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これも毎年9月恒例のシリーズ物という事になっています。ハリーは夏休み中に吸魂鬼に襲われて危うく退学かという出来事があったため新学期初日にホグワーツ特急に乗る時には「本当に帰るんだ」と心が高まるのを感じました。しかしそんな気持ちも長続きはしなかったのでした。(全3項目)

3-1.新学期初日に大広間に入って
ハリーは5年生の新学期初日を迎えたこの日キングズ・クロス駅の9と3/4番線に立ち懐かしい匂いを吸い込んで「本当に帰るんだ」と心が高まるのを感じました。それはこの夏休みに衝撃的な出来事がハリーを襲ったからです。

プリベット通りから程近い所でハリーは吸魂鬼に襲われ「守護霊の呪文」を使う事を余儀なくされました。そのため懲戒尋問に出廷する事になってハリーはホグワーツ退学の瀬戸際に立たされる事になってしまったのでした。

幸い被告側証人として出廷したダンブルドアのお陰でハリーは無罪放免を勝ち取る事ができ学校に戻れる事になりました。しかしハリーが9と3/4番線で感じた心の高まりはホグワーツ特急に乗って雲散霧消してしまいました。

「日刊予言者新聞」はこの夏中読者に対してハリーの事を嘘つきの目立ちたがり屋だと吹聴していました。ハリーが空いたコンパートメントを探して列車の廊下を歩いているとそういった視線に晒される事となったのでした。

自分を見つめたりひそひそ話をした生徒たちはそんな記事を信じたのだろうかとハリーは寒々とした気持ちになりました。それはホグズミード駅から馬車に乗り城に着いて大広間に入った時も同じ事を感じたというわけです。

玄関ホールには松明が燃え石畳を横切り右の両開き扉へ進む生徒たちの足音が反響していました。その扉の向こうには新学期の宴が行われる大広間があります。大広間に入ると4つの寮の長テーブルがいつものようにあります。

そこに生徒たちが次々と着席していました。高窓から垣間見える空を模した天井は星もなく真っ暗です。テーブルに沿って浮かぶ蝋燭は大広間に点在する真珠色のゴーストと生徒たちの顔を照らしていたというわけですよね。

生徒たちは夏休みの話に夢中で他の寮の友達に大声で挨拶をしたり新しい髪型やローブをちらちら眺めたりしていました。ここでもハリーは自分が通る時に生徒たちが額を寄せ合いひそひそ話をする事に気がついたのでした。

ハリーは歯を食い縛り何も気づかず何も気にしないふりをしました。

3-2.ハーマイオニーが指差した魔女
レイブンクローのテーブルの所で今回初めてホグワーツ特急でハリーたち3人と同じコンパートメントになったルーナ・ラブグッドがふらりと離れて行きました。そしてそれはまたジニーも同じだったというわけなんですよね。

ジニーもグリフィンドールのテーブルに到着するや否や同学年の4年生に呼びかけられ一緒に座るために別れて行きました。ハリーにロンとハーマイオニーそれにネビルはテーブルの中程に一緒に座れる席を見つけたのでした。

隣にはグリフィンドールのゴースト「ほとんど首なしニック」が反対側にはパーバティ・パチルとラベンダー・ブラウンが座っていました。この2人はハリーに対して何だかふわふわした親しみを込め過ぎる挨拶をしました。

そのためハリーはこの2人が直前まで自分の噂話をしていたに違いないと思いました。しかしハリーにはもっと大切な気がかりな事がありました。ハリーは生徒の頭越しに大広間の一番奥の壁際の教職員テーブルを眺めました。

「あそこにはいない」

ロンとハーマイオニーも教職員テーブルを隅から隅まで眺めました。ハリーたちがホグズミード駅のホームに立った時そこにはハグリッドの姿はなく1年生にこっちへおいでと言っていたのはグラブリー・プランク先生でした。

そもそも隅から隅まで眺めなくともそんな必要はありません。ハグリッドの大きさならどんな列の中でもすぐに見つかるからです。ロンは少し心配そうに「辞めたはずはないし」と言いハリーはきっぱりこう言ったのでした。

「そんなこと絶対ない」

ハーマイオニーは不安そうに「もしかして怪我しているとかそう思う?」と訊いて来てハリーが即座に「違う」と答えるとハーマイオニーは「だってそれじゃどこにいるの」と言いましたが一瞬間を置いたその時の事でした。

「まだ戻って来てないのかも。ほら。任務から。ダンブルドアのためにこの夏にやっていた事から」

ハリーがネビルやパーバティそれにラベンダーに聞こえないように至極小さな声でこう言いました。するとロンが「そうか。うんきっとそうだ」と納得したように言いました。しかしハーマイオニーはまだ唇を噛んでいます。

そして再び教職員テーブルを端から端まで眺めました。その様子はハグリッド不在の理由をもっと決定的に説明するものを探しているかのようでした。ハーマイオニーは教職員テーブルの真ん中を指差し鋭くこう言いました。

「あの人。誰?」

ハリーはハーマイオニーの視線を追いました。最初はダンブルドア校長が目に入りました。教職員テーブルの中心に銀の星を散らした濃い紫のローブにお揃いの帽子を被って背もたれの高い金色の椅子に座っていたのでした。

ダンブルドアは隣の魔女のほうに首を傾け魔女がその耳元に何かを話していました。ハリーの印象ではその魔女はそこいらにいるおばさんという感じで体はずんぐりしていて薄茶色のくりくりした短い髪をしていたのでした。

そこにけばけばしいピンクのヘアバンドを着けそのヘアバンドに合うふんわりしたピンクのカーディガンをローブの上から羽織っていました。それから魔女は少し顔を正面に向けるとゴブレットから一口だけ飲んだのでした。

ハリーはその顔を見て愕然としました。蒼白いガマガエルのような顔に弛(たる)んだ瞼と飛び出した両眼。その顔を知っていたからです。

3-3.ハリーの見知った魔女にグラブリー・プランク先生
ハリーが「アンブリッジって女だ!」と言うとハーマイオニーが「誰?」と訊くのでハリーは「僕の尋問にいた。ファッジの下で働いてる!」と答えました。するとロンが「カーディガンがいいねぇ」と言いニヤリとしました。

ハーマイオニーは顔をしかめて「ファッジの下で働いてるですって?」とハリーが言った言葉を繰り返しました。そして「なら一体どうしてここにいるの?」と訊いて来ました。ハリーはその問いに「さあ」と答えたのでした。

ハーマイオニーは目を凝らして教職員テーブルを眺め回すと「まさか。違うわまさか」と呟きました。ハリーはハーマイオニーが言った言葉の意味が理解できませんでしたが敢えてどういう意味かとは訊かなかったのでした。

むしろ教職員テーブルの後ろに今現れたグラブリー・プランク先生のほうに気を取られていました。テーブルの端まで進むとハグリッドが座るはずの席に着いたのです。つまり1年生が湖を渡って城に到着したという事になる。

そしてハリーが思った通りその直後には玄関ホールに続く扉が開いて怯えた顔の1年生がマクゴナガル先生を先頭にして長い列になって入って来ました。マクゴナガル先生は丸椅子を抱え上には組み分け帽子が載っていました。

魔法使いの三角帽子で継ぎはぎだらけですり切れたつばの際が大きく裂けています。マクゴナガル先生と1年生が入って来て大広間は静かになって来ました。1年生は教職員テーブルの前に生徒たちのほうを向き勢揃いしました。

マクゴナガル先生がその列の前に大事そうに丸椅子を置き後ろに退きました。1年生の青い顔が蝋燭の明かりで光っています。列の真ん中の小柄な男の子は震えているようでした。ハリーは自分の時の事を一瞬思い出しました。

あそこに立たされてどの寮に属するのかを決める未知のテストを待っていた時にどんなに怖かったのかを思い出したのでした。学校中が固唾を呑んで待ちました。すると帽子のつばの際の裂け目が口のように開いたのでした。

そして組み分け帽子が突然歌い出したのでした。

今日の最後に
ハリーたち3人の5年生の新学期初日のホグワーツの教職員テーブルには2つのサプライズつまり驚きの要素がありました。1つ目はもちろんハリーの懲戒尋問の際に魔法大臣コーネリウス・ファッジの隣にいた魔女がいた事です。

最初にハーマイオニーが見咎めてハリーが自分の懲戒尋問の時にいた魔女だと答えるとハーマイオニーはそのドローレス・アンブリッジを見ながらファッジの下で働いている魔女が何故ここにいるんだとそう指摘をしました。

ハリーが理由が分らぬとばかりに「さあ」と答えるとハーマイオニーは「まさか。違うわまさか」と呟きました。でもこの後ハーマイオニーの恐れは現実の事だったとダンブルドア校長の口から聞かされる事になるんですよね。

2つ目はグラブリー・プランク先生ですね。ハリーがその声を聞こうとしたらホグズミード駅のホームにハグリッドの姿はなくその代わりに1年生を呼び寄せていたのがグラブリー・プランク先生だったというわけなんですよね。

教職員テーブルの一番端つまりハグリッドが座るべき席にグラブリー・プランク先生が着いたのです。それはすなわちグラブリー・プランク先生が1年生を連れて湖を小舟で渡り城に来た事を意味していたというわけですよね。

その直後にはマクゴナガル先生を先頭に大広間に1年生が入って来たというわけなんですよね。
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