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被告側の証人として出廷したダンブルドアの尽力で無事懲戒尋問で無罪放免を勝ち取ったハリーでしたが実はシリウスがその結果を心底喜んではいないというハリーにとっては悩ましい憂いを抱える事になってしまいました。そして夏休み最終日に学校からようやく手紙が届いて・・・(全3項目)

3-1.シリウスの事で
実はシリウスは自分が無罪放免になった事を喜んでいない。それを知ったハリーが自分の気持ちの一端をロンとハーマイオニーに打ち明けると2人の意見は分かれました。ハーマイオニーは厳しくもこう応えたというわけです。

「自分を責める事はないわ!あなたはホグワーツに帰るべきだしシリウスはそれを知ってるわ。個人的に言わせて貰うとシリウスはわがままだわ」

一方ロンは指にこびりついた黴を取ろうと躍起になって顔をしかめながら「それはちょっときついぜハーマイオニー。君だってこの屋敷に独りぼっちで釘づけになってたくないだろう」と反論をしたというわけなんですよね。

「独りぼっちじゃないわ!ここは不死鳥の騎士団の本部じゃない?シリウスは高望みしてハリーがここに来て一緒に住めばいいと思ったのよ」

ロンにこう言葉を返すハーマイオニーにハリーは雑巾を絞りながら「そうじゃないと思うよ。僕がそうしてもいいかって訊いた時シリウスははっきり答えなかったんだ」とそう言いましたがハーマイオニーはこう応えました。

「自分であんまり期待しちゃいけないと思ったんだわ。それにきっと少し罪悪感を覚えたのよ。だって心のどこかであなたが退学になればいいって願っていたと思うの。そうすれば2人とも追放された者同士になれるから」

ハーマイオニーは明晰でした。でもあまりと云えばあまりにも情け容赦ないとも言えるでしょうね。そのためハリーとロンは同時に「辞めろよ!」と言いました。しかしハーマイオニーは肩をすくめるとこう言ったのでした。

「いいわよ。だけど私時々ロンのママが正しいと思うの。シリウスはねえハリーあなたがあなたなのかそれともあなたのお父さんなのか混乱してる時があるわ」

これにハリーは「じゃ君はシリウスが少しおかしいって言うのか?」と熱くなって言いました。これに対しハーマイオニーは「違うわ。ただシリウスは長い間独りぼっちで寂しかったと思うだけ」とさらりと言い切りました。

3-2.新学期が近づいて来ると
この時ウィーズリーおばさんが3人の背後から部屋に入って来て戸棚に首を突っ込むと「まだ終わらないの?」と訊きました。ハーマイオニーのシリウスに対する物言いに苛立っていたのか?ロンは苦々しげにこう言いました。

「休んだらどうかって言いに来たのかと思ったよ!この屋敷に来てから僕たちがどんなに大量の黴を処理したかご存知ですかね?」

するとおばさんは「あなたたちは騎士団の役に立ちたいととても熱心でしたね。この本部を住める状態にする事でお役目が果たせるのですよ」と言いました。これにロンは「屋敷しもべみたいな気分だ」と文句を言いました。

「さあしもべ妖精がどんなにひどい暮らしをしているかやっと判ったようだからもう少しSPEWに熱心になってくれるでしょ!」

おばさんが3人に任せて出て行った後にハーマイオニーは期待を込めてこう言いました。さらには「ねえもしかしたらお掃除ばかりしている事がどんなにひどいかをみんなに体験させるのも悪くないかもね」と言い出しました。

グリフィンドールの談話室を磨き上げるスポンサーつきのイベントをやり収益は全て「SPEW」に入れる事にするんだそうです。意識も高まるし基金も貯まるのだそうです。ロンはハリーにしか聞こえない声でこう呟きました。

「僕、君が反吐(SPEW)の事を言わなくなるためのスポンサーになるよ」

夏休みの終わりが近づくとハリーはホグワーツの事をますます頻繁に思い出すようになりました。早くハグリッドに会いたい。クィディッチをしたい。薬草学の温室に行くのに野菜畑をのんびり横切るのもいいと思いました。

この埃っぽい黴だらけの屋敷を離れられるだけでも大歓迎と思いました。ここ12番地では戸棚の半分にまだ閂が掛かっているしクリーチャーが通りがかりの者に暗がりから悪態をつく。その一方でハリーはこう気遣いました。

それはシリウスに聞こえる所ではクリーチャーはそんな悪態は言わないようにという事でした。事実として反ヴォルデモート運動の本部で生活をしていても特に面白いというわけではないという事がハリーは判ったのでした。

経験してみるまではハリーにはそれが分りませんでした。騎士団のメンバーが定期的に出入りし食事をして行く時もあれば時には僅か数分間のひそひそ話だけの事もありました。でもウィーズリーおばさんが邪魔するのです。

おばさんが騎士団員ではないハリーや他の子供たちの耳には本物にも「伸び耳」にも届かないようにしていました。誰も彼もシリウスでさえもここ12番地に到着した夜に聞いた事以外はハリーは知る必要がないと考えている。

そのようでした。そうこうする内に夏休み最後の日が訪れハリーは自分の寝室の洋箪笥の上を掃きヘドウィグの糞を掃除していました。そこへロンが封筒を二通持って入って来て「教科書のリストが届いたぜ」と言いました。

椅子を踏み台にして立っているハリーにロンは封筒を1枚投げてよこして「遅かったよな。忘れられたかと思ったよ。普通はもっと早く来るんだけど」と言ったのでした。ハリーはヘドウィグの糞をゴミ袋へと掃き入れました。

そしてそのゴミ袋をロンの頭越しに投げて隅の紙クズ籠に入れました。籠は袋を飲み込んでゲブッと言いました。ハリーが手紙を開くと羊皮紙が2枚入っていて1枚はいつものように9月1日に学期が始まるというお知らせでした。

もう1枚は新学期に必要な本が書いてある。つまりは教科書リストでした。

3-3.驚くフレッドとジョージ
「新しい教科書は2冊だけだ」こう言うとハリーは読み上げました。その2冊とはミランダ・ゴズホーク著の「基本呪文集・5学年用」とウィルバート・スリンクハード著の「防衛術の理論」でした。その時の事だったのでした。

「バシッ」と音がしてフレッドとジョージがハリーのすぐ脇に「姿現わし」しました。ハリーももう慣れていたので椅子から落ちる事もありませんでした。フレッドが至極当たり前といった感じの口調でこう言ったのでした。

「スリンクハードの本を指定したのは誰かって2人で考えてたんだ」

この言葉を受けてジョージが「何故ってそれはダンブルドアが闇の魔術に対する防衛術の先生を見つけた事を意味するからな」と言いフレッドが「やっとこさだな」と言うのでハリーは椅子から下りて2人のそばに立ちました。

そして「どういうこと?」と訊きました。すると何でもフレッドによれば2~3週間前に両親のウィーズリー夫妻が話しているのを「伸び耳」で聞いた所によるとダンブルドアは今年は先生探しにとても苦労していたそうです。

「この4年間に起こった事を考えりゃそれも当然だよな?」

ジョージがこう言いました。ハリーが指折り数えながら「1人は辞めさせられ1人は死んで1人は記憶がなくなり1人は9ヵ月もトランク詰め」と言ったその後「うん君たちの言う通りだな」と言って同意したというわけですよね。

するとここでフレッドが「ロンどうかしたか?」と訊きました。フレッドの問いにロンは答えませんでした。ハリーが振り返るとロンは口を少し開けてホグワーツからの手紙をじっと見つめ身動きせずに突っ立っていました。

フレッドが焦れったそうに「一体どうした?」と訊くとロンの後ろに回り込んで肩越しに羊皮紙を読みました。フレッドの口もぱっくりと開きました。そして目を丸くして手紙を見つめフレッドは「監督生?」と言いました。

ジョージも「監督生?」と繰り返すと飛び出してロンがもう片方の手に持っている封筒を引っ掴んで逆さまにしました。すると何と封筒の中から赤と金の何かがジョージの手の平に落ちるのをハリーは見たというわけです。

ジョージは声を潜めて「まさか」と言いました。

今日の最後に
昨年度ハリーは夏休み中に額の傷痕に痛みが走ったと知らせた事でシリウスが帰国する事となりました。それ以来ハリーとシリウスは頻繁に手紙のやり取りをするようになってさらにそれに拍車をかける出来事が起きました。

それはホグワーツで百年以上ぶりに復活開催される事になった三大魔法学校対抗試合の代表選手にハリーがなった事でした。特に最後の「第3の課題」の時にはシリウスは毎日のようにハリーに手紙を送って来たんですよね。

それは「第2の課題」終了後にハリーたち3人がシリウスの隠れ家を訪ねてシリウスが食べ物の確保に苦労している事を知ってそれからはハリーが毎日のようにふくろうでシリウスに食料を届けていたからというわけですよね。

こうしてシリウスはハリーの心の支えになってくれました。しかしヴォルデモートが復活してふくろうが途中で捕まる可能性もある。そのため昨年度のように頻繁に手紙をやり取りできなくなるかもしれないというわけです。

加えてここグリモールド・プレイス12番地にはシリウスに誹謗中傷の言葉を情け容赦なく浴びせかける屋敷しもべ妖精のクリーチャーがいる。シリウスもまた未だに指名手配中なので12番地を離れる事ができないんですよね。

こんな所にシリウスを置いてホグワーツに帰りたくない。ハリーにしてみればそれが悩ましいというわけなんですよね。
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