いた魔女も手を挙げていたのでした。

ファッジは全員をざっと見渡し何か喉に大きな物が詰まったような顔をしたかと思うと手を下しました。2回大きく息を吸い怒りを抑えつける努力に歪んだ声でファッジは「結構結構。無罪放免」と言ったというわけですよね。

ダンブルドアは軽快な声で「上々」と言うと素早く立ち上がって杖を取り出すと自分が出した二脚のチンツ張りの椅子を消し去りました。そして「さてわしは行かねばならぬ。さらばじゃ」と言うと法廷を後にしたのでした。

ダンブルドアはついに最後の最後までハリーを一度も見ようとせず速やかに法廷を立ち去って行ってしまったのでした。

今日の最後に
当サイトではそれはもう何度も何度も取り上げて来たこの場面ですが改めてまた読み返すと様々な思いが込み上げて来ますね。ハリーはドローレス・アンブリッジ上級次官とは思わぬ形で再会をする事になるというわけです。

ダンブルドアもまた口調は丁寧なのですが最後の最後には皮肉をたっぶり利かせた言葉まで言い思いっ切り魔法大臣コーネリウス・ファッジを挑発して激怒させています。これもハリーの懲戒尋問に出廷した目的の1つでした。

こうしてダンブルドアの尽力によりハリーはめでたく無罪放免という評決をいただきました。しかし何故ハリーはこの懲戒尋問で無罪放免を勝ち取る事ができたのか?私はダンブルドアが言ったこの言葉が効いたと思います。

「わしがウィゼンガモットを去るように要請されてからのほんの2~3週間の間に単なる未成年の魔法使用の件を扱うのに何と刑事事件の大法廷を召集するやり方になってしもうたとは!」

本来ならこのハリーの懲戒尋問はファッジの左手に座っていた魔法法執行部部長のアメリア・ボーンズことマダム・ボーンズが1人で行うはずだったんですよね。だから後列にいる裁判官にはハリーを裁く資格など全くない。

ダンブルドアはそう言いたかったんだと私は思いますね。
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