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母親のウィーズリーおばさんの喜びようと興奮ぶりを見て苦笑いを浮かべるフレッドとジョージだったのですが一方ハリーのほうは1人になってみると様々な思いが込み上げて来て自問自答する事となったのでした。そして散々色々考えた挙句にハリーの出した結論は?(全3項目)

3-1.母親の興奮ぶりを見て
ご褒美をあげなくっちゃ!でも新しいドレス・ローブはフレッドとジョージから貰ってしまった。それじゃチャーリーのお古は錆びて穴が空いて来たので新しい大鍋か?それとも新しいペットのネズミなんかはどうだろう?

ロンはスキャバーズの事を可愛がっていた。監督生のお祝いに何を買ってあげようかとウィーズリーおばさんがあれこれ言っているとロンはそんな母親に期待を込めて新しい箒は駄目かとそう訊いたというわけなんですよね。

おばさんの顔が少し曇りました。箒は高価なのです。するとロンは「そんなに高級じゃなくていいい!ただ。ただ一度ぐらい新しいのが」と急いで付け足しました。おばさんは若干逡巡しましたが笑顔を見せこう言いました。

「もちろんいいですとも。さあ箒も買うとなるともう行かなくちゃ。みんなまた後でね。ロニー坊やが監督生!みんなちゃんとトランクに詰めるんですよ。監督生。ああ私どうしていいやら!」

おばさんはロンの頬にもう一度キスすると大きく洟(はな)を啜(すす)って興奮して部屋を出て行きました。それを見てフレッドとジョージは顔を見合せました。母親の興奮ぶりを見て「何じゃありゃ」と思ったんでしょうね。

フレッドがいかにも心配そうな作り声で「僕たちも君にキスしなくていいのかいロン?」と言いました。次にジョージが「跪(ひざまず)いてお辞儀してもいいぜ」と言ってロンは「馬鹿辞めろよ」と言って2人を睨みました。

フレッドは悪戯っぽい笑いを顔に広げ「さもないと?罰則を与えるかい?」と言いジョージは「やらせてみたいねぇ」と言うと鼻先で笑いました。そんなフレッドとジョージにハーマイオニーが怒ったようにこう言いました。

「気をつけないとロンは本当にそうできるんだから!」

3-2.最後には1人になって
意に介さない様子でフレッドとジョージはゲラゲラ笑い出しました。ロンは「辞めてくれよハーマイオニー」とモゴモゴ言いました。そんなロンを見て取ってフレッドは震えるふりをしてこう言ったというわけなんですよね。

「ジョージ俺たち今後気をつけないとな。この2人が我々にうるさくつきまとうとなると」

これにジョージは顔を振り振り「ああ我らが規則破りの日々もついに終わりか」と応えました。そしてフレッドとジョージは「姿くらまし」しました。天井を通して今度は上の部屋から2人が大笑いするのが聞こえて来ました。

ハーマイオニーは天井を睨んで怒ったように「あの2人ったら!」と言い「あの2人の事はロン気にしないのよ。妬っかんでるだけなんだから!」と言いました。でもロンはやはり天井を見上げながら違うという顔をしました。

「そうじゃないと思うな。あの2人監督生になるのはアホだけだっていつも言ってた」

こう言った後ロンは今度はうれしそうに「あの2人は新しい箒を持った事なんかないんだから!ママと一緒に行って選べるといいのに。ニンバスは絶対買えないだろうけど新型のクリーンスイープが出てるんだ」と言いました。

「あれだといいな。うん僕ママの所に行ってクリーンスイープがいいって言って来る。ママに知らせておいたほうが」

続けてこう言いロンは部屋を飛び出して行きハリーとハーマイオニーだけ取り残されました。何故かハリーはハーマイオニーのほうを見たくありませんでした。おばさんが置いていってくれた清潔なローブの山を抱えました。

そしてトランクのほうに歩きました。そんなハリーの気持ちを察したのか?ハーマイオニーは躊躇いがちに「ハリー?」と声を掛けて来ました。元気過ぎて自分の声ではないようでハリーは目を逸らしたままこう言いました。

「おめでとうハーマイオニー。良かったね。監督生。素晴らしいよ」

ハーマイオニーは「ありがとう」とお礼の言葉を言うと引き続き躊躇いがちな口調でヘドウィグを借りたいと申し出て来ました。両親に知らせたいんだそうです。喜ぶと思う。監督生はあの2人にも判る事だからだそうです。

ハリーは再び普段とは違う恐ろしいほど元気一杯な声で「うんいいよ。使ってよ!」と言いました。そしてトランクに屈み込み一番底にローブを置き何かを探すふりをしました。ハーマイオニーは洋箪笥のほうに行きました。

それからヘドウィグを呼びました。暫く経って扉が閉まる音がしました。ハリーは屈んだまま耳を澄ましていました。壁の絵のない絵がまた冷やかし笑いをする声と隅のクズ籠がふくろうの糞を吐き出す声だけ聞こえました。

ハリーは体を起こして振り返りました。ハーマイオニーとヘドウィグはもういませんでした。ハリーはゆっくりとベッドに戻って腰掛けました。そして見るともなく洋箪笥の足元を見ました。5年生になると監督生が選ばれる。

その事をハリーはすっかり忘れていました。退学になるかもしれないとそう心配するあまりバッジが何人かの生徒に送られて来る事を考える余裕がなかったのです。もしその事を覚えていたなら。その事を考えたとしたなら。

何を期待しただろうか?

3-3.激しい自問自答の末に
頭の中で正直な声が小声で「こんなはずじゃない」と言いました。ハリーは顔をしかめ両手で顔を覆いました。自分に嘘はつけない。監督生のバッジが誰かに送られて来ると知っていたら自分の所に来ると期待したはずだ。

ロンの所じゃない。自分はドラコ・マルフォイと同じ威張り屋なんだろうか?自分は他のみんなより優れていると思っているんだろうか?本当に自分はロンより優れていると考えているのか?ハリーは自問自答したのでした。

小さな声が「違う」と抵抗しました。ハリーは恐る恐る自分の心をまさぐり「本当に違うのか?」と問いかけました。声が「僕はクィディッチではより優れている。だけど僕は他の事では何も優れてはいない」と答えました。

それは絶対に間違いないとハリーは思いました。自分はどの科目でもロンより優れてはいない。だけどそれ以外では?自分とロンとハーマイオニーの3人でホグワーツ入学以来色々冒険をしたし退学よりも危険な目にも遭った。

ハリーの頭の中の声が「そうロンもハーマイオニーも大抵僕と一緒だった」と言いました。だけどいつも一緒だったわけではありませんね。ロンとハーマイオニーはトム・リドルやバジリスクと戦う事はなかったんですよね。

3年生の学期末シリウスが逃亡したあの晩に吸魂鬼を追い払ったのもロンでもハーマイオニーでもなくハリーでした。ヴォルデモートが蘇ったあの晩ロンとハーマイオニーはハリーと一緒に墓場にはいなかったというわけです。

こんな扱いは不当だという思いが込み上げて来ました。ここ12番地に到着した晩に突き上げて来た思いと同じでした。自分のほうが絶対色々やって来た。ハリーは腸が煮えくり返る思いでした。自分のほうが色々成し遂げた。

2人よりもだ。そう思う一方小さな公正な声が「だけど多分」と言いました。多分ダンブルドアは幾多の危険な状況に首を突っ込んだからといってそれで監督生を選ぶわけじゃない。他の理由で選ぶかもしれないと言いました。

ロンは自分の持っていない何かを持っていて。こう考えた所でハリーは目を開け指の間から洋箪笥の猫足形の脚を見つめるとフレッドの言った「正気でロンを監督生にする奴ぁいないぜ」という言葉を思い出していたのです。

ハリーは思わず吹き出しました。そのすぐ後で自分が嫌になりました。監督生バッジをくれとロンがダンブルドアに頼んだわけじゃない。ロンが悪いわけではない。ロンの一番の親友の自分が監督生のバッジを貰えなかった。

だからと言って拗ねたりするのか?フレッドにジョージと一緒になってロンの背後で笑うのか?ロンが初めて何か1つ自分に勝ったというのにロンのその気持ちに水を注(さ)す気か?ハリーはそう結論を出したというわけです。

今日の最後に
2年生の時にトム・リドルにバジリスクと戦い3年生の時にはハリーは百体もの吸魂鬼を追い払いました。さらに4年生の時にはハリーはリトル・ハングルトンの教会墓地で復活したばかりのヴォルデモートと戦いもしましたね。

自分のほうが絶対色々やって来た。自分のほうが色々成し遂げた。だから当初ハリーは自分が監督生に選ばれないのは不当だとそう思ったというわけです。でも自問自答している内にハリーは気持ちが変わって来たのでした。

多分ダンブルドアは幾多の危険な状況に首を突っ込んだからといってそれで監督生を選ぶわけじゃない。監督生バッジをくれとロンが頼んだわけじゃない。ロンが悪いわけではない。ハリーはそう考えるようになったのです。

でも私はハリーは思い違いをしている部分もあるとそう思いますね。自分はどの科目でもロンより優れてはいない。これは違うと私は思いますね。ハリーは「闇の魔術に対する防衛術」はロンよりも優れていると思いますね。

何はともあれハリーは自問自答の末にロンの監督生任命を心から祝ってやろうじゃないかとそう思うに至ったというわけなんですよね。
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